◇空港検疫(週間速報)11月1週目 日本国籍者の入国者・陽性者が急増し、罹患率0.2%台に再悪化 外国籍者も南アジアで陽性増加の兆し
厚生労働省(厚労省)は11月19日、空港検疫での新型コロナウイルス感染症検査状況の11月1週目(10月31日〜11月6日)分の速報値を発表しました。
厚労省の速報は、週間の検体数と陽性者数を、日本国籍者、外国籍者別に、滞在国ごとに出した非常に細かいデータです。2020年11月11日以降毎週金曜日に過去4週間分が発表されています。11月19日の公表で、2020年10月4日〜2021年11月6日分が公表されたことになります。
速報のため、日々の発表のデータとかなりのズレが生じてる場合もありますが、分析に活用できます。
■[罹患状況推移分析] 日本国籍者で罹患率悪化、外国籍者と並ぶ
2020年
10/04-10/10 検体12,421・陽性57=罹患率0.46%(日本国籍0.46%:外国籍0.46%)
10/11-10/17 検体 7,364・陽性24=罹患率0.33%(日本国籍0.29%:外国籍0.34%)
10/18-10/24 検体12,213・陽性46=罹患率0.38%(日本国籍0.39%:外国籍0.37%)
10/25-10/31 検体17,833・陽性47=罹患率0.26%(日本国籍0.22%:外国籍0.29%)
<11/01〜入国者の多い低感染国9か国が検査解除>
11/01-11/07 検体10,589・陽性84=罹患率0.79%(日本国籍0.75%:外国籍0.83%)
11/08-11/14 検体10,823・陽性89=罹患率0.82%(日本国籍0.54%:外国籍1.02%)
11/15-11/21 検体11,627・陽性79=罹患率0.68%(日本国籍0.52%:外国籍0.79%)
11/22-11/28 検体13,789・陽性90=罹患率0.65%(日本国籍0.61%:外国籍0.65%)
11/29-12/05 検体14,226・陽性89=罹患率0.63%(日本国籍0.50%:外国籍0.74%)
12/06-12/12 検体16,488・陽性86=罹患率0.52%(日本国籍0.43%:外国籍0.64%)
12/13-12/19 検体18,554・陽性74=罹患率0.40%(日本国籍0.28%:外国籍0.62%)
12/20-12/26 検体18,835・陽性98=罹患率0.52%(日本国籍0.51%:外国籍0.54%)
12/27-01/02 検体13,123・陽性83=罹患率0.63%(日本国籍0.49%:外国籍0.75%)
2021年
01/03-01/09 検体14,098・陽性76=罹患率0.54%(日本国籍0.23%:外国籍0.72%)
<01/09〜全入国者検査開始>
01/10-01/16 検体21,399・陽性67=罹患率0.31%(日本国籍0.31%:外国籍0.31%)
01/17-01/23 検体22,678・陽性41=罹患率0.18%(日本国籍0.31%:外国籍0.15%)
01/24-01/30 検体10,076・陽性25=罹患率0.25%(日本国籍0.12%:外国籍0.37%)
01/31-02/06 検体10,435・陽性20=罹患率0.19%(日本国籍0.13%:外国籍0.27%)
02/07-02/13 検体 9,423・陽性19=罹患率0.20%(日本国籍0.15%:外国籍0.26%)
02/14-02/20 検体 9,523・陽性19=罹患率0.20%(日本国籍0.11%:外国籍0.28%)
02/21-02/27 検体11,779・陽性23=罹患率0.20%(日本国籍0.22%:外国籍0.17%)
02/28-03/06 検体14,086・陽性29=罹患率0.21%(日本国籍0.16%:外国籍0.26%)
03/07-03/13 検体14,467・陽性27=罹患率0.19%(日本国籍0.14%:外国籍0.25%)
03/14-03/20 検体17,879・陽性49=罹患率0.27%(日本国籍0.20%:外国籍0.41%)
03/21-03/27 検体14,040・陽性42=罹患率0.30%(日本国籍0.15%:外国籍0.48%)
03/28-04/03 検体14,615・陽性70=罹患率0.48%(日本国籍0.24%:外国籍0.81%)
04/04-04/10 検体12,694・陽性62=罹患率0.49%(日本国籍0.16%:外国籍0.85%)
04/11-04/17 検体11,974・陽性74=罹患率0.62%(日本国籍0.40%:外国籍0.90%)
04/18-04/24 検体11,268・陽性60=罹患率0.53%(日本国籍0.26%:外国籍0.89%)
04/25-05/01 検体13,039・陽性95=罹患率0.73%(日本国籍0.29%:外国籍1.30%)
05/02-05/08 検体11,551・陽性82=罹患率0.71%(日本国籍0.25%:外国籍1.29%)
05/09-05/15 検体12,891・陽性50=罹患率0.39%(日本国籍0.23%:外国籍0.59%)
05/16-05/22 検体11,644・陽性39=罹患率0.33%(日本国籍0.33%:外国籍0.34%)
05/23-05/29 検体13,680・陽性32=罹患率0.23%(日本国籍0.19%:外国籍0.29%)
05/30-06/05 検体16,066・陽性40=罹患率0.25%(日本国籍0.14%:外国籍0.41%)
06/06-06/12 検体16,515・陽性17=罹患率0.10%(日本国籍0.08%:外国籍0.14%)
06/13-06/19 検体16,771・陽性44=罹患率0.26%(日本国籍0.18%:外国籍0.39%)
06/20-06/26 検体16,536・陽性45=罹患率0.27%(日本国籍0.19%:外国籍0.41%)
06/27-07/03 検体22,338・陽性60=罹患率0.27%(日本国籍0.24%:外国籍0.32%)
07/04-07/10 検体23,362・陽性79=罹患率0.34%(日本国籍0.38%:外国籍0.29%)
07/11-07/17 検体32,329・陽性97=罹患率0.30%(日本国籍0.44%:外国籍0.22%)
07/18-07/24 検体35,885・陽性67=罹患率0.19%(日本国籍0.33%:外国籍0.13%)
07/25-07/31 検体24,273・陽性89=罹患率0.37%(日本国籍0.50%:外国籍0.24%)
08/01-08/07 検体21,987・陽性94=罹患率0.43%(日本国籍0.33%:外国籍0.57%)
08/08-08/14 検体19,809・陽性78=罹患率0.39%(日本国籍0.37%:外国籍0.42%)
08/15-08/21 検体25,444・陽性101=罹患率0.40%(日本国籍0.38%:外国籍0.40%)
08/22-08/28 検体20,067・陽性69=罹患率0.34%(日本国籍0.30%:外国籍0.38%)
08/29-09/04 検体18,832・陽性86=罹患率0.46%(日本国籍0.32%:外国籍0.60%)
09/05-09/11 検体17,834・陽性78=罹患率0.44%(日本国籍0.29%:外国籍0.58%)
09/12-09/18 検体16,952・陽性56=罹患率0.33%(日本国籍0.19%:外国籍0.49%)
09/19-09/25 検体16,964・陽性56=罹患率0.33%(日本国籍0.13%:外国籍0.48%)
09/26-10/02 検体21,484・陽性71=罹患率0.33%(日本国籍0.17%:外国籍0.49%)
10/03-10/09 検体17,264・陽性43=罹患率0.25%(日本国籍0.10%:外国籍0.40%)
10/10-10/16 検体18,780・陽性46=罹患率0.24%(日本国籍0.23%:外国籍0.26%)
10/17-10/23 検体19,305・陽性45=罹患率0.23%(日本国籍0.19%:外国籍0.27%)
10/24-10/30 検体20,038・陽性34=罹患率0.17%(日本国籍0.13%:外国籍0.21%)
10/31-11/06 検体21,718・陽性58=罹患率0.27%(日本国籍0.27%:外国籍0.27%)
今週の検体数は、日本国籍者は急増、外国籍者は微増。日本国籍者が外国籍者を超え、日外比率は1:0.88でした。
今週の陽性数は、日本国籍者18人増、外国籍者6人増。日外比率は1:0.87です。罹患率は、いずれも悪化しており、日本国籍者は特に酷い悪化です。
検査対象が全入国者になっています。検査数(≒入国者)の多さは、米国、中国、韓国、フィリピン、フランスの順で前週と変わりませんでした。
日本人は11,555件でした。前週より1,561件も急増しています。2020年12月4週目の12,354件に近づいてきました。
外国人は10,163件。こちらは+119件と2週連続の微増。2021年1月3週目の17,873件にジリジリ近づいています。
前週と比べると、日本国籍者は、検査数が16%増加に対して陽性者数は138%も急増。外国籍者は検査数が1%増加に対して陽性者数は29%増加です。
この結果、罹患率は、日本国籍者、外国籍者ともに悪化。特に日本国籍者の悪化が酷く、外国籍者と並びました。
全体の罹患率は0.27%で0.1Pも悪化しています。
日本国籍者の急増は、強制隔離期間の緩和などが進んでいるのが原因と考えられます。同時に陽性者が急増しているということは、「強制隔離で入国を諦めていたが、緩和で大挙して帰国する人は罹患している日本人が多い」と言えるかもしれません。
昨年12月や今年7月は、夏休みや年末年始休暇で一時帰国したとみられる日本人の陽性者が急増しています。まもなく12月になりますが、今年は同じようなことが繰り返されないことを願いたいところですね。
■[陽性者数多い国分析] 26か国と爆増/日本国籍者急増も南アジアだけは外国籍者ばかり
今週陽性者が確認されたのは、前週に続いて陽性者が出ているフィリピン、ネパール、米国、ウズベキスタン、ドイツ・、スリランカ、シンガポール・、英国、ウクライナ、インド、ロシアなどを含めて26か国(前週比+8)からの入国者に陽性者が出ました。ジリジリ減っていた国数は一気に爆増しました。強制隔離緩和により、入国者が急増しているのが影響しているでしょうか。こういう悪化はいつも日本国籍者の悪化に依りますね、、、。
最悪は、ずっと陽性確認が続いているフィリピン11人(前週比+5人)でした。日本国籍者は3人と罹患率が急増しています。
急激悪化したネパールが二番手。7人(前週比+5人)でした。全員外国籍者の超偏り国です。
続いて米国が4人(前週比+1人)。強制隔離緩和を受けて急増した日本国籍者が4人でした。
続いて3人陽性だったのは4か国で、ウズベキスタン(前週比+2人)、バーレーン(前週比皆増)、パキスタン(前週比皆増)、フランス(前週比皆増)です。バーレーンとフランスは全員日本国者という異常な状況、ウズベキスタンは2人、パキスタンは1人が日本国籍者でした。
2人陽性は、5か国。スーダン(前週比皆増)、スリランカ(前週比±0人)、ドイツ(前週比-1人)、バングラデシュ(前週比皆増)、ポーランド(前週比皆増)でした。スーダン、ドイツ、ポーランドは全員日本国籍者、スリランカとバングラデシュは全員外国籍者でした。
残り14か国は1人ずつで、イタリア、英国、オーストリア、カナダ、韓国、グアム、シンガポール、タイ、トルコの実に9か国が日本国籍者でした。
日本国籍者の陽性者が増えています。強制隔離緩和で大挙して押し寄せてきていますかね。
そんな中で、南アジアは相変わらず外国籍者が陽性の嵐でした。
■[罹患率高い国分析] 1%超えは26か国中8か国で横ばい
最も罹患率が悪かったのは、バーレーン37.50%(検体8件中3人陽性=日本国籍者検体7件中3人陽性)でした。全員日本国籍者でとにかく異常です。
二桁割合の異常国は以上の1か国でした。
この後は、
スーダン7.69%(検体26件中2人陽性=日本国籍者検体25件中2人陽性)
ウズベキスタン5.36%(検体56件中3人陽性=日本国籍者検体26件中2人陽性)
モロッコ4.35%(検体23件中1人陽性=外国籍者検体9件中1人陽性)
ポーランド2.67%(検体75件中2人陽性=日本国籍者検体48件中2人陽性)
ネパール2.11%(検体331件中7人陽性=外国籍者検体311件中7人陽性)
ウクライナ1.15%(検体87件中1人陽性=外国籍者検体68件中1人陽性)
スリランカ1.11%(検体180件中2人陽性=外国籍者検体152件中2人陽性)
と続きました。
1%(100人に1人陽性)超えは以上の8か国で前週から横ばいでした。
ウクライナ、スリランカ、ウズベキスタンが連続で1%超えの異常状態でした。いずれも2週間以上続いています。
※注意:検体数=入国者数ではありませんので、実際の罹患率は出ている数字より高いはずです。
■[航空便利用者数分析] 検体数同様に増加、米国急増
合計の利用者数は29,316人(前週比+1,497人)と増加でした。
最多は米国便で8,428人(前週比+1,430人)で急増。フィリピン便が2,788人(前週比-382人)、中国便が2,007人(前週比-548人)と続いています。
今週は増加国・減少国だいたい同じくらいでした。
増加している国:最も人数が増えたのは、米国便。アラブ首長国連邦便945人(前週比+349人)、インド便734人(前週比+262人)が続いています。
皆増した国:オーストリア便87人、パラオ便1人です。いずれも定期便は飛んでいません。
減少している国:最も人数が減ったのは、中国便。前週最多増加の反動が出たものと思われます。フィリピン便、ベトナム便943人(前週比-128人)が続いています。
皆減した国:ミャンマー便(30人)、アゼルバイジャン便(4人)。ミャンマーは定期便が飛ばなかったとみられます。
利用者数の多いニューカレドニア(329人)は入国者数はいませんでした。
毎週データは更新されているようですので、今後も注視していきます。
■週間速報内容
10/31-11/06
全検査
合計 検体21,718/陽性 58 0.27%↑急増
日本 検体11,555/陽性 31 0.27%↑急増
外国 検体10,163/陽性 27 0.27%↑
検体数の多い国
米 国:合計 検体5,167、陽性 4=0.08%
日本国籍 検体3,419 陽性 4=0.12%/外国籍 検体1,748 陽性 0=0%
中 国:合計 検体2,071、陽性 0=0%
日本国籍 検体 662 陽性 0=0%/外国籍 検体1,409 陽性 0=0%
韓 国:合計 検体1,423、陽性 1=0.07%
日本国籍 検体 435 陽性 1=0.23%/外国籍 検体 988 陽性 0=0%
フィリピン:合計 検体1,272、陽性11=0.86%
日本国籍 検体 198 陽性 3=1.52%/外国籍 検体1,074 陽性 8=0.74%
フランス:合計 検体 740、陽性 3=0.41%
日本国籍 検体 582 陽性 3=0.52%/外国籍 検体 158 陽性 0=0%
罹患率の高い国
バーレーン:合計 検体 8、陽性 3=37.5%
日本国籍 検体 7 陽性 3=42.86%/外国籍 検体 1 陽性 0=0%
スーダン:合計 検体 26、陽性 2=7.69%
日本国籍 検体 25 陽性 2=8.00%/外国籍 検体 1 陽性 0=0%
ウズベキスタン:合計 検体 56、陽性 3=5.36%
日本国籍 検体 26 陽性 2=7.69%/外国籍 検体 30 陽性 1=3.33%
モロッコ:合計 検体 23、陽性 1=4.35%
日本国籍 検体 14 陽性 0=0%/外国籍 検体 9 陽性 1=11.11%
ポーランド:合計 検体 75、陽性 2=2.67%
日本国籍 検体 48 陽性 2=4.17%/外国籍 検体 27 陽性 0=0%
■毎日の個別発表との誤差状況(10月31日〜11月6日)
(A)週間発表(今回の滞在国・地域ごとの検査実績発表):58人
(B)毎日発表:55人中非公表0人(複数国滞在者3人=フランス/ポーランド2人、バーレーン/パキスタン1人)
(誤差が出ている国)Aが超過していると非公表の可能性有
米 国:Bが1人超過(グアム分が入っているものと推定)
グアム:Aが1人超過(上記米国に含まれていると推定)
■水際対策(厚生労働省公式サイト)
https://www.mhlw.go.jp/stf/covid-19/kansenkakudaiboushi-iryouteikyou.html#h2_7
2021年11月20日
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