2021年12月25日

検疫週間速報12月2_邦人陽性急増

◇空港検疫(週間速報)12月2週目 日本国籍者が検体数も陽性者数も爆増 帰国需要が活発?

厚生労働省(厚労省)は12月24日、空港検疫での新型コロナウイルス感染症検査状況の12月2週目(12月5日〜12月11日)分の速報値を発表しました。

厚労省の速報は、週間の検体数と陽性者数を、日本国籍者、外国籍者別に、滞在国ごとに出した非常に細かいデータです。2020年11月11日以降毎週金曜日に過去4週間分が発表されています。12月24日の公表で、2020年10月4日〜2021年12月11日分が公表されたことになります。
速報のため、日々の発表のデータとかなりのズレが生じてる場合もありますが、分析に活用できます。

[罹患状況推移分析] 日本国籍者検体数も陽性者数も爆増
2020年
10/04-10/10 検体12,421・陽性57=罹患率0.46%(日本国籍0.46%:外国籍0.46%)
10/11-10/17 検体 7,364・陽性24=罹患率0.33%(日本国籍0.29%:外国籍0.34%)
10/18-10/24 検体12,213・陽性46=罹患率0.38%(日本国籍0.39%:外国籍0.37%)
10/25-10/31 検体17,833・陽性47=罹患率0.26%(日本国籍0.22%:外国籍0.29%)
  <11/01〜入国者の多い低感染国9か国が検査解除>
11/01-11/07 検体10,589・陽性84=罹患率0.79%(日本国籍0.75%:外国籍0.83%)
11/08-11/14 検体10,823・陽性89=罹患率0.82%(日本国籍0.54%:外国籍1.02%)
11/15-11/21 検体11,627・陽性79=罹患率0.68%(日本国籍0.52%:外国籍0.79%)
11/22-11/28 検体13,789・陽性90=罹患率0.65%(日本国籍0.61%:外国籍0.65%)
11/29-12/05 検体14,226・陽性89=罹患率0.63%(日本国籍0.50%:外国籍0.74%)
12/06-12/12 検体16,488・陽性86=罹患率0.52%(日本国籍0.43%:外国籍0.64%)
12/13-12/19 検体18,554・陽性74=罹患率0.40%(日本国籍0.28%:外国籍0.62%)
12/20-12/26 検体18,835・陽性98=罹患率0.52%(日本国籍0.51%:外国籍0.54%)
12/27-01/02 検体13,123・陽性83=罹患率0.63%(日本国籍0.49%:外国籍0.75%)
2021年
01/03-01/09 検体14,098・陽性76=罹患率0.54%(日本国籍0.23%:外国籍0.72%)
  <01/09〜全入国者検査開始>
01/10-01/16 検体21,399・陽性67=罹患率0.31%(日本国籍0.31%:外国籍0.31%)
01/17-01/23 検体22,678・陽性41=罹患率0.18%(日本国籍0.31%:外国籍0.15%)
01/24-01/30 検体10,076・陽性25=罹患率0.25%(日本国籍0.12%:外国籍0.37%)
01/31-02/06 検体10,435・陽性20=罹患率0.19%(日本国籍0.13%:外国籍0.27%)
02/07-02/13 検体 9,423・陽性19=罹患率0.20%(日本国籍0.15%:外国籍0.26%)
02/14-02/20 検体 9,523・陽性19=罹患率0.20%(日本国籍0.11%:外国籍0.28%)
02/21-02/27 検体11,779・陽性23=罹患率0.20%(日本国籍0.22%:外国籍0.17%)
02/28-03/06 検体14,086・陽性29=罹患率0.21%(日本国籍0.16%:外国籍0.26%)
03/07-03/13 検体14,467・陽性27=罹患率0.19%(日本国籍0.14%:外国籍0.25%)
03/14-03/20 検体17,879・陽性49=罹患率0.27%(日本国籍0.20%:外国籍0.41%)
03/21-03/27 検体14,040・陽性42=罹患率0.30%(日本国籍0.15%:外国籍0.48%)
03/28-04/03 検体14,615・陽性70=罹患率0.48%(日本国籍0.24%:外国籍0.81%)
04/04-04/10 検体12,694・陽性62=罹患率0.49%(日本国籍0.16%:外国籍0.85%)
04/11-04/17 検体11,974・陽性74=罹患率0.62%(日本国籍0.40%:外国籍0.90%)
04/18-04/24 検体11,268・陽性60=罹患率0.53%(日本国籍0.26%:外国籍0.89%)
04/25-05/01 検体13,039・陽性95=罹患率0.73%(日本国籍0.29%:外国籍1.30%)
05/02-05/08 検体11,551・陽性82=罹患率0.71%(日本国籍0.25%:外国籍1.29%)
05/09-05/15 検体12,891・陽性50=罹患率0.39%(日本国籍0.23%:外国籍0.59%)
05/16-05/22 検体11,644・陽性39=罹患率0.33%(日本国籍0.33%:外国籍0.34%)
05/23-05/29 検体13,680・陽性32=罹患率0.23%(日本国籍0.19%:外国籍0.29%)
05/30-06/05 検体16,066・陽性40=罹患率0.25%(日本国籍0.14%:外国籍0.41%)
06/06-06/12 検体16,515・陽性17=罹患率0.10%(日本国籍0.08%:外国籍0.14%)
06/13-06/19 検体16,771・陽性44=罹患率0.26%(日本国籍0.18%:外国籍0.39%)
06/20-06/26 検体16,536・陽性45=罹患率0.27%(日本国籍0.19%:外国籍0.41%)
06/27-07/03 検体22,338・陽性60=罹患率0.27%(日本国籍0.24%:外国籍0.32%)
07/04-07/10 検体23,362・陽性79=罹患率0.34%(日本国籍0.38%:外国籍0.29%)
07/11-07/17 検体32,329・陽性97=罹患率0.30%(日本国籍0.44%:外国籍0.22%)
07/18-07/24 検体35,885・陽性67=罹患率0.19%(日本国籍0.33%:外国籍0.13%)
07/25-07/31 検体24,273・陽性89=罹患率0.37%(日本国籍0.50%:外国籍0.24%)
08/01-08/07 検体21,987・陽性94=罹患率0.43%(日本国籍0.33%:外国籍0.57%)
08/08-08/14 検体19,809・陽性78=罹患率0.39%(日本国籍0.37%:外国籍0.42%)
08/15-08/21 検体25,444・陽性101=罹患率0.40%(日本国籍0.38%:外国籍0.40%)
08/22-08/28 検体20,067・陽性69=罹患率0.34%(日本国籍0.30%:外国籍0.38%)
08/29-09/04 検体18,832・陽性86=罹患率0.46%(日本国籍0.32%:外国籍0.60%)
09/05-09/11 検体17,834・陽性78=罹患率0.44%(日本国籍0.29%:外国籍0.58%)
09/12-09/18 検体16,952・陽性56=罹患率0.33%(日本国籍0.19%:外国籍0.49%)
09/19-09/25 検体16,964・陽性56=罹患率0.33%(日本国籍0.13%:外国籍0.48%)
09/26-10/02 検体21,484・陽性71=罹患率0.33%(日本国籍0.17%:外国籍0.49%)
10/03-10/09 検体17,264・陽性43=罹患率0.25%(日本国籍0.10%:外国籍0.40%)
10/10-10/16 検体18,780・陽性46=罹患率0.24%(日本国籍0.23%:外国籍0.26%)
10/17-10/23 検体19,305・陽性45=罹患率0.23%(日本国籍0.19%:外国籍0.27%)
10/24-10/30 検体20,038・陽性34=罹患率0.17%(日本国籍0.13%:外国籍0.21%)
10/31-11/06 検体21,718・陽性58=罹患率0.27%(日本国籍0.27%:外国籍0.27%)
11/07-11/13 検体21,462・陽性47=罹患率0.22%(日本国籍0.18%:外国籍0.26%)
11/14-11/20 検体21,739・陽性45=罹患率0.21%(日本国籍0.16%:外国籍0.26%)
11/21-11/27 検体24,309・陽性46=罹患率0.19%(日本国籍0.16%:外国籍0.22%)
11/28-12/04 検体28,216・陽性71=罹患率0.25%(日本国籍0.20%:外国籍0.33%)

12/05-12/11 検体29,138・陽性86=罹患率0.30%(日本国籍0.28%:外国籍0.32%)

今週の検体数は、日本国籍者は急増、外国籍者は急減。日外比率は1:0.40で、一気に日本国籍者が増えました。
今週の陽性数は、日本国籍者26人増、外国籍者は11人減。日外比率は1:0.46で、日本国籍者が爆増しています。

検査対象が全入国者になっています。検査数(≒入国者)の多さは、米国、中国、英国、韓国、フィリピンの順でした。
日本人は20,792件でした。前週より+4,144件も爆増。2020年12月4週目の12,354件を一気に超えた前々週から2週連続で爆増しました。
外国人は8,346件。こちらは-3,222件と急減。2021年1月3週目の17,873件の半分程度になりました。

前週と比べると、日本国籍者は、検査数が25%増加に対して陽性者数は79%増加。外国籍者は検査数が28%減少に対して陽性者数は29%減少。
この結果、罹患率は、日本国籍者は増加、外国籍者は微減でした。

全体の罹患率は0.30%で0.05P悪化しています。昨年末や今年夏と同じですが、外国籍者は罹患率にあまり変化がないままで、日本国籍者が急に悪化する流れになっています


[陽性者数多い国分析] 30か国とほぼ横ばい/米英が悪化止まらず
今週陽性者が確認されたのは、前週に続いて陽性者が出ている米国・、英国・、フランス5、ネパール・、韓国5、トルコ1、パキスタン5、ギリシャ1、スイス1、ドイツ2、ナイジェリア1、バングラデシュ2、フィンランド1、モンゴル1、ラオス1などを含めて30か国(前週比-1)からの入国者に陽性者が出ました。悪化したまま止まらない状況です。

最悪は、米国が24人(前週比+12人)と倍増しています。日本国籍者は17人(前週比+15人)に対して、外国籍者は7人(前週比-3人)。検体数は日本国籍者が千人以上も爆増していますが、日本国籍者の陽性者数の悪化はあまりにも異常な増加となっています。
続いて悪化したのが英国で15人(前週比+11人)。日本国籍者は14人(前週比+10人)に対して、外国籍者は1人(前週比+1人)。検体数は日本国籍者が500人以上も急増していますが、日本国籍者の陽性者数の悪化はあまりにも異常な増加となっています。
この後は、フランス(前週比-4人)とネパール(前週比-1人)が5人。いずれも検体数も減少しており、陽性者数も減少しています。フランスは日本国籍者4人(前週比-8人)に対して、外国籍者は1人(前週比±0人)。ネパールは全て外国籍者です。

続いて韓国が4人(前週比+2人)。日本国籍者、外国籍者ともに2人です。日本国籍者が悪化しています。
3人だったのはコンゴ民主(前週比皆増)、スペイン(前週比皆増)の2か国。全員日本国籍者です。

2人陽性だったのは4か国で、アラブ首長国連邦(UAE)(前週比+2人)、エジプト(前週比+2人)、トルコ(前週比±0人)、パキスタン(前週比+1人)でした。日本国籍者はUAEの2人のみで、残りは全員外国籍者でした。

残り19か国は1人ずつ。カナダ、ギリシャ、ジョージア、シンガポール、ジンバブエ、スイス、スウェーデン、タンザニア、チェコ、ドイツ、フィンランド、モザンビーク、ラオス、レソトが日本国籍者、ケニア、中国、ナイジェリア、バングラデシュ、モンゴルは外国籍者でした。

先週に引き続き非常に明確で驚くほど偏った傾向は、欧州とアフリカがほとんど日本国籍者であること。日本国籍者の検体数自体が急増しており、ウイルスを持った邦人が緊急帰国で押し寄せたといった印象です。
前週外国籍者ばかりだった南北アメリカも日本国籍者の陽性が増えています。



[罹患率高い国分析] 1%超えは30か国中16か国で増加続く
最も罹患率が悪かったのは、レソト50.00%(検体2件中1人陽性=全員日本国籍者)でした。
続いてコンゴ民主15.79%(検体19件中3人陽性=日本国籍者検体16件中3人陽性)、ジンバブエ10.00%(検体10件中1人陽性=全員日本国籍者)でした。
二桁割合の異常国は上記3か国でした。

この後は、
ラオス9.09%(検体11件中1人陽性=日本国籍者検体9件中1人陽性)
タンザニア4.76%(検体21件中1人陽性=日本国籍者検体17件中1人陽性)
エジプト3.23%(検体62件中2人陽性=外国籍者検体19件中2人陽性)
ナイジェリア3.13%(検体32件中1人陽性=外国籍者検体14件中1人陽性)
ジョージア2.94%(検体34件中1人陽性=日本国籍者検体31件中1人陽性)
モザンビーク2.63%(検体38件中1人陽性=日本国籍者検体37件中1人陽性)
ギリシャ2.17%(検体46件中1人陽性=日本国籍者検体26件中1人陽性)
モンゴル2.04%(検体49件中1人陽性=外国籍者検体36件中1人陽性)
チェコ1.72%(検体58件中1人陽性=日本国籍者検体56件中1人陽性)
スペイン1.33%(検体225件中3人陽性=日本国籍者検体193件中3人陽性)
トルコ1.32%(検体151件中2人陽性=外国籍者検体42件中2人陽性)
ケニア1.10%(検体91件中1人陽性=外国籍者検体9件中1人陽性)
スウェーデン1.06%(検体94件中1人陽性=日本国籍者検体84件中1人陽性)

1%(100人に1人陽性)超えは以上の16か国(前週比+3)で増加しました。世界的に感染状態が悪くなっており、だいぶ増えています。2週連続で1%超えの異常状態はラオス、ナイジェリア、ギリシャ、モンゴル、トルコの5か国でした。
欧州の罹患率が一気に上がってきている印象で、1%前後の国が多数あります。


※注意:検体数=入国者数ではありませんので、実際の罹患率は出ている数字より高いはずです。


[航空便利用者数分析] 総利用者数は急増続く、米国急増続く
合計の利用者数は46,844人(前週比+3,939人)と急増が続いています
最多は米国便で13,362人(前週比+1,241人)で増加が継続中。フィリピン便が3,701人(前週比+331人)、中国便が2,351人(前週比-75人)と続いています。

今週は増加国の方が多かったです。
増加している国:最も人数が増えたのは、4週連続で米国便。続いてニューカレドニア便1,465人(前週比+661人)、シンガポール便2,949人(前週比+513人)、英国便1,260人(前週比+416人)と続いています。
皆増した国:フィジー便34人、ノルウェー便5人。フィジーは定期便が再開しました。

減少している国:最も人数が減ったのは、韓国便で1,840人(前週比-233人)です。
皆減した国:ポーランド(58人減)、ミャンマー(34人減)、クロアチア(3人減)。ポーランドとミャンマーは定期便が飛ばなかったものと思われます。

利用者数の多いニューカレドニアからの検体数は1件でした。



毎週データは更新されているようですので、今後も注視していきます。

週間速報内容
12/5-12/11
全検査
合計 検体29,138/陽性 86 0.30%
日本 検体20,792/陽性 59 0.28%↑
外国 検体 8,346 /陽性 27 0.32%


検体数の多い国
米  国:合計 検体7,534、陽性24=0.32%
  日本国籍 検体5,747 陽性17=0.30%/外国籍 検体1,787 陽性 7=0.39%
中  国:合計 検体2,123、陽性 1=0.05%
  日本国籍 検体1,113 陽性 0=0%/外国籍 検体1,010 陽性 1=0.10%
英  国:合計 検体1,530、陽性15=0.98%
  日本国籍 検体1,390 陽性14=1.01%/外国籍 検体 140 陽性 1=0.71%
韓  国:合計 検体1,391、陽性 4=0.29%
  日本国籍 検体 576 陽性 2=0.35%/外国籍 検体 815 陽性 2=0.25%
フィリピン:合計 検体1,238、陽性 0=0%
  日本国籍 検体 344 陽性 0=0.48%/外国籍 検体 894 ​陽性 0=0%


罹患率の高い国
レ ソ ト:合計 検体 2、陽性 1=50.00%
  日本国籍 検体 2 陽性 1=50.00%/外国籍 検体 0 陽性 0=0%
コンゴ民主:合計 検体 19、陽性 3=15.79%
  日本国籍 検体 16 陽性 3=18.75%/外国籍 検体 3 陽性 0=0%
ジンバブエ:合計 検体 10、陽性 1=10.00%
  日本国籍 検体 10 陽性 1=10.00%/外国籍 検体 0 陽性 0=0%
ラ オ ス:合計 検体 11、陽性 1=9.09%
  日本国籍 検体 9 陽性 1=11.11%/外国籍 検体 2 陽性 0=0%
タンザニア:合計 検体 21、陽性 1=4.76%
  日本国籍 検体 17 陽性 1=5.88%/外国籍 検体 4 陽性 0=0%


毎日の個別発表との誤差状況(12月5日〜12月11日)
(A)週間発表(今回の滞在国・地域ごとの検査実績発表):86人
(B)毎日発表:83人中非公表0人(複数国滞在者4人=フィンランド/スウェーデン、ドイツ/スイス/英国、香港/中国、スペイン/フランス)

 (誤差が出ている国)Aが超過していると非公表の可能性有
 フランス A:5人、B:6人(Bが1人超過)
 中国(香港含む) A:1人、B:2人(Bが1人超過)


水際対策(厚生労働省公式サイト)
https://www.mhlw.go.jp/stf/covid-19/kansenkakudaiboushi-iryouteikyou.html#h2_7


空港検疫ありがとう
ウイルス流入阻止へ水際で頑張る皆様を応援します
#Light It Blue
ラベル:検疫 感染症
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