1日、入国後隔離の期間が最短で0日間となりました。隔離期間(指定施設または自宅等での待機)が0日間となるのは、2020年4月3日以来実に2年ぶり。空港検疫での隔離中陽性が多発し、罹患率も日本国内の3倍以上という非常に悪い中で緩和が行われた非常に危険な状況です。
ところが、この緩和、あまり注目されていません。
入国後の隔離や公共交通機関利用制限は、2020年4月3日に入国者全員14日間隔離+公共交通利用禁止となって以降、初めて、隔離期間が0日間となる入国者や公共交通機関を利用できる入国者が出ることになりました。
検疫は元々隔離期間の40日を語源としており、隔離は検疫の一番の基本です。それがなくなる、すなわち水際対策放棄に等しい行為ですが、あまり注目されていません。
1日に行われた水際対策の緩和は、入国後隔離最短0日間化や公共交通機関利用制限解除、外国籍者の新規入国許可再開、航空便提供座席数制限の緩和の大きく4点が行われています。
このうち、感染防止に直接寄与するのは、入国後隔離や公共交通機関利用であり、外国籍者の新規入国や航空便提供座席数制限は感染防止には直接関係はなく、受け入れ側が対応する能力があるかないかの問題なだけです。
こういった点でも、本来、入国後隔離や公共交通機関利用の方が重視されなければならない項目であることが分かります。
さらに、外国籍者の新規入国は、2020年11月以降断続的に許可されており、日本へ入国しようと思えば入国できる期間がいくらでもありました。航空便提供座席数制限に至っては、オミクロン株期間だけ極端に減っていただけです。
一方で、入国後隔離や公共交通機関利用は、これまでどうやっても無しにすることはできませんでした。
こういった点でも、本来、入国後隔離や公共交通機関利用の方が重視されなければならない項目であることが分かります。
ところが、ほとんどの報道が、一番に航空便提供座席数制限の緩和をもってきて、続いて外国籍者の新規入国許可再開について取り上げており、入国後隔離最短0日間化や公共交通機関利用制限解除については触れていないものも多く、あまり注目されていません。
外国籍者の新規入国許可再開、航空便提供座席数制限はオミクロン株原因ですが、入国後隔離や公共交通機関利用制限はそもそもコロナ原因です。時間かけて調べた結果としてオミクロン株はリスクが低いからと緩和するのは、入国後隔離や公共交通機関利用制限についてはおかしなことであることが分かります。
入国後隔離最短0日間化や公共交通機関利用制限解除により、ウイルスの密輸+国内へのバラマキ事例が、これまでより多発する可能性が非常に高くなってしまいました。ここが最も問題となる部分です。
・空港検疫ではまだまだ罹患率が日本国内の3倍以上と、2020年1月以来最悪に近い水準
・空港検疫での流動の多いアジアで、感染が爆増し始めたタイミングで、2020年1月以来最悪に近い水準
・一部の国しか強制隔離になっていない中で空港検疫での隔離中陽性はいまだに多発し、2020年1月以来最悪に近い水準
・東京都や千葉のデータから、検疫をすり抜けて市中で陽性になっている事例も非常に多く確認されており、2020年1月以来最悪に近い水準
どこからどう見ても、入国者の感染状況が非常に悪い中で、緩和が行われるという非常に危険な状況です。
東京五輪時に「えあぽーといずでんじゃらす」などと五輪団体関係者を小馬鹿にしていたメディア関係者がいましたが、いまこそ「空港が危険」です。
空港検疫に比べれば大したことがない国内は、いまだに制限延長とか言っている中で、水際だけ先に緩和するのだから、驚き以外の何物でもありません。
入国後隔離や公共交通機関利用については、近い将来、緩和を検討すべきものなのでしょうが、正直今やることじゃないです。
海外各国の感染沈静化か、隔離強化を待ちませんか。
暫くは、欧米級の国内感染悪化に備えていきませんか。
STAY HOME NOW, FLY LATER