9月20日に入国後の強制隔離が大幅緩和になり、10月1日もさらなる緩和が行われました。この影響なのか、東京都で海外渡航者の陽性事例が増加を始めているほか、千葉県では居住地海外の事例が止まりません。
■東京都の海外渡航者の陽性事例が増加
東京都では、毎日の発表で14日以内海外渡航歴有事例を、人数のみですが公開しています。この人数を追うことで、空港検疫のすり抜け状況が推定できます。
10月2日配信記事「九月東京都は検疫すり抜け陽性パラリンピック閉会後に激減!!」で記載したとおり、東京都での14日以内海外渡航歴有の陽性事例は、9月10日を境に一気に減少していました。しかし、その後、10月6日から3日連続で発覚。空港検疫を見事にすり抜けた事例が増え始めています。
東京都では、10月1週目は陽性者数が2桁人数の日も出るなど、7月や8月に比べると陽性者が減り、緊急事態宣言も解除されました。
全体の数が急速に減る中で、空港検疫すり抜けが増えてきていることから、市中へのウイルス密輸・拡大が強く懸念される事態になっています。
9月20日に入国後の強制隔離が大幅緩和になり、10月1日もさらなる緩和が行われました。当然、すり抜ける人は多くなっていると推定されており、それが裏付けられた状況です。
⇒単純に考えると、強制隔離が緩和されたことが原因と推定されるので、規制緩和の中止やすり抜け対策を強化した方が良いと思われる結果
■千葉県の居住地海外陽性者は減らず
一方、7月23日配信記事「新型コロナウイルス感染症 空港検疫すり抜けが大幅増加中?千葉県感染者データで国外居住者急増 今年既に100人超」で記載したとおり、千葉県では、今年発生分は海外渡航者事例を分けていませんが、居住地が「海外」とする事例のほとんどが、海外渡航歴事例であることが報じられています。
成田国際空港を抱える千葉県のこの数字を見ることで、すり抜けが減っているのか増えているのかを推定できます。
今年1月以降の国外居住者の陽性者発生状況を見ると、
患 者 10人:1月0人、2月0人、3月0人、4月5人、5月1人、6月0人、7月4人、8月1人、9月1人、10月1人
無症状 102人:1月6人、2月5人、3月0人、4月15人、5月25人、6月30人、7月31人、8月25人、9月33人、10月6人
となっています。(青文字は上記7月23日配信記事以降の追加分)
こちらは東京都のように9月20日以降に増えているという状況ではなく、ずっとすり抜けが多い状態が続いています。10月になってもその傾向は大きな変化はありません。
こちらの結果だけで見るのであれば、「強制隔離をしようがしまいが、すり抜けは大量に起きている」ということになります。
「ということは強制隔離なんて意味ないじゃん」と考える人もいるかもしれないですが、それはむしろ逆。常にすり抜けてしまうのだから、14日間強制隔離すべきという結論になってしまうデータになってしまいました。
ただ、注意すべきはこれまで空港検疫の強制隔離状況です。これまで14日間強制隔離はほぼしていません(多くの国は3日間、最大でも10日間)ので、後述の結果(発症のピークは入国3日〜5日後)と合わせると、すり抜けの多くが入国3日〜5日後とも考えられます。そうであるならば、14日間の強制隔離の必要はなく、6日間強制隔離を最低限やる→それですり抜け減らぬなら10日間、14日間と延ばすべしという考えになるような気がします。各都道府県が、海外渡航者陽性事例の入国日と渡航元、発症日を公表してくれれば、空港検疫の強制隔離期間の設定も超簡単になるはずなのですが、個人情報保護を目的に開示はしてくれませんね、、、。
⇒単純に考えると、とにかくすり抜けてしまうと推定されるので、14日間強制隔離した方が良いと思われる結果
■発症のピークは入国3日〜5日後
8月22日配信記事「空港検疫すり抜け事例 東京五輪分の分析で、入国アスリート等の発症は入国ピークの3〜5日後にピーク」でも記載したとおり、五輪アスリートの場合(=検査が入国時だけの入国者)の発症のピークは、入国3日〜5日後でした。
9月下旬には、すり抜けが出ると推定されるデータしかないことを4回にわたり記事にしました。
9月19日配信記事「空港検疫分析 強制隔離を止めると半数は捉えられず すり抜けは明らかなことをデータが物語る」
9月20日配信記事「空港検疫 強制隔離を止めると八割は無症状で捉えられず すり抜けは明らかなことをデータが物語る」
9月20日配信記事「空港検疫 強制隔離を止めると逃亡者を捉えられず すり抜け逃亡は明らかなことをデータが物語る」
9月23日配信記事「空港検疫 強制隔離を止めると陽性者激減の可能性 すり抜けは明らかなことをデータが物語る」
9月20日と10月1日に強制隔離期間が3日間から無しになった国が非常に多くあります。これらの国からの入国者は、条件が五輪アスリートと同じですから、同じように入国3日〜5日後にピークを迎えていると考えられます。この点だけを考えると、東京都で10月6日から海外渡航歴有の陽性事例が出ているのは、完全に分析と合致した結果になっています。
日本国内の陽性事例は3桁台となる日も出てきました。しかし、空港だけは罹患率がほとんど変化がありません。
五輪が終わっても、日本国内の感染が低調になっても、ワクチンが普及しても、空港検疫での陽性確認が悪い状況はあまり変わりません。
それは当たり前と言えば当たり前。日本国内が感染状況が低調になっても、連動して海外が低調になるわけではないので、、、。
1年ぶりに国内で浮かれるのは心情的に仕方がないのかなとは思いますが、国内とは状況が全く異なる海外からの流入(空港検疫)に関しては、まだ油断している場合ではないです。
「Airport is dangerous」の原因は、どっからどう見ても、一般の入国者とそれを迎える国内関係者です(五輪関係者に責任転嫁するのは筋違い)。空港に迎えに行かないことや、入国後14日間の自主隔離は、非常に大変ですが、ぜひ守って頂きたいですね。
空港検疫でのすり抜けは必ず発生します。
入国者が家族と接触しなけりゃ、家族に感染は拡がりません。
入国者が友人と接触しなけりゃ、友人に感染は拡がりません。
入国者が他人と接触しなけりゃ、他人に感染は拡がりません。
家族が入国者と接触しなけりゃ、家族に感染は拡がりません。
友人が入国者と接触しなけりゃ、友人に感染は拡がりません。
他人が入国者と接触しなけりゃ、他人に感染は拡がりません。
入国者が国内で接触しなけりゃ、国内に感染は拡がりません。
入国時検査の陽性・陰性は関係ありません。
入国時に検査するかしないかは関係ありません。
超人能力を持った選手かVIPか下々の者かは関係ありません。
変異株かどうかも関係ありません。
ワクチンを打ったか打たなかったかは関係ありません。
入国者は油断して国内にウイルスを密輸している場合ではないです。
国内居住者は油断して自らウイルスをもらいに行っている場合ではないです。
自主隔離中の入国者・受入者は油断して密輸したウイルスを国内にばらまいている場合ではないです。
いまこそ、14日間の自主隔離をしっかり行いませんか。
入国者が家族と接触しなけりゃ、家族に感染は拡がりません。
入国者が友人と接触しなけりゃ、友人に感染は拡がりません。
入国者が他人と接触しなけりゃ、他人に感染は拡がりません。
家族が入国者と接触しなけりゃ、家族に感染は拡がりません。
友人が入国者と接触しなけりゃ、友人に感染は拡がりません。
他人が入国者と接触しなけりゃ、他人に感染は拡がりません。
入国者が国内で接触しなけりゃ、国内に感染は拡がりません。
入国時検査の陽性・陰性は関係ありません。
入国時に検査するかしないかは関係ありません。
超人能力を持った選手かVIPか下々の者かは関係ありません。
変異株かどうかも関係ありません。
ワクチンを打ったか打たなかったかは関係ありません。
入国者は油断して国内にウイルスを密輸している場合ではないです。
国内居住者は油断して自らウイルスをもらいに行っている場合ではないです。
自主隔離中の入国者・受入者は油断して密輸したウイルスを国内にばらまいている場合ではないです。
いまこそ、14日間の自主隔離をしっかり行いませんか。
■患者の発生について|新型コロナウイルス感染症(千葉県公式サイト)
https://www.pref.chiba.lg.jp/shippei/press/2019/ncov-index.html
■東京都で確認されている海外渡航歴有事例(今年発表分)
1月31日間:27人
2月28日間:7人※2/28分の発表は公表無し
3月31日間:12人
4月30日間:22人
5月31日間:18人
6月30日間:15人
7月31日間:51人
8月31日間:51人
9月01日:1人
9月02日:2人
9月03日:0人
9月04日:0人
9月05日:0人(パラ閉会式当日)
9月06日:0人(パラ選手出国ピークこの辺)
9月07日:2人
9月08日:1人
9月09日:1人
9月10日:2人
9月11日:0人
9月12日:0人
9月13日:0人
9月14日:2人
9月15日:0人
9月16日:0人
9月17日:0人
9月18日:0人
9月19日:0人
9月20日:0人
9月21日:0人
9月22日:0人
9月23日:0人
9月24日:0人
9月25日:0人
9月26日:0人
9月27日:0人
9月28日:0人
9月29日:1人
9月30日:0人
→9月30日間:12人
10月1日:0人
10月2日:0人
10月3日:0人
10月4日:0人
10月5日:0人
10月6日:1人
10月7日:1人
10月8日:1人
10月9日:0人
■千葉県発表の居住地が国外の事例(今年7月22日以降確認分)
(患者)
No. 年代 性別 居住地 区分 発症日 検査確定日
52987 50代 男性 国外 調査中 - 8月7日
88959 50代 男性 国外 - - 9月27日
89216 40代 男性 国外 - - 10月3日
<無症状病原体保有者>
No. 年代 性別 居住地 区分 検査確定日
6990 30代 男性 国外 その他 7月22日
6992 20代 男性 国外 その他 7月22日
6993 30代 男性 国外 その他 7月23日
7172 40代 男性 国外 その他 7月26日
7173 20代 男性 国外 その他 7月26日
7174 30代 男性 国外 その他 7月27日
7265 30代 女性 国外 県内発生 7月28日
7386 20代 女性 国外 県内発生 7月30日
7387 20代 男性 国外 その他 7月30日
7442 20代 男性 国外 その他 7月31日
7535 40代 女性 国外 調査中 8月3日
7929 30代 男性 国外 その他 8月9日
7990 20代 男性 国外 その他 8月9日
7991 30代 男性 国外 その他 8月9日
8002 30代 男性 国外 調査中 8月9日
8069 20代 男性 国外 - 8月11日
8073 30代 男性 国外 - 8月11日
8257 20代 男性 国外 - 8月12日
8260 30代 男性 国外 - 8月14日
8369 30代 男性 国外 - 8月14日
8370 20代 男性 国外 - 8月14日
8371 50代 男性 国外 - 8月14日
8372 20代 男性 国外 - 8月14日
8373 20代 男性 国外 - 8月14日
8374 40代 男性 国外 - 8月14日
8432 20代 男性 国外 - 8月15日
8433 30代 男性 国外 - 8月15日
8434 20代 男性 国外 - 8月15日
8701 30代 男性 国外 - 8月17日
8702 40代 男性 国外 - 8月17日
9048 30代 男性 国外 - 8月21日
9376 40代 男性 国外 - 8月23日
9724 50代 男性 国外 - 8月28日
9726 30代 男性 国外 - 8月31日
10099 30代 男性 国外 - 9月3日
10100 20代 男性 国外 - 9月3日
10101 30代 男性 国外 - 9月3日
10102 30代 男性 国外 - 9月4日
10156 20代 男性 国外 - 9月6日
10157 30代 男性 国外 - 9月6日
10270 30代 男性 国外 - 9月7日
10271 40代 男性 国外 - 9月8日
10327 40代 男性 国外 - 9月9日
10407 20代 男性 国外 - 8月31日
10435 40代 男性 国外 - 9月11日
10436 30代 男性 国外 - 9月11日
10437 20代 男性 国外 - 9月12日
10438 30代 男性 国外 - 9月12日
10439 50代 男性 国外 - 9月12日
10440 20代 男性 国外 - 9月12日
10514 20代 男性 国外 - 9月15日
10566 30代 男性 国外 - 9月19日
10567 40代 男性 国外 - 9月19日
10568 40代 男性 国外 - 9月19日
10569 20代 男性 国外 - 9月19日
10588 20代 男性 国外 - 9月18日
10608 30代 男性 国外 - 9月19日
10645 30代 男性 国外 - 9月7日
10665 20代 男性 国外 - 9月26日
10675 50代 男性 国外 - 9月27日
10679 40代 男性 国外 - 9月26日
10691 60代 男性 国外 - 9月29日
10692 30代 男性 国外 - 9月30日
10703 20代 男性 国外 - 9月30日
10704 40代 男性 国外 - 9月30日
10705 40代 男性 国外 - 9月30日
10706 20代 男性 国外 - 9月30日
10716 30代 男性 国外 - 10月1日
10717 20代 男性 国外 - 10月2日
10746 20代 男性 国外 - 10月4日
10747 20代 男性 国外 - 10月5日
10750 30代 男性 国外 - 10月7日
10751 30代 男性 国外 - 10月8日
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