■2025.03 東京国際・熊本・岡山・広島・岩国・福岡の旅行後
今回の旅では、共用空港の岩国を訪問しました。岩国は、米軍基地が併設された、共用空港の中でも珍しい空港です。
そこで、自衛隊や米国軍が共用・隣接する空港を取り上げます。
■熊本でなぜか見た珍しい機体と、自衛隊や米国軍が共用・隣接する空港の関係
で、岩国を取り上げたいところなのですが、実は今回、熊本空港でインド軍機が駐機しているのを見ていました。自衛隊や米国軍が共用・隣接する空港を調べたのは、これに興味を持ったからというのもありました。
このインド軍機について調べてみたら、東富士(御殿場など)と朝霞で陸上自衛隊(陸自)と共同訓練するために日本へ来ていたようです。なんと、インドの軍人は熊本からわざわざ移動したとか!!!!???? なんじゃそりゃ。
自衛隊基地でもなく、共用空港でもなく、目的地から千キロも離れた熊本空港になんで来たのでしょうか?
!!!!????
実は熊本空港は、陸自の駐屯地が併設されています。言わば隠れ共用空港なんです。
で、陸自隣接の空港で3000m級なのが熊本しかないから、インド軍機が来ていたようです。
ただ、なぜ駐屯地側の駐機場に入らなかったのかはよく分かりません、、、。
■共用空港以外でも隠れ共用空港がある
実は、熊本のように、共用空港ではないけれど、自衛隊が併設されている空港(軍民ともに拠点の隠れ共用空港)は国内にいくつかあります。
一覧にしてみました。
陸上自衛隊
・八尾空港
・熊本空港
・那覇空港
※佐賀空港 建設中
海上自衛隊
・那覇空港
航空自衛隊
・秋田空港
・新潟空港
・名古屋飛行場
・福岡空港
・那覇空港
在日米軍
・福岡空港
・伊江島空港(隣接)=普段から民間機の離着陸制限があります。
(参考)共用空港
・札幌飛行場
・千歳飛行場(民間機の定期便無し)
・三沢飛行場
・百里飛行場
・小松飛行場
・美保飛行場
・岩国飛行場
・徳島飛行場
隠れ共用空港は、もう少しあるのかと思っていましたが、意外と少ないですね。
全国には97空港があり共用空港は8か所。89空港の中で隠れ共用なのは上記の8空港だけですから、熊本は結構珍しい存在であることが分かります。
共用空港で3,000m級の滑走路を持つ空港は千歳、三沢のみで、百里と小松が2,700mです。一方、上記の隠れ共用空港では、熊本と那覇は3,000m級の滑走路です。
つまり、自衛隊が常用している3,000m級の滑走路を持つ空港は、千歳、三沢、熊本、那覇しかありません。
インド軍は、百里やせめて小松あたりに行ければ良いんでしょうけど、滑走路長的に使えなかったのでしょうか。
素人目では、「軍隊なんだから、滑走路が極短でも離着陸できるぐらいの技術ないのかよ」と思ってしまいますが、、、。
なんとも謎です。
そもそも自衛隊は、国内に、空港とは別に多くの飛行場を展開しています。まずはそこを使えば良いだけなはずです。それなのに、なぜ熊本なのでしょう。
熊本は、自衛隊の駐屯地併設とは言え、一応共用空港ではないのですから、平時に軍隊(特に他国軍)が使うのは筋違いな気がします。
素人目では、「熊本に降りるなら、羽田とか成田とかに降りたって分類上は一緒じゃん」と思ってしまいますが、、、。朝霞に行くのに、なんで羽田を使わないんでしょう。ビジネスジェット用の発着枠もあるのに。
なんとも謎です。
そんな疑問を感じながら、よくよく調べてみると、共用空港も含めて、自衛隊の飛行場で、長い滑走路を持つ所があまりないんです。このため、一部の民間空港を間借りすることになってしまっています。
専用で長い滑走路を持つ飛行場を各地方に一か所ずつぐらい展開していれば、有事以外で民間空港を使う必要はなくなると思うのですが、なぜそういった飛行場を造らないのかは不思議です。
これが沖縄だと、他国軍がたくさん滑走路を占拠していても、それを当たり前だと言う日本人がたくさんいます。返還みたいな話になると、沖縄人を小バカにしながら大反対する人たちがたくさんいるんですよね。でも、そういう人たちですら、本土に、滑走路の長い自衛隊飛行場を造ろうとしないんですよね。
このため、沖縄で他国軍が占拠するのは許すのに、本土では自国の自衛隊が長い滑走路を持てないという不思議なことになっています。
素人目では、「どうせ民間人は利用できないんだから、滑走路の長い飛行場を、民間人が使いやすい街なかじゃなくて、郊外に造れば地方振興にもなる」と思ってしまいますが、、、。
なんとも謎です。
さらに、そういう整備はせずに、近年では、2022年から特定利用空港・港湾とやらが指定され、有事以外でも民間空港を自衛隊が使うことが増えています。
熊本はその最たる例で、昨年末にはオーストラリア軍も来ていたようです。熊本は元々軍都で自衛隊が街なかにドデンとあるので、受け入れやすい土壌があるというのも理由と思いますが、軍隊は皆熊本に来い来い状態になっているようですね。
でも、この特定利用空港・港湾に、羽田はなぜか含まれないんですよね。首都防衛に最も使いやすいと思うのですが、、、。せっかくインドから東京近郊に訓練しに来るんだから、3,000m級滑走路のある羽田を利用すれば良いのに。
なんとも謎です。
■共用空港は航空ファン的にも使いづらい
自衛隊や米軍が空港を使うと、セキュリティレベルが上がるため、空港ファンやスポッターが気にかけるべき事項が増えてしまうのは残念なところです。
例えば、今回訪れた岩国飛行場は、展望デッキに、米軍基地側を撮影すんな、と注意書きがあります。
別に、特定利用空港・港湾を指定しなくても、有事の時に空港使うなとは言いませんよ。例えば地震対応の時に自衛隊は普通に空港使ってますし。
しかし、平時は軍民がもう少し上手に棲み分けできると嬉しいですね。

岩国錦帯橋空港と岩国基地北門は同じ場所に入口があります。
この写真の違和感に気が付きますか?空港は全然関係ないですが、、、。
時々話題になる7-11の出店者いじめってやつでしょうか、この近さ初めて見ました。
今回は、共用空港以外にも自衛隊/米軍併設の空港があることを軽〜く調べてみました。
ここ数年は、飛行技術?整備技術?のレベルが低すぎと感じるぐらい、米軍が機材故障で各地の民間空港に緊急着陸で降り立つ事例が増えています。これ、見方によっては、日本の空港を偵察しているとも見て取れます。だって、そうじゃなかったら、緊急着陸があまりにも高頻度すぎて、とんでもなくレベルの低い技術しか持っていないということを露呈していることになってしまうので、、、。
特定利用空港・港湾指定で、平時から民間空港を軍事利用することが増えるのでしょうか。言わば隠れ共用空港の状態になることが多くなるということです。
隠れ共用空港が増えるとなったら、撮影もしづらくなりますかね〜。ヘリポートや小さな離着陸場のように排他的で身内だけで盛りあがってる所もありますが、空港って、利用者や見学者にもっとフレンドリーな場所でいて欲しいです。それこそ、吉島飛行場の昔の映像のように、子供たちが飛行機のそばまで行って目をキラキラさせている感じの場所になってほしいですね。
桃よ流れて
ドンブラコドンブラコとゆったりした平和な時の流れを期待していったのに、訪日外国人や他国軍機でセカセカしていた感じでした。それでも、こんなにも多くの訪日外国人や他国軍機が来られているということは、他国との関係が平和だからこそです。
今年は終戦80年。熊本で他国軍機を見たあとに、岡山で鬼退治の意味を考えて、広島で平和になった街を体感し、共用空港の岩国で他国軍が幅を利かせているのを目の当たりにし、広島で欧米系、福岡でアジア系の訪日客がウジャウジャいるのを見たことで、インバウンドが来ることの平和さや平和な空港使用に思いを馳せた空港訪問となりました。