2021年12月18日

検疫週間速報12月1_邦人検査急増も

◇空港検疫(週間速報)12月1週目 日本国籍者検体爆増も陽性は外国籍が急増 欧州は邦人・米国や南アジアは外人爆増の超偏り パニック入国が誘発?

厚生労働省(厚労省)は12月17日、空港検疫での新型コロナウイルス感染症検査状況の12月1週目(11月28日〜12月4日)分の速報値を発表しました。

厚労省の速報は、週間の検体数と陽性者数を、日本国籍者、外国籍者別に、滞在国ごとに出した非常に細かいデータです。2020年11月11日以降毎週金曜日に過去4週間分が発表されています。12月17日の公表で、2020年10月4日〜2021年12月4日分が公表されたことになります。
速報のため、日々の発表のデータとかなりのズレが生じてる場合もありますが、分析に活用できます。

[罹患状況推移分析]
2020年
10/04-10/10 検体12,421・陽性57=罹患率0.46%(日本国籍0.46%:外国籍0.46%)
10/11-10/17 検体 7,364・陽性24=罹患率0.33%(日本国籍0.29%:外国籍0.34%)
10/18-10/24 検体12,213・陽性46=罹患率0.38%(日本国籍0.39%:外国籍0.37%)
10/25-10/31 検体17,833・陽性47=罹患率0.26%(日本国籍0.22%:外国籍0.29%)
  <11/01〜入国者の多い低感染国9か国が検査解除>
11/01-11/07 検体10,589・陽性84=罹患率0.79%(日本国籍0.75%:外国籍0.83%)
11/08-11/14 検体10,823・陽性89=罹患率0.82%(日本国籍0.54%:外国籍1.02%)
11/15-11/21 検体11,627・陽性79=罹患率0.68%(日本国籍0.52%:外国籍0.79%)
11/22-11/28 検体13,789・陽性90=罹患率0.65%(日本国籍0.61%:外国籍0.65%)
11/29-12/05 検体14,226・陽性89=罹患率0.63%(日本国籍0.50%:外国籍0.74%)
12/06-12/12 検体16,488・陽性86=罹患率0.52%(日本国籍0.43%:外国籍0.64%)
12/13-12/19 検体18,554・陽性74=罹患率0.40%(日本国籍0.28%:外国籍0.62%)
12/20-12/26 検体18,835・陽性98=罹患率0.52%(日本国籍0.51%:外国籍0.54%)
12/27-01/02 検体13,123・陽性83=罹患率0.63%(日本国籍0.49%:外国籍0.75%)
2021年
01/03-01/09 検体14,098・陽性76=罹患率0.54%(日本国籍0.23%:外国籍0.72%)
  <01/09〜全入国者検査開始>
01/10-01/16 検体21,399・陽性67=罹患率0.31%(日本国籍0.31%:外国籍0.31%)
01/17-01/23 検体22,678・陽性41=罹患率0.18%(日本国籍0.31%:外国籍0.15%)
01/24-01/30 検体10,076・陽性25=罹患率0.25%(日本国籍0.12%:外国籍0.37%)
01/31-02/06 検体10,435・陽性20=罹患率0.19%(日本国籍0.13%:外国籍0.27%)
02/07-02/13 検体 9,423・陽性19=罹患率0.20%(日本国籍0.15%:外国籍0.26%)
02/14-02/20 検体 9,523・陽性19=罹患率0.20%(日本国籍0.11%:外国籍0.28%)
02/21-02/27 検体11,779・陽性23=罹患率0.20%(日本国籍0.22%:外国籍0.17%)
02/28-03/06 検体14,086・陽性29=罹患率0.21%(日本国籍0.16%:外国籍0.26%)
03/07-03/13 検体14,467・陽性27=罹患率0.19%(日本国籍0.14%:外国籍0.25%)
03/14-03/20 検体17,879・陽性49=罹患率0.27%(日本国籍0.20%:外国籍0.41%)
03/21-03/27 検体14,040・陽性42=罹患率0.30%(日本国籍0.15%:外国籍0.48%)
03/28-04/03 検体14,615・陽性70=罹患率0.48%(日本国籍0.24%:外国籍0.81%)
04/04-04/10 検体12,694・陽性62=罹患率0.49%(日本国籍0.16%:外国籍0.85%)
04/11-04/17 検体11,974・陽性74=罹患率0.62%(日本国籍0.40%:外国籍0.90%)
04/18-04/24 検体11,268・陽性60=罹患率0.53%(日本国籍0.26%:外国籍0.89%)
04/25-05/01 検体13,039・陽性95=罹患率0.73%(日本国籍0.29%:外国籍1.30%)
05/02-05/08 検体11,551・陽性82=罹患率0.71%(日本国籍0.25%:外国籍1.29%)
05/09-05/15 検体12,891・陽性50=罹患率0.39%(日本国籍0.23%:外国籍0.59%)
05/16-05/22 検体11,644・陽性39=罹患率0.33%(日本国籍0.33%:外国籍0.34%)
05/23-05/29 検体13,680・陽性32=罹患率0.23%(日本国籍0.19%:外国籍0.29%)
05/30-06/05 検体16,066・陽性40=罹患率0.25%(日本国籍0.14%:外国籍0.41%)
06/06-06/12 検体16,515・陽性17=罹患率0.10%(日本国籍0.08%:外国籍0.14%)
06/13-06/19 検体16,771・陽性44=罹患率0.26%(日本国籍0.18%:外国籍0.39%)
06/20-06/26 検体16,536・陽性45=罹患率0.27%(日本国籍0.19%:外国籍0.41%)
06/27-07/03 検体22,338・陽性60=罹患率0.27%(日本国籍0.24%:外国籍0.32%)
07/04-07/10 検体23,362・陽性79=罹患率0.34%(日本国籍0.38%:外国籍0.29%)
07/11-07/17 検体32,329・陽性97=罹患率0.30%(日本国籍0.44%:外国籍0.22%)
07/18-07/24 検体35,885・陽性67=罹患率0.19%(日本国籍0.33%:外国籍0.13%)
07/25-07/31 検体24,273・陽性89=罹患率0.37%(日本国籍0.50%:外国籍0.24%)
08/01-08/07 検体21,987・陽性94=罹患率0.43%(日本国籍0.33%:外国籍0.57%)
08/08-08/14 検体19,809・陽性78=罹患率0.39%(日本国籍0.37%:外国籍0.42%)
08/15-08/21 検体25,444・陽性101=罹患率0.40%(日本国籍0.38%:外国籍0.40%)
08/22-08/28 検体20,067・陽性69=罹患率0.34%(日本国籍0.30%:外国籍0.38%)
08/29-09/04 検体18,832・陽性86=罹患率0.46%(日本国籍0.32%:外国籍0.60%)
09/05-09/11 検体17,834・陽性78=罹患率0.44%(日本国籍0.29%:外国籍0.58%)
09/12-09/18 検体16,952・陽性56=罹患率0.33%(日本国籍0.19%:外国籍0.49%)
09/19-09/25 検体16,964・陽性56=罹患率0.33%(日本国籍0.13%:外国籍0.48%)
09/26-10/02 検体21,484・陽性71=罹患率0.33%(日本国籍0.17%:外国籍0.49%)
10/03-10/09 検体17,264・陽性43=罹患率0.25%(日本国籍0.10%:外国籍0.40%)
10/10-10/16 検体18,780・陽性46=罹患率0.24%(日本国籍0.23%:外国籍0.26%)
10/17-10/23 検体19,305・陽性45=罹患率0.23%(日本国籍0.19%:外国籍0.27%)
10/24-10/30 検体20,038・陽性34=罹患率0.17%(日本国籍0.13%:外国籍0.21%)
10/31-11/06 検体21,718・陽性58=罹患率0.27%(日本国籍0.27%:外国籍0.27%)
11/07-11/13 検体21,462・陽性47=罹患率0.22%(日本国籍0.18%:外国籍0.26%)
11/14-11/20 検体21,739・陽性45=罹患率0.21%(日本国籍0.16%:外国籍0.26%)
11/21-11/27 検体24,309・陽性46=罹患率0.19%(日本国籍0.16%:外国籍0.22%)

11/28-12/04 検体28,216・陽性71=罹患率0.25%(日本国籍0.20%:外国籍0.33%)

今週の検体数は、日本国籍者、外国籍者ともに増加。日外比率は1:0.70で、一気に日本国籍者が増えました。
今週の陽性数は、日本国籍者11人増、外国籍者は14人増。日外比率は1:1.15で、少し差が広がりました。

検査対象が全入国者になっています。検査数(≒入国者)の多さは、米国、中国、韓国、フィリピン、タイの順でした。
日本人は16,648件でした。前週より+3,272件も爆増。2020年12月4週目の12,354件を一気に超えた前週からさらに増えました。
外国人は11,568件。こちらは+635件で増加が鈍化しています。2021年1月3週目の17,873件にはまだ及ばない人数です。

前週と比べると、日本国籍者は、検査数が24%増加に対して陽性者数は50%増加。外国籍者は検査数が6%増加に対して陽性者数は58%増加。
この結果、罹患率は、日本国籍者は増加、外国籍者は急増でした。

全体の罹患率は0.25%で0.06P悪化しています。


[陽性者数多い国分析] 31か国と1.5倍以上に/米国とネパール、英仏が悪化止まらず
今週陽性者が確認されたのは、前週に続いて陽性者が出ている米国・、フランス4、ネパール・、英国・、イタリア2、タイ1、韓国4、オランダ1、スリランカ2、ドイツ1、パキスタン4、ハンガリー1、バングラデシュ1、フィリピン・などを含めて31か国(前週比+11)からの入国者に陽性者が出ました。国数が一気に1.5倍に増えています。強制隔離強化で緊急入国が急増したとみられ、再び世界に広がった感じでしょうか。

最悪は、米国が12人(前週比+3人)と悪化が止まりません。日本国籍者は2人(前週比-4人)に対して、外国籍者は10人(前週比+7人)。検体数は外国籍者が千人以上も爆増しており、ウイルス持った外人が緊急入国で押し寄せたといった印象です。
続いてフランスが9人(前週比+5人)。一気に悪化しています。日本国籍者は8人(前週比+5人)に対して、外国籍者は1人(前週比±0人)。検体数は日本国籍者は増加、外国籍者は減少ですので、こちらはウイルス持った邦人が緊急帰国で押し寄せたといった印象です。
ここのところ悪化が続いているネパールも止まらず6人(前週比-1人)。全て外国籍者です。外国籍者の検体数は2倍弱でしたが、陽性者数は増えていません。数字は悪いですが、より悪化した状況ではないのかもしれません。

続いて英国(前週比-1人)、イタリア(前週比+3人)が各4人。欧州は感染状態が最悪ですが、それがそのまま出ています。イタリアの1人を除いて日本国籍者が7人です。フランス同様にウイルス持った邦人が緊急帰国で押し寄せたといった印象です。
3人だったのはスイス(前週比皆増)、ナミビア(前週比皆増)の2か国。スイスは全員日本国籍者、ナミビアは全員外国籍者。ナミビアはおそらく同一団体(1人は外交官と判明済み)で、入国者数が4人しかいなかったので、罹患率が異常です。スイスは、仏英伊同様にウイルス持った邦人が緊急帰国で押し寄せたといった印象です。

続いて2人陽性だったのは6か国で、韓国(前週比±0人)、タイ(前週比+1人)、トルコ(前週比皆増)、ナイジェリア(前週比皆増)、ベトナム(前週比皆増)、ロシア(前週比皆増)でした。日本国籍者はタイの2人、トルコとロシアが1人ずつ。それ以外は外国籍者でした。

残り18か国は1人ずつ。オランダ、ギリシャ、ドイツ、ハンガリー、フィンランド、ブルキナファソ、ポルトガル、モンゴル、ラオスが日本国籍者、インド、コロンビア、スリランカ、トリニダード・トバゴ、パキスタン、バングラデシュ、フィリピン、ブラジル、ミャンマーは外国籍者でした。

非常に明確で驚くほど偏った傾向は、欧州がほとんど日本国籍者であること。日本国籍者の検体数自体が急増しており、ウイルス持った邦人が緊急帰国で押し寄せたといった印象です。
一方、米国をはじめとした南北アメリカは外国籍者ばかり。米国などは検体数が外国籍者の爆増しており、ウイルス持った外人が緊急入国で押し寄せたといった印象です。
アフリカは、外国籍者の再入国が禁止された国は日本国籍者のみ。それ以外は半々程度の国〜日本国籍者の入国の多い国が目立ちます。
アジアは国によって分かれた印象で、韓国や南アジアは外国籍者、それ以外の近隣アジアは日本国籍者が目立ちました。



[罹患率高い国分析] 1%超えは31か国中13か国で倍増
最も罹患率が悪かったのは、ナミビア75.00%(検体4件中3人陽性=全員外国籍者)でした。
続いてラオス14.29%(検体7件中1人陽性=全員日本国籍者)、ブルキナファソ10.00%(検体10件中1人陽性=全員日本国籍者)でした。
二桁割合の異常国は上記3か国でした。

この後は、
ナイジェリア9.52%(検体21件中2人陽性=外国籍者検体11件中2人陽性)
コロンビア4.35%(検体23件中1人陽性=外国籍者検体8件中1人陽性)
トリニダード・トバゴ4.00%(検体25件中1人陽性=外国籍者検体18件中1人陽性)
ギリシャ3.23%(検体31件中1人陽性=日本国籍者検体13件中1人陽性)
ポルトガル2.04%(検体49件中1人陽性=日本国籍者検体32件中1人陽性)
トルコ1.32%(検体152件中2人陽性=外国籍者検体59件中1人陽性)
モンゴル1.25%(検体80件中1人陽性=日本国籍者検体16件中1人陽性)
ハンガリー1.14%(検体88件中1人陽性=日本国籍者検体83件中1人陽性)
フランス1.11%(検体814件中9人陽性=日本国籍者検体704件中8人陽性)
イタリア1.01%(検体395件中4人陽性=日本国籍者検体328件中3人陽性)

1%(100人に1人陽性)超えは以上の13か国(前週比+7)で倍増しました。世界的に感染状態が悪くなっており、だいぶ増えましたが、2週連続で1%超えの異常状態はハンガリーのみ。
常連国は前週に続き少し改善気味でした。

一時期の特徴でもあった、東欧の陽性率が高い現象がまた再発しており、欧州の悪化が目立ちます。


※注意:検体数=入国者数ではありませんので、実際の罹患率は出ている数字より高いはずです。


[航空便利用者数分析] 総利用者数は爆増、米国急増続く
合計の利用者数は42,905人(前週比+8,022人)と急増が続いています
最多は米国便で12,121人(前週比+1,972人)で増加が継続中。フィリピン便が3,370人(前週比+138人)、邦人検体が増えているタイ便が2,905人(前週比+961人)と続いています。

今週はほぼ増加国でした。
増加している国:最も人数が増えたのは、3週連続で米国便。続いてタイ便、シンガポール便2,436人(前週比+525人)、ニューカレドニア便804 人(前週比+502人)が続いています。
皆増した国:ミャンマー便34人、クロアチア便3人。ミャンマーは前週に定期便が飛ばなかったとみられます。

減少している国:3か国しかありませんでした。最も人数が減ったのは、ベトナム便が1,236人(前週比-110人)です。
皆減した国:該当国はありませんでした。

利用者数の多いニューカレドニアからの検体数は4件でした。



毎週データは更新されているようですので、今後も注視していきます。

週間速報内容
11/21-11/27
全検査
合計 検体28,216/陽性 71 0.25%
日本 検体16,648/陽性 33 0.20%
外国 検体11,568 /陽性 38 0.33%↑急増


検体数の多い国
米  国:合計 検体6,997、陽性12=0.17%
  日本国籍 検体4,504 陽性 2=0.04%/外国籍 検体2,493 陽性10=0.40%
中  国:合計 検体2,146、陽性 0=0%
  日本国籍 検体 911 陽性 0=0%/外国籍 検体1,235 陽性 0=0%
韓  国:合計 検体1,745、陽性 2=0.11%
  日本国籍 検体 613 陽性 0=0%/外国籍 検体1,132 陽性 2=0.18%
フィリピン:合計 検体1,245、陽性 1=0.08%
  日本国籍 検体 269 陽性 0=0.48%/外国籍 検体 976 ​陽性 1=0.10%
タ  イ:合計 検体1,199、陽性 2=0.17%
  日本国籍 検体 984 陽性 2=0.20%/外国籍 検体 215 陽性 0=0%


罹患率の高い国
ナミビア:合計 検体 4、陽性 3=75.00%
  日本国籍 検体 0 陽性 0=0%/外国籍 検体 4 陽性 3=75.00%
ラ オ ス:合計 検体 7、陽性 1=14.29%
  日本国籍 検体 7 陽性 1=14.29%/外国籍 検体 0 陽性 0=0%
ブルキナファソ:合計 検体 10、陽性 1=10.00%
  日本国籍 検体 10 陽性 1=10.00%/外国籍 検体 0 陽性 0=0%
ナイジェリア:合計 検体 21、陽性 2=9.52%
  日本国籍 検体 11 陽性 0=0%/外国籍 検体 11 陽性 2=18.18%
コロンビア:合計 検体 23、陽性 1=4.35%
  日本国籍 検体 15 陽性 0=0%/外国籍 検体 8 陽性 1=12.50%


毎日の個別発表との誤差状況(11月28日〜12月4日)
(A)週間発表(今回の滞在国・地域ごとの検査実績発表):71人
(B)毎日発表:63人中非公表0人(複数国滞在者7人=ハンガリー/イタリア/ギリシャ、ポルトガル/英国、オランダ/トルコ、スイス/フランス、英国/フランス、ベトナム/韓国、フランス/スイス)

 (誤差が出ている国)Aが超過していると非公表の可能性有
 誤差無し


水際対策(厚生労働省公式サイト)
https://www.mhlw.go.jp/stf/covid-19/kansenkakudaiboushi-iryouteikyou.html#h2_7



ラベル:検疫 感染症
posted by johokotu at 08:00| 東京 ☀| Comment(0) | ◇COVID-19関連 | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前:

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント: