■熊本空港(阿蘇くまモン空港) アクセス鉄道整備について共に取り組むことをJR九州と大筋合意
熊本県と九州旅客鉄道(JR九州)は10月30日、共同記者会見を行い、熊本空港アクセス鉄道(新線区間6.8km)の整備と豊肥本線の輸送力強化について、前向きかつ真剣な協議を重ねて共に取り組むことに大筋合意したと発表しました。
今回は二者が協力して取り組む事項として、主に五点の発表がありました。
・アクセス鉄道の施設は県が中心となって設立する予定の第三セクターが整備、整備後の列車の運行はJR九州が運行主体(上下分離方式)。
・熊本駅から空港までより早く移動できる快速列車を走らせるために、豊肥本線自体の輸送力強化。
・沿線活性化等に向け、熊本県とJR九州が連携して取り組む。
・熊本空港アクセス鉄道開業前までに、利便性が更に向上できる強化策はないか引き続き検討を進める。
・豊肥本線の抜本的な輸送力強化。
熊本空港アクセス鉄道については、10月1日に細かく調査・検討した結果を公表しています。
今回の結果は、PRに既に使われていたものの、肥後大津経由のルートを選定した元々の計画ではオマケ程度だった、、豊肥本線を輸送力増強した快速運転化(熊本空港〜熊本駅間39分)が初めて正式に採用されました。この結果、運行便数は大幅増加、所要時間短縮が前提となり、2035年度に当初4,900人/日だった需要予測が6,500人/日に大幅に増加。元々公表されていなかった運賃もしれっと増加するとして発表されています。
物価人件費の高騰などや豊肥本線輸送力増強費用を入れ込んだことで、事業費が410億円から670億円に大幅増加しましたが、収入側の数字マジックの結果、費用便益分析(B/C)が30年で1.03から1.21に大幅改善するとしていました。
三里木案などの比較対象はB/Cが1以下なので却下されたのですが、こういう数字マジックで大幅改善するなら、その内容で比較をし直さないのは不思議なところ。国から金を引っ張ってくるためにはB/Cが1以上であることが絶対条件なので、うまく競争相手を蹴落としてから、金を引き出すためによく魅せかけているといった具合でしょうか。
なお、豊肥本線の輸送力増強は、まず60億円ですぐにできること(「行違い化(東海学園前駅)」「同時進入化(武蔵塚駅、原水駅)」など)を行うとしており、それが、今回発表の2項目に当たります。これだけで、熊本駅までの所要時間が、当初計画の44分(新駅停車を考慮すると48分)から39分に劇的に短縮できるとしています。
これとは別に5項目目として豊肥本線の抜本的な輸送力強化を掲げています。熊本空港〜熊本駅間は直線距離で17キロしか離れていないにもかかわらず39分もかかるため、抜本的輸送力増強で、さらなる時間短縮ができるのか注目されます。
それにしても、熊本空港アクセス鉄道整備が610億円(時短効果8分(現行バス15分→鉄道快速7分)かかるのに対し、豊肥本線の輸送力増強は10分の1のわずか60億で済むのに9分もの時間短縮ができる驚愕の事実が判明しました。
この豊肥本線の輸送力増強がすぐに実現すれば、現行の阿蘇くまもと空港ライナー(無料)を活用し、肥後大津駅経由で、空港から熊本駅まで47分(空港〜肥後大津駅間無料バスで15分+今回発表の32分/新駅整備前なら43分?)でアクセスできるようになりますが、それに今すぐ取り組もうとしていないところ、熊本空港〜熊本市中心部間の所要時間短縮を真剣には考えていないのかもしれませんね。
※熊本空港アクセス鉄道の第一の整備目的は、熊本空港〜熊本市中心部間のアクセス改善です。熊本空港〜熊本市中心部(比較的手前側の通町筋)間は、現行のバスで乗換無最速39分のところ、今回の鉄道整備で乗換付最速45分程度に改善?します。
■空港アクセス鉄道整備とJR豊肥本線輸送力強化に係る県とJR九州の共同記者会見(熊本県公式サイト)
https://www.pref.kumamoto.jp/soshiki/215/248546.html
■空港アクセス鉄道に係る調査・検討結果について(概算事業費、需要予測、B/C等)(熊本県公式サイト)
https://www.pref.kumamoto.jp/soshiki/215/247871.html
2025年11月01日
この記事へのコメント
コメントを書く
この記事へのトラックバック
