検体数≒入国者数のほぼ判明している状態が62週目に突入
厚生労働省(厚労省)は4月1日、空港検疫での新型コロナウイルス感染症(COVID-19)検査状況の3月3週目(3月13日〜3月19日)分の速報値を発表しました。この数字から行動歴別の入国者数が推定できます。
厚労省の速報は、週間の検体数と陽性者数を、日本国籍者、外国籍者別に、滞在国ごとに出した非常に細かいデータです。
2021年1月9日から全入国者が検査対象となったため、COVID-19パンデミック後初めて検査数≒入国者数となっています。複数回検査する人や14日以内に複数国滞在した人もいるので、厳密には=ではありませんし、乗員は対象外ですが、検査数が入国者数に限りなく近づきました。
今回発表は、一週間分に過ぎませんが、これまで確認することが出来なかった、行動歴別のほぼ正確な入国者数が62週連続で判明しています。
強制隔離(入国時と3日後の2回、または、6日後加えた3回、または、さらに10日後加えた4回)対象者がいるので、検体数>入国者数になっているものと推定されます。ご注意ください。
■検体数は1万件以上爆増
3月3週目は、検体数は44,626件(前週比+12,265件)と6週連続で千件以上の増加。今週は1万件以上の増加と爆増が止まりません。
・日本国籍者は24,987件(前週比+6,495件)と5週連続増加。
・外国籍者は19,639件(前週比+5,770件)と6週連続増加。
2月下旬から3月上旬にかけて強制隔離の解除・緩和国が相次いでおり、3月1日からは外国籍者の新規入国も再開されています。さらに、3月1日と3月14日に搭乗者数上限の引き上げが行われており、爆増の原因とみられます。
■千件超が一気に12か国まで拡大
国別で見ると、ほとんどの国が増加です。
入国者数最多 米 国:8,078件(前週比+2,084件)=増加量が再度上がりました。
二番目 中 国:4,480件(前週比+1,217件)=一気に増加量が上がっています。ここまでは前週と順番は同じでした。
三番目 タ イ:2,734件(前週比+968件)=異常に急増が続いています。入国者に陽性が急増している危険状態の国です。
四番目 フィリピン:2,712件(前週比+492件)=他国と比べると伸びは緩やかな方です。
五番目 ベトナム:2,623件(前週比+951件)=一気に増加量が上がっています。入国者に陽性が爆増している超危険状態の国です。
六番目 韓 国:2,293件(前週比+713件)=入国者に陽性が爆増している超危険状態の国です。
七番目 インドネシア:2,036件(前週比+1,124件)=一気に増加量が上がっています。入国者に陽性が急増している危険状態の国です。
八番目 シンガポール:1,617件(前週比+665件)=一気に増加量が上がっています。入国者に陽性が急増している危険状態の国です。
九番目 ドイツ:1,383件(前週比+556件)=今週一気に増加。入国者に陽性が急増している危険状態の国です。
十番目 英 国:1,328件(前週比+270件)=伸びはやや鈍化。入国者に陽性が急増している危険状態の国です。
前週7週ぶりに十番以内に欧州の国が出たのに続き、今週はドイツ、英国の2か国。欧州に加え、長期休暇の季節になると増加するシンガポールも増加気味です。
この週は、ほとんどが検体数が増加した国でした。
■国によって、日外増加率に差が出る
日本人が多いのは、上位十位までの国では、米国、タイ、シンガポール、ドイツ、英国の5か国でした。
米 国:日本国籍者5,959件・外国籍者2,119件=日本国籍者は+1,592件、外国籍者は+492件の増加でした。日本国籍者の爆増が続いています。
タ イ:日本国籍者2,065件・外国籍者669件=日本国籍者は+689件、外国籍者は+279件の増加。日本国籍者の急増が続いています。
シンガポール:日本国籍者1,455件・外国籍者162件=日本国籍者は+617件、外国籍者は+48件の増加。日本国籍者が急増。長期休暇前の特徴が今回(春休み)も出ています。
ドイツ:日本国籍者1,220件・外国籍者163件=日本国籍者は+503件、外国籍者は+53件の増加。日本国籍者が急増。長期休暇前の特徴が今回(春休み)も出ています。
英 国:日本国籍者1,115件・外国籍者213件=日本国籍者は+205件、外国籍者は+65件の増加。他国とは少し特徴が異なり、毎回長期休暇前の特徴が出るのが少し早いですが、今回も早くも日外の増加率は大きくは変わらなくなりました。
日本人と外国人が同じくらいの国は、ありませんでした。
外国人が多いのは、上位十位までの国では、中国、フィリピン、ベトナム、韓国、インドネシアの5か国でした。
中 国:日本国籍者1,783件・外国籍者2,697件=日本国籍者は+494件、外国籍者は+723件の増加。日外とも同率程度増加しています。
フィリピン:日本国籍者703件・外国籍者2,009件=日本国籍者は+105件、外国籍者は+387件の増加。普段通り外国籍者がかなり多いです。日外とも同率程度増加しています。
ベトナム:日本国籍者545件・外国籍者2,078件=日本国籍者は+169件、外国籍者は+782件の増加。再び急増で、特に外国籍者が増えています。
韓 国:日本国籍者516件・外国籍者1,777件=日本国籍者は+6件のほぼ横ばい、外国籍者は+707件の増加。普段通り外国籍者が多いです。前週に引き続き外国籍者が急増しています。
インドネシア:日本国籍者613件・外国籍者1,423件=日本国籍者+93件、外国籍者+1,031件の増加。外国籍者の爆増が異常に目立ちます。普段は日外同数程度の国ですが、一気に外国籍者優勢となりました。
この他、十位以内に入っていませんが、
13番目のカナダ、14番目のフランス、15番目のオーストラリアは、日本国籍者の方が多いです。
12番目のインドは、日外同じくらいです。
11番目の台湾は、外国籍者の方が多いです。
インドは普段外国籍者が多いのに、日本国籍者のみ急増。台湾は普段日本国籍者が多いのに外国籍者が急に増えています。傾向に少し変化が出てきている印象です。
日本国籍者が急増している国が多いです。
一部例外もあるものの、普段外国人の多い国は、より外国人が急増している国が多く、普段日本人の多い国は、より日本人が急増している国が多い印象でした。
なお、10日間強制隔離対象を経験した国のうち、上記にあるインドネシア以外の国は、以下の通り。
<デルタ株等で10日間隔離経験国>
アフガニスタン:34件(前週比+7件)=日2・外32。外国籍者が多い状況に変化はありません。
インド:1,035件(前週比+200件)=日488・外547。日本国籍者が+192件と急増、外国籍者は横ばい。珍しいです。
キルギス:17件(前週比-1件)=日8・外9。
ザンビア:14件(前週比+13件)=2週ぶり日本国籍者。日7・外7。
スリランカ:374件(前週比+22件)=日本国籍者は微増、外国籍者もやや増。圧倒的に外国籍者が多いのは変わらず日66・外308。陽性者が多いです。
ネパール:723件(前週比-83件)=減少はすべて外国籍者。日本国籍者は1人増。日32・外691で普段通り圧倒的に外国籍者が多いです。
パキスタン:276件(前週比-6件)=減少はすべて外国籍者。日本国籍者は14人増。圧倒的に外国籍者が多く日44・外232。
バングラデシュ:303件(前週比+28件)=減少はすべて外国籍者。日本国籍者は70人増。日160・外143。日本国籍者が逆転。
モルディブ:27件(前週比+13件)=日23・外4。日本国籍者が増加しています。
<オミクロン株で10日間隔離経験国>
アンゴラ:1件(前週比-3件)=日本国籍者3消滅。
エスワティニ:0件(前週比±0件)=8週連続0件。
コンゴ民主共和国:11件(前週比-1件)=日4・外7。
ザンビア:14件(前週比+13件)=2週ぶり日本国籍者。日7・外7。
ジンバブエ:12件(前週比+5件)=日6・外6。
ナミビア:4件(前週比-1件)=8週ぶり外国籍者。日1・外3。
ボツワナ:4件(前週比+3件)=2週ぶり日本国籍者。日2・外2。
マラウイ:12件(前週比+8件)=5週ぶり外国籍者。日9・外3。
南アフリカ:79件(前週比-6件)=日57・外22。減少は全員外国籍者。
モザンビーク:10件(前週比+3件)=日7・外3。
レソト:1件(前週比±0件)=3週連続全員外国籍者。
※オミクロン株でいきなり10日間隔離になった国は、全然入国者がいないです。元々入国者は多くなく、入国禁止をやってる感だけで、ほとんど効果がないですね。外国籍者の新規入国許可となっても目立って入国数が増加していません。さっさと米国や欧州、南アジアの国々等を指定すべき状況だったのですが、ついに実現はしませんでした。
・上位諸国はより多いい国籍の急増が目立つ。
・アフリカからの入国者は外国籍者の新規入国が始まっても少数継続。
といった傾向が出ています。
罹患状況などの詳細の分析は別途で記事にします。
■水際対策に係る新たな措置について(厚生労働省公式サイト)
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000121431_00209.html
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