検体数≒入国者数のほぼ判明している状態が59週目に突入
厚生労働省(厚労省)は3月11日、空港検疫での新型コロナウイルス感染症(COVID-19)検査状況の2月4週目(2月20日〜2月26日)分の速報値を発表しました。この数字から行動歴別の入国者数が推定できます。
厚労省の速報は、週間の検体数と陽性者数を、日本国籍者、外国籍者別に、滞在国ごとに出した非常に細かいデータです。
2021年1月9日から全入国者が検査対象となったため、COVID-19パンデミック後初めて検査数≒入国者数となっています。複数回検査する人や14日以内に複数国滞在した人もいるので、厳密には=ではありませんし、乗員は対象外ですが、検査数が入国者数に限りなく近づきました。
今回発表は、一週間分に過ぎませんが、これまで確認することが出来なかった、行動歴別のほぼ正確な入国者数が59週連続で判明しています。
ここのところ強制隔離(入国時と3日後の2回、または、6日後加えた3回、または、さらに10日後加えた4回)対象者が増加しているので、検体数>入国者数になっているものと推定されます。ご注意ください。
■検体数 増加続く、日本国籍者が急増
2月4週目は、検体数は20,729件(前週比+2,293件)と3週連続で千件以上の増加でした。
・日本国籍者は11,041件(前週比+2,112件)と2週連続増加。
・外国籍者は9,688件(前週比+181件)と3週連続増加。増加が鈍化しました。
日本国籍者が一万人を超え、外国籍者を超えました。
2月18日着から22か国の強制隔離が解除、米国の強制隔離が全土3日間に短縮になっています。
強制隔離緩和に合わせて、特に日本国籍者の移動が増加しています。別記事で書きますが、陽性者も急増しています。結局、盆休み前や年末年始前と同様に、ウイルス持ち込みが増加するときは、日本人の悪化が影響することが多いです。
■5か国が千件超の増加傾向/陽性者多数出ているブラジル、ネパールが珍しく10番目以内続く
国別で見ると、
入国者数最多 米 国:3,449件(前週比+75件)=2週連続増加。増加量は鈍化しています。
二番目 中 国:3,069件(前週比+1,232件)=3週連続増加。爆増しています。(強制隔離なしの為ほぼ入国者数と同じ)
三番目 フィリピン:1,666件(前週比+8件)=6週連続増加。
四番目 ベトナム:1,249件(前週比+160件)=3週連続増加。(強制隔離なしの為ほぼ入国者数と同じ)
五番目 韓 国:1,051件(前週比+196件)=3週連続増加。千件を超えました。ここまでは前週と順番は同じでした。
六番目 タ イ:810件(前週比+236件)=2週連続増加。
七番目 インド:671件(前週比-46件)=減少に転じました。
八番目 ネパール:579件(前週比+113件)=3週連続増加。
九番目 ブラジル:506件(前週比+44件)=増加しています。ブラジルは6週連続で十番目までに入っている非常に珍しい状況です。陽性者が多く出ていますが入国が減りません。
十番目 台 湾:494件(前週比+6件)=増加に転じました。(強制隔離なしの為ほぼ入国者数と同じ)
ここまでは前週と順番が同じでした。
5週連続で、十番以内に欧州の国が出ませんでした。結局、現地の感染超悪化が問題になっていた年末年始だけ、欧州からの入国者が増えていたということになります。自由人が多いのでしょう。
この週は、検体数が増加した国が多い印象でした。
■日外傾向はほぼ変わらず
日本人が多いのは、上位十位までの国では、米国、中国、タイの3か国でした。
米 国:日本国籍者2,466件・外国籍者983件=日本国籍者は+272件の増加、外国籍者は-197件の減少でした。日本国籍者が多い普段の状況に戻っています。
中 国:日本国籍者1,597件・外国籍者1,472件=日本国籍者は+921件の急増、外国籍者は+311件の増加。普段外国籍者の多い国です。前週日本国籍者が少し増加気味なりましたが、今週は一気に増えました。
タ イ:日本国籍者637件・外国籍者173件=日本国籍者は+191件、外国籍者は+45件の増加。ほぼ横ばいが続いていましたが、増えてきました。
日本人と外国人が同じくらいの国は、韓国と台湾でした。
韓 国:日本国籍者534件・外国籍者517件=日本国籍者+184件、外国籍者+12件の増加。普段通り外国籍者が多いです。前週日本国籍者が少し増加気味なりましたが、今週はさらに増えました。
台 湾:日本国籍者241件・外国籍者253件=日本国籍者は+45件の増加、外国籍者は-39件の減少。
外国人が多いのは、上位十位までの国では、フィリピン、ベトナム、インド、ネパール、ブラジルでした。
フィリピン:日本国籍者327件・外国籍者1,339件=日本国籍者は+41件の増加、外国籍者は-33件の減少。普段通り外国籍者がかなり多いです。
ベトナム:日本国籍者211件・外国籍者1,038件=日本国籍者は+23件、外国籍者は+137件の増加。定期便運航再開が相次いでおり、外国籍者の移動が続いています。
インド:日本国籍者191件・外国籍者480件=日本国籍者+44件の増加、外国籍者-90件の減少。普段通り外国籍者がかなり多いです。
ネパール:日本国籍者19件・外国籍者560件=日本国籍者は-1件の横ばい、外国籍者は+114件の増加。陽性者が多い国ですが、どんどん外国人ばかり増加しています。
ブラジル:日本国籍者100件・外国籍者406件=日本国籍者は+8件の横ばい、外国籍者は+36件の増加。米国や南アジアの陰に隠れて目立ちませんが、年始以降陽性者が多めの状態が続いている国です。
この他、十位以内に入っていませんが、
12番目の英国、13番目のカナダ、14番目のドイツは、日本国籍者の方が多いです。
11番目のインドネシアは、日外同じくらい。
15番目のパキスタンは、圧倒的に外国籍者の方が多いです。
こうやって見ると、いつまで経っても、上位十傑だけ見ると、日本人の多い国は水際対策の厳しい国で陽性者が少なく、外国人の多い国は水際対策の緩い国で陽性者が多い印象ですね(米国、ベトナムは異質)。
15番目まで加えると欧米諸国が入ってくるので、少し印象が変わってきます。
結局、東方アジアを除く外国人と欧米の日本人がウイルスを持ち込んでいるといった印象です。
なお、10日間強制隔離対象を経験した国のうち、上記にあるインド、ネパール以外の国は、以下の通り。
<デルタ株等で10日間隔離経験国>
アフガニスタン:19件(前週比-2件)=日1・外18。前週同傾向。
インドネシア:476件(前週比+29件)=日外とも増加。日230・外246で普段通り差がありません。陽性者が多いです。
キルギス:10件(前週比+4件)=日4・外6。
ザンビア:7件(前週比+6件)=2週ぶりに外国籍者。日6・外1。
スリランカ:303件(前週比-4件)=日本国籍者は増加・外国籍者は減少。差は縮まったものの圧倒的に外国籍者が多いのは変わらず日41・外262。陽性者が多いです。
パキスタン:333件(前週比+1件)=圧倒的に外国籍者が多く日34・外299。陽性者が多いです。
バングラデシュ:233件(前週比-19件)=日外とも微減。日68・外165。陽性者が多いです。
モルディブ:11件(前週比-2件)=日9・外2。
※今週も南アジアは陽性者が多い状態です(一時期に比べればだいぶ減ってきてはいます)。ネパール、パキスタン、バングラデシュ、スリランカともに外国籍者が圧倒的に多いです。在日者の再入国なのでしょうが、勘弁してほしいです。
<オミクロン株で10日間隔離経験国>
アンゴラ:2件(前週比+1件)=5週ぶり外国籍者。日1・外1。
エスワティニ:0件(前週比±0件)=5週連続0件。
コンゴ民主共和国:5件(前週比±0件)=外国籍者3人が消滅。日5・外0。
ザンビア:7件(前週比+6件)=2週ぶり外国籍者。日6・外1。
ジンバブエ:0件(前週比-4件)=外国籍者4人が消滅。
ナミビア:3件(前週比+2件)=2週連続全員日本国籍者。
ボツワナ:2件(前週比+1件)=3週連続外国籍者。日1・外1。
マラウイ:1件(前週比-4件)=2週連続全員日本国籍者。
南アフリカ:28件(前週比-9件)=日19・外9。
モザンビーク:0件(前週比-5件)=日3・外2が消滅。
レソト:0件(前週比±0件)=4週連続0件。
※オミクロン株でいきなり10日間隔離になった国は、全然入国者がいないです。元々入国者は多くなく、入国禁止をやってる感だけで、ほとんど効果がないですね。さっさと米国や欧州、南アジアの国々等を指定すべき状況だったのですが、ついに実現はしませんでした。
・上位諸国の日外比は大きな変化なし。日本国籍者増加中。
・南アジアからの入国者はほぼ外国籍者。
・アフリカからの入国者は外国籍者激減継続。
といった傾向が出ています。
罹患状況などの詳細の分析は別途で記事にします。
■水際対策(厚生労働省公式サイト)
https://www.mhlw.go.jp/stf/covid-19/kansenkakudaiboushi-iryouteikyou.html#h2_7
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