検体数≒入国者数のほぼ判明している状態が61週目に突入
厚生労働省(厚労省)は3月25日、空港検疫での新型コロナウイルス感染症(COVID-19)検査状況の3月2週目(3月6日〜3月12日)分の速報値を発表しました。この数字から行動歴別の入国者数が推定できます。
3月22日配信記事(https://johokotu.seesaa.net/article/486105745.html)で、公表が終了した可能性も記載しましたが、公開場所が変更されていることを確認しました。最新週のデータについては、これまで公表されてきた「感染拡大防止と医療提供体制の整備」のページから、「水際対策に係る新たな措置について」のページ(https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000121431_00209.html)に公開ページが変更されていました。
3週間遅れになるかと不安でしたが、何とか2週間遅れでの公表が続いているようです。
更新が遅くなりましたが、確認結果を記事にします。
厚労省の速報は、週間の検体数と陽性者数を、日本国籍者、外国籍者別に、滞在国ごとに出した非常に細かいデータです。
2021年1月9日から全入国者が検査対象となったため、COVID-19パンデミック後初めて検査数≒入国者数となっています。複数回検査する人や14日以内に複数国滞在した人もいるので、厳密には=ではありませんし、乗員は対象外ですが、検査数が入国者数に限りなく近づきました。
今回発表は、一週間分に過ぎませんが、これまで確認することが出来なかった、行動歴別のほぼ正確な入国者数が61週連続で判明しています。
強制隔離(入国時と3日後の2回、または、6日後加えた3回、または、さらに10日後加えた4回)対象者がいるので、検体数>入国者数になっているものと推定されます。ご注意ください。
■検体数は6千件以上爆増
3月2週目は、検体数は32,360件(前週比+6,346件)と5週連続で千件以上の増加。2週連続5千件超の増加と爆増が止まりません。
・日本国籍者は18,492件(前週比+4,290件)と4週連続増加。
・外国籍者は13,868件(前週比+2,056件)と5週連続増加。
2月下旬から3月上旬にかけて強制隔離の解除・緩和国が相次いでおり、3月1日からは外国籍者の新規入国も再開されています。爆増の原因とみられます。
■千件超が7か国まで拡大/7週ぶり欧州の国が十番以内に、原因は日本人
国別で見ると、
入国者数最多 米 国:5,993件(前週比+929件)=4週連続増加。増加量がやや下がりました。(3月1日以降は強制隔離なしの為ほぼ入国者数と同じ)
二番目 中 国:3,263件(前週比+780件)=2週ぶり増加。(強制隔離なしの為ほぼ入国者数と同じ)
三番目 フィリピン:2,220件(前週比+191件)=8週連続増加。他国と比べると伸びは緩やかな方です。ここまでは前週と順番は同じでした。
四番目 タ イ:1,766件(前週比+634件)=4週連続増加。今週は急増です。陽性者が多いです。
五番目 ベトナム:1,672件(前週比+101件)=5週連続増加。陽性者が多いです。
六番目 韓 国:1,580件(前週比+326件)=5週連続増加。陽性者が多いです。
七番目 英 国:1,058件(前週比+483件)=いきなりの急増。陽性者も急増しており、入国者増がそのまま陽性者増に繋がっています。危険です。(強制隔離なしの為ほぼ入国者数と同じ)陽性者が多いです。
八番目 シンガポール:952件(前週比+437件)=いきなりの急増。陽性者も急増しており、入国者増がそのまま陽性者増に繋がっています。危険です。陽性者が多いです。
九番目 インドネシア:912件(前週比+360件)=いきなりの急増。陽性者も急増しており、入国者増がそのまま陽性者増に繋がっています。危険です。陽性者が多いです。
十番目 インド:835件(前週比+68件)=ジリジリ増加。
7週ぶりに十番以内に欧州の国が出ました。十一番目にドイツも上がってきており、欧州が増加気味です。欧州が増えるときは日本人も増えるのがこれまでの傾向ですが、今回も例に漏れず日本人の増加が原因です。
また、シンガポール、インドネシアが新たに十番以内に入りました。いずれの国も陽性者も急増しており、入国者増がそのまま陽性者増に繋がっています。危険です。
前週まで珍しく十番以内に入っていたブラジルとネパールは十一番以下となりました(ブラジルは人数も減少)。
この週は、検体数が増加した国が多い印象でした。
■日本国籍者の増加が始まる?
日本人が多いのは、上位十位までの国では、米国、タイ、英国、シンガポール、インドネシアの5か国でした。
米 国:日本国籍者4,367件・外国籍者1,626件=日本国籍者は+724件、外国籍者は+205件の増加でした。日本国籍者の爆増が続いています。
タ イ:日本国籍者1,376件・外国籍者390件=日本国籍者は+469件、外国籍者は+165件の増加。日本国籍者の急増が続いています。
英 国:日本国籍者910件・外国籍者148件=日本国籍者は+432件、外国籍者は+51件の増加。日本国籍者が急増。長期休暇前の特徴が今回(春休み)も出ています。
シンガポール:日本国籍者838件・外国籍者114件=日本国籍者は+396件、外国籍者は+41件の増加。日本国籍者が急増。長期休暇前の特徴が今回(春休み)も出ています。
インドネシア:日本国籍者520件・外国籍者392件=日本国籍者は+226件、外国籍者は+134件の増加。普段は日外同程度の国ですが、日本国籍者の方が増えています。長期休暇前の特徴が今回(春休み)も出ています。
日本人と外国人が同じくらいの国は、ありませんでした。
外国人が多いのは、上位十位までの国では、中国、フィリピン、ベトナム、韓国、インドの5か国でした。
中 国:日本国籍者1,289件・外国籍者1,974件=日本国籍者は+386件、外国籍者は+394件の増加。日外とも増加しています。
フィリピン:日本国籍者598件・外国籍者1,622件=日本国籍者は+113件、外国籍者は+78件の増加。普段通り外国籍者がかなり多いです。日本国籍者の方がより多く増加。
ベトナム:日本国籍者376件・外国籍者1,296件=日本国籍者は+38件、外国籍者は+63件の増加。増加がやっと収まりつつあるでしょうか。
韓 国:日本国籍者510件・外国籍者1,070件=日本国籍者は-69件の減少、外国籍者は+395件の増加。普段通り外国籍者が多いです。外国籍者が急増しています。
インド:日本国籍者296件・外国籍者539件=日本国籍者+1件のほぼ横ばい、外国籍者+67件の増加。外国籍者の方がより多く増加。
この他、十位以内に入っていませんが、
11番目のドイツ、14番目のカナダ、15番目のフランスは、日本国籍者の方が多いです。
13番目の台湾は、日外同じくらいです。
12番目のネパールは、外国籍者の方が多いです。
普段とあまり変わらぬ傾向です。
日本国籍者が急増している国が多いです。
そして、英国、シンガポール、ドイツなどで、長期休暇前に日本人が増加する特徴がまた出ました。
その様な中で、中国は日外ともに増加、韓国は外国籍者の方が目に見えて急増と、少し増減の動きが特殊な印象です。ベトナムやネパールの増加がやっと収まりつつあるように見える結果でした。
なお、10日間強制隔離対象を経験した国のうち、上記にあるインド、インドネシア以外の国は、以下の通り。
<デルタ株等で10日間隔離経験国>
アフガニスタン:27件(前週比-9件)=日2・外25。外国籍者が多い状況に変化はありません。
キルギス:18件(前週比+2件)=日7・外11。
ザンビア:1件(前週比-4件)=日本国籍者(前週3人)が消滅。
スリランカ:352件(前週比+24件)=日本国籍者は増加、外国籍者は微減。圧倒的に外国籍者が多いのは変わらず日63・外289。陽性者が多いです。
ネパール:806件(前週比+26件)=日外とも増加。日31・外775で普段通り圧倒的に外国籍者が多いです。
パキスタン:282件(前週比-111件)=日外とも減少。圧倒的に外国籍者が多く日30・外252。
バングラデシュ:275件(前週比-14件)=日外ともに減少。日90・外185。
モルディブ:14件(前週比-32件)=日10・外4。日本国籍者が急減しています。
<オミクロン株で10日間隔離経験国>
アンゴラ:4件(前週比+4件)=2週ぶり。日3・外1。
エスワティニ:0件(前週比±0件)=7週連続0件。
コンゴ民主共和国:12件(前週比+12件)=2週ぶり。日10・外2。
ザンビア:1件(前週比-4件)=日本国籍者3消滅。
ジンバブエ:7件(前週比+4件)=日2・外5。
ナミビア:5件(前週比+5件)=2週ぶり。全員日本国籍者。
ボツワナ:1件(前週比-2件)=日本国籍者2消滅。
マラウイ:4件(前週比+1件)=4週連続全員日本国籍者。
南アフリカ:85件(前週比+40件)=日28・外57。増加は全員外国籍者。
モザンビーク:7件(前週比+4件)=日6・外1。
レソト:1件(前週比±0件)=2週連続全員日本国籍者。
※オミクロン株でいきなり10日間隔離になった国は、全然入国者がいないです。元々入国者は多くなく、入国禁止をやってる感だけで、ほとんど効果がないですね。外国籍者の新規入国許可となっても目立って入国数が増加していません。さっさと米国や欧州、南アジアの国々等を指定すべき状況だったのですが、ついに実現はしませんでした。
・上位諸国は日本国籍者増加が目立つ。
・南アジアからの入国者はほぼ外国籍者。増加が止まってきており、減少国も多く見られます。
・アフリカからの入国者は外国籍者の新規入国が始まっても少数継続。
といった傾向が出ています。
罹患状況などの詳細の分析は別途で記事にします。
■水際対策に係る新たな措置について(厚生労働省公式サイト)
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000121431_00209.html
STAY HOME NOW, FLY LATER