◇水際措置見直しで中国からの入国者全員検査実施の入国規制へ
内閣官房、法務省、外務省、厚生労働省、国土交通省は27日、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に関する水際措置見直しを発表しました。中国からの入国者を対象に全員検査を実施するなど臨時的な措置が行われます。
見直しは12月30日以降実施する臨時的な措置です。
・中国(香港・澳門除く)に7日以内の渡航歴がある入国者への全員入国時検査実施
・中国(香港・澳門除く)からの直行便での入国者への全員入国時検査実施
・中国(香港・澳門含む)-日本間直行旅客便の到着空港を成田国際空港(成田空港)、東京国際空港(羽田空港)、関西国際空港(関空)、中部国際空港(セントレア)の4空港に限定し増便を行わないよう航空会社に対して要請
以上の措置が行われます。
ワクチン接種の有無や事前検査の有無、渡航目的などは無関係です。
特定国からの入国者の全員検査実施は、10月11日に緩和されて以来、2か月半ぶりとなります。
なお、検査実施なだけですので、入国後の行動規制等はありません。今は、ワクチン接種証明があれば、出国時の陰性証明は不要です。大混乱になっているという現地の病院で金出して検査せずに、とりあえず日本に渡航して、日本の税金使って無料検査して、日本の病院に入ることも出来ますから便利ですね。感染拡大防止により役立つのは行動制限なわけですが、毎回毎回検査だけ。相変わらず最重要の対策はしないままの中途半端な水際対策が続いています。
検査対象に香港・澳門は含まれませんが、なぜか、航空便の運航制限は香港・澳門が含まれています。
27日時点で、中国路線や澳門路線は成田発着と関空発着しか再開していませんが、香港路線は4空港以外に新千歳発着、福岡発着、那覇発着も運航されており、30日以降、強制的に再び長期欠航させられるものとみられます。
月曜日に出た10月の入国管理統計でも、香港からは観光客が爆増していることが分かっており、影響がありそうです。
■前例のない超速の規制強化
これまでCOVID-19パンデミックに絡んで水際対策が強化される際は、感染症危険情報の危険レベルが、レベル3(渡航は止めてください。(渡航中止勧告))に変更されています。しかし、今回は、レベル1のまま、いきなり対策強化されています。
これは前例のないことです。
これまで、フィリピン、ベトナム、南アジア、欧州、米国、つい最近ではカタールなどで、それぞれの現地の感染が超悪化したり、入国者の陽性が超爆増したりした時があります。しかし、ここまで超速で入国規制強化が即検討即実施されたことはありません。強いて挙げれば、オミクロン株発生時のアフリカ諸国と同じ位でしょうか。印象としては、それ以上の超速で入国規制実施が決まりました。また、例えばフィリピンの悪化の時は次から次へと増便が行われていましたが、到着空港制限など一切されませんでしたし、ネパールの時はネパール側が航空便を切ったことでやっと収まった位。これまで遅々としか水際対策強化してこなかったのに、COVID-19の分析も進み普通の風邪との声もある中、超速で規制強化となりました。
他の国では、検査をしないところも増えており、実際の感染実態は不明の国も多いです。中国の感染者数が、他国に比べて多いのかどうかも単純比較もできません。例えば、サッカーワールドカップ時のカタールのように、現地の感染はほぼないのに帰国者が相次いでCOVID-19陽性になるといった、明らかに、現地の感染実態が把握し切れていない危険な状態というパターンもありますが、これまでは、ここまで超速に規制強化したことはなし。いつも通り規制強化の根拠も示されず、中国からは早速反発を食らう原因にもなってしまっています。すべての国がこうやって超速規制なら別に構わないんですが、人種差別的入国規制再びといった印象ですね。
なお、日本では、入国者の入国時制限は10月11日から実質なくなっていますが、日本国内の人に対してはCOVID-19はまだ2類相当の危険な感染症と認定して行動自粛が呼びかけられています。
規制内容は発表本文から少し分かりやすい表現に変えて記載しています。記載内容の正確な情報は、公式発表を必ずご確認ください。
■中国からの入国者・帰国者に対する水際措置の見直し(2022年12月30日以降適用)(外務省公式サイト)
https://www.anzen.mofa.go.jp/info/pcwideareaspecificinfo_2022C115.html
2022年12月27日
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