■年末特集 2022年勝手に空港10大ニュース
2022年(令和4年)も最終日まで「情報交通ホットライン 日本空港情報館ブログ」をご覧いただきありがとうございます。
新型コロナウイルス感染症(COVID-19)パンデミックで、一気に感染者が爆増した年もあとわずか。空港も色々と振り回されましたね。
今年、空港利用者にとっての大きな出来事があった10空港を、当サイト管理人johokotuの独断と偏見に基づき、ピックアップしました。
一年の最後に、ほんの少しだけですが、今年の空港の動きを振り返ります。
1.諏訪之瀬島場外離着陸場/鹿児島県 九州地方
9月 搭乗待合所を整備、10月 定期的運航便就航!
今年の日本の航空業界最大のニュースとなった「飛行場」は、スワノセでしょう。一番注目だったのは、空港ではなく、場外離着陸場でした。
鹿児島県南方にある吐噶喇列島の諏訪之瀬島で9月、場外離着陸場に新しい搭乗待合所がオープン。10月には十島村により定期チャーター便が飛び始めました。
今年、新たに定期的運航便が飛び始めた飛行場は、ここ諏訪之瀬島場外のみという非常に珍しい存在でした。
ちょうど就航前後から火山の噴火状態が悪化し、なかなか行きづらい状況が続いていますが、コロナともども落ち着いたら是非訪れたい島になっています。
様々な空港で路線誘致合戦が起きるもなかなか就航に結びつかないことが多いなか、自治体が運航する新しい形で早期に就航を実現したのが注目でした。
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2.関西国際空港(関空)/大阪府 近畿地方
10月 国内線施設を移転
ターミナル施設を整備した中で、既存施設の改修で注目されたのが関西国際空港(関空)です。
10月に第1ターミナルの国内線施設をリノベーションしました。これまでターミナル2階中央を占めていた国内線が南側へ移設され、保安検査場のスマートレーン化、ウォークスルー店舗の導入などが行われました。
今回の移設は、国際線を中央へ移動してくるための第一段階の動き。工事は来年以降も続いていく予定です。
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3.新石垣空港(南ぬ島石垣空港)/沖縄県 沖縄地方
3月 国際線ターミナルの増築が完了
新石垣空港(南ぬ島石垣空港)では3月に国際線旅客ターミナルビルの増築が完成。国内線と国際線のターミナルが一体化しました。
COVID-19パンデミックの影響で国際線の欠航が続いているため、増築された国際線区画は閉鎖されていましたが、10月に、1階の国際線チェックインロビーなどがある一部の区域が供用開始されました。店舗もオープンしました。
新石垣はまだですが、日本各地の空港で少しずつ国際線が再開し始めています。利用が激減して経営が苦しいコロナ禍でも増築を行ったのは、ポストコロナの未来を見据えると非常に大切であることを示す象徴的な空港となりました。
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4.成田国際空港/千葉県 関東地方
4月 第3ターミナルが拡張
成田国際空港では4月、第3ターミナルが拡張しました。旧第5貨物ビルの跡地を活用して増築されたもので、第2ターミナル側に拡大。遠いと言われてきた第3ターミナルが第2ターミナルに近付きました。また、第2ターミナルとのアクセス通路が、完全歩車分離を実現した新しい経路に変更され安全性が向上しました。
拡張エリアには出発ロビーを新設し、自動チェックイン機36台と自動手荷物預け機24台を設置。LCCターミナルなのに便利な機能が整備されたのが注目でした。
ターミナルから少し離れていたバス乗り場などをカーブサイドに近づける工事も進んでおり、利便性が少しずつ向上しています。
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5.高松空港/香川県 四国地方
11月 国際線運航再開
様々な路線変化があったなかで、特に驚かれたのは高松空港でしょうか。
11月、他の空港での国際線再開が遅々として進まないなか、国際線の運航が再開されました。仙台や広島といった地方拠点や、利用者の多い鹿児島、便数の多い静岡などより先に国際線が復活。しかも、再開したのは、日本の会社とはコードシェアもしていない韓国の新興航空会社で驚かれています。
高松は、国内線はあまり目立ちませんが、実は国際線は意外と利用者がいる空港です。
国際線の再開は、検疫などの人手確保が難しい影響で、多くの空港でなかなか進んでいませんが、民間委託空港であったためか最優先で準備が進められたようです。
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6.東京国際空港(羽田空港)/東京都 関東地方
3月 スカイブリッジ開通、12月 エアポートガーデン開業
空港関連周辺施設が目立ったのが東京国際空港(羽田空港)です。3月に多摩川を渡る多摩川スカイブリッジが供用開始されたほか、12月に第3ターミナル隣接地に羽田エアポートガーデンがオープンしました。
羽田エアポートガーデンは、東京2020オリンピック・パラリンピックを目指し、2020年春には完成していましたが、COVID-19パンデミックで開業が延期されていました。一時空港検疫の隔離施設として活用されましたが、今年やっと一般客の利用が出来るようになりました。
12月に開業したのはホテルや温泉など施設の一部。来月にはバスターミナルを含めた全面オープンが予定されており、待ちに待ったさらなる拡張に期待です。
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7.南紀白浜空港/和歌山県 近畿地方
10月 総合ビジネス拠点を整備
南紀白浜も空港敷地内での施設の新設が話題になった空港の一つでした。
10月、展望広場(空港公園)に総合ビジネス拠点「Office Cloud 9」が整備されました。一般利用できるコ・ワーキングスペースと、賃貸オフィス7部屋、会議室などが設けられ、空港に着いてすぐに仕事に取りかかれるようになりました。
和歌山県はワーケーションが非常に盛んな土地で、その玄関からワーケーションをPRする地域の拠点になっています。
昨年完成したターミナル増築に引き続き、和歌山県の地域産材「紀州材」を活用したり、太陽光発電を設置したりするなど、環境にも配慮した建物で注目されました。
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8.長崎空港/長崎県 九州地方
9月 新幹線、10月 系列超えたコードシェア、さあ舞い上がれ!
輸送ネタで地元が盛り上がったのが長崎でしょうか。
9月、空港のある大村市に、空港と空路の競合相手である新幹線が新たに開業し、大きな話題になりました。開業日には、長崎空港発着でヘリコプター遊覧が実施されたほか、国内では非常に珍しく、空港-新幹線駅-高速ICという航空-鉄道-バスそれぞれの長距離交通拠点を結ぶ乗合タクシーの運行も始まりました。
さらに、10月には、離島航空路維持のために、長崎発着の離島路線で系列を超えたコードシェアが行われて注目の的に。そんななかで、航空業界を取り上げたNHKの連続テレビ小説の舞台の一つが五島列島であることから、世の中の注目が長崎の離島に向きました。
長崎空港は五島をはじめとした離島航空路の玄関空港として存在感が際立ちました。皆仲良く長崎から舞い上がれ!な気分になれましたね。
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9.福井空港/福井県 中部地方
4月 ヘリコプターが飛ばなくて
重要度は別として、おそらく今年一番驚きだったニュースは、福井で勃発です。
4月、県知事や地元自治体首長、県議らが集まった空港利用促進のイベントで、協議会にいた数少ない民間人メンバーの1人(航空会社とされる会社の代表者)が数日後からの回転翼機(ヘリコプター)による定期便就航を華々しく発表しました。当日県知事もそれに応えて発言。県議会でも数か月前から取り上げられ、勝山市の広報誌では官民の「協働」と発表。大々的に報じられましたが、数日後の話なのに結局就航は実現しませんでした。
ちょうど大型連休期間で続報や記事修正がなく、自治体からの発表もない状態が継続。就航を宣言した会社のものと思われるサイトでは、存在しない事業所や保有していない機材紹介などが行われていた上、会社代表者が逆ギレコメントをアップするなど迷走。後追い報道がない中で、ネットでは不審点を挙げる動きが加速しました。就航予定だったのは、なんと、事業許可も得ていない会社でした。
結局、知事も自治体首長も県議らも、協働どころか、知らぬ存ぜぬを通し、就航は有耶無耶に。
特にネット上で航空の話題が沸騰わーと゛ぅして?航空業界に取り憑かれてこのザマカと、驚きの出来事となりました。
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10.大分県央飛行場/大分県 九州地方
4月 空港特集から唯一漏れる25周年
こんなことがあって良いのかー。
10空港目は、ターミナルや路線変化と全く関係ないところから。
全く話題になっていませんが、空港マニヤ的に酷く衝撃的で驚愕だったのは、大分県央が、ファンからも専門家からも空港と思われていない事実でした。航空ファン専門雑誌の、国内全空港を取り上げたとする超特大特集で、97空港の中でなぜか唯一取り上げられなかったのです。
大分県央は、航空会社が常駐し、すぐ予約できる、大分空港との間のチャーター便も運航する空港。しかも、宇宙港に対応した店が出店し、開港から25周年を迎えて盛り上がる中で起こってしまった、非常に落胆の出来事となりました。
日本の航空の話題が、青とか桃とか赤とかに如何に偏っているのかを認識する出来事となってしまいました。空飛ぶクルマもまもなく始まります。来年はこういった小規模空港にも、是非目を向けて欲しいですね。
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2022年も、COVID-19に振り回された一年でした。
しかし、状況が変化しても、公共交通機関たる航空便は、変化に対応して輸送が続き、空港も毎日開いています。
来年は、どんな年になるでしょうか。
5類相当に下がって国内の人も、海外から来る人と同じように自由に行き来しやすくなり、多くの人が空港に注目することを願いつつ、2022年を締めくくりたいと思います。
今年も「情報交通ホットライン 日本空港情報館ブログ」を
ご覧いただきありがとうございました。
それでは、みなさま、良いお年をお迎えください。
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それでは、みなさま、良いお年をお迎えください。
2022年12月31日