検体数≒入国者数のほぼ判明している状態が51週目に突入
厚生労働省(厚労省)は1月14日、空港検疫での新型コロナウイルス感染症(COVID-19)検査状況の12月5週目(12月26日〜1月1日)分の速報値を発表しました。この数字から行動歴別の入国者数が推定できます。
厚労省の速報は、週間の検体数と陽性者数を、日本国籍者、外国籍者別に、滞在国ごとに出した非常に細かいデータです。
2021年1月9日から全入国者が検査対象となったため、COVID-19パンデミック後初めて検査数≒入国者数となっています。複数回検査する人や14日以内に複数国滞在した人もいるので、厳密には=ではありませんし、乗員は対象外ですが、検査数が入国者数に限りなく近づきました。
今回発表は、一週間分に過ぎませんが、これまで確認することが出来なかった、行動歴別のほぼ正確な入国者数が51週連続で判明しています。
ここのところ強制隔離(入国時と3日後の2回、または、6日後加えた3回、または、さらに10日後加えた4回)対象者が増加しているので、検体数>入国者数になっているものと推定されます。ご注意ください。
■日本国籍者が激減
12月5週目は、検査数は19,421件(前週比-8,348件)と激減しました。
日本国籍者は11,486件(前週比-10,129件)、外国籍者は7,935件(前週比+1,781件)。日本国籍者は急減(半減)、外国籍者は増加です。
なお、今回の期間は、オミクロン株による規制がフルになって4週目です。やはり年末は、前年同様に日本国籍者が激減しました。
■減少国が激増、年末年始帰国は米英新が目立って多かったと推定
国別で見ると、入国者数最多は米国で5,663件(前週比-2,490件)で激減しました。
二番目は中国で1,751件(前週比-155件)と減少。
三番目はタイで1,305件(前週比-417件)と急減。
四番目は韓国で949件(前週比-393件)で減少に転じました。ここまでは先週と同順番でした。
五番目はフィリピンで732件(前週比-137件)と減少が続いています。
六番目はインドで641件(前週比-84件)で2週連続減少。
七番目はカナダが612件(前週比+10件)と一気に順番が上がりました。陽性者も増えた国で、こういうリスクの高まった国ほど入国数が増えている印象です。
八番目は英国で543件(前週比-415件)でした。3週連続で減少で、今週は半減近いです。
九番目はフランスで471件(前週比-384件)で2週連続減少で、今週は半減近いです。
十番目は台湾で446件(前週比-49件)。
前週五番目だったドイツは十番目までに入らず、激減しています。
欧州各国の入国者が激減しています。いずれの国も日本国籍者が激減しており、現地感染が酷い国々なのに、年末年始帰国が相次いでいた実態が見て取れます。
この週は、減少した国が多かったです。
■邦人急減の国ばかり
日本人が多いのは、上位十位までの国では、米国、中国、タイ、韓国、カナダ、英国、フランス、台湾でした。
米国は、日本国籍者2,935件・外国籍者2,728件。日本国籍者は3分の2程(4,042件)も激減、外国籍者は倍増以上(1,552件)も急増しています。現地感染が酷い国々なのに、年末年始帰国が相次いでいた実態が見て取れます。この週は、米国軍人のクラスターとみられる事例が多発していましたが、外国籍者も入国を抑える気はサラサラない印象。在留邦人も米国人も、感染拡大防止など何も考えていない人たちばかりが行き来する異常国家に見える結果ですね。
中国は、日本国籍者1,041件・外国籍者710件。ほぼ横ばいです。中国は普段外国籍者がやや多い国なので、日本国籍者の帰国需要がまだ続いていた可能性があります。
タイは、日本国籍者1,122件・外国籍者183件。日本国籍者は減少、外国籍者は横ばい。日本国籍者はまだ多めで推移しており、年末年始帰国が続いていた可能性があります。
韓国は、日本国籍者534件・外国籍者415件。日外とも減少。日本国籍者は267件も減りましたがまだ日本国籍者の方が多いです。韓国は普段外国籍者が多い国なので、日本国籍者の帰国需要がまだ続いていた可能性があります。
カナダは、日本国籍者499件・外国籍者113件。日本国籍者は減少、外国籍者は増加。十番目までの国で唯一増加しています。陽性者が急増しており、感染を気にしない人が多いのかもしれません。
英国は、日本国籍者380件・外国籍者163件。日本国籍者は3週連続の減少で、今週は522件も減っています。外国籍者は増加に転じました。
フランスは、日本国籍者306件・外国籍者165件。2週連続で日本国籍者は減少、外国籍者は増加。日本国籍者は458件も減っています。
台湾は、日本国籍者307件・外国籍者139件。日本国籍者がより減っていますが、ほぼ横ばいです。台湾はこれが普段の状態といった印象です。
日本人と外国人が同じくらいの国は、ありませんでした。
外国人が多いのは、上位十位までの国では、フィリピンとインドでした。
フィリピンは、日本国籍者164件・外国籍者568件。日本国籍者は半減。元々外国籍者がかなり多い国です。日本国籍者の帰国需要は止まっていますね。
インドは、日本国籍者200件・外国籍者441件。日本国籍者は急減、外国籍者は増加です。インドは普段外国籍者がやや多い国なので、普段の状態に戻った印象です。
この他、十位以内に入っていませんが、
11番目のシンガポール、12番目のドイツ、14番目のベトナム、15番目のインドネシアは、日本国籍者の方が多いです。インドネシアは普段は日外同程度の国で、日本国籍者は半減近くまで減りましたが、外国籍者も減っています。
13番目のネパールは、圧倒的に外国籍者の方が多いです。
日本国籍者は、ドイツは激減。シンガポールとインドネシアは半減近い急減しています。ベトナムは微減、ネパールは増加です。
以上の増減状況を踏まえると、
東アジアは日本国籍者の帰国が継続、それ以外は日本国籍者の帰国がだいぶ止まった印象です。東南アジアは国により状況に差があります。
欧州は日本国籍者が急減しています。
なお、10日間強制隔離対象期間の関係する10か国のうち、上記にあるインド以外の9か国は、
<デルタ株等で10日間隔離経験国>
アフガニスタン:11件(前週比±0件)=14週間で日本国籍者は12週前1件・10週前2件・8週前1件・7週前2件・6週前1件・5週前2件・3週前2件・2週前2件・1週前2件・今週1件のみで、ほぼ全員外国籍者。
インドネシア:348件(前週比-194件)=日本国籍者が154件も減っています。
キルギス:9件(前週比+8件)=日本国籍者5件、外国籍者4件。
スリランカ:165件(前週比-8件)=前週とほぼ横ばい。
ネパール:405件(前週比-3件)=日本国籍者倍増も38件のみ、外国籍者減少。
パキスタン:184件(前週比+1件)=日本国籍者減少し38件のみ、外国籍者増加。
バングラデシュ:149件(前週比-67件)=日本国籍者は半減、外国籍者は増加。
モルディブ:20件(前週比-10件)=日本国籍者15件、外国籍者5件。変化は日本国籍者のみ。
<オミクロン株で10日間隔離の国>◆全期間隔離中、◇一部期間隔離中
アンゴラ◆:0件(前週比-3件)=日本国籍者2件、外国籍者1件から皆減。
エスワティニ◆:0件(前週比±0件)=3週連続0人。
コンゴ民主共和国◆:8件(前週比+4件)=日本国籍者7人・外国籍者皆増1人。
ザンビア◆:3件(前週比±0件)=2週連続全員日本国籍者。
ジンバブエ◆:1件(前週比-4件)=3週ぶり日本国籍者なし・外国籍1人。
ナミビア◆:1件(前週比+1件)=日本国籍者。
ボツワナ◆:2件(前週比±0件)=2週連続全員日本国籍者。
マラウイ◆:0件(前週比-2件)=全員日本国籍者皆減。
南アフリカ◆:11件(前週比-10件)=全員日本国籍者。外国籍者2件皆減。
モザンビーク◆:9件(前週比+3件)=3週連続全員日本国籍者。
レソト◆:0件(前週比±0件)=4週連続0人。
※10日間隔離国は全然入国者がいないです。元々入国者は多くなく、入国禁止をやってる感だけで、ほとんど効果がないですね。早く米国や欧州を指定すべき状況なのですが、、、。
・各国とも日本国籍者の減少の国が目立つ。=日本国籍者の年末帰国終了?
・アフリカは外国籍者激減継続。=新規入国絶たれる?
といった傾向が出ています。
罹患状況などの詳細の分析は別途で記事にします。
■水際対策(厚生労働省公式サイト)
https://www.mhlw.go.jp/stf/covid-19/kansenkakudaiboushi-iryouteikyou.html#h2_7
空港検疫ありがとう
ウイルス流入阻止へ水際で頑張る皆様を応援します
#Light It Blue
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