2021年10月09日

検疫週間速報9月4_邦人減外人増

◇空港検疫(週間速報)9月4週目 検体数・陽性数とも邦人減・外人増、全体では前週とほぼ同数

厚生労働省(厚労省)は10月8日、空港検疫での新型コロナウイルス感染症検査状況の9月4週目(9月19日〜9月25日)分の速報値を発表しました。

厚労省の速報は、週間の検体数と陽性者数を、日本国籍者、外国籍者別に、滞在国ごとに出した非常に細かいデータです。2020年11月11日以降毎週金曜日に過去4週間分が発表されています。10月1日の公表で、2020年10月4日〜2021年9月25日分が公表されたことになります。
速報のため、日々の発表のデータとかなりのズレが生じてる場合もありますが、分析に活用できます。

[罹患状況推移分析] 邦人は改善・外人は率横ばいも入国増で陽性も増加
2020年
10/04-10/10 検体12,421・陽性57=罹患率0.46%(日本国籍0.46%:外国籍0.46%)
10/11-10/17 検体 7,364・陽性24=罹患率0.33%(日本国籍0.29%:外国籍0.34%)
10/18-10/24 検体12,213・陽性46=罹患率0.38%(日本国籍0.39%:外国籍0.37%)
10/25-10/31 検体17,833・陽性47=罹患率0.26%(日本国籍0.22%:外国籍0.29%)
  <11/01〜入国者の多い低感染国9か国が検査解除>
11/01-11/07 検体10,589・陽性84=罹患率0.79%(日本国籍0.75%:外国籍0.83%)
11/08-11/14 検体10,823・陽性89=罹患率0.82%(日本国籍0.54%:外国籍1.02%)
11/15-11/21 検体11,627・陽性79=罹患率0.68%(日本国籍0.52%:外国籍0.79%)
11/22-11/28 検体13,789・陽性90=罹患率0.65%(日本国籍0.61%:外国籍0.65%)
11/29-12/05 検体14,226・陽性89=罹患率0.63%(日本国籍0.50%:外国籍0.74%)
12/06-12/12 検体16,488・陽性86=罹患率0.52%(日本国籍0.43%:外国籍0.64%)
12/13-12/19 検体18,554・陽性74=罹患率0.40%(日本国籍0.28%:外国籍0.62%)
12/20-12/26 検体18,835・陽性98=罹患率0.52%(日本国籍0.51%:外国籍0.54%)
12/27-01/02 検体13,123・陽性83=罹患率0.63%(日本国籍0.49%:外国籍0.75%)
2021年
01/03-01/09 検体14,098・陽性76=罹患率0.54%(日本国籍0.23%:外国籍0.72%)
  <01/09〜全入国者検査開始>
01/10-01/16 検体21,399・陽性67=罹患率0.31%(日本国籍0.31%:外国籍0.31%)
01/17-01/23 検体22,678・陽性41=罹患率0.18%(日本国籍0.31%:外国籍0.15%)
01/24-01/30 検体10,076・陽性25=罹患率0.25%(日本国籍0.12%:外国籍0.37%)
01/31-02/06 検体10,435・陽性20=罹患率0.19%(日本国籍0.13%:外国籍0.27%)
02/07-02/13 検体 9,423・陽性19=罹患率0.20%(日本国籍0.15%:外国籍0.26%)
02/14-02/20 検体 9,523・陽性19=罹患率0.20%(日本国籍0.11%:外国籍0.28%)
02/21-02/27 検体11,779・陽性23=罹患率0.20%(日本国籍0.22%:外国籍0.17%)
02/28-03/06 検体14,086・陽性29=罹患率0.21%(日本国籍0.16%:外国籍0.26%)
03/07-03/13 検体14,467・陽性27=罹患率0.19%(日本国籍0.14%:外国籍0.25%)
03/14-03/20 検体17,879・陽性49=罹患率0.27%(日本国籍0.20%:外国籍0.41%)
03/21-03/27 検体14,040・陽性42=罹患率0.30%(日本国籍0.15%:外国籍0.48%)
03/28-04/03 検体14,615・陽性70=罹患率0.48%(日本国籍0.24%:外国籍0.81%)
04/04-04/10 検体12,694・陽性62=罹患率0.49%(日本国籍0.16%:外国籍0.85%)
04/11-04/17 検体11,974・陽性74=罹患率0.62%(日本国籍0.40%:外国籍0.90%)
04/18-04/24 検体11,268・陽性60=罹患率0.53%(日本国籍0.26%:外国籍0.89%)
04/25-05/01 検体13,039・陽性95=罹患率0.73%(日本国籍0.29%:外国籍1.30%)
05/02-05/08 検体11,551・陽性82=罹患率0.71%(日本国籍0.25%:外国籍1.29%)
05/09-05/15 検体12,891・陽性50=罹患率0.39%(日本国籍0.23%:外国籍0.59%)
05/16-05/22 検体11,644・陽性39=罹患率0.33%(日本国籍0.33%:外国籍0.34%)
05/23-05/29 検体13,680・陽性32=罹患率0.23%(日本国籍0.19%:外国籍0.29%)
05/30-06/05 検体16,066・陽性40=罹患率0.25%(日本国籍0.14%:外国籍0.41%)
06/06-06/12 検体16,515・陽性17=罹患率0.10%(日本国籍0.08%:外国籍0.14%)
06/13-06/19 検体16,771・陽性44=罹患率0.26%(日本国籍0.18%:外国籍0.39%)
06/20-06/26 検体16,536・陽性45=罹患率0.27%(日本国籍0.19%:外国籍0.41%)
06/27-07/03 検体22,338・陽性60=罹患率0.27%(日本国籍0.24%:外国籍0.32%)
07/04-07/10 検体23,362・陽性79=罹患率0.34%(日本国籍0.38%:外国籍0.29%)
07/11-07/17 検体32,329・陽性97=罹患率0.30%(日本国籍0.44%:外国籍0.22%)
07/18-07/24 検体35,885・陽性67=罹患率0.19%(日本国籍0.33%:外国籍0.13%)
07/25-07/31 検体24,273・陽性89=罹患率0.37%(日本国籍0.50%:外国籍0.24%)
08/01-08/07 検体21,987・陽性94=罹患率0.43%(日本国籍0.33%:外国籍0.57%)
08/08-08/14 検体19,809・陽性78=罹患率0.39%(日本国籍0.37%:外国籍0.42%)
08/15-08/21 検体25,444・陽性101=罹患率0.40%(日本国籍0.38%:外国籍0.40%)
08/22-08/28 検体20,067・陽性69=罹患率0.34%(日本国籍0.30%:外国籍0.38%)
08/29-09/04 検体18,832・陽性86=罹患率0.46%(日本国籍0.32%:外国籍0.60%)
09/05-09/11 検体17,834・陽性78=罹患率0.44%(日本国籍0.29%:外国籍0.58%)
09/12-09/18 検体16,952・陽性56=罹患率0.33%(日本国籍0.19%:外国籍0.49%)

09/19-09/25 検体16,964・陽性56=罹患率0.33%(日本国籍0.13%:外国籍0.48%)

今週の検体数は、日本国籍者は急減、外国籍者は急増。日外比率は1:1.37と一気に外国籍者の方が多くなりました。
今週の陽性数は、日本国籍者8人減、外国籍者8人増。日外比率は1:5.2です。日本国籍者の改善が著しく、外国籍者がとにかく多い印象です。

検査対象が全入国者になっています。検査数(≒入国者)の多さは、米国、中国、フィリピン、韓国、フランスの順でした。
日本人は7,165件でした。前週より1800件弱も減少しています。12月4週目の12,354件を6週連続で下回っています。
外国人は9,799件。1800件弱も増えました。1月3週目の17,873件のまだ半数ほどで、4週連続で1万人を切っているものの、目に見えて増えました。

前週と比べると、日本国籍者は、検査数が20%減少に対して陽性者数は47%減少。外国籍者は検査数が22%増加に対して陽性者数は21%増加です。
この結果、罹患率は、日本国籍者はやや改善、外国籍者は横ばいでした。

全体の罹患率は0.33%で横ばいでした。全体の数は検体数・陽性者数ともに前週とほぼ同じですが、中身が大きく変化しています。


[陽性者数多い国分析] 18か国/インドネシアは収束、パキスタンは改善、ネパールが劇的悪化
今週陽性者が確認されたのは、前週に続いて陽性者が出ているフィリピン、米国、モンゴル、パキスタン、スリランカ、英国、フランスなどを含めて18か国(前週比±0)からの入国者に陽性者が出ました。前週に一気に減った国数と同数でした。

フィリピンが12人(前週比-6人)と最悪が変わらず。日本国籍者1人、外国籍者11人。検体数が1:11位ですので、罹患率は日本国籍者の方が悪い状態が続いていましたが、横並びになりました。
急増したのがネパール11人(前週比皆増)。航空便の復活とともに陽性者の入国も復活してしまいました。日本国籍者1人、外国籍者10人。検体数が1:100位ですので、罹患率は今週は日本国籍者の方が悪いです(いつもはほぼ日本国籍者の陽性者はいません)。

米国が6人(前週比±0人)。前週半減した状態が続きました。日本国籍者2人、外国籍者4人とこちらも前週同様でした。3日間隔離がなくなりましたが、陽性発生状況に大きな変化なしです。
続いてケニアが4人(前週比皆増)。同じ団体の感染と特異な状況だったと推定されます。

この後は、モンゴル(前週比+1人)とパキスタンが(前週比-7人)が3人で並びました。モンゴルの1人のみ日本国籍者です。
パキスタンは、8月13日に在留資格保持者の再入国拒否を解除し、翌14日に強制隔離期間を入国後3日間に緩和してから悪化が続いていましたが、急に少し落ち着いた印象です。

2人だったのは5か国。インド(前週比皆増)、スリランカ(前週比+1人)、トルコ(前週比皆増)、バングラデシュ(前週比皆増)、ロシア(前週比皆増)です。なんと全員外国籍者です
残り7か国は1人ずつで、英国、キューバ、フランス、ベナンの4か国が日本国籍者でした。

インドネシアは2週連続少人数の後、ついに0人で、現地の感染悪化の影響は、完全に消滅しました。


[罹患率高い国分析] 1%超えは18か国中11か国/国際線到着空港は超危険
最も罹患率が悪かったのは、キューバ50.00%(検体2件中1人陽性=全て日本国籍者)とベナン50.00%(検体2件中1人陽性=日本国籍者検体1件中1人陽性)でした。続いてモンゴル11.11%(検体27件中3人陽性=日本国籍者検体2件中1人陽性)でした。
以上の3か国が二桁割合(10%以上)です。

この後は、
ガーナ4.35%(検体23件中1人陽性=外国籍者検体22件中1人陽性)
シリア4.00%(検体25件中1人陽性=全員外国籍者)
ケニア2.90%(検体138件中4人陽性=外国籍者検体121件中4人陽性)※同一団体の特異事例と推定
バングラデシュ2.86%(検体70件中2人陽性=外国籍者検体46件中2人陽性)
パキスタン2.22%(検体135件中3人陽性=外国籍者検体118件中3人陽性)
ネパール2.10%(検体523件中11人陽性=日本国籍者検体5件中1人陽性)
スリランカ1.98%(検体101件中2人陽性=外国籍者検体94件中2人陽性)
トルコ1.53%(検体131件中2人陽性=外国籍者検体72件中2人陽性)
と続きました。
1%(100人に1人陽性)超えは以上の11か国とだいぶ減りました。

モンゴル、パキスタン、スリランカが連続で1%超えの異常状態でした。
前週と比較すると、モンゴルは急増、パキスタンは割合が急減、スリランカは半減程度です。
パキスタンはずっと1%超えが続いています。

※注意:検体数=入国者数ではありませんので、実際の罹患率は出ている数字より高いはずです。


[航空便利用者数分析] 検体数はほぼ変わらないのに航空利用者は急減
合計の利用者数は24,531人(前週比-1,138人)と急減でした。検体数は前週とほぼ同じなのに航空利用者が急減しているのは、日本国籍者の減少がそのまま反映されたとみられます。(それだけ外国籍者は日本経由での第三国への移動が多いということ?)
最多は米国便で6,247人(前週比+111人)、中国便が2,830人(前週比-246人)、フィリピン便が2,471人(前週比-619人)と続いています。

今週は増加国・減少国は半々な状況でした。
増加している国:最も人数が増えたのは、フランス便1,161人(前週比+412人)。オランダ便703人(前週比+184人)が続いています。
皆増した国:ネパール112人です。ネパールは減便された定期便です。検体数増加に比べて増加人数は大幅に少ないですね。航空便復活だけが外国籍者の移動増加の要因とは言えないかもしれません。

減少している国:最も人数が減ったのは、フィリピン便。韓国便1,107人(前週比-401人)、インドネシア便749人(前週比-392人)、タイ便897人(前週比-353人) 、中国便と続いています。
皆減した国:モンゴル便(79人)です。モンゴル便は臨時便で、久々に運航がありませんでした。

相変わらず利用者数の多いニューカレドニアは入国者数は0人でした。



毎週データは更新されているようですので、今後も注視していきます。

週間速報内容
09/19-09/25
全検査
合計 検体16,964/陽性 56 0.33%
日本 検体 7,165/陽性 9 0.13%
外国 検体 9,799/陽性 47 0.48%


検体数の多い国
米  国:合計 検体3,996、陽性 6=0.15%
  日本国籍 検体2,410 陽性 2=0.08%/外国籍 検体1,586 陽性 4=0.25%
中  国:合計 検体2,146、陽性 0=0%
  日本国籍 検体 620 陽性 0=0%/外国籍 検体1,526 陽性 0=0%
フィリピン:合計 検体1,245、陽性12=0.96%
  日本国籍 検体 106 陽性 1=0.94%/外国籍 検体1,139 ​陽性11=0.96%
韓  国:合計 検体 874 陽性 0=0%
  日本国籍 検体 184 陽性 0=0%/外国籍 検体 690 陽性 0=0%
フランス:合計 検体 529、陽性 1=0.19%
  日本国籍 検体 335 陽性 1=0.30%/外国籍 検体 194 陽性 0=0%

罹患率の高い国
キューバ:合計 検体 2、陽性 1=50.00%
  日本国籍 検体 2 陽性 1=50.00%/外国籍 検体 0 陽性 0=0%
ベ ナ ン:合計 検体 2、陽性 1=50.00%
  日本国籍 検体 1 陽性 1=100.00%/外国籍 検体 1 陽性 0=0%
モンゴル:合計 検体 27、陽性 3=11.11%
  日本国籍 検体 2 陽性 1=50.00%/外国籍 検体 25 陽性 2=8.00%
ガ ー ナ:合計 検体 23、陽性 1=4.35%
  日本国籍 検体 1 陽性 0=0%/外国籍 検体 22 陽性 1=4.55%
シ リ ア:合計 検体 25、陽性 1=4.00%
  日本国籍 検体 0 陽性 0=0%/外国籍 検体 25 陽性 1=4.00%


毎日の個別発表との誤差状況(9月19日〜9月25日)
(A)週間発表(今回の滞在国・地域ごとの検査実績発表):56人
(B)毎日発表:55人中非公表0人(複数国滞在者1人=インド/ロシア)

 (誤差が出ている国)Aが超過していると非公表の可能性有
 誤差なし


水際対策(厚生労働省公式サイト)
https://www.mhlw.go.jp/stf/covid-19/kansenkakudaiboushi-iryouteikyou.html#h2_7


STAY HOME NOW, FLY LATER

ラベル:感染症 検疫
posted by johokotu at 02:00| 東京 ☀| Comment(0) | ◇COVID-19関連 | 更新情報をチェックする
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