◇空港検疫(週間速報)10月3週目 前週と同程度の罹患率に落ち着き
厚生労働省(厚労省)は11月5日、空港検疫での新型コロナウイルス感染症検査状況の10月3週目(10月17日〜10月23日)分の速報値を発表しました。
厚労省の速報は、週間の検体数と陽性者数を、日本国籍者、外国籍者別に、滞在国ごとに出した非常に細かいデータです。2020年11月11日以降毎週金曜日に過去4週間分が発表されています。11月5日の公表で、2020年10月4日〜2021年10月23日分が公表されたことになります。
速報のため、日々の発表のデータとかなりのズレが生じてる場合もありますが、分析に活用できます。
■[罹患状況推移分析] 罹患率は前週と同傾向
2020年
10/04-10/10 検体12,421・陽性57=罹患率0.46%(日本国籍0.46%:外国籍0.46%)
10/11-10/17 検体 7,364・陽性24=罹患率0.33%(日本国籍0.29%:外国籍0.34%)
10/18-10/24 検体12,213・陽性46=罹患率0.38%(日本国籍0.39%:外国籍0.37%)
10/25-10/31 検体17,833・陽性47=罹患率0.26%(日本国籍0.22%:外国籍0.29%)
<11/01〜入国者の多い低感染国9か国が検査解除>
11/01-11/07 検体10,589・陽性84=罹患率0.79%(日本国籍0.75%:外国籍0.83%)
11/08-11/14 検体10,823・陽性89=罹患率0.82%(日本国籍0.54%:外国籍1.02%)
11/15-11/21 検体11,627・陽性79=罹患率0.68%(日本国籍0.52%:外国籍0.79%)
11/22-11/28 検体13,789・陽性90=罹患率0.65%(日本国籍0.61%:外国籍0.65%)
11/29-12/05 検体14,226・陽性89=罹患率0.63%(日本国籍0.50%:外国籍0.74%)
12/06-12/12 検体16,488・陽性86=罹患率0.52%(日本国籍0.43%:外国籍0.64%)
12/13-12/19 検体18,554・陽性74=罹患率0.40%(日本国籍0.28%:外国籍0.62%)
12/20-12/26 検体18,835・陽性98=罹患率0.52%(日本国籍0.51%:外国籍0.54%)
12/27-01/02 検体13,123・陽性83=罹患率0.63%(日本国籍0.49%:外国籍0.75%)
2021年
01/03-01/09 検体14,098・陽性76=罹患率0.54%(日本国籍0.23%:外国籍0.72%)
<01/09〜全入国者検査開始>
01/10-01/16 検体21,399・陽性67=罹患率0.31%(日本国籍0.31%:外国籍0.31%)
01/17-01/23 検体22,678・陽性41=罹患率0.18%(日本国籍0.31%:外国籍0.15%)
01/24-01/30 検体10,076・陽性25=罹患率0.25%(日本国籍0.12%:外国籍0.37%)
01/31-02/06 検体10,435・陽性20=罹患率0.19%(日本国籍0.13%:外国籍0.27%)
02/07-02/13 検体 9,423・陽性19=罹患率0.20%(日本国籍0.15%:外国籍0.26%)
02/14-02/20 検体 9,523・陽性19=罹患率0.20%(日本国籍0.11%:外国籍0.28%)
02/21-02/27 検体11,779・陽性23=罹患率0.20%(日本国籍0.22%:外国籍0.17%)
02/28-03/06 検体14,086・陽性29=罹患率0.21%(日本国籍0.16%:外国籍0.26%)
03/07-03/13 検体14,467・陽性27=罹患率0.19%(日本国籍0.14%:外国籍0.25%)
03/14-03/20 検体17,879・陽性49=罹患率0.27%(日本国籍0.20%:外国籍0.41%)
03/21-03/27 検体14,040・陽性42=罹患率0.30%(日本国籍0.15%:外国籍0.48%)
03/28-04/03 検体14,615・陽性70=罹患率0.48%(日本国籍0.24%:外国籍0.81%)
04/04-04/10 検体12,694・陽性62=罹患率0.49%(日本国籍0.16%:外国籍0.85%)
04/11-04/17 検体11,974・陽性74=罹患率0.62%(日本国籍0.40%:外国籍0.90%)
04/18-04/24 検体11,268・陽性60=罹患率0.53%(日本国籍0.26%:外国籍0.89%)
04/25-05/01 検体13,039・陽性95=罹患率0.73%(日本国籍0.29%:外国籍1.30%)
05/02-05/08 検体11,551・陽性82=罹患率0.71%(日本国籍0.25%:外国籍1.29%)
05/09-05/15 検体12,891・陽性50=罹患率0.39%(日本国籍0.23%:外国籍0.59%)
05/16-05/22 検体11,644・陽性39=罹患率0.33%(日本国籍0.33%:外国籍0.34%)
05/23-05/29 検体13,680・陽性32=罹患率0.23%(日本国籍0.19%:外国籍0.29%)
05/30-06/05 検体16,066・陽性40=罹患率0.25%(日本国籍0.14%:外国籍0.41%)
06/06-06/12 検体16,515・陽性17=罹患率0.10%(日本国籍0.08%:外国籍0.14%)
06/13-06/19 検体16,771・陽性44=罹患率0.26%(日本国籍0.18%:外国籍0.39%)
06/20-06/26 検体16,536・陽性45=罹患率0.27%(日本国籍0.19%:外国籍0.41%)
06/27-07/03 検体22,338・陽性60=罹患率0.27%(日本国籍0.24%:外国籍0.32%)
07/04-07/10 検体23,362・陽性79=罹患率0.34%(日本国籍0.38%:外国籍0.29%)
07/11-07/17 検体32,329・陽性97=罹患率0.30%(日本国籍0.44%:外国籍0.22%)
07/18-07/24 検体35,885・陽性67=罹患率0.19%(日本国籍0.33%:外国籍0.13%)
07/25-07/31 検体24,273・陽性89=罹患率0.37%(日本国籍0.50%:外国籍0.24%)
08/01-08/07 検体21,987・陽性94=罹患率0.43%(日本国籍0.33%:外国籍0.57%)
08/08-08/14 検体19,809・陽性78=罹患率0.39%(日本国籍0.37%:外国籍0.42%)
08/15-08/21 検体25,444・陽性101=罹患率0.40%(日本国籍0.38%:外国籍0.40%)
08/22-08/28 検体20,067・陽性69=罹患率0.34%(日本国籍0.30%:外国籍0.38%)
08/29-09/04 検体18,832・陽性86=罹患率0.46%(日本国籍0.32%:外国籍0.60%)
09/05-09/11 検体17,834・陽性78=罹患率0.44%(日本国籍0.29%:外国籍0.58%)
09/12-09/18 検体16,952・陽性56=罹患率0.33%(日本国籍0.19%:外国籍0.49%)
09/19-09/25 検体16,964・陽性56=罹患率0.33%(日本国籍0.13%:外国籍0.48%)
09/26-10/02 検体21,484・陽性71=罹患率0.33%(日本国籍0.17%:外国籍0.49%)
10/03-10/09 検体17,264・陽性43=罹患率0.25%(日本国籍0.10%:外国籍0.40%)
10/10-10/16 検体18,780・陽性46=罹患率0.24%(日本国籍0.23%:外国籍0.26%)
10/17-10/23 検体19,305・陽性45=罹患率0.23%(日本国籍0.19%:外国籍0.27%)
今週の検体数は、日本国籍者、外国籍者ともに増加。日外比率は先週と同じ1:1.07とやや外国籍者の方が多いです。
今週の陽性数は、日本国籍者3人減、外国籍者2人増。日外比率は1:1.5です。外国籍者が悪化していますが、罹患率は前週とほぼ変わりません。
検査対象が全入国者になっています。検査数(≒入国者)の多さは、米国、中国、フィリピン、韓国、フランスの順でした。
日本人は9,311件でした。前週より251件微増しています。12月4週目の12,354件の3分の2ほどです。
外国人は9,994件。こちらも274件微増。1月3週目の17,873件の半分強です。
前週と比べると、日本国籍者は、検査数が3%増加に対して陽性者数は14%減少。外国籍者は検査数が3%増加に対して陽性者数は8%増加です。
この結果、罹患率は、日本国籍者は改善、外国籍者は悪化しています。前週に近い数値が出ています。
全体の罹患率は0.23%で横ばいでした。
■[陽性者数多い国分析] 20か国/常連国引き続き多い状況
今週陽性者が確認されたのは、前週に続いて陽性者が出ている米国、フィリピン、モンゴル、ネパール、英国、インドネシア、ウクライナ、エチオピア、アラブ首長国連邦(UAE)、インド、トルコ、パキスタン、ブラジル、ベトナム、ルーマニアなどを含めて20か国(前週比-2)からの入国者に陽性者が出ました。国数は多めですが、常連が増えてきました。
最悪は、フィリピン6人(前週比-3人)と米国6人(前週比+1人)でした。米国は全員日本国籍者。フィリピンは日本国籍者は1人だけでした。
そして、モンゴル(前週比+3人)とネパール(前週比+4人)が5人と悪い印象です。モンゴルは日本国籍者が2人、ネパールは全員外国籍者です。
続いてインドネシア(前週比+2人)、ウクライナ(前週比+1人)、英国(前週比-1人)がいずれも3人。ウクライナは全員外国籍者で、インドネシアは1人、英国は2人日本国籍者が出ています。
さらに、エチオピア2人(前週比-1人、ともに日本国籍者)となっています。
残り12か国は1人ずつで、UAE、ウズベキスタン、トルコ、マレーシアの4か国のみが日本国籍者でした。
■[罹患率高い国分析] 1%超えは20か国中7か国で減少傾向
最も罹患率が悪かったのは、エチオピア16.67%(検体12件中2人陽性=日本国籍者検体6件中2人陽性)でした。
以上の1か国が二桁割合(10%以上)です。
この後は、一気に割合が減ってきますが、
ウクライナ3.95%(検体76件中3人陽性=外国籍者検体61件中3人陽性)
モンゴル3.09%(検体162件中5人陽性=日本国籍者検体34件中2人陽性)
エジプト2.38%(検体42件中1人陽性=外国籍者検体19件中1人陽性)
ウズベキスタン1.92%(検体52件中1人陽性=日本国籍者検体12件中1人陽性)
ルーマニア1.85%(検体54件中1人陽性=外国籍者検体44件中1人陽性)
スリランカ1.28%(検体78件中1人陽性=外国籍者検体60件中1人陽性)
と続きました。
1%(100人に1人陽性)超えは以上の7か国で減少しました。
エチオピア、ウクライナ、モンゴル、ルーマニアが連続で1%超えの異常状態でした。
パキスタンはずっと1%超えが途切れ0.84%に収まりました。
※注意:検体数=入国者数ではありませんので、実際の罹患率は出ている数字より高いはずです。
■[航空便利用者数分析] 検体数同様に微増
合計の利用者数は26,435人(前週比+73人)と微増でした。
最多は米国便で6,789人(前週比-125人)。フィリピン便が3,197人(前週比+219人)、中国便が2,081人(前週比-213人)と続いています。
今週は増加国・減少国だいたい同じくらいでした。
増加している国:最も人数が増えたのは、フィリピン便。韓国便1,537人(前週比+178人)、フランス便1,188人(前週比+137人)が続いています。
皆増した国:イタリア便2人です。定期便は飛んでいません。
減少している国:最も人数が減ったのは、ドイツ便958人(前週比-288人)。中国便と米国便が続いています。
皆減した国:オーストリア便(42人)。夏期期間中運航していた定期便が終了しました。
利用者数の多いニューカレドニア(161人)は入国者数は出ていません。
毎週データは更新されているようですので、今後も注視していきます。
■週間速報内容
10/17-10/23
全検査
合計 検体19,305/陽性 45 0.23%
日本 検体 9,311/陽性 18 0.19%
外国 検体 9,994/陽性 27 0.27%
検体数の多い国
米 国:合計 検体4,476、陽性 6=0.13%
日本国籍 検体2,785 陽性 6=0.22%/外国籍 検体1,691 陽性 0=0%
中 国:合計 検体1,966、陽性 0=0%
日本国籍 検体 542 陽性 0=0%/外国籍 検体1,424 陽性 0=0%
フィリピン:合計 検体1,605、陽性 6=0.37%
日本国籍 検体 167 陽性 1=0.60%/外国籍 検体1,438 陽性 5=0.35%
韓 国:合計 検体1,244、陽性 1=0.08%
日本国籍 検体 357 陽性 0=0%/外国籍 検体 887 陽性 1=0.11%
フランス:合計 検体 742、陽性 0=0%
日本国籍 検体 576 陽性 0=0%/外国籍 検体 166 陽性 0=0%
罹患率の高い国
エチオピア:合計 検体 12、陽性 2=16.67%
日本国籍 検体 6 陽性 2=33.33%/外国籍 検体 6 陽性 0=0%
ウクライナ:合計 検体 76、陽性 3=3.95%
日本国籍 検体 15 陽性 0=0%/外国籍 検体 61 陽性 3=4.92%
モンゴル:合計 検体 162、陽性 5=3.09%
日本国籍 検体 34 陽性 2=5.88%/外国籍 検体 128 陽性 3=2.34%
エジプト:合計 検体 42、陽性 1=2.38%
日本国籍 検体 23 陽性 0=0%/外国籍 検体 19 陽性 1=5.26%
ウズベキスタン:合計 検体 52、陽性 1=1.92%
日本国籍 検体 12 陽性 1=8.33%/外国籍 検体 40 陽性 0=0%
■毎日の個別発表との誤差状況(10月17日〜10月23日)
(A)週間発表(今回の滞在国・地域ごとの検査実績発表):45人
(B)毎日発表:44人中非公表0人(複数国滞在者1人=ウズベキスタン/トルコ)
(誤差が出ている国)Aが超過していると非公表の可能性有
誤差なし
■水際対策(厚生労働省公式サイト)
https://www.mhlw.go.jp/stf/covid-19/kansenkakudaiboushi-iryouteikyou.html#h2_7
2021年11月06日
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