◆オミクロン株対応異例続きで、空港検疫すり抜け事例の詳細を厚労省が初めて発表
厚生労働省(厚労省)は12月11日、空港検疫で無症状病原体保有者と確認された人と同じ便に搭乗したのちに自宅隔離中だった乗客から、オミクロン株(B.1.1.529系統の変異株)が確認されたと発表しました。空港検疫より後に変化した症状についても公表されています。
オミクロン株に対する極めて異例な対応のおかげで、空港検疫すり抜け事例の詳細が、2年間で初めて発表されました。
今回の発表は、空港検疫を通過した後に発症した、新型コロナウイルスの新たな変異株「オミクロン株」(B.1.1.529系統の変異株)の患者発生の公表です。
空港検疫でオミクロン株感染が確認された12月4日成田着の無症状病原体保有者(ナイジェリアから入国の50代男)と同じ飛行機に搭乗し、14日間の自宅待機期間中だった40代男(スリランカから入国)が、オミクロン株に感染したと発表しました。
空港到着時は無症状だったものの、その後に、「発熱、倦怠感及び頭痛」の有症状になった細かい経緯も発表されました。
この患者は、入国時の検査において陰性だったいわゆるすり抜け事例です。
空港検疫をすり抜け、強制隔離も通過して市中にまで入り込んだ場合は、たとえ14日間の隔離期間中であったとしても、空港検疫の管理を離れ、各居住都道府県管理となります。このため、これまで、厚労省から空港検疫すり抜け事例の詳細が発表されたことはありませんでした。
しかし、今回、オミクロン株陽性者と同じ飛行機に乗っていた全員を都道府県の責任で隔離して状況を報告させるという極めて異例な特別対応を行ったおかげで、空港検疫すり抜け事例の詳細が、厚労省から初めて発表されるに至りました。
航空機内の座席位置関係は明らかにされていませんが、滞在国も異なることから、機内でウイルスを授受した可能性が非常に高い状況になっています。
既に空港検疫で12人のオミクロン株陽性が確認されています。
オミクロン株の場合の同便搭乗者全員の濃厚接触認定は、少なくとも水際対策強化期間として設定している12月31日着までは続けるとみられるため、今後も同様の事例が次々に発生する可能性が出てきています。
空港検疫すり抜け事例は、オミクロン株に限らず、非常に多く発生していると推定されています。
ぜひこの流れのまま、オミクロン株関係なく、
・同乗者は全員濃厚接触認定
・濃厚接触者は各居住都道府県で隔離
・状況は逐一報告
・すり抜け事例としての厚労省からの公表
を徹底してほしいですね。
■新型コロナウイルス感染症(変異株)の患者の発生について(厚労省公式サイト)
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_22730.html
2021年12月11日
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