◇水際対策 30日からの香港路線・澳門路線の到着空港制限 実施直前に3空港条件付で解除 発表からわずか2日で方針転換も相変わらず意味無し規制
内閣官房、法務省、外務省、厚生労働省、国土交通省は29日、2日前の27日に発表した中国本土路線・香港路線・澳門路線の到着空港制限について、香港路線・澳門路線の到着可能空港を4空港から7空港に拡大することを発表しました。拡大した3空港(新千歳、福岡、那覇)については条件付き許可となります。
5省庁は27日に、新型コロナウイルス感染症対策として、中国本土、香港、澳門からの航空便について、30日以降は直行便の到着空港を4国際空港(成田国際(成田)、東京国際(羽田)、中部国際、関西国際(関空))に限定する、到着空港制限を発表していました。
この発表について方針を転換、29日に、「既存の香港・マカオからの直行旅客便については、中国(香港・マカオを除く)に渡航歴(7日以内)のある者がいないことが当該航空会社により確認できる場合には、新千歳空港、福岡空港、那覇空港への到着も可能とする。」と発表しました。
明日30日到着の便から適用される到着空港制限ですが、発表からわずか2日、実施開始直前に方針を転換するという超異常な対応になっています。
元々の発表の内容は、感染症危険情報がレベル1である上に、入国者の全員検査対象となっていない香港や澳門からの路線が到着空港を制限されるという、これまた異常で差別的なものでした。これが、香港路線が現在就航再開している空港へ条件付きとはいえ、引き続き到着できることになりました。
中国本土路線からの到着空港は引き続き、4国際空港に限定されます(そもそも中国本土路線は成田、羽田、関空の3路線のみ、澳門路線は成田線のみしか再開していません)。
■意味なし差別条件が付く異常な発表
ただ、今回の発表では、許可された3空港への到着便に、「中国(香港・マカオを除く)に渡航歴(7日以内)のある者がいないことが当該航空会社により確認できる場合」という、意味不明な条件が付きました。
中国本土からの入国者をできるだけ止めたい意図は良く分かるのですが、この条件が付くのは今回急転直下で就航が再許可された3空港のみです。4国際空港の場合は、中国本土の7日以内の渡航歴があっても搭乗できるという、異常で人種差別的な運用になります。
現在は、中国本土から入国の場合でも、日本入国直後の行動規制(外出自粛要請等)はないため、4国際空港に降り立ったあと、すぐに新千歳行、福岡行、那覇行の国内線に乗り継ぐことは可能です。このため、3空港への直行便でこんな条件付けをしたところで全く意味がありません。それどころか余計な国内線搭乗を誘発することで日本国内在住者のリスクが上がるという意味不明な条件付けになっています。
そもそも、中国本土からの渡航者は、中国本土からの直行便利用者ばかりではなく、韓国経由やベトナム経由など、第三国を経由して入国する人が多数います。これらの人は止めずに、特定の香港路線、澳門路線だけを狙った、異常で差別的な対応が続くことになりました。
中国本土からの入国者を止めたいのなら、全世界の航空会社に対して、日本への就航条件として「中国(香港・マカオを除く)に渡航歴(7日以内)のある者がいないことが当該航空会社により確認できる場合」という条件を付けないと、何の意味ありません。
検疫キャパオーバーを理由とするなら、少なくとも、全世界の航空会社に対して、4国際空港以外の空港への到着条件として「中国(香港・マカオを除く)に渡航歴(7日以内)のある者がいないことが当該航空会社により確認できる場合」という条件を付けないと整合性がありません。新千歳、福岡、那覇ともに、韓国路線やタイ路線等が就航しており、中国→韓国・タイ→各空港という経路で、中国本土滞在者がいくらでも入国できてしまいます。
やってる感だけの意味なし対策で、いったい、国は何をしたいのでしょうか。
意味不明で無意味で国内のリスクが高まる差別が国によって主導され続けています。
■令和4年 12 月 27 日付「水際措置の見直しについて」の実施について(厚生労働省公式サイト)
https://www.mhlw.go.jp/content/11120000/001031442.pdf
■水際対策 人種差別的就航制限開始へ 「ニッポン人のイメージ、変えちゃおうぜ」 人種差別する最低の人種に変えちゃおうって対応ですよ(2022年12月28日配信記事)
https://johokotu.seesaa.net/article/495388883.html
■水際措置見直しで中国からの入国者全員検査実施の入国規制へ(2022年12月27日配信記事)
https://johokotu.seesaa.net/article/495331201.html
2022年12月29日
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