検体数≒入国者数のほぼ判明している状態が57週目に突入
厚生労働省(厚労省)は2月25日、空港検疫での新型コロナウイルス感染症(COVID-19)検査状況の2月2週目(2月6日〜2月12日)分の速報値を発表しました。この数字から行動歴別の入国者数が推定できます。
厚労省の速報は、週間の検体数と陽性者数を、日本国籍者、外国籍者別に、滞在国ごとに出した非常に細かいデータです。
2021年1月9日から全入国者が検査対象となったため、COVID-19パンデミック後初めて検査数≒入国者数となっています。複数回検査する人や14日以内に複数国滞在した人もいるので、厳密には=ではありませんし、乗員は対象外ですが、検査数が入国者数に限りなく近づきました。
今回発表は、一週間分に過ぎませんが、これまで確認することが出来なかった、行動歴別のほぼ正確な入国者数が57週連続で判明しています。
ここのところ強制隔離(入国時と3日後の2回、または、6日後加えた3回、または、さらに10日後加えた4回)対象者が増加しているので、検体数>入国者数になっているものと推定されます。ご注意ください。
■検体数 増加に転換、外国籍者ばかり増加
2月2週目は、検体数は16,881件(前週比+1,499件)と増加に転じました。
・日本国籍者は7,899件(前週比-290件)で減少
・外国籍者は8,982件(前週比+1,789件)と増加に転じました
でした。
外国籍者が日本国籍者を超えました。
■陽性者多数出ているブラジル、ネパールが珍しく10番目以内に、ベトナムも陽性者増加開始とともに検体爆増
国別で見ると、
入国者数最多 米 国:3,045件(前週比-101件)=5週連続の減少。減少幅は鈍化しています。
二番目 中 国:1,638件(前週比+517件)=前週三番目となりましたが、増加し再び二番目に戻りました。
三番目 フィリピン:1,507件(前週比+111件)=4週連続の増加。
四番目 ベトナム:982件(前週比+710件)=陽性者が多く出ていますが入国が爆増しています。
五番目 韓 国:818件(前週比+352件)=4週ぶりの増加。前週は急減した分増加した状況です。
六番目 インド:705件(前週比-46件)=減少に転じましたが、まだ横ばい気味です。
七番目 タ イ:552件(前週比-102件)=前週4週ぶりに増加しましたが再び減少しました。
八番目 台 湾:518件(前週比+296件)=急増しました。
九番目 ブラジル:458件(前週比-88件)=減少に転じました。ブラジルが4週連続で十番目までに入っている非常に珍しい状況です。陽性者が多く出ていますが入国が減りません。
十番目 ネパール:414件(前週比+33件)=陽性者が多く出ていますが入国が減りません。
3週連続で、十番以内に欧州の国が出ませんでした。結局、現地の感染超悪化が問題になっていた年末年始だけ、欧州からの入国者が増えていたということになります。自由人が多いのでしょう。
この週は、検体数が増加した国、減少した国が半々の印象でした。
■航空便再開でベトナム外国籍者急増
日本人が多いのは、上位十位までの国では、米国、タイでした。
米 国:日本国籍者1,982件・外国籍者1,063件=日本国籍者は-59件、外国籍者は-42件の減少でした。外国籍者の減少が続く中、日本国籍者も減少しました。年末年始は普段と異なり外国籍者の方が多かったですが、日本国籍者が多い普段の状況に戻っています。現地の感染超悪化が問題になっていた年始だけ、外国籍者が増えていたということになりますね(特に米軍族)。
タ イ:日本国籍者425件・外国籍者127件=日本国籍者は-70件、外国籍者は-32件の減少。
日本人と外国人が同じくらいの国は台湾でした。
台 湾:日本国籍者220件・外国籍者298件=日本国籍者は+101件、外国籍者は+195件の増加。一気に入国者が増加しています。
外国人が多いのは、上位十位までの国では、中国、フィリピン、ベトナム、韓国、インド、ブラジル、ネパールでした。
中 国:日本国籍者448件・外国籍者1,190件=日本国籍者は-206件の減少、外国籍者は+723件の増加。中国は普段外国籍者が多い国で、前週まで日本国籍者が多かったですが、一気に外国籍者の入国が始まりました。
フィリピン:日本国籍者233件・外国籍者1,274件=日本国籍者は+18件、外国籍者は+93件の増加。普段から外国籍者がかなり多い国です。
ベトナム:日本国籍者138件・外国籍者844件=日本国籍者は-59件の減少、外国籍者は+769件の爆増。定期便運航再開が相次いでおり、外国籍者の移動が始まったものとみられます。
韓 国:日本国籍者294件・外国籍者524件=日本国籍者+108件、外国籍者+244件の増加。一気に外国籍者が戻ってきました。普段外国籍者が多い国です。
インド:日本国籍者153件・外国籍者552件=日本国籍者-35件、外国籍者-11件の減少。普段から外国籍者がかなり多い国です。
ブラジル:日本国籍者81件・外国籍者377件=日本国籍者は+4件のほぼ横ばい、外国籍者は-92件の減少。米国や南アジアの陰に隠れて目立ちませんが、年始以降陽性者が多めの状態が続いている国です。
ネパール:日本国籍者19件・外国籍者395件=日本国籍者は-7件のほぼ横ばい、外国籍者は+40件の増加。陽性者が多い国ですが、外国人ばかり増加しています。
この他、十位以内に入っていませんが、
12番目の英国、14番目のフランス、15番目のドイツは、日本国籍者の方が多いです。
11番目のインドネシアは、日外同じくらい。
13番目のパキスタンは、圧倒的に外国籍者の方が多いです。
こうやって見ると、いつまで経っても、上位十傑だけ見ると、日本人の多い国は水際対策の厳しい国で陽性者が少なく、外国人の多い国は水際対策の緩い国で陽性者が多い印象ですね(米国は異質)。
15番目まで加えると欧米諸国が入ってくるので、少し印象が変わってきます。
結局、東方アジアを除く外国人と欧米の日本人がウイルスを持ち込んでいるといった印象です。
なお、10日間強制隔離対象を経験した国のうち、上記にあるインド、ネパール以外の国は、
<デルタ株等で10日間隔離経験国>
アフガニスタン:17件(前週比+4件)=日2・外15。前週3週ぶりに出た日本国籍者が2週連続となりました。
インドネシア:395件(前週比-54件)=日本国籍者は微増、外国籍者は減少。日189・外206で普段通り差がありません。陽性者が多いです。
キルギス:4件(前週比-3件)=日2・外2。
ザンビア:9件(前週比-1件)=日7・外2。3週連続ぶり外国籍者が出ました。
スリランカ:278件(前週比+75件)=2週連続日外ともに増加。圧倒的に外国籍者が多く日31・外247。陽性者が多いです。
パキスタン:351件(前週比-35件)=日外とも減少。圧倒的に外国籍者が多く日30・外321。陽性者が多いです。
バングラデシュ:217件(前週比-12件)=日本国籍者は増加、外国籍者は減少。日87・外130と日外の差が縮まりました。陽性者が多いです。
モルディブ:14件(前週比+1件)=外国籍者4人が消滅。
※今週も南アジアは陽性者が多い状態です(だいぶ減ってきてはいます)。ネパール、パキスタン、バングラデシュ、スリランカともに外国籍者が圧倒的に多いです。在日者の再入国なのでしょうが、勘弁してほしいです。
<オミクロン株で10日間隔離経験国>
アンゴラ:0件(前週比-3件)=2週ぶり0件。全員日本国籍者。
エスワティニ:0件(前週比±0件)=3週連続0件。
コンゴ民主共和国:0件(前週比-2件)=2週ぶり0件。全員外国籍者。
ザンビア:9件(前週比-1件)=日7・外2。3週ぶり外国籍者が出ました。
ジンバブエ:2件(前週比+2件)=2週ぶり。日1・外1。
ナミビア:0件(前週比-2件)=2週ぶり0件。全員日本国籍者。
ボツワナ:1件(前週比±0件)=外国籍者皆減、日本国籍者皆増。
マラウイ:0件(前週比-4件)=日2・外2が消滅。
南アフリカ:21件(前週比-3件)=日14・外7。
モザンビーク:2件(前週比-3件)=日1・外1。減少はすべて日本国籍者。
レソト:0件(前週比-2件)=2週連続0件。
※オミクロン株でいきなり10日間隔離になった国は、全然入国者がいないです。元々入国者は多くなく、入国禁止をやってる感だけで、ほとんど効果がないですね。さっさと米国や欧州、南アジアの国々等を指定すべき状況だったのですが、ついに実現はしませんでした。
・ベトナムや台湾など特定国の外国籍者が増加気味です。
・米国は外国籍者が減少続く。
・陽性者出まくりの南アジアからの入国者は増減バラバラ。
・アフリカからの入国者は外国籍者激減継続。
といった傾向が出ています。
罹患状況などの詳細の分析は別途で記事にします。
■水際対策(厚生労働省公式サイト)
https://www.mhlw.go.jp/stf/covid-19/kansenkakudaiboushi-iryouteikyou.html#h2_7
空港検疫ありがとう
ウイルス流入阻止へ水際で頑張る皆様を応援します
#Light It Blue
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