[全体] 6週ぶり減少で8万件下回る
[邦人] 4週ぶり急減
[外人] 2週ぶり減少も増加目立つ国あり
[国別] 日外の人数で青黄赤指定?
検体数≒入国者数のほぼ判明している状態が71週目に突入
厚生労働省(厚労省)は6月3日、空港検疫での新型コロナウイルス感染症(COVID-19)検査状況の5月3週目(5月15日〜5月21日)分の速報値を発表しました。この数字から行動歴別の入国者数が推定できます。
厚労省の速報は、週間の検体数と陽性者数を、日本国籍者、外国籍者別に、滞在国ごとに出した非常に細かいデータです。
2021年1月9日から2022年5月31日まで全入国者が検査対象となったため、COVID-19パンデミック後初めて検査数≒入国者数となっています。複数回検査する人や14日以内に複数国滞在した人もいるので、厳密には=ではありませんし、乗員は対象外ですが、検査数が入国者数に限りなく近づきました。
今回発表は、一週間分に過ぎませんが、これまで確認することが出来なかった、行動歴別のほぼ正確な入国者数が71週連続で判明しています。
強制隔離(入国時と3日後の2回、または、6日後加えた3回、または、さらに10日後加えた4回)対象者がいるので、検体数>入国者数になっているものと推定されます。ご注意ください。
■検体数増加ストップ八万件下回る 日外ともに急減
5月3週目は、検体数は79,888件(前週比-3,194件)と6週ぶりの減少でした。
・日本国籍者は31,666件(前週比-1,733件)と4週ぶり減少(急減)。
・外国籍者は48,222件(前週比-1,461件)。2週ぶり減少(急減)。
入国者増加一辺倒から何故か減少。航空便提供座席数上限(1万人/日程度)に達したこともありますが、5月20日に水際対策の大幅緩和が発表されましたが、入国時検査無しの機運が高まったことで、少し待ってから入国しようとした人が少し出たかもしれません。
■千件超17か国、一万件超は米国とベトナムで変わらず
国別で見ると、増加国と減少国が半々の印象でした。
千件超は17か国(前週比-1)で減少です。
◆入国者数最多 米 国:14,217件(前週比-269件)=6週ぶり減少。陽性が急に爆増している超危険状態の国ですが、多めの入国が止まりません。これを放置しているのは異常。3日間強制隔離はずいぶん前から解除となっています。
◆二番目 ベトナム:11.918件(前週比+1,119件)=2週連続増加。連続で千件超急増です。入国者に陽性が非常に多い超危険状態の国ですが、入国の増加が止まりません。これを放置しているのは異常。3日間強制隔離も突然解除となりました。
◆◆三番目 中 国:5,539件(前週比+109件)=2週連続増加。
◆四番目 フィリピン:4,984件(前週比-357件)=4週ぶり減少。5千件を下回りました。
ここまでは前週と順番が同じでした。
◆五番目 ネパール:4,269件(前週比+458件)=2週連続増加。伸びは鈍化しています。
◆六番目 韓 国:3,821件(前週比-997件)=5週ぶり減少。急減です。
◆七番目 インドネシア:3,463件(前週比+108件)=2週連続増加。
◆八番目 タ イ:3,289件(前週比+1,515件)=4週ぶり減少。千件超急減です。
◆ 九番目 ドイツ:2,246件(前週比+263件)=増加が続いています。
◆ 十番目 シンガポール:2,236件(前週比+380件)=減少に転じました。
■引き続き日本国籍者 減少or外国籍者より増加少ない国目立つ
日本人が多いのは、上位十位までの国では、米国、タイ、ドイツ、シンガポールの4か国でした。
◆米 国:日9,676件(前週比-249)・外4,541件(前週比-20)=日外とも減少(少なめ)。
◆タ イ:日2,115件(前週比-1,034)・外1,174件(前週比-481)=日本国籍者が爆減。日外差が縮まっています。
◆ドイツ:日1,576件(前週比+417)・外 670件(前週比-154)=日本国籍者は増加に対し外国籍者が減少。
◆シンガポール:日1,382件(前週比-306)・外 854件(前週比-74)=日外とも減少。
日本人と外国人が同じくらいの国は、ありませんでした。
外国人が多いのは、上位十位までの国では、ベトナム、中国、フィリピン、ネパール、韓国、インドネシアの6か国でした。
◆ベトナム:日本国籍者1,284件(前週比+124)・外国籍者10,634件(前週比+995)=外国籍者が千件近い爆増で一万件突破。日外差が拡がっています。
◆◆中 国:日 729件(前週比+90)・外4,810件(前週比+19)=日外ともに増加。
◆フィリピン:日1,301件(前週比-252)・外3,683件(前週比-105)=日外ともに減少。
◆ネパール:日 35件(前週比-22)・外4,234件(前週比+480)=外国籍者増加、日本国籍者減少で、日外差が拡がっています。
◆韓 国:日1,011件(前週比+184)・外2,810件(前週比-1,181)=外国籍者が千件超爆減。
◆インドネシア:日 668件(前週比-16)・外2,795件(前週比+124)=外国籍者増加、日本国籍者減少で、日外差が拡がっています。
この他、十位以内に入っていませんが、
12番目の◆フランス、13番目の◆英国、14番目の◆豪州、16番目の◆マレーシアは、日本国籍者の方が多いです。
11番目の◆インドは、外国籍者の方が多いです。
外国籍者の減少国が多いです。
日本国籍者多い国は青国が多い気がします。
なお、10日間強制隔離対象を経験した国のうち、上記にあるインドネシア、ネパール以外の国は、以下の通り。
<デルタ株等で10日間隔離経験国>
◆アフガニスタン:36件(前週比-8)=日3・外33。
◆インド:1,885件(前週比-4)=日507・外1,378。日本国籍者増加、外国籍者減少。
◆キルギス:25件(前週比-11)=日11・外14。
◆ザンビア:21件(前週比+7)=日18・外3。
◆スリランカ:655件(前週比+11)=圧倒的に外国籍者が多く日34・外621。今週は珍しい日本国籍者減少、外国籍者増加。
◆パキスタン:481件(前週比-20)=圧倒的に外国籍者が多く日45・外436。日本国籍者増加、外国籍者減少。
◆バングラデシュ:712件(前週比+137)=日116・外596。
◆モルディブ:30件(前週比-46)=2週連続一気に半減以下。日17・外13。GWバカンス需要でしょうか?
<オミクロン株で10日間隔離経験国>
◆アンゴラ:7件(前週比+3)=日5・外2。
◆エスワティニ:0件(前週比±0)=日0・外0。2週連続無し。6週連続日本国籍者なし。
◆コンゴ民主共和国:16件(前週比+14)=日8・外8。2週ぶり日本国籍者。
◆ザンビア:21件(前週比+7)=日18・外3。
◆ジンバブエ:9件(前週比+3)=日5・外4。
◆ナミビア:3件(前週比-8)=日3・外0。外国籍者4消滅。
◆ボツワナ:5件(前週比-1)=日5・外0。外国籍者3消滅。
◆マラウイ:7件(前週比+4)=日5・外2。2週ぶり日本国籍者。
◆南アフリカ:80件(前週比-21)=日54・外26。
◆モザンビーク:23件(前週比+14)=日13・外10。
◆レソト:0件(前週比-6)=日0・外0。外国籍者6消滅。2週連続日本国籍者なし。
※オミクロン株でいきなり10日間隔離になった国は、全然入国者がいない状況が続いています。
・外国籍者は減少の国が多い。
・アフリカからの入国者は外国籍者の新規入国が始まっても少数継続。
といった傾向が出ています。
◆◆◆は6月1日以降の国分けの色を示したものです。(中国は、本土と香港は青、澳門は黄)
それにしてもアフリカは入国者数少ないのに黄国が多いですね。入国者数が少ないということはすり抜けられても国内への影響は少ないのですが、、、。ウイルスを入れない検疫の考え方を優先するなら、入国者の多い国こそ積極的に赤、黄気味に指定すべきもので、この指定一つとってみても、検疫は二の次であることが分かります。
この青黄赤指定は、陽性率で判断しているとか検査の信用度で分類しているとの報道もありました。実際には現地感染や空港検疫での感染状況(罹患率)にもあっておらず、検査の信頼度は図りようがないので、基準が不明確です。
上記のような分析をしてみると、細かくは見ていませんが、何となく、日本国籍者の多い国は優先的に青、外国籍者の多い国は優先的に黄や赤としているように見えます。まさか人種で判断してないですよね、、、。
罹患状況などの詳細の分析は別途で記事にします。
■検疫に関するデータ(厚生労働省公式サイト)
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/border_data.html
→6月1日以降、掲載ページがまた変更されています。