検体数≒入国者数のほぼ判明している状態が47週目に突入
厚生労働省(厚労省)は12月17日、空港検疫での新型コロナウイルス感染症(COVID-19)検査状況の12月1週目(11月28日〜12月4日)分の速報値を発表しました。この数字から行動歴別の入国者数が推定できます。
厚労省の速報は、週間の検体数と陽性者数を、日本国籍者、外国籍者別に、滞在国ごとに出した非常に細かいデータです。
2021年1月9日から全入国者が検査対象となったため、COVID-19パンデミック後初めて検査数≒入国者数となっています。複数回検査する人や14日以内に複数国滞在した人もいるので、厳密には=ではありませんし、乗員は対象外ですが、検査数が入国者数に限りなく近づきました。
今回発表は、一週間分に過ぎませんが、これまで確認することが出来なかった、行動歴別のほぼ正確な入国者数が47週連続で判明しています。
ここのところ強制隔離(入国時と3日後の2回、または、6日後加えた3回、または、さらに10日後加えた4回)対象者が増加しているので、検体数>入国者数になっているものと推定されます。ご注意ください。
■検体数は爆増、日本国籍者の爆増が目立つ
12月1週目は、検査数は28,216件(前週比+3,907件)と2割近い爆増でした。
日本国籍者は16,648件(前週比+3,272件)、外国籍者は11,568件(前週比+635件)。ともに増加していますが、ほぼ日本国籍者の増加で、年末年始帰国者が増えてきた印象です。
なお、今回の期間は、オミクロン株による規制が始まった直後の期間なので、感染拡大恐怖に伴う緊急帰国の人が多くなった可能性があります。
■米国や欧州、南アジアの増加が異常 近隣アジアは減少傾向
国別で見ると、入国者数最多は米国で6,997件(前週比+1,296件)と爆増です。
二番目は中国で2,146件(前週比+131件)でそれほど増えず。
三番目は韓国で1,745件(前週比-78件)と減少に転じています。
四番目はフィリピンで1,245件(前週比-138件)と減少でした。
五番目はタイが3週連続で一気に増加し1,199件(前週比+370件)でした。ここまでは先週と同順番でした。
六番目は英国で985件(前週比+316件)と減少から一転し急増。
七番目はネパールで926件(前週比+441件)と減少から一転し急増。ほぼ倍増の爆増でした。
八番目はインドで926件(前週比+136件)と増加。
九番目はフランスで814件(前週比+108件)と増加傾向が続いています
十番目はドイツで775件(前週比+196件)と完全に増加傾向に入りました。
この週は、増加した国が多かったです。
■欧州や近隣アジアは邦人急増、米国や南アジアは外人爆増
日本人が多いのは、上位十位までの国では、前週同様に米国、タイ、英国、フランス、ドイツでした。
米国は、日本国籍者4,504件・外国籍者2,493件。外国籍者は千人超えの急増でした。
タイは、日本国籍者984件・外国籍者215件。日外ともに増加ですが、日本国籍者の増加が目立ちます。
英国は、日本国籍者800件・外国籍者185件。外国籍者は微減で、日本国籍者が爆増でした。
フランスは、日本国籍者704件・外国籍者110件。外国籍者は減少。日本国籍者が急増しています。
ドイツは、日本国籍者680件・外国籍者95件。日外ともに増加ですが、日本国籍者の増加が著しいです。
日本人と外国人が同じくらいの国は、ありませんでした。
外国人が多いのは、上位十位までの国では、前週同様に中国、韓国、フィリピン、ネパール、インドでした。
中国は、日本国籍者911件・外国籍者1,235件。日本国籍者は増加しましたが、外国籍者は減少しています。
韓国は、日本国籍者613件・外国籍者1,132件。日外ともに微減。増加が止まりました。
外国人がずっと多いままの筆頭は相変わらずフィリピンで、日本国籍者269件・外国籍者976件。日本国籍者は増加、外国籍者は減少。
ネパールは、フィリピン以上に外国籍者に偏った国で、日本国籍者39件・外国籍者887件。日本国籍者は微増。外国籍者は約2倍の爆増でした。
インドは、日本国籍者348件・外国籍者578件。日外ともに増加で、日本国籍者の増加が目立ちました。
この他、十位以内に入っていませんが、
11番目のカナダ、12番目のシンガポール、15番目のアラブ首長国連邦は、前週同様に日本国籍者の方が多いです。
14番目のインドネシアは前週同様に日外同程度。13番目のベトナムは外国籍者が激減して、日外同程度になりました。
なお、10日間強制隔離対象期間の関係する10か国のうち、上記にあるインド以外の9か国は、
<デルタ株等で10日間隔離経験国>
アフガニスタン:33件(前週比+3件)=10週間で日本国籍者は8週前の1人・6週前の2人・4週前の1人・3週前の2人・2週前の1人・1週前2人のみで、ほぼ全員外国籍者。
インドネシア:567件(前週比+52件)=日本国籍者の方がより増加。
キルギス:5件(前週比-15件)=日本国籍者4件・外国籍者1件。外国籍者激減。
スリランカ:333件(前週比+52件)=増加はほぼすべて外国籍者です。
パキスタン:333件(前週比+119件)=日本国籍者は微増。外国籍者が100件超爆増。
バングラデシュ:267件(前週比+59件)=日外ともに増加。
モルディブ:11件(前週比+1件)=日本国籍者5件、外国籍者6件。
<オミクロン株で10日間隔離の国>◆全期間隔離中、◇一部期間隔離中
アンゴラ◇:4件(前週比+1件)=日本国籍者2件、外国籍者2件。
エスワティニ◆:2件(前週比+1件)=全員日本国籍者。
ザンビア◆:22件(前週比+12件)=全員日本国籍者。倍増。
ジンバブエ◆:1件(前週比-4件)=全員日本国籍者。
ナミビア◆:4件(前週比+2件)=全員外国籍者。1人は陽性となった外交官、その後さらに2人陽性が出ています。
ボツワナ◆:2件(前週比-10件)=全員日本国籍者。外国籍者4人減でいなくなりました。
マラウイ◆:18件(前週比+7件)=日本国籍者16件、外国籍者2件。
南アフリカ◆:25件(前週比-17件)=日本国籍者21件、外国籍者4件。日外ともに減少。
モザンビーク◆:4件(前週比-16件)=全員日本国籍者。外国籍者10人減でいなくなりました。
レソト◆:0件(前週比±0件)
・欧州は、日本国籍者の増加の国が目立つ。=日本国籍者の年末帰国?
・米国や南アジアは、外国籍者の増加が目立つ。=オミクロン株対策で、緊急入国を誘発中の危険な状態?外国人の新規入国禁止措置が全く裏目に出ているという非常に興味深い傾向ですね。
・アフリカは外国籍者が激減。フィリピンやベトナムも外国籍者が減っています。=新規入国絶たれる?
といった傾向が出ています。
罹患状況などの詳細の分析は別途で記事にします。
■水際対策(厚生労働省公式サイト)
https://www.mhlw.go.jp/stf/covid-19/kansenkakudaiboushi-iryouteikyou.html#h2_7