検体数≒入国者数のほぼ判明している状態が36週目に突入
厚生労働省(厚労省)は1日、空港検疫での新型コロナウイルス感染症(COVID-19)検査状況の9月3週目(9月12日〜9月18日)分の速報値を発表しました。この数字から行動歴別の入国者数が推定できます。
厚労省の速報は、週間の検体数と陽性者数を、日本国籍者、外国籍者別に、滞在国ごとに出した非常に細かいデータです。
1月9日から全入国者が検査対象となったため、COVID-19パンデミック後初めて検査数≒入国者数となっています。複数回検査する人や14日以内に複数国滞在した人もいるので、厳密には=ではありませんし、乗員は対象外ですが、検査数が入国者数に限りなく近づきました。
今回発表は、一週間分に過ぎませんが、これまで確認することが出来なかった、行動歴別のほぼ正確な入国者数が36週連続で判明しています。
ここのところ強制隔離(入国時と3日後の2回、または、6日後加えた3回、または、さらに10日後加えた4回)対象者が増加しているので、検体数>入国者数になっているものと推定されます。ご注意ください。
■日本国籍者が外国籍者を上回る
9月3週目は、検査数は16,952件(前週比-882件)と前週同様千件弱減少しました。減少幅が小さくなってきています。
日本国籍者は8,944件(前週比+112件)と微増です。外国籍者は8,008件(前週比-994件)と減少しています。日本国籍者が外国籍者を上回りました。
■減少国が多い
国別で見ると、入国者数最多は米国で3,978件(前週比+121件)でした。
二番目は中国で2,024件(前週比-196件)。
三番目は韓国で1,220件(前週比-147件)と珍しく3週連続で千人を超えました。
四番目はフィリピンで1,170件(前週比+84件)。ここまでは先週と同順番でした。
五番目はドイツが上昇し570件(前週比+17件)。数は大きな変化なしです。
六番目はタイで546件(前週比-112件)と3週連続で減少中です。
七番目はベトナムが537件(前週比-124件)で増加傾向から一気に減少に転じました。
八番目はインドネシアで488件(前週比+105件)と増加。
九番目はフランスで432件(前週比-40件)と減少が続いています。
九番目は英国で377件(前週比-76件)でした。
パラリンピック需要の臨時的な需要の増減が完全に落ち着きました。
感染が急激悪化していたタイの日本人緊急帰国も落ち着いてきています。インドネシアは再び増加に転じました。
この週は、検体数(≒入国者数)が減少した国が多かった印象です。
■欧米は邦人多く、東南アジアは日外半々、東アジアは外人多い印象
日本人が多いのは、上位十位までの国では、米国、ドイツ、タイ、フランス、英国でした。
米国は、日本国籍者2,580件・外国籍者1,398件。ほぼ外国籍者の増加。
ドイツは、日本国籍者432件・外国籍者138件。2週連続で日本国籍者は微増、外国籍者は微減。
タイは、日本国籍者452件・外国籍者94件。ほぼ日本国籍者の減少。3週連続で日本国籍者が一気に減少しました。現地感染の悪化で日本人の逃げ帰りが続いているものとみられていましたが、落ち着いた模様です。
フランスは、日本国籍者315件・外国籍者117件。日本国籍者は増加、外国籍者は減少。外国籍者の減少幅が小さくなっており、パラリンピック需要が完全になくなった後と推定されます。
英国は、日本国籍者273件・外国籍者104件。2週連続で日外ともに減少です。
日本人と外国人が同じくらいなのは、上位十位までの国では、ベトナムとインドネシアでした。
ベトナムは、日本国籍者301件・外国籍者236件。日本国籍者増加、外国籍者減少で同じくらいになりました。
インドネシアは、日本国籍者207件・外国籍者281件。外国籍者100件近いの増加。3週前まで現地感染が悪化に伴う日本国籍者が増えていましたが、日本人の逃げ帰りが落ち着き、技能実習生の渡航がジリジリ再開しているとみられます。
外国人が多いのは、上位十位までの国では、中国、韓国、フィリピンでした。
中国は、日本国籍者827件・外国籍者1,197件。日本国籍者急増、外国籍者急減。それでも外国籍の方が多いです。
韓国は、日本国籍者334件・外国籍者886件。ほぼ外国籍者の減少。それでも外国籍の方が多いです。
外国人がずっと多いままの筆頭は相変わらずフィリピンで、日本国籍者168件・外国籍者1,002件。日外ともに増加しています。
この他、十位以内に入っていませんが、
11番目のイタリア、12番目のカナダは日本国籍者の方が多いです。
14番目のマレーシアは日外同じぐらいです。
13番目のロシア、15番目のブラジルは外国籍者の方が多いです。
なお、10日間強制隔離対象期間の関係する10か国のうち、上記にない9か国は、
バングラデシュ 68件(前週比-19件)=日本国籍者は増加、外国籍者は激減。
ネパール 16件(前週比-94件)=全て外国籍者の減少。日本国籍者10人のまま。直行便運航なしで外人の渡航がほぼなかった状態です。飛行機運航で渡航者の増減が決まる典型的な国ですね。
インド 161件(前週比-122件)=ほぼ外国籍者の減少(半減以下)。
パキスタン 138件(前週比-54件)=2週連続でほぼ外国籍者の減少。爆増した外人の流入が少し落ち着き始めているでしょうか。
スリランカ 32件(前週比-4件)=日本国籍者微増、外国籍者減少。
モルディブ 8件(前週比-2件)=日本国籍者6件・外国籍者2件。
アフガニスタン 10件(前週比+3件)=日本国籍者2件・外国籍者8件。タリバンが実権を握った後ですが、数人入国者が出ています。9月12日〜9月13日にかけて国際協力機構のアフガニスタン人スタッフの家族10人が入国したと報道されていましたが、外国籍者はなぜか8件ですね。当時6日間強制隔離期間なので、この週に最低でも20件入るはずですが、短期滞在だから検査しないということなのでしょうか???謎です。
キルギス 9件(前週比-8件)=日本国籍者1件・外国籍者8件。
ザンビア 5件(前週比-3件)=日本国籍者消滅、外国籍者全増。
でした。
・欧州の多くの国が、外国籍者は減少し切った印象。
・ベトナム、タイ、インドネシアの東南アジア感染急増国からの日本人緊急帰国は落ち着き
・東アジアは外国籍者多い
・東南アジアは日外半々
・南アジアは多かった外国籍者がやや減少気味
といった傾向になっています。
罹患状況などの詳細の分析は別途で記事にします。
■水際対策(厚生労働省公式サイト)
https://www.mhlw.go.jp/stf/covid-19/kansenkakudaiboushi-iryouteikyou.html#h2_7
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