[全体] 増加続く
[邦人] GW需要?2週連続急増続く
[外人] 2週連続急減
[国別] 米国が爆増で再び最多
検体数≒入国者数のほぼ判明している状態が69週目に突入
厚生労働省(厚労省)は5月23日、空港検疫での新型コロナウイルス感染症(COVID-19)検査状況の5月1週目(5月1日〜5月7日)分の速報値を発表しました。この数字から行動歴別の入国者数が推定できます。
厚労省の速報は、週間の検体数と陽性者数を、日本国籍者、外国籍者別に、滞在国ごとに出した非常に細かいデータです。
2021年1月9日から全入国者が検査対象となったため、COVID-19パンデミック後初めて検査数≒入国者数となっています。複数回検査する人や14日以内に複数国滞在した人もいるので、厳密には=ではありませんし、乗員は対象外ですが、検査数が入国者数に限りなく近づきました。
今回発表は、一週間分に過ぎませんが、これまで確認することが出来なかった、行動歴別のほぼ正確な入国者数が69週連続で判明しています。
強制隔離(入国時と3日後の2回、または、6日後加えた3回、または、さらに10日後加えた4回)対象者がいるので、検体数>入国者数になっているものと推定されます。ご注意ください。
なお、これまでは毎週金曜日に2週前のものが発表されてきましたが、今回は3日遅れの月曜日発表でした。
■全体増加続く、GW需要?日本国籍者は2週連続急増、外国籍者は2週連続減少
5月1週目は、検体数は69,831件(前週比+1,348件)と4週連続の増加、急増でした。
・日本国籍者は33,239件(前週比+4,308件)と2週連続増加(急増)。
・外国籍者は36,592件(前週比-2,960件)。2週連続減少(急減)。
日外の間の差は3千件強まで縮まりました。
2月下旬から3月上旬にかけて強制隔離の解除・緩和国が相次いでおり、3月1日からは外国籍者の新規入国も再開されています。さらに、3月1日と3月14日に搭乗者数上限の引き上げが行われており、急増継続の原因とみられます。
大型連休(ゴールデンウィーク、GW)中であり、日本人の旅行者が急増したものとみられます。これが原因だとすると、経済対策で外国人労働者が日本に入れない問題が深刻だからと無理してでも開放した入国の門が、遊びで海外渡航した日本人に食われて狭き門になってしまっていたと考えられます。
■強制隔離対象国減少の中で千件超16か国、米国一万件超えで最多逆転
国別で見ると、増加した国、減少した国が半々な状況でした。
千件超は16か国(前週比-1)で減少です。
入国者数最多 米 国:12,169件(前週比+2,664件)=4週連続増加。一気に増加スピードが上がり、唯一の二千件超爆増でした。前週2番目に落ちましたが、再び最多です。陽性が急に爆増しはじめた超危険状態の国ですが、入国の増加が止まりません。これを放置しているのは異常。3日間強制隔離はずいぶん前から解除となっています。
二番目 ベトナム:9,221件(前週比-1,109件)=爆減しました。千件超え減少です。入国者に陽性が非常に多い超危険状態の国ですが、入国の増加が止まりません。これを放置しているのは異常。3日間強制隔離も突然解除となりました。
三番目 中 国:4,999件(前週比-1,976件)=増加傾向が一転、爆減しました。千件超え減少です。
四番目 フィリピン:4,811件(前週比+323件)=2週連続増加。
五番目 タ イ:4,649件(前週比+1,069件)=2週連続増加。千件超急増でした。
六番目 韓 国:4,256件(前週比+1,141件)=3週連続増加。千件超急増でした。
七番目 ネパール:2,711件(前週比-765件)=増加傾向が一転、減少しました。
八番目 インドネシア:2,415件(前週比-1,465件)=2週連続減少。千件超え減少です。
九番目 シンガポール:2,249件(前週比+128件)=増加スピードは鈍化しました。
十番目 英 国:1,731件(前週比+405件)=10番以内に欧州の国が入るのは3週ぶり。
■国によって日外の増減がバラバラ
日本人が多いのは、上位十位までの国では、米国、タイ、シンガポール、英国の4か国でした。
米 国:日本国籍者9,182件(前週比+2,514)・外国籍者2,983件(前週比+150)=日本国籍者は爆増、外国籍者は2週連続増加。
タ イ:日本国籍者3,608件(前週比+998)・外国籍者1,041件(前週比+71)=日本国籍者は急増、外国籍者は増加に転じました。
シンガポール:日本国籍者1,721件(前週比+45)・外国籍者 528件(前週比+83)=外国籍者は増加に転じました。
英 国:日本国籍者1,293件(前週比+331)・外国籍者 438件(前週比+74)=日本国籍者は急増。
日本人と外国人が同じくらいの国は、ありませんでした。
外国人が多いのは、上位十位までの国では、ベトナム、中国、フィリピン、韓国、ネパール、インドネシアの6か国でした。
ベトナム:日本国籍者1,337件(前週比-77)・外国籍者7,884件(前週比-1,032)=日外とも減少に転じました。外国籍者は爆減です。
中 国:日本国籍者 639件(前週比-271)・外国籍者4,360件(前週比-1,705)=日外とも減少に転じました。外国籍者は爆減です。
フィリピン:日本国籍者1,809件(前週比+519)・外国籍者3,002件(前週比-196)=4週連続で日本国籍者は増加、外国籍者は減少。
韓 国:日本国籍者 772件(前週比-89)・外国籍者3,484件(前週比+1,230)=日本国籍者は減少に転じました。外国籍者は2週連続で増加。外国籍者は爆増です。
ネパール:日本国籍者 72件(前週比+17)・外国籍者2,639件(前週比-782)=日本国籍者は増加、外国籍者は減少に転じました。
インドネシア:日本国籍者 881件(前週比-1,007)・外国籍者1,534件(前週比-462)=日本国籍者は減少に転じました、外国籍者は2週連続で減少。日本国籍者は爆減です。
この他、十位以内に入っていませんが、
11番目のフランス、12番目のドイツ、14番目のカナダ、15番目の豪州は、日本国籍者の方が多いです。
13番目のインドは、外国籍者の方が多いです。
国によって、日外の増減がバラバラでした。GW需要とみられる日本人の移動の増加は米国、タイ、欧州などが中心でした。毎週独自の動きをする韓国が外国籍者の動きが急増したのが目立ちました。
なお、10日間強制隔離対象を経験した国のうち、上記にあるインドネシア、ネパール以外の国は、以下の通り。
<デルタ株等で10日間隔離経験国>
アフガニスタン:24件(前週比-16)=日3・外21。2週ぶり日本国籍者。
インド:1,492件(前週比-112)=日449・外1,043。日本国籍者は減少、外国籍者は増加。
キルギス:25件(前週比+5)=日10・外15。
ザンビア:9件(前週比-21)=日8・外1。
スリランカ:803件(前週比+191)=圧倒的に外国籍者が多く日74・外729。
パキスタン:199件(前週比-1)=圧倒的に外国籍者が多く日23・外176。
バングラデシュ:282件(前週比-334)=一気に半減以下。日79・外203。
モルディブ:169件(前週比+126件)=日145・外24。日本国籍者は+103の急増。GWバカンス需要でしょうか?
<オミクロン株で10日間隔離経験国>
アンゴラ:10件(前週比+6件)=日0・外10。日本国籍者2消滅。
エスワティニ:1件(前週比±0件)=日0・外1。4週連続日本国籍者なし。
コンゴ民主共和国:5件(前週比-14件)=日2・外3。
ザンビア:9件(前週比-21)=日8・外1。
ジンバブエ:14件(前週比+7件)=日7・外7。
ナミビア:3件(前週比-7件)=日1・外2。
ボツワナ:7件(前週比-1件)=日3・外4。
マラウイ:9件(前週比+3件)=日4・外5。
南アフリカ:56件(前週比-8件)=日32・外24。
モザンビーク:13件(前週比-2件)=日10・外3。2週ぶり外国籍者。
レソト:2件(前週比-1件)=日1・外1。2週ぶり外国籍者。
※オミクロン株でいきなり10日間隔離になった国は、全然入国者がいない状況が続いています。
・日本国籍者、外国籍者のそれぞれの増減はバラバラ。
=GW旅行需要は特定国に集中?
・アフリカからの入国者は外国籍者の新規入国が始まっても少数継続。
といった傾向が出ています。
罹患状況などの詳細の分析は別途で記事にします。
■水際対策に係る新たな措置について(厚生労働省公式サイト)
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000121431_00209.html