◇2022年5月入国者 約26万6千人強
前年より約26万人強増・498.8%増
外国籍者が一気に増えて日本国籍者の約1.3倍
広島着の入国者も確認
外国籍者ベトナム先月より4万人増、中国は減少
外国籍者「技術・人文知識・国際業務」倍増
法務省は7月25日、出入国管理統計の2022年5月分の月報を発表しました。2022年5月の日本への入国者数は317,946人で、外国人173,930人・協定該当者8,770人が入国していたことが判明しました。
■総合
2022年5月の入国者数は日本人135,246人・外国人173,930人・協定該当者8,770人=合計317,946人でした。
[前年同月(2021年5月)との比較]
前年(2021年)5月(53,098人)に比べて約26万人強増・498.8%増です。
前年5月は、1か月通じて、入国者全員を対象に検査が始まり、外国人新規入国が「原則」停止され、一部の国で強制隔離も始まった時期です。
2022年の5月は、4月8日には106か国の上陸拒否が解除され、4月10日に搭乗者数抑制が緩和されており、前年と比べるとかなり入国者が増えています。
特に増えたのが外国籍者で、一気に日本国籍者の1.3倍の人数となっています。
[前月との比較]
日本人 3万4千人強増加(前月比+33.2%)
外国人 1万6千人強増加(前月比+10.4%)
協定該当者 1千1百人弱増加(前月比+14.6%)
4月から5月の変化を見ると、増加状況は鈍化した印象です。4月に行われた水際対策緩和がかなり影響していることが分かります。
■空港別
最も入国者が多かった空港は成田国際(成田)。169,248人(前月比+23,458、全入国者の53%(前月比-2P))
東京国際(羽田)は90,180人(前月比+17,337、同28%(前月比+1P))
関西国際(関空)は37,097人(前月比+6,782、同12%(前月比+1P))
中部国際(中部)は13,080人(前月比+1,883、同4.1%)
福岡は7,600人(前月比+1,411、同2.4%)でした。
珍しく広島で入国者が確認されています。広島は2020年4月以来では初めてです。
前月と比べると、成田国際、中部国際は割合が減りました。
入国者が全員米軍関係者と思われるのが、三沢、横田、岩国、嘉手納。合わせて730人おり、検査なしで入国ている可能性があります(日本人が多いです)。
定期便就航5空港から入国している米軍関係者(協定該当者)は8,570人いました。米国線が多い東京国際が多めです。
■外国籍者の在留資格別
外国人入国者173,930人のうち、再入国は59,432人でした。再入国は前月からは増加です。新規入国再開で、一気に114,498人が新規入国でした(前月より減っています)。
在留資格別でみると、永住者16,029人、日本人・永住者の配偶者5,675人、定住者4,143人、特別永住者1,070人など、元からの日本在住者はあまり増えませんでした。家族滞在は9,616人(うち新規入国4,619人)いました。前月から人数はあまり変化がありません。
日本人・永住者の配偶者の新規入国が788人もおり、長期間離れ離れだった人も結構いたようです。
外国人新規入国一時停止で人材が入国できないことが問題となっていました。3月以降それが解消されています。
学生関係は、留学が32,600人(うち新規入国30,278人)。新学年が始まって1か月経過しており、前月よりも減ったものの、多い人数が続いています。
技能実習(1号イ〜3号ロ合計)は39,503人(うち新規入国36,780人)と前月より増加でした。
多めだったのは、上記2分野関係でした。
細かい分野別では、技術・人文知識・国際業務21,100人(うち新規入国5,225人)が倍増、経営・管理2,350人(うち新規入国520人)、企業内転勤2,112人(うち新規入国1,276人)、技能1,720人(うち新規入国691人)で、技能実習や学生ほどではないものの、専門家の新規入国は徐々に増え始めています。
興行が1,226人(うち新規入国1,078人)で前月から微減だった一方、短期滞在は25,556人(全員新規入国)で前月比1万人ほど増加でした。
行き来が徐々に増えてきています。
■外国籍者の国籍別
外国籍者は国籍別の人数が出ています。その国から来たかどうかは分かりませんが、国籍別をみてみます。
トップはベトナム40,194人と先月より1万人弱増加しました。一方で、中国20,086人は4千人弱減少。ネパールが先月より3千人強増の15,314人。韓国が3千人強増加の13,957人でした。フィリピンは先月から横ばいの12,343人と続いています。以上の5か国が1万人超えでした。インドネシアは1万人を切りました。
新規入国が許可されたことで、技能実習生などが多いベトナムやネパールが爆増です。
2022年5月は、空港検疫での陽性者が多い状態が続きました。
4月はベトナムと韓国の陽性者が減少を始めています。ベトナムは圧倒的に外国籍者の入国が多い国、韓国は外国籍者が日本国籍者より多い国です。入国者は増えているのに減少を始めていますが、これは強制隔離が解除されたことが大きく影響しているとみられます。
4月以降米国の陽性者が急増していますが、ベトナムやインドネシアなどに比べて入国者はそれほど増えていません。より異常な状態だったと言えそうです。
空港検疫での国籍別の感染状況については、詳細を別途アップします。
<2022年5月入国者数>
入国者計 317,946人(前年 53,098人)
日 本 人 135,246人(前年 32,414人)
外 国 人 173,930人(前年 17,376人)
協定該当者 8,770人(前年 3,308人)
<2022年5月空港別入国者数> 日本人・外国人・協定該当者の3分類
<空港>
三 沢 201人(外国人 1人、協定該当者 200人)
成田国際169,248人(外国人98,693人、協定該当者3,829人)
東京国際90,180人(外国人31,099人、協定該当者4,371人)
中部国際13,080人(外国人10,217人、協定該当者 34人)
関西国際37,097人(外国人27,161人、協定該当者 218人)
広 島 4人(外国人 4人、協定該当者 0人)
岩 国 3人(外国人 1人、協定該当者 0人)
福 岡 7,600人(外国人 6,264人、協定該当者 118人)
<軍用飛行場>
横 田 496人(外国人 486人、協定該当者 0人)
嘉 手 納 30人(外国人 3人、協定該当者 0人)
<2022年5月外国籍者の国籍別入国者数 上位15位>※分かるのは外国籍者の国籍のみ(滞在国とは限りませんし日本人は含まれません)
矢印は、前年5月と比較したときの人数増減状況
ベトナム40,194↑超爆増(前年比+39,660)
中 国20,086↑超爆増(前年比+16,799)
ネパール15,314↑超爆増(前年比+14,694)
韓 国13,957↑超爆増(前年比+11,687)
フィリピン12,343↑超爆増(前年比+10,477)
米 国 9,702↑爆増(前年比+8,290)
インドネシア 9,169↑爆増(前年比+8,736)
インド 5,433↑急増(前年比+4,782)
タ イ 4,122↑急増(前年比+3,547)
ミャンマー 4,080↑急増(前年比+3,974)
スリランカ 2,669↑急増(前年比+2,367)
台 湾 2,489↑急増(前年比+1,945)
ドイツ 2,399↑急増(前年比+2,146)
ブラジル 2,382↑急増(前年比+1,688)
フランス 2,313↑急増(前年比+2,053)
■出入国管理統計統計表(法務省公式サイト)
http://www.moj.go.jp/isa/policies/statistics/toukei_ichiran_nyukan.html
2022年07月29日
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