2015年07月30日

格安に東海道を横断(1日目)

※2015年8月にアップした旅行記です。


■2015.07.30 (自宅)→(小田原)

■夜行で東海道を進行
今回は、久々の青春18きっぷを使ったムーンライトながらでの夜行移動だ。

それにしても、大人になってからも18きっぷ+ながらを活用しなければならないのは、毎回毎回なんとも情けない。三千円ほどで東京から目的地へ行けて、なおかつ便利な深夜移動、という条件を満たすものは、他に深夜バス程度しかないから仕方がないのだが、出来れば、もう少し快適に移動したいとは思ってしまう。

仕事は、やや残業はあったものの、自宅には21時には帰りつけたので、風呂に入って、ゆっくり準備をして22時頃家を出た。
悠々出発したものの、ながらの時刻までは、さらにずいぶんと余裕がある。
最寄りのながら停車駅は横浜なので、そこから乗っても良かったのだが、今回も小田原から乗車とした。先行する電車で小田原へ行き、日付が変わるのを待った。

ながらは小田原に定時到着。
臨時列車化したせいなのか、少し客層に鉄道マニアが増殖しているように感じた(スマホの普及のせいかもしれないのだが、写真を撮る人がこれまでより多い気がした)。
今回は、検札はなく、あっという間に眠りにつけた。

※運行ダイヤをよく見てみると、小田原からながらに乗る場合、直前の各停熱海行に乗れば、大磯で日付が変わる。小田原までのきっぷではなく、大磯まで買えば良いので、より格安でアクセスしたい、つわものはこの電車を利用しているそうだ。もっともこの電車、大磯は0時0着、0時1分発の電車なので、日付変わった瞬間にその日分の印を押してもらい、電車までダッシュする必要もあるし、万一運休になったときながらに乗れなくなるので、リスクは高いけれど、、、。

20150730a.jpg
小田原は改札上の巨大な提灯が特徴。ながらは臨時ではなく快速表示だった。


■今日の教訓!
18きっぷ安くするなら大磯寄ろう←乗車にはギリギリです。

■実際の旅程
07/30 THU
自 宅22:00(京急線等)→22:20横 浜
横 浜22:30(東海道線)→23:24小田原
小田原00:31(東海道線)→
(車中泊)

ラベル:旅行記
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2015年07月29日

格安に東海道を横断(旅行前)

※2015年8月にアップした旅行記です。


■2015.07 名古屋・中部国際・静岡の旅行前

■18きっぷで東海横断
夏休み。JRなら青春18きっぷで安く移動できる時期が今夏もやって来た。

航空に比べれば、一日で移動できる距離は短いものの、空港へのアクセス費用程度でJR線が乗り放題となるから、こんな格安感抜群のものはない。18きっぷの出る春夏冬は空港訪問に時々活用させてもらっている。
国内LCCが就航したとはいえ、航空は長期休暇期間は割高になる(LCCも大手レベルのバカ高い運賃が出る)ので、夏休みみたいなときは、鉄道での移動に限るわけだ。

※空港訪問する際の18きっぷの賢い使い方は大きく三つある。一つ目は空港まで鉄道で行って帰ってくる方法、二つ目は片道を鉄道、片道を飛行機とする方法、三つ目は遠方まで飛行機で飛び、現地を鉄道でぐるぐるする方法だ。東京在住なら、一つ目で日帰りできるのは、南東北、関東、中部地方の各空港だろう。二つ目なら北東北や関西まで距離を延ばせる。三つ目なら、北海道や中四国、九州も圏内だ。
ただ、地方は鉄道路線が少なく、便数も少ないのでJRで多くを回ろうとするのは結構きつい。しかも、空港は駅から離れたところにある場合が意外と多いので、上手に回る必要がある。
欧米だと近くに鉄道が走っていれば、駅を設けるのが当たり前だし、そもそも空港アクセス用に既存鉄道を迂回させたり分岐させたりして乗り入れる例が多い。しかし、日本は、ターミナルが駅の反対側にある場合(山形や名古屋など)や近くを通るのに駅がない場合(静岡や石見など)、近くに駅があっても連絡バスすらない場合(女満別や函館など)等が多く、かなり使いづらい。近年は、新幹線開業などでJR線自体も減っていて、今春からは北陸四空港を回るのが困難になってしまった。


今夏はまず名古屋静岡を訪問することにした。
名古屋は、MRJのモックアップ設置後行けておらず、昨年売店などをリニューアルしている。
一方の静岡は、石雲院展望台設置後に行けていない中で、今春売店が増加。今春以降中国便の大増便で大混雑しているという。7月に藤枝からのバスもでき、是非とも状況を確認しておきたかった。

7月の一、二、三週目は、土日ともに時間に余裕があったものの、18きっぷの対象外。結局、7月末の金曜日に休みがとれたので日帰りで行くことにした。

※夏の18きっぷの期間は夏休みをベースに設定されているものの、終了日が、すでに多くの中高生の夏休みが終わっている9月10日である一方で、開始日は7月20日のため、海の日三連休に使用できない。大学生向けと考えれば、大学生は7月〜9月いっぱいまで休みのところも多いので、前後20日間を削ったと言えば、削った期間ではある。しかし、海の日三連休がギリギリで使用期間外なのは、なんとも残念だ。

当初は、始発で名古屋へ向けて出発。昼頃に名古屋に着いたあと、おやつの頃に名古屋を出て、夜に静岡を経由して終電までに帰ってくる計画だった。
しかし、これでは、見学に時間がかかった場合に日帰りできないリスクがあるうえ、静岡の訪問時刻が日が落ちてからとなってしまう可能性が高い。また、今回、せっかく愛知まで行くなら中部国際(セントレア)にも寄っておきたい。

東京から始発で向かった場合、静岡空港最寄駅の島田には8時過ぎ、名古屋には12時前に到着できる。帰りは、だいたい名古屋を18時頃、島田を20時過ぎに出れば、その日の終電までに東京に着ける。静岡に寄らなければ名古屋で約六時間ほどの滞在が可能だ。
ただ、名古屋駅から名古屋空港へは小一時間、同じくセントレアまで一時間は見ておく必要がある。
しかも、アクシデントを考えて終電より早い電車で戻ることを考えれば、愛知で二空港寄った場合の見学時間は三時間強しかない。
日帰りの場合、静岡、名古屋、セントレアの三空港に寄るのはほぼ不可能だ。

これを一気に解決するのがムーンライトながらだった
ながらなら、名古屋に着くのは朝の5時過ぎ。これなら、各空港で二時間滞在しても12時くらいには名古屋を出られる。そうすれば夕方には静岡に寄ることが可能となり、一気に三空港訪問を達成できるのだ。
すでにチケット発売日を過ぎていて、ながらの指定席券を取るのは困難だったが、7月30日夜発のチケットをなんとかゲットできたので、早速向かうことにした。

名古屋では、名古屋空港とセントレアの訪問順に迷ったものの、朝一で飛行機が多数駐機している様子を撮れることや名古屋空港がメイン訪問先であることを考慮し、先に名古屋空港へと向かうことに決めた。

アクセスの予約(鉄道)
今回は青春18きっぷの使用。ムーンライトながらの指定席券を手に入れたので、行きは30日深夜に東京を出るながらに乗車する。帰りは、東海道線を乗り継いで東京へと戻るので、ながら以外の予約は必要なかった。

現地移動の予約(鉄道・バス)
セントレアは名鉄線、名古屋と静岡は最寄駅からバス利用となる。いずれも予約は不要なので、事前準備はせずに向かった。

宿泊の予約
今回は、前日夜発も、夜行列車利用なので、宿泊はなかった。


■ここまでの教訓!
東海道は夜行を活用しよう←ムーンライトながらは繁忙期のみの運行になっているので要注意

■今回の予定旅程
07/30 THU
自宅22:00(京急線など)→22:40横浜22:49(東海道線)→23:47小田原00:31(東海道線)→(車中泊)

07/31 FRI
小田原00:31(東海道線)→05:20名古屋05:40(中央本線)→05:58勝川06:00(あおい交通)→06:20[名古屋飛行場]08:30(あおい交通)→09:00名古屋09:15(名鉄線)→10:03[中部国際空港]12:17(名鉄線)→12:49金山12:51(東海道線)→13:38豊橋13:42(東海道線)→14:15浜松14:28(東海道線)→15:13島田16:15(バス)→16:40[静岡空港]19:02(バス)→19:37藤枝20:16(東海道線)→22:04熱海22:08(東海道線)→23:21横浜23:30(京急線など)→00:30自宅
※途中名所に寄れれば見学予定。

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2015年02月03日

潰れる空から九州へ(旅行後)

※2015年4月にアップした旅行記です。


■2015.02 東京国際・福岡・宮崎・鹿児島・熊本・佐賀の旅行後

今回の旅は、リンクが就航するまで訪問を遅らせていたのに潰れたことで訪問を決意、さらにスカイマークの経営破綻に巻き込まれ、機材が変更になるという事態に遭遇しました。なんとなく、空港業界の難しさや潰れる空(SKY)のつながり(Link)を感じさせる空港見学となりました。
今回はそんなSKYの破綻を軽く取り上げてみます。


■羽田発着枠の影響がこんなところにも
破綻の経緯や今後の動きについての詳細は、専門家の皆さんにお任せするとして、今回の破綻はSKYの自滅という印象が非常に強かったものだった。LCCが次々に設立されるなか、エアバス330(A330)を大量導入し、さらにA380を購入しようとしたのだから、お金が足りなくなるのも頷ける。A330については、これまで展開していなかったテレビCMなども行っていて、出ていくお金は結構多かったのではないかと思えていた。

A380は論外としても、SKYがなぜA330を導入したのか、理由を記した報道は少ない。今回はそこにスポットを当ててみたい。

いきなりの結論となるが、SKYのA330は、元々羽田発着枠対策で導入していた。こんなところにも羽田の問題が波及しているのだ。
SKYは三年ほど前、多くの羽田発着路線が搭乗率九割ほどを記録し、さらなる輸送力増強が求められていた。
しかし、SKYが持っている羽田発着枠はわずかに36(当時は32)しかない。羽田は、自己都合で勝手に増便はできないので、機材大型化で対応しようとした。そこでA330導入となった。
三、四十年ほど前に、日本航空や全日本空輸がB747を大量導入したように、一便当たりの輸送力を増やす作戦に出たというわけ。A330が適当だったかは不明だが、機材大型化は、会社を成長させていく上では必要不可欠だった。

SKYについては、よく大手ほどの便数がないから使いづらいし、幹線(新千歳、大阪三空港、福岡)だけを大手と同じくらい設定すればいくらでも勝負できるだろうという人もいる。しかし、新千歳、大阪、福岡だけで見ても、JALは51往復、ANAは58往復だから、36枠では到底及ばない。そもそも配分の時点で勝負になっていないのだ。
しかもこの36枠のなかには、地方路線しか開設できない枠もある。さらに、SKY運航便の発着時間帯を見てみると、恐らく配分されていない時間帯もあるようだ。自由自在に発着便を設定はできず、例えば、一時間に一便といったフリークエントサービスをしたくてもできない。
その他の新興航空会社は、ANA傘下で地域限定であるので、少ない枠数でもなんとかなっているが、SKYの場合は全国展開で、路線数は増えるから、必然的にひとつの路線で設定できる便数は限定される。
機材を大型化し、一度に運べる人数を増やすしか方法がなかったというわけだ。

※ちなみに、この36枠という数字、報道などでは、新規航空を優遇し、多く確保しているとの論調が多いけれど、実際には違う。
SKYが参入した平成9年以降、新規航空に割り振られたのは、四社にわずか106枠+到着2枠。それに対し、大手は二社しかないのに102枠+出発4枠+到着2枠が割り振られている。JALから34枠、ANAから18枠が回収されているので、新規を優遇したと言っているのかもしれないが、JAL、ANAは元々多くの枠を持っているのに、配分数にはほとんど差がないのだ。日本航空(JAL)やANAは160枠前後を持っている(座席数ベースならANAは実質200枠以上)のを考えれば、SKYへの配分は「著しく」少ないと言わざるを得ない。


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つぶれてしまったSKY。この先はどうなってしまうのか、、、。

■残念な結果になった
結果は見ての通り「失敗」。小型化による多頻度化+格安化が進む国内線で需要はついてこなかった

SKYはA330を導入するにあたり、座席の快適性を大幅に向上させる戦略をプラスしていた。今回予約したとき、自分も、広い座席だったから興味を持ち、是非乗りたいと即決した。
単に座席数を増やすだけでなく、導入にあたり色々考えたことはなんとなく理解できるし、考え方自体もそれほどの失敗ではなかっただろう。

なんとも残念な結果となってしまった。

それにしても、LCCが赤字でも大量参入+景気上向き中という導入タイミングは最悪だった。とにかく値段の安さだけを追求する層はLCCに乗るし、会社から金が出る出張サラリーマンやマイルを貯めている客は多少高くても大手に乗る。
A330の導入を進めていた新千歳線や福岡線は、LCC参入で成田発着とはいえ、便数が大幅に増えており、旅客数が分散してしまった。サラリーマン向けであることを考えれば、まずは神戸線に導入するべきだったのかもしれないが、羽田発着枠対策で長崎線との兼ね合いもあってすぐには導入できなかった。
そして、最後は、大手より圧倒的に惹き付ける力があった直前運賃の値上げも実施したことで、自滅した感は否めなかった。

今回の自分のように、マイルにあまりこだわりがなく、かつ機内での飲み物やエンタメにこだわらない客で、値段を細かく確認して、羽田発と成田発を天秤にかけ、運航ダイヤを考えれば、SKYがコストパフォーマンスが結構高いことはよくわかる。しかし、一般旅客でそこまで複雑な調査をする人はあまりいない。安いと思い込んでLCCを買うか、快適座席だと思い込んで大手を買うか、あるいはマイルをためているから大手を、普通の人はそんな感覚だろう

個人的には、A330導入発表時やグリーンシートの話が出たときに、面白いことをすると思ったので、なぜ利用が増えなかったのかはとても不思議なのだが、利用がついてこなかったということは、結局、負けるべくして負けたということなのかもしれない。

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今回搭乗した機材の座席比較。左が機材変更となったSKYのB737 。右は帰りに乗ったANAの最新型B787-8の座席。大手の方が快適かと思ったら、B737との比較ですら、狭さは似たようなものだし、ポケットはSKYの方が利用しやすい。こうやってみると、ANAは下のポケットを削って、なんとなく座席幅を広いように感じさせているのかな?(クリックすると拡大できます)
格安の波に乗って中四国へ(2日目)」に春秋航空日本、「そうだ那覇行こう(旅行後)」にPeach Aviation、ジェットスター・ジャパン、エアアジア・ジャパン(すでに運航終了)のLCCの座席状況写真があるので、それとも比較してみてはいかがだろうか。


大手に乗るほどお金持ちではなく、LCCに乗るためにいちいち成田まで行くことはあまりしたくないような面倒くさがりやの自分には、SKYはとても重宝していました。
SKYが独立系としてこのまま上手く再生しないなら、恐らく航空運賃は跳ね上がるでしょうし、航空の利用回数は激減しそうです。宮古のように航空運賃が急激に上がり、日本の空が潰れる、なんてことにならないよう願いながら、今回の旅を〆たいと思います。
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2015年02月02日

潰れる空から九州へ(2日目)

※2015年4月にアップした旅行記です。


■2015.02.02 (八代)→熊本→佐賀→福岡→羽田

■建物のなかに建物を見学できる熊本
いつもだと日付が変わる頃に就寝となるのだが、今回、道の駅坂本には少し早めに着いたため、早朝4時には起床出来た。

二日目の今日は朝一で熊本、昼に佐賀を見て、夕方に北九州に寄ったあと、福岡に戻ってくる旅程だ。空港の配置を見ると天草に寄っても良かったのだが、天草は空港が開くのが7時頃。ササッと見てすぐに出ても、渋滞などのせいで熊本に着くのは10時頃になってしまうだろう。前回天草に行くのにかなり時間をくった記憶が強かったことと、今回はできるだけ下道で行きたかったこともあり、時間が不安でしょうがなかったから、天草に寄るのは断念し、朝6時から熊本に直行することにしていた。

4時過ぎに坂本を出て、国道3号線を北上、熊本空港へと向かった。車は少なかったが、メインの国道であるせいかトラックが目立つ。熊本までは意外と信号待ちが多い印象だった。

熊本空港周辺には5時過ぎには着けた。
熊本空港ターミナルの開館まではまだ一時間ほどあるだろうから、ひとまず道の駅大津で軽く二度寝して、6時頃に着くように空港へと向かった。
しかし、ターミナルの開館は6時半で、入口で少し待たされてしまった。夜間駐機は多い空港だが、始発便は8時前だから、まだまだ空港は寝ている状況だったようだ。
一旦車に戻って開館まで30分ほど時間を潰した後、館内をゆっくり見て回った。

熊本はランド側に拡張してから初めての訪問。拡張部分と新たに設置されたYS11を中心とした見学となった。
拡張部分は、既存の建物に継ぎ足したようにランド側に飛びださせている。館内では、元々の建物のランド側の壁が残っている箇所もあって、実際に見てみると面白かった。

201502g.jpg
古い建物を活用しつつ大屋根を付けた熊本空港。館内にもうひとつ建物があるように見えるエリアもあった。写真中央の柱が元々の建物の前面部分で、柱より左側が拡張区域になる。

■新設の国際線ターミナルは見学できない佐賀
熊本空港の見学はそれほど時間はかからなかったが、ゆっくりしすぎたせいか、空港を出たのは8時前だった。肥後大津駅で無料アクセスバスの様子を撮影するため寄り道したあとは、佐賀空港へと急いだ。

※熊本空港の無料アクセスバスは特筆すべきアクセス交通の一つだろう。言ってみれば、蒲田駅から羽田空港までのバスが無料、みたいなものだ。宮古空港が市街地ホテルとの間の無料アクセスに失敗しているけれど、熊本は地元タクシー会社と組んで、自治体から補助を受けているし、鉄道側も30分に1本程度は走っているので利用しやすいためか、長続きしているのかもしれない。今回も結構多くの人が利用していた。近隣空港と競争している空港(例えば出雲空港-荘原駅間とか、山形空港-さくらんぼ東根駅間、名古屋空港-味美駅とか)でやったら、効果的にお客さんを集めることができるかもしれない。

肥後大津からは、国道325号線443号線を通り、菊地山鹿みやまなどを経由して柳川へ。そこから東進し、佐賀空港まで一気に到達する経路だ。さすがに山鹿温泉に寄るほどではないものの、時間に少しは余裕はありそうだったので、途中近くを通る道の駅に寄りながら進んだ。

利用した経路は、田舎道とはいえ、あくまでも下道。信号待ちも多く、みやまの手前と柳川〜筑後川を渡る辺りではノロノロの渋滞にもはまってしまった。

※筑後川の西側は田んぼしか広がっていないと言っても言い過ぎではないぐらい田舎なのだが、佐賀周辺や筑後川を渡る付近はいつも混雑している。長崎から熊本へと抜ける場合の経路上だし、川を渡る道が限られるので、交通が集中してしまうようだ。
佐賀空港は高速道路から離れた位置にある。空港に行くときはいつもここで時間を食われるので、ハラハラしてしまう。


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柳川の駅前で見られた佐賀空港への看板。柳川は福岡県だが、佐賀空港が非常に近いので、こんな看板が出ている(佐賀空港から佐賀駅までと西鉄柳川駅までは似たような距離だ)。ただ、福岡空港の方が、飛行機の便数や定時運行の鉄道で行けるので便利に感じてしまう。佐賀の空港なので佐賀県も熊本県も積極的にはなれないだろうが、佐賀空港から柳川へもっと出易ければ、利用者を増やせるかもしれない。この市街地付近は信号も多く渋滞にはまりやすいので要注意。

佐賀空港には11時半ごろに到着した。
ちょうど春秋航空(CQH)ANAの二機が到着した時間帯で、館内も少し賑わいを見せていた。これまで佐賀では飛行機を二機同時に見たことがなかったので、とても違和感を感じてしまった。こうやって飛行機が賑わいを見せるのが好ましいことなのに、地方空港はそうではないから、ちょっと変な感じだ。
すぐに見学をはじめても良かったのだが、出発ロビーやカウンタは二往復分のお客さんが結構いっぱいいて写真を撮りづらい。出発するまでは辛抱と、まずはレストランで昼飯を食べ、それから見学して回った。

佐賀は一昨年末に国際線施設を増設している。国際線施設は保安検査後エリアのみが整備されたため、利用しない客は立ち入れない。そんななかで、旅客ターミナルビル3階の展示コーナー脇から国際線出発口への専用通路が設置され、国内線側からは、ガラス越しに国際線の搭乗待合室を覗けると聞いていた。少し期待していたのだが、展示コーナー脇から先には、出発客以外は入ることはできず、搭乗待合室の様子をうかがうことはできなかった。

その他、館内では、1階のカウンタ区域が大きく拡大していた。前回来たときには飛んでいなかったCQH(春秋航空日本も同位置)とティーウェイ航空(TWB)のカウンタが幅広く展開されていた。

佐賀は飛行機が飛んでいない代わりに空港美術館のように美術品の展示が多いのが特徴の一つだった。TWBカウンタ付近には数多くの展示物があったのだが、今回はきれいさっぱりなくなっていて、その行方が妙に気になってしまった

なかなか来る機会のない空港だが、残念なことに管制塔と旅客ターミナルビル正面では、高所作業車で何かの作業が行われていて、ターミナル全景写真は写すことは叶わなかった。

ターミナルビルを見学したあとは空港公園で、熊本同様にYS11を撮影。そのあとは、福岡へ行くだけとなった。

※佐賀空港は館内や周辺に数多くの美術作品を展示する空港として有名だ。しかし、TWBカウンタ設置によって館内の美術作品がだいぶ減っていた。

201502i.jpg
国際線出発口へと続く通路の様子。ここから先は利用者以外立入禁止となっていて、正面にガラス張り空間があることは見えているのだが、残念ながら増築部を覗くことはできなかった。国際線への最後のお見送りはできません。

■建物のなかの檻も見学、あとわずかの福岡
14時頃に佐賀空港を出発。この時点で北九州に行くことはあきらめた。
福岡までは混んでいなければ、一時間程度と言われている。佐賀市の中心部付近に近づくまでは快適走行だったので、すぐ福岡に着けるやと、たかをくくっていたら、国道208号線を越えた辺りから、トロトロ渋滞にはまってしまった。この辺りは前回も渋滞にはまったところだ。北九州には行かないことにしていたので、焦ることはなかったが、こんな田舎で毎回渋滞とはなんとも情けない道路事情。鳥栖から太宰府付近までのバイパスはスイスイだったものの、バイパスに出るまでにかなりの時間を食い、福岡までは結局二時間ほどかかってしまった。

福岡空港の到着は日の入りに間に合ったので、取り壊しが近い第1を中心にそそくさと見学を始めた。
外観撮影はもちろん、檻のような展望デッキなど、恐らく今回で見納めとなるであろう館内をゆっくりと見て回った。

福岡で残念だったのは、案内板のパタパタが消えていたことだった。第二の出発口手前には西日本最大級の大きなパタパタが釣り下がっていたのだが、ついになくなってしまった。あのサイズのものがなくなるのは、かなりショックだった。
代わりのものは壁の一部に申し訳なさそうに設置された液晶モニタで、なんだか目立たない。今回は、鹿児島でもパタパタから液晶モニタへ変わっていた。パタパタが残っている空港は数少なくなり、なんとなく時代が変わったことを感じる旅になってしまった。

福岡からは予約のとおり搭乗で、無事帰路に就いた。
まだまだ帰りの電車がある時間帯だったが、昨日の朝、チャリを一時間ほどこいで蒲田まで来たので、帰りも蒲田から長距離チャリ。結局家に着いたときには24時近くになってしまっていた。
こうしてヘトヘトのまま久々の空港訪問旅が終了となった。

201502k.jpg
最後に乗ったANA270便はボーイング787型機。雰囲気はこれまでの飛行機とだいぶ違っていた。3-3-3って意外と狭いですね。


■実際の旅程
02/02 MON
道の駅坂本04:00(レンタカー)→05:15道の駅大津
道の駅大津05:45(レンタカー)→06:00[熊本空港]
[熊本空港]08:00(レンタカー)→08:15道の駅旭志
道の駅旭志08:30(レンタカー)→09:00道の駅七城
道の駅七城09:15(レンタカー)→10:00道の駅きくすい
道の駅きくすい10:15(レンタカー)→10:45道の駅みやま
道の駅みやま11:00(レンタカー)→11:30[佐賀空港]
[佐賀空港]14:00(レンタカー)→16:00[福岡空港]
[福岡空港]19:45(ANA270便)→21:25[東京国際空港]
[東京国際空港]21:30(京急線)→22:00蒲 田 駅
蒲 田 駅22:00(自転車)→23:00自  宅
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2015年02月01日

潰れる空から九州へ(1日目)

※2015年4月にアップした旅行記です。


■2015.02.01 東京国際→福岡→宮崎→鹿児島→(八代)

■まさかの事態で面倒なことに、、、
今回は旅行に先立ち衝撃のニュースが飛び込んできたので、1日目の話に入る前にまずはその話題から。

スカイマーク(SKY)の予約を入れた翌日、同社が潰れてしまったのだ

SKYは昨年からずっとゴタゴタしていた。しかし、半年以上持ちこたえており、潰れはしないと思っていた。正直まさかな事態になってしまった。
まあ、近年だと、JALの前例もあるし、運航は維持されて福岡へ飛ぶことはできそうだったので、それほど気にもせず、当日を迎えようとしていた。

しかし、前日夜に参った事態になった。
機材がエアバス330(A330)からボーイング737(B737)に変更されてしまったのだ。

今回はA330に乗ることも目的のひとつであったし、JJPではなくSKY利用を即決したのはA330だったからだ。非常に楽しみにしていたのに、搭乗はついに実現しなかった。

今回の機材変更で一番参ったことは、座席の広さが狭くなったことではなく、2通路の2-3-2から単通路の3-3に座席配置が変更となることだった。3-3の場合、2通路機材の場合と異なり、通路側が良い人も窓側がいる座席並びを指定することになる。さらに3人並び席の場合は、間の席に来る人もいるわけで、窓側席は、隣席がいる場合、かなり押し込まれた状態になる可能性が高く、自分はこれが一番嫌い。
小さい飛行機を嫌いな人はよくいて、LCCを使いたくない理由にB787やB777、B767のような大型機じゃないからと言う人もいる。しかし、自分の場合は座席配列が最優先事項になるので、別に機材が大きかろうが小さかろうがあまり関係ない。窓側が1席か2席であればそれでいい。なおかつ2通路機であれば、文句のつけようがない。その点でA330はまさに最適な飛行機だった。

A330での運航予定時には、窓側を指定していたのだが、B737になると話は別。押し込まれるのを我慢して窓側をとるか、悠々通路側をとるか、非常に難しい選択を迫られることになってしまった。
結局、ギリギリまで座席指定を何度も確認し、隣2席に誰もいない、あまり好む人がいない後方窓側を選択。当日も隣席が来れば窓側選択をやめるため、ギリギリまでチェックインせずに待つことに決めた。

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今回出発前に撮影した羽田空港での風景。潰れたことを感じさせず、SKYのB737が出発準備をしていた。

■勘違いで面倒なことに、、、
そんなこんなで、バタバタしたまま出発当日の朝を迎えた。
今回利用するSKY001便は朝6時過ぎの便だ。5時半に着く京急線の始発で行けば良かったのだが、6時25分発の飛行機を6時5分発と勘違いしていた。京急の始発ではギリギリ過ぎると不安になってしまい、蒲田を4時半に出る早朝バスで向かうことにしてしまった
蒲田へ向かう始発電車では、このバスには十数分差で間に合わないのだが、格安で福岡に行くのに蒲田までタクるのもバカらしい。地図を見たら、蒲田までならチャリでも一時間程度で行けそうだったので、3時半前に家を出て蒲田までチャリで向かうことにした。
もしも、SKY001便が6時25分発であることを認識していれば、最寄駅までチャリ+電車で行け、一時間くらい遅く家を出れば十分間に合ったのだが、いきなり大失敗をしてしまった。

寒い寒い中をせっせとチャリをこいで、蒲田へ向かい、なんとか4時半前に到着することが出来た。
コンビニに寄っていたら時間ギリギリになったのでやや小走りにバス停へと向かうと、すでにバスは停車中。座席に座れないかもと心配になりながら、早速バスに乗り込んだ。

が、バスに乗っていたのはガラガラを持った二人組一組だけで、車内はガラガラだった。羽田への最早アクセスを実現する始発バスなのに、利用者は少なく、これでは維持が大変そうだ。
路線バス利用者はその後もあまり増えないまま。結局、糀谷と大鳥居辺りで空港職員っぽい人を10人ほど集めただけでガラガラのまま国際線に着いた。

※始発バスが羽田空港に到着するこの時刻、5時台後半〜6時台前半の飛行機に乗るならちょうどいいのだが、国際線は、平成26年3月の大増便時に早朝から昼にシフトしただけの便が多数出てしまったので、今は便がほとんどない。8時以降になれば国際線もぐっと増えてくるのだが、このバスでは早すぎる設定のため、当然ながらガラガラなのだ。国内線の始発にも少し早いが、国内線は6時台もかなり便があるので、どちらかと言うとそっちの方が利用しやすい(6時半以降発なら電車でも充分余裕をもってアクセス可能)。

このバスはなぜか国際線止まり。より利用人数が多そうな国内線利用者は、国際線で無料連絡バスに乗り換えとなる。見てみると、バスから降りた客は2人を除いて皆連絡バスに乗り換えていた。非常に面倒な話だ。
しかも、乗り換えたバスは、ギューギュー詰めで身動きがとれないほどの混雑で、積み残しが出た。乗り換えた連絡バスは国際線ターミナルから国内線ターミナルに向かう始発のバス。国内線ターミナルはお泊まり出来ないので、24時間営業の国際線ターミナルに泊まった人達が殺到するため、毎日混んでいるらしい。蒲田発国際線行きを国内線行にするだけで混雑緩和になるのに、なんとも残念なダイヤとなっていた。

※蒲田へ向かう電車の始発(桜木町始発)は4時40分に蒲田に着く。バスの出発を15分遅らせれば、乗り換えができるのに、こちらもこちらでなかなかそううまくはいっていない。京急バスさん、もっとダイヤを考えれば、利用者絶対増えますよ、、、。というか、京急線でもっと早いのを走らせればそれで解決ですけどね、、、。

■座席指定で面倒なことに、、、
第一ターミナルには5時10分頃に到着。ここではじめて飛行機が6時25分発であることを知った。早起きは三文の徳とは言うものの、早すぎるのは良くないらしい。隣に誰もいない座席を確保するため、結局、5時45分頃まで出発ロビーで発券を待っていたため、完全な無駄足になってしまった。

こうして数十分、ロビーの椅子でダラダラ過ごしたが、あまりギリギリ過ぎに手続きをするのは乗り遅れリスクが高い。京急やモノレールの始発に乗ったと見られる人達の波が終わった5時45分頃に通路側の座席を誰も指定していないことを確認してチェックインを済ませた。LCCと違い事前座席指定ができるから、残り20分で新たに指定する人も多くはないだろう。画面で確認したら、指定できる座席はかなり多くあり、ガラガラのようだった。

搭乗口は20番でターミナルの一番端側。搭乗口前に着いてしばらくした6時過ぎに搭乗が始まった。やはり機材は何度確認してもB737だ。
ゆっくり機内に入ったが、早朝便のせいか利用者は少ない。後方はほとんどの場所が一人か二人組が三席占有していたのだが、なんと、自分の席並びの通路側は、別のお客さんで埋まっていた・・・!

昔からこういう貧乏くじを引くことが多いのが自分の困ったところ。電車の指定席でも、酒の臭いをプンプンさせてる客とか夜行列車でイビキのうるさい客とかの横になることが非常に多いのだ(しかも周りを見渡すと、他の席にそんな人はまずいない、というパターンがほとんど)。ギリギリまで指定を控えても結局こうなってしまうのだから、なんとも不思議な限りだ。
間の席に客はいなかったし、機窓から景色をゆっくり眺められたから良かったものの、結局狭い座席の窓側に押し込まれた感じのまま、過ごすはめになってしまった。

福岡空港には少し遅れて8時30分過ぎに到着した。明日、日が出ている間に帰ってこられるか分からないので、まずは軽く外回りを撮影。新設された駐車場やターミナルを第3、第2、第1と寄りながら南側にあるニコニコレンタカーへと向かった。

201502b.jpg
福岡空港到着後、間もなく姿を消す第1ターミナルが見えた。Peach Aviationとジェットスター・ジャパンが駐機しているところが今どきな感じだろうか。今回で見納めかなあ、、、。

■太宰府の通過で面倒なことに、、、
レンタカーを借りたら、まずは宮崎へ直行だ。車を借りたら、ナビも設定せずにすぐに南下を始め、大宰府インターから九州道に入った。

レンタカーだが標準搭載のETCを使用しているため、料金所をスイスイと抜けようとした。
ところが、レーンに入る少し前、ETC非搭載車が三台先位で引っ掛かっているのが見えた。

これは危ない。
自分も過去に一回、カードの有効期限切れで引っ掛かったことがあるが、後ろの車にかなり迷惑だし、急減速するので追突の危険がある。あまり見ない光景だが、自分自身が一度体験しているから、高速の料金所ではその可能性も予期しながら、早めの減速とすぐに横のレーンに移れるよう後続車チェックを確実にするようにしていた。このため、今日はうまく隣のレーンへ逃れることが出来た。

ところが、止まってしまったレーンを横目で見ながら、「気分爽快」スッと抜けようとしたら、なんと、こちらも目の前の車が引っ掛かってしまった。すでに分離帯があって隣のレーンには行けない状態。左ハンドルなのか通行券の受け取りに左座席から運転手が車から降りてくる始末で、だいぶ長い時間待たされてしまった。

※大宰府では、前回利用したときもETCレーンで引っ掛かった車がいた記憶がある。福岡人がその辺を気にしない人が多いのか、ETCレーンが分かりにくいのか、理由はよく分からないが、しっかり減速して進入したい料金所のひとつなのかもしれない。

太宰府インターで引っ掛かったものの、その後の高速はほぼほぼ順調だった。
鳥栖辺りまでは、いつもの通り、車の台数が多く、思ったような走行ができなかったが、鳥栖を過ぎてからは徐々に台数が減り始め、熊本を過ぎたらスイスイに。三車線から二車線に減ったものの、トロトロ車もいなくなり、走行車線で安定した速度での走行が可能となった。

※以前九州道を利用した時も、渋滞ではないものの、鳥栖ぐらいまでは車が多かった。混雑状況はいつもあまり変わらないのかもしれない。
それにしても、一番左はトロい車がいるのか高速なのに70キロ以下で、真ん中車線と追い越し車線は70キロ前後のほぼ同じ速度でトロトロ。下手すると走行車線の方が速度が早いくらいだった。こういうとき、トロい車は危険なので、一番左に行くようにはできないものだろうか。こういう原因の渋滞を緩和するため、海外では○○キロ以上で走行しなさい、みたいな国も確かあったはず。



■人が多くて面倒なことに、、、
宮崎空港までは3時間強で、13時頃に到着できた。

宮崎に来るのは5年ぶり。昨年秋にきれいな名前の愛称が付いたのだが、館内はそれほど大きな変化は見られなかった。
細かいところはいくつか変化していたものの、目を引くほどではなく、大きく変わっていたのは、屋上程度だ。

屋上は、滑走路を挟んでターミナル地区と反対側に航空大学校がある縁で、仙台で活躍した航空大学校の機体が新たに展示された。この機体は、子供は自由に見学できるようになっていて、今日は結構子供連れが多い印象だ。
前に来たときは朝だったためか、ほとんど誰もおらず、寂しい限りだったが、今日は日曜の昼だったこともあり、なかなか撮影するタイミングもないほど、多くの子供連れで賑わっていた。このため、なかなか人の入らない撮影ができず、面倒なことになってしまった。
とはいっても、撮影は大変だけれども、やはり展望デッキは賑わいがないとつまらない。都市から近い空港ということもあり、地元の子供たちの遊び場になっているのは好印象だった。

201502c.jpg
機体が新たに展示された宮崎空港の展望デッキ。かなり賑わっていた。宮崎に来た際にはぜひ訪問したい。

一通り見学を済ませ、2時間ほど滞在したあとは、鹿児島へと向かった。

今日はやや時間がありそうだったので、青島にでも寄ってみるかと思っていたものの、屋上の撮影に意外と時間がかかってしまったため、そのまま鹿児島に直行することにした。

鹿児島までは国道269号線都城に行き、そこから県道2号線の経路を進んだ。
前回宮崎から鹿児島へ移動した際は、道の駅に色々寄りながら進んだこともあり、都城から国道10号線をメインで進んだが、今回は近道となる山側の道。国道でもないので、さほど混雑もなくスイスイと進み、日没前には鹿児島空港に到着が出来た。

鹿児島空港には昨年四月に来たばかりで、今回は必ずしも寄る必要はなかった。しかし、福岡→宮崎と移動した後、今日中に熊本に入るのは遅延リスクが高いし、せっかく南部九州に来たので、それほど経路を外れず訪問できる鹿児島にも寄ることにした。
当然ながらあまり大きな変化はなく、館内の見学はすぐに終わる。そこで、まだ明るさが残っていたこともあり、一度空港を通り越して、上床公園に寄ってから空港に入った。

上床公園は空港北方の高台にある公園だ。現空港付近にかつて海軍航空隊第二国分基地があり、特攻隊が飛び立っていた歴史から、零戦などの展示している。航空マニアにはよく知られた公園で、空港のある台地を広々と見渡すことができた。

空港内で変わっていたのは、パタパタ板が空港展示室に展示されたことぐらいだった。鹿児島はなんの違和感もなく、パタパタが現役だったが、あっという間になくなってしまった印象だ。

ひと通り回って食事を済ませたら、いつの間にか外は真っ暗になっていた。

201502e.jpg
パタパタ板は展示室に展示され、定期的に動いていた。実際の運航状況を示しているのではないが、かつて使われたJASとかANKの表示も出すなど、遊び心満載だった。航空会社と行き先を見れば願望も含めてよく考えられていることが分かるだろう。

■温泉で面倒なことに、、、
今日はこのあと夜道を熊本県に向かう。明朝に熊本空港に着いているようにするために、深夜までに少なくとも熊本平野までは出ておきたい。
ただ、今晩は車中泊だし、せっかく霧島まで出て来たので温泉には浸かっておきたかった。
そこで、日帰り温泉に寄ることにした。

今は19時。温泉までのアクセス時間と入浴時間を考慮すれば、22時くらいまで開いている温泉を目指したかった。しかし、周辺は温泉だらけのはずなのに、ツーリングマップルでは経路上に適当なところがない。

そこで、空港近くにないか案内所に尋ねてみた。
案内所のおねえさんは、空港近くの温泉をまとめた地図を見せながら、良さそうな温泉を紹介してくれたのだが、駐車場に戻って車に乗ってからカーナビで経路を確認したら、熊本へ向かうルートから少し離れた位置にある。しかも噴火している新燃岳にも近いので行くのは諦めた。
仕方がないので、案内所でもらった地図でもっと近場に温泉がないか探したら、すぐ東側の山を下った先に、「日之出温泉きのこの里」なる日帰り温泉施設があり、20時までオープンしているようだった。急げばなんとかギリギリ間に合いそう。一覧では「タオル、石鹸なし」と気になる表示が出ていたが、ネットで調べると、販売しているとのことだったので、そのまま急いで直行した。

温泉までは空港から車で10分ほど。建物は結構立派な外観で期待できそうだった。
ところが入口を入ったら、番台に係員はおらず、お金をいれる菓子箱がひとつあり、そこにお金をいれるよう指示があるだけ。奥の食事処は、昨年末に閉店したそうで電気が消されていた
番台には、タオルをはじめ色々と商品は並んでいるものの、係員がいないからゲットすらできない。仕方なくポケットに入っていたハンドタオルで石鹸なしで入湯することにした。

門構えは立派だったのだが、風呂自体は小さく、ひなびた感じだ。茶色い濁り湯が特徴のようで、足場はヌルヌル。これは泉質の良い証拠だろう。良い泉質と風呂の雰囲気はいいんだけど、値段が200円だし、地元の銭湯みたいで、よそ者には入りづらいオーラがありありだったのはちょっと残念だった。さらに、ドライヤーをはじめとした備品が何もなく、石鹸すら用意がなかった(さすがに桶は用意されていた)。
石鹸がないから体はお湯洗いするしかなかったのだが、泉質が良すぎのせいか、ハンドタオルはみるみるうちに茶色く変色してしまった。これは、体を洗うのは逆効果っぽい。ドライヤーがないから乾かせないし、バスタオルもないのもあって、湯の粉が付きそうな頭を洗うのは避けてしまった。

備品の少なさに閉口し、地元感たっぷりで、よそ者にはやや入りづらい点はあったものの、泉質はとても良かったので、浴槽に深く浸かって疲れを癒した。ただ、閉店まであまり時間がなく、あまり長居はできなかった(風呂って夜入るものだと思うんだけど、なぜ20時と閉店が早いのか、、、)。
トータルはそれほど悪くはないんだけど、やる気のなさは大きなマイナス点。入るためにいろいろ準備が必要だし、茶色くなったタオルはこのあと道の駅で清掃するはめにもなり、少し面倒な温泉だった。

温泉を出たあとはひたすら熊本に向かって走行。
鹿児島から八代へ抜ける道は、日本三大急流球磨川の沿いの谷を進むルートで、きつい山越えになる。くねくね道だし、かなり時間がかかることは覚悟していたが、できるだけ費用を削減するため、トンネル通過でショートカットできる高速ではなく、とにかく一般道を進んでいった。

霧島温泉駅前を通過しつつ、えびのへ抜け、えびのからは国道221号線を北上し人吉へ。さらに国道219号線に入り、球磨川沿いを北上した。
車は少なく、快適な走行。まだ先にも進めそうだったが、眠気が徐々に襲いそうだったので、22時頃に着いた道の駅坂本で一晩を明かすこととした。

201502f.jpg
日の出温泉きのこの里の入口。
風呂は雰囲気抜群の温泉銭湯といった感じだった。泉質は良いけど、タオルも石鹸も準備しないといけないので入るまでのハードルが高い。タオルはぜひ鹿児島空港で購入してからいくことをおすすめしたい。



■今日の教訓!
[羽田]早朝バスは意外と使えない←電車の始発が使えれば、もう鉄道の一択
三席シートはやはり通路側←頑張っても窓側より快適です
[宮崎]来たら屋上に寄るべし←子供なら小型機に入れます
[鹿児島]周囲の温泉は持ち物注意←空港でタオルを買っていくのが◎

■実際の旅程
02/01 SUN
自  宅03:30(自転車)→04:30蒲 田 駅
蒲 田 駅04:30(京急バス)→04:50[東京国際空港]
[東京国際空港]06:25(SKY0001便)→08:20[福岡空港]
[福岡空港]09:30(レンタカー)→13:00[宮崎空港]
[宮崎空港]15:00(レンタカー)→17:00[鹿児島空港]
[鹿児島空港]19:00(レンタカー)→19:15日の出温泉
日の出温泉20:00(レンタカー)→22:00道の駅坂本
(車中泊)
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2015年01月31日

潰れる空から九州へ(旅行前)

※2015年4月にアップした旅行記です。


■2015.02 羽田・福岡・宮崎・鹿児島・熊本・佐賀の旅行前

■待ちに待って九州へ
2月1日から二日間の日程で休みがとれ、1枚だけだがANAの株主優待券が無料でちょうど手に入ったので、久々に空港訪問に行くことにした。

今回は九州の各空港を回ることに決めていた。
熊本と佐賀の拡張後にまだ訪れていなかったし、屋上を整備し直し愛称も付いた宮崎も未訪問だったからだ。
実は、北九州、福岡、宮崎に新規航空会社のリンクが昨年の就航を予定していたので、就航して少し落ち着くまで九州地区の訪問は避けようとずっと後回しにしていた。リンクの就航に合わせるため、2014年秋ごろ以降に行くことを検討し、待ちに待っていたわけだが、なんとリンクは未就航のまま倒産してしまった。その後は、早く行かねばとタイミングを窺っていた。

九州を一気に回るのは意外と大変だ。北部九州だけなら日帰りでも訪問可能なのだが、熊本と鹿児島の間が意外と距離があるので、南部九州が入るとどこかで一泊せざるを得ない。大分、長崎、鹿児島は昨年空港見学以外の単なる観光で訪れたので今回はこだわりがないが、唯一南部の宮崎には確実に行っておきたかった。そこで、北側(北九州福岡佐賀熊本)と南側(宮崎)をそれぞれ1日ずつで回ることにした。

理想は、宮崎IN→熊本→佐賀→福岡→北九州OUTだが、例のごとくレンタカーの乗り捨て料金が高くなる。ひとつの空港発着にせざるを得ないので、北九州、福岡、佐賀、熊本発着を軸に検討に入った。
北九州は運用時間が長いため、時間のフル活用が可能。福岡は便数が多いので帰りの欠航リスクがぐんと低い。佐賀と熊本は中間地点になるため、昼間の移動時間短縮に便利だ。

検討で重視したのは、やはり運賃だった。いつものことで、出発1週間ほど前に検討を開始したこともあり、大手は運賃が全然安くない。片道はANAの株主優待利用で確定だが、片道はできるだけ費用が安くなるように考えていた。

色々と検討をしてみると、
(1)北九州
 (ダイヤ)羽田早朝発・深夜着がなくなっており、九州滞在時間が思ったより短い。
 (運賃)LCC未就航のせいか値段があまり安くない。
(2)福岡
 (ダイヤ)便数が多く欠航時の代替がきき安心(最悪北九州OUTにも変更できる)。
 (運賃)スカイマークとジェットスター・ジャパン(JJP)が安く、大手も安め。
(3)熊本
 (ダイヤ)そこそこ便数あり。欠航が早くわかれば福岡便や伊丹経由、成田便などへ振り替えをしやすい。
 (運賃)JJPが安い。
(4)佐賀
 (ダイヤ)便数が少なく欠航した時の代替が難しい。
 (運賃)春秋航空日本(SJO)が安い(競争がないせいかANAは値段が高い)。
といった感じだ。

このうち佐賀は、航空便利用の場合にレンタカーが1日千円になるので、地上移動のことも考えると佐賀が最も理想的だ(乗り捨て料金のかからない鳥栖でレンタカーを返して福岡へ格安電車移動も可能)。しかし、頼みの綱のSJOが冬ダイヤから夕方のみの1往復になり全く使えないダイヤになったため、利用を早々に断念。結局、福岡か熊本の二択となった。

アクセスの予約(飛行機)
福岡と熊本の二択後の飛行機の選択は、最後はやはり細かい値段と利便性との相談だった。

JJP成田線を利用の場合、早朝便で福岡行は7,000円ほど(朝便以降だと8,000円以上)、熊本行は6,000円ほどだった。JJPは成田発着になるからアクセスに2,000円ほどかかり、かつ前夜からの泊まり込みになるので、LCC利用にしてはあまり安さを感じない設定だった。
色々調べていたら、スカイマーク(SKY)福岡線の早朝便001便が9,000円ほどと出た。東京側のアクセス交通分を含めた値段はJJP利用より割高だが、その値段の差はほんのわずかしかない。アクセスの利便性を考慮すれば非常にお得だ。SKY001便は早朝便なので羽田へのアクセスにやや難があるものの、機材が話題のエアバス330(A330)型機で、快適座席を一万円以下で体験できる。なんだかんだ言ってもJJP利用の方がトータルの値段は若干だか安いので、ボーイング737だったら、JJPとどちらにするかかなり悩んだところだったが、A330でこの値段なら、迷う要素は一切ない。そろそろ乗りたいと思っていたところだったので、ちょうど良い機会だと即決した。

結局行きはSKY、帰りANAで福岡IN・OUTでの利用に決めた。
帰りは最終便では不安なので19時台くらいに福岡を発つことを想定。株主優待で、変更はいくらでもきくので、とりあえずANA270便を予約した。

二日目に南部九州から北部九州に来るのはアクシデントがあった場合の遅刻リスクが高い。最終的な行程は、初日、まずは一気に宮崎に下り、さらに通り道から比較的簡単に寄れる鹿児島へ。二日目に熊本、佐賀、福岡と北上し、北九州は時間がなければ諦める経路にした。

現地移動の予約(レンタカー)
福岡は様々なレンタカー屋があり、選びたい放題だった。この点も熊本ではなく福岡にした理由のひとつだ。飛行機が安くなっても現地移動が高くては意味がない。

今回は格安レンタカーとしてニコニコレンタカーを選択した。ニコニコなら丸々2日借りても1万円以下だ。初日に大移動することやガソリン代・高速代を考えれば、乗り捨て料金をかけて宮崎IN北九州OUTにしてもたいして変わらなかったかもしれない。しかし、乗り捨てできるのは貸出の値段が高い大手だけ(ニコニコは福岡・長崎・鹿児島のみ相互に乗り捨て可能)。大手はそもそも貸し出し料金が1万円ほど高いし、宮崎行は飛行機に安い便がなかった。しかも、宮崎で借りても、鹿児島から熊本までは結構距離があるのでその日中に熊本へ行けるかは微妙だ。
結局、福岡発着の利用となった。

※北海道もそうなんだけど、航空便が一極集中しすぎで、いつも地域の拠点空港(例えば、今回の九州なら福岡、北海道なら新千歳)発着になる。レンタカー乗り捨て補助とかがあると、行きだけでも他の空港を利用(例えば宮崎IN福岡OUTとか女満別IN新千歳OUTとか、、、)にするんだけど、そういう形での補助は石見以外では見たことがない(石見は中国地方の一部の別空港に乗り捨て料金なしで乗り捨てできるレンタカーを展開していた)。その方が、観光地も効率よく回れて 時間も余裕が生まれるから、地元にもお金を落とせると思うのだが、、、。なかなかそううまくはいかない。

宿泊の予約
いつもと同じく、宿泊費削減のため車中泊とした。
移動距離が長い鹿児島→熊本間を夜間移動とし、その時間を有効活用。さらに、宮崎への南下は高速を使うものの、時間に余裕を持たせたので、福岡への北上はできるだけ一般道にして高速代を浮かすことにした。


■ここまでの教訓!
やはりSKYが直前まで安い←成田行くのが面倒ならベスト選択
九州は福岡拠点に回ろう←便数多くて帰りも安心、しかも安いです

■今回の予定旅程
02/01 SAT
自宅03:30(自転車)→04:30蒲田駅04:30(京急バス)→04:50[東京国際空港]06:25(SKY001便)→08:20[福岡空港]09:00(レンタカー)→12:00[宮崎空港]14:00(レンタカー)→16:00[鹿児島空港]18:00(レンタカー)→23:00熊本までの道の駅
(車中泊)

02/02 SAN
道の駅05:00(レンタカー)→06:00[熊本空港]08:00(レンタカー)→10:00[佐賀空港]12:00(レンタカー)→15:00[北九州空港]17:00(レンタカー)→19:00[福岡空港]19:45(ANA270便)→21:25[東京国際空港]21:30(京急線など)→22:00京急蒲田駅22:00(自転車)→23:00自宅
(宿泊なし)
※途中名所に寄れれば見学予定。

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2014年09月10日

格安の波に乗って中四国へ(旅行後)



■2014.09 成田国際・広島・松山・笠岡農道・岡山・美保・出雲・東京国際の旅行後

今回は久々の中国地方の空港訪問となりました。
新規航空会社がなかなか就航してこなかった中国・四国地方は、ここ数年で相次いで新規航空会社(新規社)や格安航空会社(LCC)が就航。ついに航空格安化の波が押し寄せています。


ぐっと増えた選択肢
まずは中国・四国地方に就航する新規社やLCCの状況を見てみよう(離島は除く)。

鳥取:なし
米子:SKY(2013.12〜、千歳・成田・羽田・神戸・那覇)
出雲:なし
石見:なし
岡山:ADO(2013.03〜、千歳)
広島:SJO(2014.08〜、成田)
岩国:なし
宇部:SFJ(2014.10〜予定、羽田)
徳島:なし(かつてSKY就航あり)
高松:JJP(2013.12〜、成田)、SJO(2014.08〜、成田)
松山:JJP(2013.06〜、成田)、APJ(2014.02〜、関空)
高知:なし

こうしてみると、中国・四国地方には、昨年から一気に新規社・LCCの就航が相次いだことが分かる。
競争がなかったためにこれまで九州より運賃が高いこともあった中国・四国地方に行きやすくなったのは嬉しい限り。利用者の選択肢がかなり広がった印象だ。

各社の就航地を見てみると、それぞれの戦略が見えてきて面白い。
AIRDO(ADO)はANAが維持できなくなった路線への付け替え参入となっている。似たような路線でより利用者が多そうな広島には就航しておらず、ANAの意向を強く受けていることが分かる。
ジェットスター・ジャパン(JJP)は四国北側2空港への就航。徳島には就航しておらず、新幹線ですでに開拓されている需要を奪いに来ている感じにも思えるものの、山陽には乗り入れておらず、新幹線との完全競合は避けた格好になっている。
Peach Aviation(APJ)は、関空からの距離も考えてか松山のみの就航だ。距離だけなら、出雲とか高知とかも候補に上がるのだろうが、就航先を決定するに当たっては、後背地人口や市街地への近さなども考慮しているように見える。
最後に参入した春秋航空日本(SJO)は広島と高松。元々SJOは親会社の春秋航空が高松に就航していて、初めから就航候補地だったのだろうが、JJPが先に参入してしまったことで最終的に一往復に減便するなど、計画が狂っているようにも見える。中国・四国地方に就航はしたいものの、他のLCCとの競合は避けたい意向が感じられる。
同じようにLCCとの競合を避けたのがスカイマーク(SKY)だ。SKYは美保(米子)に2013年12月に就航。元々高松等への就航も構想として発表していたものの、最終的に就航したのは米子のみで、LCCとの競合を嫌ったのがはっきり読み取れる。SKYが他のLCCと異なっているのは米子に複数路線を就航させた点で、羽田路線だけでは大手との値下げ合戦が目に見えているので、拠点化で定着を図る意図が感じられ、LCCとも一線を画しているようだ(ただ、すでに10月以降の路線縮小が決まっている)。

個人的に注目しているのは、新興社・LCCの就航が山陰では唯一の空港となっている米子で、SKYがいきなり拠点化したのはかなりの驚きだった。
新千歳や那覇、神戸線は独自路線で便利になったし、東京路線が大手と競合する主戦場となっているが、早速ANAが対抗値下げし、格安化が始まるなど効果抜群だったが、いまいち利用者が増えないのが残念なところだろう。

就航にはアクセスが重要
そんな風に、徐々に格安各社の就航が増えているものの、今回の旅行で感じたのは、航空の格安化に周りがついてきていない現実だった。

成田から広島までは今回1500円だった。そこまで安くなくても、SJOは通常時6000円弱で成田から広島まで飛ぶことができる。
ところが、その値段で広島に着いてしまうと、市内へ出るのにかなり金がかかる感じがしてしまう。リムジンバスだと広島駅までは1340円。白市経由でJRでアクセスしても1150円と結構高い。広島は山奥の空港だから、レンタカー需要も多いが、本文でも書いた通り、周囲に格安レンタカーはなく、ガソリンもボッタクリ価格で、空港からの足という点で二の足を踏む客は多そうだ。

LCCを利用する層は、元々深夜バスとか青春18きっぷとかを使っていた人が多いと思われるし、若者比率が高いので、免許を持たない客やレンタカーに慣れていない客も多そうだ。
現地に着いてから街までタクシーなんてリッチな感覚の人はほとんどいないだろうから、街までのアクセスの公共交通機関がしっかりしていないと、なかなか集客できない恐れがある。これは、安さはもちろん、気軽に乗れる運行頻度も大切かもしれない。

今回訪問した空港では、松山が、街・観光地まで近くて、格安ですぐにアクセスできるからLCC就航にはうってつけ。米子も、街・観光地へ定時に動ける鉄道にすぐ乗れる(ただし頻度は少ない=一時間に一本程度)。これらの空港では、アクセス交通でのハードルは低そうだ。

その点で見ると、全国的にはLCCに適した空港は結構限られてくるようにも思えてくる。

鉄道直結なら新千歳、仙台、成田国際、東京国際、中部国際、大阪国際、八尾、関西国際、神戸、米子、山口宇部、福岡、宮崎、那覇が当てはまる。このうち、米子と山口宇部は運行本数が1時間に1本程度と少ないものの、これらの空港は、公共交通機関でしか移動できない客にとっては、日本ならほぼ定時運行の鉄道で利用しやすいものだろう。

一方、比較的大きな都市や観光地に近い空港は、函館、東京国際、名古屋、大阪国際、神戸、松山、松山、福岡、那覇といった感じだろうか。これらの空港は、着いてほとんど移動せずに目的を済ませられるのが魅力だろう。LCC就航後、総合エンターテイメント施設のようになっている新千歳空港に行くのを目的にした日帰り客が激増したとも聞いており、空港が目的地に近ければ、アクセスに余計な費用もかからないから、安いLCCでふらり訪問という客も多く確保できそうだ。

アクセスバスの頻度という点では、新潟、岡山、広島、長崎、熊本、鹿児島辺りも候補に入るかもしれない。気軽に利用できる頻度なら、飛行機の時間を気にせずアクセスできる。市街地までかなり時間がかかる空港もあるものの、頻度で待ち時間短縮が図れれば、御の字だろう。

公共交通がなくても、佐賀のように到着便利用者を対象に2日間1000円レンタカーを展開するといったキャンペーンも、効果がある利用促進策かもしれない(費用対効果には?もあるけど、、、)。

こうやって考えてみると、LCCの誘致をするなら、安く早く短くといったアクセス交通は大事となってきそうだ。



今回は、LCCの効果を強く実感した旅になりました。

どうも日本人は安定志向が強いせいか、大手以外は航空会社にあらずとでも言わんばかりの人も多いですが、LCCは少しずつ定着してきているように感じます。
大手思考の利用者は、LCCを利用することで、安く乗ってる自分を安く見られることへの恥ずかしさとか、大手に乗れないのかよとバカにされる悔しさとか、安全面でなんか不安といった漠然とした抵抗感とか、なんか手続きが面倒といった先入観とか、なんだか色々ありそうですが、今LCC利用の中心である若者は、そんなことほとんど感じていないでしょうから、これらの若者が中年になる頃には、LCCなんて普通になっているような気がします。

LCCの就航で空港を利用する人が増え、それを求めて空港が便利になっていく。そうして航空移動がもっともっと盛り上がることを期待しつつ、今回の旅を〆たいと思います。

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2014年09月09日

格安の波に乗って中四国へ(3日目)



■2014.09.09 (安来)→美保→出雲→広島→羽田

■妖怪に化かされた?米子空港
朝5時に起床。一昨日から結構無理しているものの、意外とパッチリ目が覚めた。
外に出るとスーパームーンが月の入り目前だった。いかにも妖怪が出てきそうな満月だ。

今日は美保(米子)出雲を見て広島に下るだけだから、結構余裕のある日だ。
広島へ下りながら寄れる名所に寄ることにした。昨日の勝山みたいなところがないか楽しみだ。

まずは米子空港へ。
道の駅あらエッサは安来といっても米子市との市境近くにあるから、空港までは30分かからなかった。
途中、飛行場の南側で掩体壕があったので撮影して時間稼ぎをしたのち、ほぼ6時ジャストに空港へと入った。

米子空港は新たに就航したスカイマーク(SKY)も夜間駐機があり朝は早い方だが、初便は7時頃なので、まだ人はまばらだった。
前回来たとき(→「隠岐がる?旅行へ(1日目)」)は、鬼太郎の愛称が付いたあとだったものの、正面のデカールが完成直前でまだ仮囲いがあり、なんとも残念な訪問だった。訪問の数日後に公開されたそうで、完全に妖怪に化かされた感じだったが、今回は、きれいな状態を見学。SKY関連でターミナルをいじっており、前回撮影できなかった鬼太郎関係の装飾も合わせてじっくり撮影ができた。
ターミナル自体は小さいので、見学は駅周辺も含めて1時間程度で終了。7時半には空港を出られた。

201409d.jpg
米子空港の南側にあった掩体壕。道路の左側は空港区域になる。この周辺にはいくつか残っているそうだ。

■ご縁でまた呼ばれた?出雲空港
米子から出雲だ。
いつもの通り、べた踏み坂から大根島を経由するが、この道は橋が多いので、渋滞リスクが高く、出勤ラッシュに巻き込まれるのだけは避けたかった。ラッシュが始まる前に少しでも早く松江側へと進んだものの、車は多く、東松江辺りではノロノロだった。
そんなラッシュに強い味方となったのが山陰道。松江玉造までは無料区間でしかも片側2車線。前回は有料なのに片側1車線区間でノロノロ高速だったが、今の時間は松江市内へ向かう車が多いのか、バイパスのようになっている片側2車線区間の山陰道を、松江玉造まで通り抜ける車は少なく、快適そのものだった。

道が少し混んだのが来待付近。
しかし、縁結びの地だけあって何て素敵な名前〜とちょっとホッとしたのと、来待駅前で高校生が一人ポツンとたぶん送迎待ちしているのを見て、「これぞ来待!」と一人ひそかに興奮していたので、気にならずに渋滞を切り抜けられた。

出雲空港には8時半には到着できた。こちらは便の合間だったせいか閑散としていた。
出雲も、米子と同様に愛称命名後に利用しているが、米子と同様、訪問した時にはまだ内装に大きな変化はなかった。ところが、その後に凝った内装に変更されたので、できるだけ早く来たいと思っていた。
出雲空港では、館内全体で縁結びを感じられるよう、随所に装飾を施している。モニュメント類を置いている空港は多いが、壁面などに装飾を施すのは結構珍しい存在。見方によっては、ただのお子様騙しのようにも見えるものの、隠れミッキーみたいな隠れハートがあったりするなど遊び心満載で、この空港を利用すれば、良縁に恵まれそうな感じがした。
そんなご縁で、再度訪問することになったのかもしれない。

朝食をとっていなかったので、テレビのランキングで日本一をとったという牛めしの空弁を購入、空港公園の駐車場で飛行機の離着陸を見ながら食事を済ませた。
地元の割烹が製造しているのだが、これがなかなか美味。出雲を利用したらなんとか確保したい逸品だった。

※空弁は数量が限定されていることが多く、納品前の早朝便や、すでに売り切れてなくなっていることが多い夜遅い便を利用する自分にはなかなか確保できないものだ。昼間に利用するこういうときだからこそ、しっかり確保だった。

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縁結びの内装が話題となっている出雲空港。ハートと水引のようなデザインで縁結びの地の空港であることを館内各所でPRしている。

■鉄の名所にはご縁なし?
出雲は10時過ぎに出た。
あとは広島空港へ戻るだけだ。三刀屋木次インターから三次の先までは無料高速の松江道が使える。その先は一般道区間があるが、トータルで3時間もかからないだろう。
そこで、高速と平行する吉田までは一般道(国道54号線)を進み、途中にある名所としてツーリングマップルに載っている菅谷たたらに寄り道することにした。いまいち場所がわからないものの、吉田に向かえば良いらしい。ちょうど吉田に道の駅があるようだったので、まずはそれを目印に進むことにした。

学生の時に観たアニメ映画「もののけ姫」で、たたら場の存在を知ったのだが、その時、たたら場が山陰にあることを知ってから、「もののけ姫」で出てくる山の感じがなんとなく、中国山地のイメージになっている。ツーリングマップルによれば、国内で唯一残存するたたら場がある他、吉田の中心部と、そこからさらに山奥に進んだ先の二か所に、鉄に関する博物館があるらしい。せっかくの機会だし、国内唯一と言われると、これは外せない。それぞれの施設が離れているのが気になるが、まずはたたら場を見学してみることにした。

広島空港のガソリンスタンドが現金のみらしく、ガソリンも結構減ってきていたので、カード払いでポイントがためられる木次で満タン給油したあと、国道54号線を進んだ。
ツーリングマップルに、この先、国道沿いにある道の駅掛合の里が道の駅の元祖だとの記載があったので、どんなもんかとまず寄り道したものの、店舗も開いておらずに閑散としていてほぼ素通り状態だった。

道の駅掛合の里から少し進んだところで、吉田方面は左折とする標識が出たので、県道38号線に入った。
吉田の道の駅は、新しい道の駅なのか、手元のツーリングマップルもナビもまだ載っておらず、正確な位置が分からない。本当は、まずは吉田の道の駅に寄りたかったが、まだ先のようだったので、道の駅での情報収集はあきらめ、とりあえず吉田の中心部に行けば、たたら場のことも分かるだろうと町に直行することにした。

県道38号線は、狭い道になるかと思ったら、吉田掛合インターへのアクセス路で走りやすい。しばらく走ったら、道の駅たたらば壱番地の看板が出てきた。これが探し求めていた吉田の道の駅だ。
道の駅は、国道54号線沿いにあると思っていたのだが、国道54号線沿いではなく、すこし東側の山の中にあったのだ。同じく国道54号線沿いにあると思っていた雲南吉田インターも、こっちにあり、同じ位置にあった。

吉田の中心部に直行してもよかったのだが、少し横道に逸れるものの、せっかく道の駅があるなら、情報収集は町のPR施設である道の駅に進むべきだ。しかも今回は名前がたたら場。これはバラバラに分かれている施設のことが色々分かりそうだと、矢印に沿って進み、まずは道の駅に寄り道した。

道の駅は、雲南吉田インターの入口横にあるプチパーキングエリアのような感じだった。
早速、町の情報をゲットしようとしたのだが、イラスト図はあるものの、正確な地図がどこにもない。博物館もどれに行けばよいのか分からない。博物館はあとから作った施設だろうし、見るなら本物のたたら場。そこで、ツーリングマップルを頼りに菅谷のたたら場に行ってみることにした。

※吉田は鷹の爪団の吉田くんの故郷とされており、道の駅ではそのPRに余念がなかった。「たたらば壱番地」ってどっかで聞いたことあるような、と思っていたら、吉田くんの住所なのでした。

道の駅から吉田の中心部までは車で10分ほど。どうも、たたらで栄えた町らしく、中心部は古い町並みが残っているらしい。これは少し時間をかけたい。
ひとまず町にはあとで寄ることにして、今はとりあえずたたら場へと向かった。

中心部から急坂を10分ほど登った先に目的の場所があった。たたら場がある集落は少し坂を下ったところにあるようなのだが、駐車場は高台の小さな資料館脇にしかないらしい。車をそこに止めて、まず資料館を見学し、その後畑道を下に下りた。
資料館脇には上からたたら場集落を一望できる場所があったのだが、奥の方で大きな建物の工事をしている。外装の工事中なのだろうか。その脇にはいかにもたたら場らしい雰囲気の古い家々が並んでいた。
ひとまず下へ降り、町並みとたたら場を見学しようと思ったら、なんと、たたら場は建て替え中で見学できなくなっていた。さらに、家が並ぶ一角に資料館らしき建物があったものの、なかに入れど誰もおらず。結局、何も見ることが出来ずに日本唯一の場所から去ることになってしまった。

201409g.jpg
上から眺めた菅谷たたら。工事中の建物が建て替え中のたたら場(高殿)の建物。一期工事は11月30日に終わるらしく、それ以降はたたらが見られるそう。なんということでしょう、、、。

■フルーツ通ってフライトへ
残念なまま吉田町の中心部に戻り、鉄の歴史博物館を見学。昔ながらの風情を残した町並みを少し楽しんだものの、メインのたたら場を見られなかったショックは大きく、さらに町の奥に鉄の未来科学館があったことをすっかり忘れてしまい、そのまま雲南吉田インターから松江道に乗り、南進を再開してしまった。

無料高速の松江道は、平日の昼間にもかかわらず、車も少なく、快走できた。
並走する国道54号線は、ひと山越えた谷を通っているので、大通りと合流もなく、車は少ないままだった。
吉田を過ぎると、山奥というよりは少し高原的な地域を通った。小学校のとき、中国山地が比較的なだらかと習ったのを思い出した。

三次東を過ぎて尾道道に入ったら少し車が増えたものの、快走には代わりがなく、吉田を出てから小一時間であっという間に開通区間の終点、吉舎に着いた。ここからは一般道で、ナビに従って国道184号線を南下する。

しばらく走ったら、「←品の滝」という、いかにも自然観光地的な看板が出てきた。ツーリングマップルにも載っていないが、この先道路沿いに名所はないし、時間も多少あるからと横道にそれた。
5分ほど走ったら品の滝駐車場があったのだが、立っている看板を見ると、ここから1.5キロほど歩くらしい。石見空港に行ったときに見た奥匹見峡みたいなところなのだろうけど、1.5キロの滝登りは、往復で小一時間はかかるだろう。そこまで時間はないから、見に行くのは断念した。

広島空港へはこのあとフルーツロードとやらに斜め右折し、そのまま広島空港フライトロードへと進む経路になりそうだ。
ナビに従い国道184号線を南下していたのだが、なぜかいつまでたってもフルーツロードへ入る指示が出てこない。ふと気付くと世羅の町に近づいていた。
何かおかしいと車を止めてナビを確認してみたら、世羅から遠回りして高速を進むルートが検索されていた。高速に乗る気は全くなかったので、地図を確認し、少し戻って広域農道に出て、フルーツロードへと合流した。
国道184号線はやや車が多かったものの、フルーツロードに入ってからは車も少なく、あっという間に日本一の長さを誇るアーチ橋広島スカイアーチを通過して、15時には広島空港へ到着できた。スカイアーチは前回来た時はまだ工事中で、やっと工事が完了した印象だった。

※広島空港に唯一出店している店でガソリンを給油したのだが、なんと値段はリッター179円だった。朝に木次で入れたときはリッター159円で、今日走ってきた相場も160円前後だったから、ボッタクリ価格のバカ高い値段だ。木次のときはクレカ払いでポイントも貯まった上、もう使えないけど次回割引券まで付いてきたが、ここは現金払いでしかもセルフ。さらに、性能の悪い機械で二度入れざるを得ないなど、サービスは何もなく、旅の最後になんとも印象を悪くする出来事に遭遇してしまった。

レンタカーを返却したあとは、広島空港の見学。
春秋航空日本(SJO)のカウンタができ、店舗もリニューアルされていたが、全体的には大きな変化はなく、1時間程度で調査を完了できた。

最後はANAでの帰京。
ドリンクサービスがなかなか来ないままトイレに立ったら、いつの間にかサービスが終わっていて、その後も声かけされることもなく着陸。行きのSJOとたいして変わらないサービスしか受けないまま、久々の空港巡りは気が付いたら終了してしまった。


■今日の教訓!

[美保]SKYを使えば安くキタロウ←撤退危機に陥っていますがなんとか維持してもらいたいところ。
[出雲]隠れハートを探すべし←狭いが日本一楽しい空港かも
[出雲]空弁を上手に確保しよう←さすが美味しいです
出雲の前に雲南吉田へ←たたらで雰囲気を楽しむべき。ただし菅谷高殿は11月再開です。
[広島]ガソリン給油は事前に済ませよ←空港給油は現金払いの上バカ高いです。
大手でも油断をすればサービスなし←毛布と飲み物しかないですけどね。


■実際の旅程

09/09 TUE
道の駅あらエッサ05:30(レンタカー)→06:00[米子鬼太郎空港]
[米子鬼太郎空港]07:00(レンタカー)→08:30[出雲縁結び空港]
[出雲縁結び空港]10:00(レンタカー)→10:30道の駅さくらの里きすき
道の駅さくらの里きすき10:30(レンタカー)→11:00道の駅掛合の里
道の駅掛合の里11:00(レンタカー)→11:30道の駅たたらば壱番地
道の駅たたらば壱番地11:30(レンタカー)→11:45菅谷高殿
菅谷高殿12:00(レンタカー)→12:15鉄の歴史博物館・雲南市吉田
雲南市吉田12:45(レンタカー)→13:00雲南吉田インター
雲南吉田インター13:00(レンタカー)→14:00吉舎インター
吉舎インター14:00(レンタカー)→15:00[広島空港]
[広島空港]20:40(ANA688便)→22:05[東京国際空港]
[東京国際空港]22:30(京急線など)→24:00自宅
(宿泊なし)

posted by johokotu at 18:00| 東京 ☔| Comment(0) | TrackBack(0) | ◆旅行記 | 更新情報をチェックする

2014年09月08日

格安の波に乗って中四国へ(2日目)



■2014.09.08 成田国際→広島→松山→岡南?→岡山→(米子)

■深夜もうるさい暗い空港
深夜の成田にお泊まり体験。
0時から3時半まで消灯されたものの、消灯前後も結構うるさく、若者グループの笑い声が2時くらいまで続いていた。眠気は相当強かったから、一時間に一回位目が覚めながらも、横になってなんとか夢の中に入った。

ところが、突然の話し声で目覚めるはめになった。
自分の右横三席分に0時頃にはいなかった若人が座っていて、後ろの鼾大魔王とゴニョゴニョ話し始めたのだ。
時計を見ると3時半すぎ。ちょうど開館の時刻で、ロビーの電気が明るくされた直後だった。横になったまま、薄目を開けてゴニョゴニョ話に聞き耳を立てていると、どうも新しく現れた若者は、3時半着の深夜バスで到着したらしい。真後ろの鼾大魔王と斜めに話すものだから、話し声も少し大きくなっていた。

カウンターは5時前に開くので、自分は4時半位まで寝ていようと思っていたが、体がだいぶじーさんになってしまったせいか、一度イライラ目覚めるともう眠れない。結局、椅子に腰掛けてボケーとすることになってしまった。明るくなったとはいえ、まだカウンターが開くまで1時間以上あるのに、話始めるのは正直やめてほしい。

動かない頭でロビーを見渡すと、まだ結構な人が夢の中だ。
2時くらいまで騒いでいた若者グループも、明るくなったのに、多くがグッスリ眠りについていた。騒ぐんなら、明るい時間帯にしてほしい、、、。
と、 しばらくボケーとしていたら、さっき話を始めた、隣に来た男が横になって寝始めた。話し声でうるさくしたあと、自分だけは寝るというのも驚きだったのだが、さらに驚きだったのは、横になるのに四席を占拠したこと。身長がデカイからではなく、こっち側に寄って横になったからなのだが、人が起きたのを良いことにこっち側に寄ってくるとは。しかも向けてるのは足。人を起こした上、はみ出しとはなんともひどい話だ。
イライラが収まらず、呆れてますます寝れなくなってしまった。

結局寝れないし、席を侵食されてしまったので、せっかくの機会と、4時過ぎに館内見学を始めた。

泊まり組のいる一階と二階は、ほとんどの座席で就寝中の人が占領中だ。
24時間営業のセブンイレブンへ行くため、真ん中のエスカレータをのぼったら出発ロビーはかなり真っ暗だった。セブンイレブンとの間にポールを立てて、アクセス通路を作っていたのだが、一階か二階に入居すればいいものの、四階に店があるから、客は長い距離歩かされるし、警備員も余計に必要そうだった。

201409a.jpg
3階は照明が最小限に絞られて真っ暗。セブンイレブンまではポールで仕切られていた。

■意外と高クオリティのSJO
一階に戻ってしばらくしたら、4時55分になり、春秋航空日本(SJO)の手続きが始まった。今回は、出来るだけ人がいない待合室を写したかったので、さっさと自動機へと向かったのだが、こんな早い時間から手続きする人は自分以外皆無だった。
深夜時間帯、北側にも結構人がいたので、皆動き出すのかと思ったのだが、5時45分から手続きが始まるバニラエア(VNL)利用の人が多いようだ。

※SJOも他のLCC同様に自動機操作はシンプルだった。バーコードかざしか番号入力で搭乗券を発券が可能となっている。係員が全くいないWAJや係員がいっぱいいるのに手伝おうともしないAPJの時とは異なり、今回は断っているにも関わらず、自動機の反応が悪いのを見るや、係員が何度も教えてくれようとしてくれ、好感が持てた。
SJOなんてどうせ中国クオリティだろうと思っていたのだが、機械も人も意外と高クオリティだった。こうした小さな積み重ねが評価に繋がっていくのだろう。


5時少し過ぎまで、新宿発の無料バスが到着しないか待っていたものの、数分待っても到着しなかったので、仕方なくバスの確認は断念し、人がいない間にと、待合室に一番乗りした。
中は売店以外何もないことは分かっていたから、半分諦めモードで、出発までの1時間強は、半分寝ながらのんびりと過ごした。

搭乗口の改札は6時20分にはじまる予定との放送があったが、5分遅れて25分から始まった。こういうところはLCCらしいが、身障者などの優先搭乗もあり、大手っぽいところも見え隠れしていた。改札はいたってシンプルで、さっき発券した搭乗券のバーコードをかざすタイプだった。

搭乗は当然ながらバス輸送。バスには列の後ろの方で乗り込んだが、立ってる人の肩が触れ合わない程度の混雑で、利用者は少ない感じだ。
バスへの乗車はスムーズだったのだが、なぜかなかなか出発しない。係員が行ったり来たりしていたので、手際が悪いのかと思っていたら、一人全力疾走で搭乗口に向かってくる人がいた。
時刻は6時30分。カウンターから搭乗口までゆっくり歩いても5分程度のはず。6時20分には手続きを締め切っているはずで、今ごろ走って来るということは、乗り遅れ直前の客を救済したということだろうが、この辺りはユルいようだ。乗り遅れでも乗せろと言うわがまま客にとっては高クオリティといったところだろうか。
結局、バスは30分過ぎに出発した。

駐機場は北側、建設中のLCCターミナル脇かと思いきや、なんとターミナルから遥か南の横堀地区エプロン(424番スポット)だった。
SJOの機材はここにしかないのだが、北側から遥か南に運ばれるのはあまり気分のいいものではない。途中、ターミナル前でJJPと思われる客を乗せたバスとすれ違ったのだが、そっちはそっちで、南側からバスに乗せられて北端に行くのだから、なんだかややこしく、不経済な感じがした。

飛行機への搭乗自体はLCC恒例のバス内での待ちもなくすんなりで、バスの出発が遅れたにもかかわらず、定時前には動き始めた。

SJOはLCCでは唯一ボーイングを使用しているが、他のLCCとあまり大差はなかった。大手の詰め込み仕様より一列多く、席は狭いらしいのだが、実感としてあまり変わらない印象だった。

201409b.jpg
座席の状況。他のLCCと大きくは変わらない。ポケットが利用しやすいところは◎。他のLCCとの比較は「そうだ那覇行こう(旅行後)」も参照〜。

機内照明は色々な色に変えられるLED仕様だったが、離陸時に青くなった以外は常時橙色で、コーポレートカラーである緑色になることはなかった。
飲み物などは有料だったが、座席にメニューが置いておらず、何を売っているのかは不明で、買いたければ係員にいちいち声をかけて確認するしか方法がなかった。で、話題の春秋体操とやらを今か今かと待っていたのだが、広島に着くまで行われず、なんとも残念な搭乗となってしまった(報道とかを読むと初便では体操が行われたらしいから、記念便限定のイベントなのかもしれない)。

今日は真ん中より少し前側付近に50人ほどが固まった程度と、かなりの低搭乗率だった。月曜の早朝便なので仕方がないと言えば仕方がないが、非常に少ない。自分は1000円セールで購入しているが、通常でも6000円以下でなので、採算取れているのか他人事ながら心配になるほどだった。

SJOに乗って一番面白かったのはこの便の客層だった。
これまで乗ったLCCは若い女性の利用が目立っていた。Peach Aviation(APJ)は女子率がかなり高かったし、ジェットスター・ジャパン(JJP)やエアアジア・ジャパン(WAJ)は男女比混在といった感じだった。今回も同様かと思ったら全然異なり、SJOは明らかに男性比率が高く、しかも私服の一人男性が異常に多かった。グループは大学生くらいの男子二、三人組が多い感じで、ビジネスマン風の人はごくごく少数。APJで意外と多かった熟年層の利用も数組いた程度だった。穿った見方になってしまうが、流行に敏感な女子とかLCCの格安旅行で待ってましたとばかりに飛行機デビューした人とかは早々APJ派とかJJP派になり、流行に疎く時代に乗り遅れたおじさんがやっと乗ったのがSJO。そんな感じに思えてならなかった。
数年前初めてスカイマークに乗ったときも若い女性が多く、APJ、JJP、WAJともに同じく若い女性が多かったので、これまでは、若い女性は安さに敏感なんだと考えていたのだが、今回は、安定して格安運賃を提供中にもかかわらず、女性が少ない。昨晩成田にお泊まりの女性も思った以上に多かったので、実際SJOに乗っている女性が少ないのはちょっと不思議。中国資本ということもあり、まだあまりイメージが良くないのかもしれないとも感じてしまった。

ちなみに、SJOは中国系というイメージが非常に強いが、パイロットはLCC利用して初めて日本人だった。英語放送メインのJJPや英語の機内誌しかなかったWAJと違い、機内に中国語は一切なく、これまで乗ったLCCの中では一番日本的な印象を受けた。

広島までは安定飛行で、ほぼ定刻に到着。昨日まで雨だったが、今日はカラ晴れ状態で、機外へ出ると暑く感じた。

広島に来たのは三年ぶり。前回は空港はほとんど見学せずに素通りしたので、今回は時間がある帰りにじっくり見て回る予定だ。
手荷物受取場に降り立つと、SJOの荷物はなぜかJAL羽田便よりも下に書かれていた。

前夜から空港に泊まって広島に一番乗り!と思っていたのに、どうもそうではないらしい。
実は東京からの広島行は、JALの羽田便が広島8時15分着、ANAの羽田便が広島8時20分着で、SJOの成田便(8時35分着)よりも早く着く。LCCって不便な空港から不便な早朝に便を設定するものと思っていたのだが、日本はそうなってはいなかったのだ。
SJO広島行始発の成田発は6時55分だ。素人考えだと、羽田より早朝のアクセスが貧弱であるせいで、7時より前に成田発を利用するのは、どうせ前泊組かマイカー族がほとんどなんだから、少しでも飛行機の稼働率を上げるためにも6時00分発にすべき、運用時間の制限がなければ4時とか5時とかにすべきと思ってしまうのだが、、、。
まさか、前泊までしたのに、広島到着が、ただでさえも有利な羽田便よりも遅くなるとは考えもしなかった。海外のLCCなら、アホみたいに早すぎる早朝設定で安くするのがLCCのLCCたる所以、こんなんではLCCの名が廃ってしまうだろう。

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機内状況。座席は真ん中より前側に集中配置していた。その辺りは窓側と通路側だけでなく、真ん中席も使用。一方で、真ん中より後ろ側にはほとんど人がいない状況だった。座席指定料は300円なので、空いているときにはうまく指定するのもひとつの手だ。

■意外とかかる松山行き
今回はオリックスレンタカー(オリレン)での予約。
到着口前の窓口は、先着の羽田線利用者を案内したのか不在で、手続きまで時間がかかった。オリレンは、民間の正広駐車場併設で、滑走路がはみ出した巨大な構造物を見ることはできたものの、送迎にも時間がかかり、車で出発した時には、すでに時計は9時を回っていた。

今日はとにかく急ぎな感じで、まず松山へ。とんぼ返りで岡山に向かう。ざっくり、松山まで二時間、見学一時間、岡南まで二時間、岡山まで一時間と考えていた。時間がかかれば、岡南や岡山は諦めることも考慮して、とにかく松山へと急いだ。

まずは国道2号線に出て東進、尾道からしまなみ海道を南進、さらに今治から松山までは下道をひた走る。
広島空港から松山空港を見ると、ほぼ南にあるのだが、島の並びから、一度東へ進んだあと、南西方向に進むため、ちょっと不経済な感じだ。(逆に松山から岡山へは斜めに北上るので行きやすい印象)

広島空港から尾道までは地図上ではかなり近いが、車が意外と多く、小一時間。尾道からはしまなみ海道の高速道路だが、こちらも全区間を抜けるのに小一時間かかってしまった。
平日のせいか工事が多く、高速道路なのに所々で工事減速区間が点在。生口橋では、橋の上で片側交互通行中だった。頑丈な中央分離帯がある橋の上でどうやって反対車線に出るのかと思ったら、橋の両端部付近に、分離帯を一時撤去できるようになっている部分があり、そこを取り外して片側を交互に通していた。
生口橋で結構長く待たされて、やや焦っていたら、今治南の手前でも片側交互通行の表示が出ている。これ以上待たされるのは困ったもんだし、今治で降りれば少し高速代が浮くので、四国に入ってすぐ高速を降り、その後は松山まで海沿いの国道196号線で快走した。

※今治〜松山間は、(1)高速経由で時計回り、(2)国道196号線で反時計回り、(3)国道317号線で一直線に山越え、の三通りの行き方がある。松山へは(1)だと南東側から、(2)だと北西側から、(3)だと北東側から入り込むことになる。
松山までは(3)が一番距離が短く、ナビも積極的にそのルートを表示していたが、今回は西側にある空港へのアクセスでもあったので松山市中心部を通る必要のない(2)で反時計回りに西側からアクセスした。(2)は、北条より南側は片側2車線で赤信号が少ないバイパスが続き、なかなかの快走路だった。(1)は(2)と距離に大差はなく常時高速走行が可能なものの、高速代がかかるし、なにより、片側1車線でトロい車が一台いるとはまる恐れがあるのが欠点だろう。


■引き返しにも時間食うしまなみ海道
結局、松山空港には12時過ぎに到着。予想より一時間遅く、間に高速が挟まったにもかかわらず、かなり時間を食ってしまった。こうなると、帰りも時間がかかるということだから、岡山行きが厳しくなってきた印象だ。

松山は約6年ぶりの訪問。ターミナル自体には大きな変化はなかったものの、新たに就航したPeach Aviationとジェットスター・ジャパンのカウンタが加わっていた。

空弁の販売がなかったので、レストランで昼飯を済ませ、一時間強で見学を終了。来た道を引き返し、岡山へと向かった。
この感じだと岡山に着くのは夜になりそうだ。

帰りもナビは317号線を示したが、196号線が意外と快走路だったし、松山市内を通過すると渋滞のリスクが大きいので、尾道までは来た道をひたすら引き返した。

今治までは1時間半、しまなみ海道は小一時間で、尾道で国道2号線に入ったときにはすでに15時半。
福山ではいつもの通り、信号待ちのトロトロで、笠岡農道離着陸場(笠岡ふれあい空港)に着いたのは16時半だった。この先夕方のラッシュ渋滞が始まるし、この時点で、少し南に行かねばならず、18時半までしか開いていない岡南飛行場への訪問はほぼ断念した。

さて、久しぶりの笠岡農道。どうせ飛行機は飛んでないだろうとは思っていたものの、さて見学をしようと入口に行ったら、ゲートが固く閉ざされていた。開いてもいないというのはちょっと想定外だ。
実はここに来たのは三度目で、二度目は同じように閉鎖中だった。その時は18時頃に訪問したので仕方ないと思っていたのだが、また、同じ事態になるとは全くついていない。
ここに来るのに、国道2号線から離れて、信号の多い市街地を抜け、少し寄り道した感じだったので、寄り道しなければ岡南へもギリギリ行けたかもしれず、非常に残念なことになってしまった。

笠岡は開いてないからすぐに見学を終了、すぐそばにできた道の駅に寄り道した。
この道の駅と離着陸場を一体化すればいいのに、行政はどうせ縦割りだから、その辺の発想はないらしい。そもそも道の駅は将来のバイパス整備もにらんで予定道路沿いへの設置なので仕方がないと言えば仕方がないのだが、知られていない離着陸場のPRにもなったから、ちょっともったいない感じがした。

国道2号線へと進んだら、やっぱり車が多い。金光辺りで渋滞が止まるようにもなってしまったので、地図で確認した北側の抜け道に逸れたものの、かなりの小道でスピードは出せないまま。そのまま総社方面へと北上したら、今度は高梁川を渡るのに大渋滞だった。
地方ではそんなに渋滞にはまることはないのだが、岡山辺りはいつも混雑している。今回は夕方の帰宅ラッシュもあったが、よくネットでは「大都会岡山」なんてネタになっているけれど、道路に関しては都会と変わらず渋滞が多い印象だった。

最終的に岡山空港には19時前に到着できた。
わずかに日の光が残っていたので、まだ訪問したことがない日応寺自然の森スポーツ広場に先に立ち寄ったのだが、なんと開園時間が18時まで、しかも月曜の今日はお休みで入ることすら叶わなかった。
脇からいくらでも入れそうな公共の公園が、休みがあるのが驚きだったし、こんなに早い時間で閉まることは、、、。笠岡、岡南に続き、営業時間や営業日に阻まれるとは、ホントについていない感じがした。

岡山は、昨年3月にも訪問していて、新たに設置されたAIRDOのカウンタが見られれば見学は終了。レストランで夕食を食べてすぐに出ることにした。

■昼なら寄り道したい出雲街道
今日はこのあとできるだけ美保飛行場(米子空港)に近づいておきたい。
高速代をケチるため、下道で行くことは決めたものの、車中泊だから出来れば途中で風呂に寄りたかった。山陰まで出れば温泉地が点在しているが、山陰に着く頃には閉館時間後だろう。ならば、付近か行く途中にないか検索したら、空港のすぐ脇に岡山空港温泉なるものがあったので寄ることにした。
風呂から滑走路は見えなかったものの、ゆっくり湯に浸かって一服。しっかり汗を流して、20時過ぎに米子に向けて出発した。

今日は、最終目的地を米子空港に最も近い安来市の道の駅あらエッサに設定。途中道の駅が二か所あるようなので、運転中に眠気が強くなれば、これらの途中の道の駅で車中泊することとした。

岡山空港からは、国道429号から県道30号を経由して美作落合へ出たあと、勝山から国道181号線(出雲街道)へ入り、米子(安来)へと向かう。
真っ暗なこの時間は寄り道できるのは道の駅かコンビニぐらいだ。

まずは、道の駅かもがわ円城までひとっ走りした。メインの国道でもなく、車は少な目で、道の駅の駐車場にも他の車はない状態だった。
かもがわ円城の駐車場は、立派な建物に挟まれていたものの、なぜか両方とも真っ暗。この道の駅はトイレすらないのかと思っていたら、駐車スペースに車を止めた瞬間、トイレ棟の電気が自動で点いた。
これはハイテク。
しかし、初めて利用する人は少し焦りそうだ。

円城はトイレだけの寄り道。眠気が全くないので、次の道の駅まで行くことにし、すぐに出発して、美作落合方面へと進んだ。国道とはいっても狭い道で、車は相変わらず少なく、対向車もほとんど見られない状況だった。山のなかの真っ暗な道が続いていたが、県道に入る美咲町で、小学校のグラウンドで煌々と電気がついていた。ここより全然お街の岡山空港横の運動公園はまだ日が出ている18時には閉まってしまうのに、ここは、山奥で夜遅いのにまだまだ使えるとはうらやましい限りだった。

落合へ出ると、少し車が多くなった。全く車がいない道より、多少車がいる方がホッとする。
そして、久世ではコンビニに寄り道。日本はどんなに田舎に行っても街があればコンビニがあるから、全く不便を感じない。夜道を走る際のオアシスみたいな存在で、なんとも頼もしい限りだ。

久世から米子までは国道181号線で北上する。
まずは久世から勝山へ西進。勝山の中心部に来たら、なぜかナビが右折しろという。国道はまっすぐなはず。自分の記憶違いかと思い、ナビを信じて曲がってみたら、勝山のど真ん中を通過するルートになった。勝山がどんなところか知らなかったのだが、城下町の雰囲気ある町並みが残っていることで有名だったらしい。通り抜けた通りは雰囲気満点の町並みだった。昼間で時間があれば寄りたいところだが、今は夜。車の中から雰囲気をほんの少しだけ味わいながら通り抜けた。

勝山の繁華街を抜けた先は狭路の山道だった。山を上るにつれて道はどんどん狭くなる。夜遅かったので対向車は一台も来なかったが、もしも来ていたら離合できていなかっただろう。ひと山越えたら、なんと再び181号線に合流してしまった。
181号線は勝山の先で川に沿って少し南へ蛇行している。自分が通ったのは、ちょうどこの区間に存在する最短経路のショートカット県道だった。ナビは最短経路としてヒットさせてしまったが、ショートカットとは言ってもひと山越える狭路なので時間はかかっていそうだった。なにより道が狭すぎで対向車が来たら大変だった。この県道は出雲街道の旧道らしく、はからずも歴史探訪をしたことになった。

※181号線が絡む出雲街道は、姫路から斜めに中国山地を縦断し、米子で山陰側へと出る古い国道だ。中国道と米子道でほぼ並行した区間を利用可能だが、岡山から一般道で米子へ抜けるにはメインのルートになる。
中国山地を抜ける道路は、どこも少し大回りしながら斜めに縦断していることが多い。石見空港から広島西飛行場に向かったときも何度も東西に道が振れていた。181号線も例外ではなく、久世から一度真西に振れつつ、北西へ進路を変え、根雨で一度北東へ振れつつ、江府でまた北西へと向かっている。


勝山の先は、鬼の穴とか首切峠とか、あまり印象のよくない場所が連続していた。勝山を越えたら交通量が再び減り、暗い道なので少しビクビクしながら通りすぎたものの、次の道の駅は、メルヘンの里新庄と、なんともワクワクな名前が付けられていた。
新庄は古い宿場らしく、町側の旧道を通ると、宿場町の雰囲気を楽しめたらしい。道の駅を過ぎてすぐのところがまさにその宿場町だったようだ。

この先、道の駅はない。時刻は22時過ぎで、この進み具合なら日付が変わる前に安来に着けそうだ。
あまり眠くもないし、仮眠はとらずに安来まで一気に行くことを決定、先を急いだ。

新庄からは、メイン国道だけあって快走路。スイスイ進んで、24時前には道の駅あらエッサに到着、就寝した。


■今日の教訓!

[成田]早朝便でも羽田便より現地到着は遅い←安さ以外の売りはなし
[広島]渋滞を考慮した時間で動くべし←国道2号はいつも混んでいます
[松山]しまなみ海道から松山へは意外とかかる。←車で小一時間、サイクリングは言わずもがな、、、
[岡山]運動公園は18時まで←閉門早すぎるので要注意
[岡山]出雲街道沿いは歴史のみどころ多数←昼なら寄りたい名所がゴロゴロ


■実際の旅程

09/07 SUN
[成田国際空港]06:55(SJO0621便)→08:30[広島空港]
[広島空港]09:00(レンタカー)→12:00[松山空港]
[松山空港]14:00(レンタカー)→17:00[笠岡ふれあい空港]
[笠岡ふれあい空港]17:00(レンタカー)→18:30[岡山空港]
[岡山空港]19:30(レンタカー)→19:40岡山空港温泉
岡山空港温泉20:30(レンタカー)→21:00道の駅 かもがわ円城
道の駅 かもがわ円城21:00(レンタカー)→22:30道の駅 メルヘンの里新庄
道の駅 メルヘンの里新庄22:30(レンタカー)→24:00道の駅 あらエッサ
(道の駅 あらエッサで車中泊)

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2014年09月07日

格安の波に乗って中四国へ(1日目)



■2014.09.07 自宅→成田国際

■前夜からの出発となるイケてない成田
今回は、早朝に成田を出発する便を利用する。成田を6時55分に出る便で手続きは35分前締め切りのため、6時20分には成田に着いていなければならない。都心からの始発電車は6時半過ぎ到着で利用できないので、残った選択肢は、「深夜バス」か「成田前泊」となる。
深夜バスの場合、都内を未明に出るバスがいくつか設定されている。一方、成田前泊の場合、これまでの周辺ホテルに加え、この夏からカプセルホテルも加わった。
そもそもが未明のアクセスか前泊しないと始発便に乗れないこと自体がナンセンスなんだけど、選択肢はこれしかない。羽田なら京急や東京モノレールの始発電車で比較的広い範囲からアクセスが可能だが、成田はそう簡単にいかないのがイタいところだ。

※JR東海道本線や東北本線、常磐線、高崎線といった上野・東京始発電車は5時10分頃だ。これらの電車に乗り継げるよう京浜東北線などはそれより早く運行されている。スカイライナーは日暮里-成田空港間36分だから、仮に日暮里5時10分発が設定されれば5時46分には到着でき、6時にはカウンターに到達できるが、京成はそんな早い便は設定する気はさらさらないようだ(だいたいLCCに乗る人が特急料金を払ってまでスカイライナーに乗るとも思えないけど)。
現状で成田空港への最速到達は、平日で見た場合、津田沼始発(芝山千代田行)が東成田に5時57分到着、高砂始発で空港第2ビルに6時17分到着がある。JRに至っては東京を5時4分に出るエアポート快速が空港第2ビルに6時29分に着くのがやっと。鉄道利用で6時台の便に乗ろうとすれば、津田沼始発の芝山千代田行に乗るしかなく、利用圏はほぼ千葉県内のみとなる。
バスだと6時前に着く便が、都心数ヵ所(東京駅前、池袋、新宿、品川など)と、稲毛、木更津、栃木、静岡などであるものの、羽田に6時前に着くバス便数より数が少ないというなんとも情けない事態になっている。


都心からのアクセスだから、宿泊がない分、深夜バスが一番安上がりではあるものの、バスに乗っているのはせいぜい1〜2時間だ。バスの出発まで都心で長い時間待っても、バスに乗っているのはちょっとだけになってしまう。バスで来てカプセルホテルに泊まるという手もあるが、都心夜発で成田深夜着のバスはなく、そもそも1000円の飛行機に乗るために何千円も出してホテルに泊まるのはバカらしい。
そんなだから、昨年までは終電で成田まで行き、そこから3時間歩くという面倒くさいことをしていたが、昨夏から公式に24時間化されたので、今はそんな悩みは解消された。

終電で成田に行って、そのままロビーで寝てしまえばいいのだ。
23時過ぎには到着便も終了して人の出入りはなくなるから、成田のロビーに泊まれば、5時までの約6時間、冷暖房完備の館内で寝て過ごせる。深夜バスでちょっと寝てくるより、はるかに快適に過ごせるはずだ。
翌日からレンタカーで運転しっぱなしで、寝不足は危険なので、寝れる時間の短いバスではなく、今回は成田のロビーでお泊まりすることにした。

※SJO便の場合、9月から3時に新宿を出る無料バスが登場している。最も安く成田にアクセスするなら、この無料バスを使うのが良いのだが、成田に着くのは、チェックインが始まった後の5時。今回は、北側国際線施設をできるだけ人がいない状態で撮影したかったこともあり、寝る時間も考慮して無料バス利用はあきらめた。

家を出たのは18時過ぎてから。
できるだけ安く済ませるため、新橋でメトロに乗り換え、日本橋から東西線経由で西船橋へ。京成西船まで歩いて京成線に乗り換えた。さらに安く済ませるため、成田空港ではなく、東成田からアクセスした。

京成西船で待っていたら、ちょうど快速の成田空港行が通過し、タッチの差で利用しやすい便を逃した感じだった。その後に来た電車はちょうど各停の芝山千代田行。そのまま乗っていっても良かったが、少しでも早く行こうと船橋で後続の速達列車を待つことにした。
ところが、船橋では快特(成田行)が来るまで10分以上待たされるはめに。乗った快特は、各停を津田沼ではなく、勝田台で追い抜き、西船で見た快速には佐倉まで追い付くことがなかった。
佐倉で快速を追い抜いて成田に着いたものの、勝田台と佐倉で追い抜いたのではそんなに差が出ない。夜結構遅い時間で郊外部分なのに、この短い間隔で成田空港行や芝山千代田行が来るようでは、東成田方面行きの接続電車があるわけなく、結局成田では後続便待ちとなってしまった。
5分ほど待ってやって来たのは佐倉で追い抜いた快速。さらに3分ほどの短い差で続いて各停の芝山千代田行きが到着した。芝山千代田行はやはり西船で乗った便で、頑張って乗り換えた意味は全くないという残念な状況になってしまった。こんなんだったら西船からゆっくり座って寝てくればよかったのだった。

東成田線は全然利用者がおらず、東成田で降りたのはなんと自分だけ。
利用するニビルには直接行かず、まずは五分ほど歩いて一ビルへ。リニューアルしたモールを見に行こうと思ったのだが、残念ながらこの時間はほぼ全店舗が閉店後で、あまり時間もかけずに見学を終了し、無料連絡バスでニビルに向かうことになった。

■泊まるなら一階か二階
ニビルには22時過ぎに到着。
ニビルも到着便がだいぶ少なくなっていたが、一階と二階中央部の椅子には明らかに一晩明かすであろう人たちがゴロゴロしていた。
もう9月で、かつ明日は月曜だし、そんなに人は多くないと思っていたのだが、よく考えてみたら、9月はまだ大学生が夏休みの時期。一晩明かす人たちも学生っぽい二、三人組が目立った。意外だったのは、泊まっている人の半分くらいは女性だったことで、日本がいかに安全かを実感できた。デカイ荷物の人はあまりいなかったので、国内線利用が多いと思われるが、中には国際線利用と思われるほど大きな荷物の人もいて、早朝便利用の人たちばかりではないようだった。

インフォメーションに確認したところ「一階か二階であれば一晩明かしていい」とのことだ。
自分はというと、天井が低い中央部はほぼ席が埋まってしまっていたので、まだ、明かりが煌々と点いている到着口付近に陣取ることにした。到着口付近は23時過ぎまで到着便を待つ人がいたので、空席が多かったようだ。
他人の様子を見ていると、泊まり人数の関係からだいたい一人三席(椅子一組)を確保し、横になっている人が多い。自分も三席分で横になったものの、ちょうど真上で光る電気が眩しかった。到着口脇はあまり人がいなかったのだが、この明るさを感じればなんとなく分かる気がした。

そんなこんなで、何とか席を確保したのだが、後ろに陣取ったサンダルばき(飛行機に乗るのにサンダルばき!と驚くところが古い人間なのかなあ、、、)のにいちゃんの鼾と、その鼾が止まって息が詰まった後の苦しそうな咳、さらにその後ガサッと起きる音が何度も何度も繰り返されてうるさく、なかなか寝付けなかった。
さらに、23時半頃には、若い10人ぐらいのグループが登場。彼らは、自分から見て前方の到着口前の床面に陣取ったのだが、unoを始めたのか、話し声や、ゲームが動いたときに沸くドッとした笑い声がかなりうるさい。

前も後もうるさい人に挟まれるとは、、、。寝られないリスクも承知の上とはいえ、ほかの場所は静かなところも多かったので、これはとんだ誤算だった。
夜行列車でも隣席が酒臭かったり、鼾がうるさい人に当たることが非常に多く、なぜかいつもこんな感じの貧乏くじを引くことが残念でならなかった。

24時に照明が絞られ、その後はなんとか眠りにつけた。


■今日の教訓!

[成田]早朝便なら宿泊覚悟←つまり、やっぱり不便だということ
[成田]快特でも各停でも同じ場合あり←つまり、やっぱり時間かかるということ
[成田]SJOなら無料バスも検討しよう←つまり、やっぱり大盤振る舞いしないと利用しないということ
[成田]泊まるなら鼾がないか見極めよ←つまり、やっぱり泊まりにくいということ


■実際の旅程

09/07 SUN
自  宅18:00(京成線など)→21:00[成田国際空港]
(空港ロビー泊)

ラベル:成田
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2014年09月06日

格安の波に乗って中四国へ(旅行前)



■2014.09 成田・広島・松山・岡山・美保・出雲の旅行前

新しいLCCと成田を体験
2013年5月に新石垣を調査したことで全空港訪問を達成。それ以降、旅行ついでに空港を見学してはいるものの、空港訪問を主目的とした旅行を少々控えていた。
今回、9月の始めに月曜・火曜で二連休がとれたので、久々に空港訪問だけを目的とした旅行をすることにした。

着目したのは成田国際(成田)だった。
昨年から見ると、成田は国内線が大きく変わった。まずは成田のターミナルが早朝便に対応するため公式に24時間化をスタート。Peach Aviation(APJ)が就航したのをはじめ、エアアジア・ジャパンがバニラエア(VNL)に衣替えし、近々の8月からは春秋航空日本(SJO)が運航を開始した。直前にはスカイマーク(SKY)の撤退も発表されている。建物自体に大きな変化はないが、細かいところがチョコマカ変わった印象だ。

24時間化したあと成田に泊まりに行っていないし、VNL登場後に北側国内線施設を見ていないので、それを見に行きたい。

そこで今回、北側国内線施設を利用するVNLとSJOの国内線を利用することを前提に、訪問地を検討した。
VNLは新千歳と那覇、奄美、SJOは広島と高松、佐賀と、ともに国内線は3路線ある。新千歳、那覇、高松は最近も訪問しており、VNLで奄美か、SJOで広島か佐賀かの三択で比較した。

奄美はなかなか行けない離島で、旅行先としては非常に魅力的だ。VNLなら8000円から提供している。
一方、SJOは広島、佐賀とも6000円弱から用意されていて、値段では五分五分といった感じだ。

空港訪問という点で見ると、佐賀は3年前に訪問、奄美、広島はともに前回訪問からかなり間が空いていて、空港訪問としては良い訪問地だ。

このうち、広島は車を借りれば、山陰や四国にも足を伸ばしやすい。美保(米子)にSKY、岡山にAIR DO、松山にジェットスター・ジャパン(JJP)とAPJ、高松にJJPが新たに就航しており、これらの空港もセットで行けそうなのが魅力的だ。
奄美にもかなり興味があったものの、奄美は、周辺空港へいく場合高い飛行機か1日1便の船でしか行けず、他の空港に足を伸ばしづらい。しかも、人気のため搭乗率がかなり高く混んでいるという。VNLはなかなか安売りをしてくれなかったこともあり、SJO初体験と合わせて広島に行き、一泊二日で四国北側と山陰をぐるり一周することにした。

そんなこんなで中国・四国行きを決め、往復ともにSJOとし、広島IN、高松OUTとして検討を始めたのだが、高松は昼間の一往復のみで高松をいれると回るのが時間的に厳しそうだ。だいたい行きと帰りで空港が変わるとレンタカーの乗り捨て料金がバカ高くなるので、結局、広島IN・OUTで検討し、初日に松山、岡南、岡山と回り、二日目に米子、出雲と回るルートで手配することにした。

アクセスの予約
広島はSJOが早朝便を飛ばしているので、行きはそれで決定したものの、帰りは夕方便で時刻が早い。帰りは見学に時間がかかった場合のリスクも考慮し、できるだけ遅い便にするためにSJO利用はあきらめ、ANAの最終便を旅割28で予約した。
LCCは安いけど、利用したい時間にない、というのを実感した感じだ。

SJOは単純にさっさと予約してもよかったのだが、よく見て見ると直前でも普通運賃の最安値で売られている。少しでも安い運賃を確保しようと安売り待ちし、うまく片道1000円のセールが実施されたので、予約を入れた。今回のセールは土日祝の設定のないものだったが、たまたま休みが月、火だったのでうまくゲットできた。ちなみにSJOはまだまだ人気がないようで、発売から時間が経っても安売りが残っていて、簡単に確保できた。座席指定料金300円と決済手数料200円が加わり、合計は1500円だった。

※JJPやAPJはだいぶ値段が上がってきた印象だし、VNLは初めからあまり大安売りをしていない印象だ。SJOも定着してくれば、値上げに走る可能性は高く、参入直後の今はお買い得な期間といったところだろう。

現地移動の予約
二日間レンタカーを利用。
広島空港はいわゆる格安レンタカー会社はなかったため、大手利用となった。一番安い軽自動車の場合、格安レンタカーが一日3000円ほどなのに対し、大手はだいたい一日6000円強はする。飛行機が大安売りだったので、かなり高く感じてしまった。
オリックスレンタカーが二日で10000円強のセールをしていたので、それで予約した。

宿泊の予約
レンタカー代が結構かかるし、車中泊で済ませてホテル代は浮かすことにした。
今回は、広島出発後、初日に松山を訪問。時間があれば岡山に寄りつつ山陰へ抜け、二日目は米子、出雲を見て広島に戻る予定だ。宿泊は岡山から米子にかけての道の駅で行うことにした。


■ここまでの教訓!

LCC参入直後は安売りを狙え←年がたつと徐々に値上がりしてきます。
[広島]格安レンタカーありません←市街地に出て借りるのも検討しよう。

■今回の予定旅程

09/07 SUN
自宅20:00(京成線など)→23:00[成田国際空港]
(空港ロビー泊)

09/08 MON
[成田国際空港]06:55(SJO0621便)→08:35[広島空港]09:00(レンタカー)→12:00[松山空港]14:00(レンタカー)→17:00[岡南飛行場]18:00(レンタカー)→19:00[岡山空港]20:00(レンタカー)→23:00米子までの道の駅
(車中泊)

09/08 MON
道の駅05:00(レンタカー)→06:00[米子鬼太郎空港]08:00(レンタカー)→09:00[出雲縁結び空港]11:00(レンタカー)→15:00[広島空港]20:40(ANA688便)→22:05[東京国際空港]22:30(京急線など)→24:00自宅
(宿泊なし)
※途中名所に寄れれば見学予定。

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2013年02月18日

快適バスで日帰り見学(旅行後)

この旅行記は2014年11月に公開したものです。



■2013.02 百里の旅行後

百里飛行場(茨城空港)は、国内線はスカイマーク(SKY)のみ、国際線は春秋航空のみしか飛んでいない空港でした。
SKYだけが飛んでいる空港というのは実は非常に珍しく、ここ茨城のみです。日本には、このような定期便が一社しか飛んでいない空港が結構たくさんあります。
今回は、そんな一社のみしか飛んでいない空港を取り上げます。


■就航一社空港は意外と多い?
まずは国内線定期便が一社(一グループ)しか飛んでいない空港を列挙してみる(季節によるものは除く、定期チャーター便含む)。

稚内空港 ANA(離島)
紋別空港 ANA
中標津空港 ANA
札幌飛行場 HAC
奥尻空港 HAC(離島)
花巻空港 JAL
大館能代空港 ANA
庄内空港 ANA
百里飛行場 SKY
調布飛行場 NCA
新島空港 NCA(離島)
神津島空港 NCA(離島)
三宅島空港 ANA(離島)
佐渡空港 NJA(離島)
松本空港 FDA
能登空港 ANA
名古屋飛行場 FDA
南紀白浜空港 JAL
但馬飛行場 JAC
鳥取空港 ANA
美保飛行場 ANA
隠岐空港 JAC(離島)
出雲空港 JAL
石見空港 ANA
壱岐空港 ORC(離島)
佐賀空港 ANA
天草飛行場 AMX(離島*)
種子島空港 JAC(離島)
屋久島空港 JAC(離島)
喜界空港 JAC(離島)
奄美空港 JAL(離島)
与論空港 JAC(離島)
粟国空港 FFC(離島)
久米島空港 JTA(離島)
北大東空港 RAC(離島)
南大東空港 RAC(離島)
多良間空港 RAC(離島)
与那国空港 RAC(離島)
*天草は離島だが、九州から橋を通じてアクセス可能。

あれ、、意外と多い、、、。

数を数えてみると38空港もある。全97空港だから、ざっくり3分の1以上にも当たる空港が国内線定期便が一社・グループ独占になっている。
小さな離島は後背人口が絶対的に少ないから、一社・グループのみの運航となってしまうのは仕方がない面もある。しかし、四国を除く北海道、本州、九州と地続きの場所にも点在しており、19空港もあるのはちょっと驚きだ。

■就航一社空港は運賃が高い?
新千歳とか福岡とか那覇とか複数社が就航する空港は航空会社間の競争が激しいので、格安運賃が多数出ていて、最近は格安航空会社(LCC)の就航でさらに値段が下がりつつある。しかし、一社・グループのみが就航する空港は、競争がないから運賃が高止まりになりがちだ。
一社・グループのみが就航する空港も、できれば複数社・グループに参入してもらって、競争で値段が下がるのを期待したいところだが、空港に拠点を張るのはお金がかかるので、競争してまで複数グループが参入するのは容易ではない。
先に挙げた空港をよく見てみると、その多くは利用者の少ない空港であることが分かるだろう。就航社が少ないから利用者が少ないのか、利用者が少ないから就航社が少ないのかはよくわからないが、二社目が就航に二の足を踏むのもなんとなく分かる気がする。

面白いのは、これら本土の、一社・グループしか就航していない空港の多くがANAのみの就航空港になっている点だろう。19空港のうち半数の9空港を占めている。羽田線が枠の関係で撤退できないというのもあるのだろうけど、なかなか興味深い。JALが潰れたとき、不採算に地方に就航しすぎたと批判されていたが、ANAはもっとたくさん就航しているのは、ちょっと心配になるところだ。

航空会社だけの取り組みで無理だと、行政が出てきてしまう。
石見は、よく航空運賃補助を実施しているが、税金を使ってまで補助をしないと利用が維持できないのはなんとも悲しい事態だ。佐賀では、下がりにくい航空運賃では勝負できないと踏んだのか、県の補助でレンタカーを格安提供し、旅行のトータル費用を下げる施策を実施している。
二社以上が参入して競争し、自然と運賃が下がるのが一番だが、それが難しい。

■就航一社空港は認知度が低い?
一社・グループしか就航していないと、認知度も低い。先にあげた空港を皆さんはどのくらい知っているだろうか。
今回訪問した茨城をはじめ、調布や天草は、大手二社も就航しておらず、旅行代理店で大量配布されているANAやJALの時刻表にも載っていないから、取り上げた空港の中でも、特に空港の存在を知らない人も多そうだ。

これらの空港は、まずは認知度をあげることが先決だろう。
但馬や石見などは都内や大阪でよくPRしているけれど、ほかの空港はあまり宣伝していない。但馬なんて、かなり宣伝しているのになかなか認知度が上がらないのだから、地道なPRはなんとしても必要そうだ。

利用しやすいとしてPRするのも重要。
アクセス改善などの取り組みを期待したい空港も多く、今回利用した百里の東京駅バスなんかはそのよい一例だろう。

■他国では地方でも航空会社が集まる空港あり
航空会社を集めるヒントは、ヨーロッパなど他国の事例が参考になるかもしれない。

LCCが発達したヨーロッパなどでは、大都市から少し離れた地方空港をLCCが活用し、複数の航空会社が乗り入れる例がある。
例えば、ドイツ・フランクフルトには、多くの航空会社が使うフランクフルト国際空港とは別に、ライアンエアーなどが利用するハーン空港がある。ハーンはフランクフルトから約100キロ離れていて、日本では、福岡空港と佐賀空港がよく似た位置関係の感じだ。
イギリス・ロンドンの各空港も、東京国際・成田国際・調布飛行場・茨城空港が位置関係がよく似ている。
そういえば、お隣中国・香港も代わりに深圳が使われている例がある。

海外では、LCCが、大都市の空港ではなく、その周辺の近郊空港を活用し、それにより大都市空港の利用者を奪いにいくのが当たり前だが、日本はそれが当てはまっていないのは少し不思議なところ。先に挙げた一社・グループのみ就航空港なら、百里や佐賀などはもっと利用が増えてもおかしくない感じがするが、LCCが就航する空港はすべてがANA、JALなどが2社以上が就航している空港で、日本ではLCCがまだまだ定着しない土壌なのかもしれない。

さらに、地方空港間の航空会社誘致という点では、イギリス・ブリストルも参考になりそうな事例だ。ネットで検索してみると、様々な調査でコピペみたいに調査結果がヒットする。
ブリストルはイギリス南西部に位置する空港。カーディフ空港エクセター空港とそれぞれ100キロ程度しか離れておらず、航空会社の誘致合戦が行われている。3空港のうち、カーディフはウェールズの首都なので、一見、利用はそっちの方が多いようにも思えるが、ブリストルが航空会社誘致に成功し、カーディフの利用者が減り、ブリストルは利用者数が大きく増えたことで知られている。ブリストルなんて、イギリスの地方の一都市に過ぎないのだけど、航空会社誘致に積極的で空港の人気が出たのだ。

利用増に向けた取り組みの一つに、今回利用した茨城で着目したアクセスバスがある。
アクセスバスは、カーディフ空港は1日数本と日本の地方空港並みしかないのだが、ブリストル空港は市中心部から24時間体制で10分〜60分間隔で運行されていて、とても利用しやすい。
24時間運行は成田や羽田にも見習ってほしいぐらいで、今回利用した茨城の東京駅バスは全然便数は少ないが、航空会社が増えてくれば、もっと利用しやすいものになるかもしれず、期待したい。
ブリストルの状況は、先に挙げた空港なら美保や出雲が結構近い存在のようにみえるし、ブリストルが進める利用増へ向けた取り組みは、日本でも利用増を目指す空港には参考になることが多いかもしれない。

20130204.jpg
カーディフ空港やエクセター空港からも利用者を奪ったとみられるブリストル空港。
航空便は、早朝から深夜まで日本で言えば成田と同じくらいの時間帯で、easyJetを中心に多くの航空会社が多数の便を飛ばしている。(2012年訪問時に撮影)




国内線LCCの幹線展開も一段落してきているので、今後は、一社・グループのみ就航空港への航空会社誘致戦略に期待したいところです。
茨城空港は、日本初のLCC対応空港として開港時には結構話題となっていましたが、いまだ就航する航空会社は増えないまま。今回利用したアクセスバスは意外と利用しやすいものでもあったので、今後も様々な取り組みを進めて、航空会社誘致から利用者増加に成功してほしいと願いつつ、旅行記を〆たいと思います。


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2013年02月17日

快適バスで日帰り見学(1日目)

この旅行記は2014年11月に公開したものです。



■2013.02.17 自宅→(東京)→百里→(東京)→自宅

■とても快適なアクセスバス
朝一8時10分発のバスに乗るため、今日は少しだけ早起きして、朝からまずは東京駅に移動だ。
百里飛行場(茨城空港)行きのバスは東京駅八重洲口から出ている。のりばを詳しく調べて来なかったものの、駅出入口を出て目の前の5番のりばに茨城空港行の表示が出ていて、すんなりのりばを見つけられた。

※東京駅前からは千葉や茨城方面行きを中心に高速バスが多数発着している。JRのバスがメインなのだが、常磐線や総武線、内房・外房線と被った行き先のところも多く、意外と利用者も多い。千葉方面は成田空港行きもJRは便数が少なく不便だけど、その分鉄道(鈍行)の本数増加や速達化を図ればいいのに、ととても不思議だった。

バスは出発数分前に到着。お金は窓口支払いではなく、バス入口で支払いをしての乗車となった。

乗車したバスは、それなりに利用者はいたものの、次便が満席という割には、空席も目立つ便だった。
利用者は中国人とみられる客がほとんどで、日本語はあまり聞かれない。そのためか、バスには、なんとコンシェルジュが乗車しており、中国語や韓国語でも相談ができるらしい。バス自体もトイレも付いている本格派で、格安なのにかなり快適にアクセスできた。

東京駅を出たあとは、すぐに首都高に乗り、スイスイと常磐道に到達。渋滞もなく、石岡までは約一時間程度とあっという間だった。しかし、問題はこの先で、石岡インターを降りてからは信号待ちも多く、ノロノロと一般道を30分ほど走らねばならなかった。
この分が少しでも短縮できれば、かなり便利になるのだが、高速道路から空港までは結構離れていて、新しい道路を造るわけにもいかないから、簡単にはアクセスできなくなっている。

地方に行くと、小美玉位の田舎になれば、信号なんてほとんどないのが普通なのだが、茨城空港周辺は意外と信号が多い。これらに加え、朝一のバスは、石岡に来るのが、多くの人が仕事が始まり動き始める9時頃となるので、交通量も多め。渋滞遅延も充分に考慮したい。ちなみに、休日は、一般道の混雑は回避できるかもしれないが、行楽地へ向かう車での高速の渋滞リスクが高くなるので要注意だ。

一般道でトロトロだったものの、茨城空港には9時半ごろには到着し、予定時刻よりも早着できた。

20130201.jpg
東京駅で出発を待つ茨城空港行のバス。駅前から出発するが、支払いは窓口ではなく、乗車時だった。


■見学者も集まる茨城
茨城には、東日本大震災の半年後に一回来ているが、今回は、店舗の一部が入れ替わったのと、周辺の茨城空港公園の整備が進んだので、その確認はしなければならない。
さらに、道の駅を設置する計画が進んでいると聞いていて、工事の様子が見られるか少し期待していったのだが、見た感じ、公園内では整備工事をしている様子は見られなかった。

旅客ターミナル内は、店舗の動きが多めだった。
2階では、「すぎのや」奥にあった自販機コーナーに新たにカフェがオープンしたほか、ソウル線がなかなか復活しない中で韓国関係の店が新たに出店。この影響で茨城県のインフォメーションコーナーが脇の方に移転していた。
さらに、中国人利用者が多いせいか、1階に家電店(消費税免税店)がオープンしていた。

中国人利用者の増加に一役買っているのが、春秋航空の上海線だ。徐々に定着が図られてきている印象で、搭乗率も安定しているらしい。この日も、チェックインがまだ始まっていないにも関わらず、同じバスで来ていた外人が早くも列を作り始めていた。

しばらく見学を続けていたら、徐々に館内のお客さんが増えて賑わってきた。
見た感じ中国への旅行者ではない。

実は、この空港は、航空便の送迎客だけでなく、見学者が結構多い。

空港の開港当初は、航空専門家にもコメンテーターにも、絶対失敗すると扱き下ろされ、バカにされ、期待する声はごくごく少数派だった。しかし、スカイマークと春秋航空しか就航していないものの、路線数は徐々に増加。見学者が多いことでターミナルは土日を中心に賑わっているらしい。この日も1階の到着ロビーで地元産品の仮設売店が設けられ、多くの人が買い物をしている様子が見られた。
来館者が多くてにぎやかなターミナルは、地域の拠点として大きな役割を果たしている印象で、今後は、空港公園に道の駅を整備する計画が進んでいるので、人が集まる場所として、期待されるところだろう。

道の駅は整備しているようには見えなかったが、ターミナルの南側は、茨城空港公園がさらに整備され、航空広場が登場。自衛隊機材の展示コーナーが新設されていた。見学者もかなり多く見られた。

ターミナルに戻ると、ちょうど東京駅を9時過ぎに出るバスが到着。満席だったバスがどんなもんかと眺めていたら、ほとんどが中国人だった。

※東京駅発のバスは中国人の利用が多いらしく、予約をしないと乗れない日もあるのだそうだ。空きがあれば、当日でもOKだが、予約便があって確実に乗りたいなら予約は必須だろう。

空港の見学はそれほど時間がかからずに終了。「すぎのや」で軽く食べたのち、11時40分のバスで東京へと戻った。
帰りのバスは、まだ春秋航空便到着前、さらに、国内線のスカイマーク(SKY)も11時ごろに到着するものしかなく、ダイヤが全く連動していないこともありガラガラだった。SKY利用者で利用していた人も数人いたものの、どちらかというと地元民が空港に駐車して東京へ行くためのバスといった印象だった。

バスはやっぱり石岡インターまではトロトロ。小川駅付近から石岡駅付近までは真横をバス専用道が通っているものの、そっちは通らず、一般道で信号につかまりつかまり進むので、行き同様に高速に乗るまで30分ほどロスしていた。

20130202.jpg
石岡駅付近で上空を通過したバス専用道。この交差付近で専用道に入れれば、長い距離を一般車の渋滞に巻き込まれず済むのだが、国道との接点はかなり空港寄りになるので、東京駅行のバスは使えない専用道になっている。


■渋滞なければかなりの早着
茨城空港-東京駅間のバスの面白いところは、所要時間が、空港行きは1時間半なのに対し、空港発は2時間半に設定になっている点だろう。東京に向かう便はやはり渋滞による遅延が気になるところで、所要時間もそれを折り込み済みの設定になっている。今日はそれほど混雑している様子はないのでスイスイ行きそうだが、連休最終日とかは遅れがひどそうだ。

このため、八潮パーキングエリアで降りてつくばエクスプレス八潮駅に乗り換えることもできる高速バス&TXライド社会実験が行われていて、車内でも案内パンフが置かれていた。運転手かコンシェルジュに一声かければ、八潮で下ろしてもらえるそうだ。
今日は渋滞情報もなく、申告した人もいなかったので、八潮は素通りしていた。

東京行のバスは、6号線を通って東京駅へと向かう。東京に近くなれば、車窓に隅田川やスカイツリーも見え、その後は高層ビル群と、東京に来たことをとても感じられるバス移動。おそらく外人にはうってつけのアクセスバスかもしれない。
途中TCATのある箱崎も通過していたので、東京駅発着ではなくTCAT発着になれば、TCATに新しい空港アクセスが生まれそうだが、東京駅の方が便利だから、仕方がない状況なのかもしれない。

所要時間は2時間半設定のところ、1時間40分とかなりの早着。渋滞がなければ全く問題ないアクセスバスであることが分かった。
こうしてちょっと空港を覗きに行く旅は早々と終了となった。

20130203.jpg
車内から見えたスカイツリー。これだけ近くで見れただけでもお得かもしれない。


■今日の教訓!

[百里]東京駅バスは格安快適←渋滞が”なければ”便利です。
[百里]航空利用だけじゃない←休日はイベント盛りだくさんです。


■実際の旅程

02/17 SUN
自 宅06:30(JR線など)→07:30東京駅
東京駅08:10(関東鉄道)→09:50[百里飛行場]
[百里飛行場]11:40(関東鉄道)→13:20東京駅
東京駅14:00(JR線など)→15:00自 宅

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2013年02月16日

快適バスで日帰り見学(旅行前)

この旅行記は2014年11月に公開したものです。



■2013.02 百里の旅行前

格安バスを体験
今回は日帰りで百里飛行場に行くことにした。
百里ってどこ?と疑問に思う人もいそうだが、いわゆる茨城空港のことである。飛行場の名前は百里で、通称が茨城空港となっている。

関東には空港が少ないので、関東在住だと、新幹線や飛行機を利用せずに日帰りで見学できる空港は限られてくる。
朝から夜まで頑張れば、車や鈍行でも、静岡や名古屋、松本、福島、新潟、船がOKなら伊豆諸島の各空港辺りまではなんとか圏内になるが、アクセスするのは結構大変だ。
茨城は都心からそこそこ離れているが、朝から晩まで頑張らなくても、都内から比較的気軽に日帰りできる空港となっている。

これまで茨城には開港前も含めて何度か訪問しているが、車か鉄道+路線バスでのアクセスだったので、今回は、気軽な日帰りを実現している東京駅からの格安バスを往復利用してみることにした。


アクセスの予約
東京駅からのバスは予約制。空きがあれば利用できるらしいものの、乗れないのもバカらしいので、事前に往復とも予約をした。
2便運行している9時台の便はいずれも満席だったので、朝早い第一便(8時台)を選択、現地の見学時間を2時間とって、帰りは12時前の便で帰ってくることにした。順調に行けば、おやつの時間には東京に戻って来られる行程となった。

※茨城空港行は関東鉄道により運行されている。茨城県からの補助金が出ているため、一般客は1000円、飛行機利用者は500円と、JRで石岡まで行って路線バスに乗るよりも安くなっている。
所要時間は、空港行きが約1時間半、空港発が約2時間半と往復で大きな差がある。これは、都心の渋滞を考慮したものらしいのだが、詳細は後述、、、。


現地移動の予約
今回は現地の移動はなし。

宿泊の予約
今回は日帰りなので宿泊はなし。


■ここまでの教訓!

[百里]格安バスは早めに予約←すぐ満席になります。


■今回の予定旅程
02/17 SUN
自宅06:30(JR線など)→07:30東京駅08:10(関東鉄道)→09:50[百里飛行場]11:40(関東鉄道)→14:10東京駅14:30(JR線など)→15:30自宅

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2012年11月25日

最後は火山の空港へ(旅行後)

※この旅行記は2012年12月にアップした旅行記です。



■2012年11月 三宅島の旅行後

今回訪れた三宅島空港は、平成20年には訪問を計画し、何度も行く予定にしていました。ところが毎回欠航で訪問できず、4年の月日が経過。結局、今回船での強行訪問になってしまいました。
全然飛ばない三宅島便。巷では就航率三割と言われていますが、飛びやすい日が分かれば、訪問まで4年もかからなかったはず。今回は三宅島便の飛びやすい日を探ってみます。



三宅島便就航の傾向と対策
受験勉強ではないのだが、とりあえず傾向と対策を、、、。

とにかく欠航が多すぎる三宅島。やっと到達したターミナル内には、運航判断基準なる看板が掲げられていた。
その内容は二点で、
 1.坪田地区・坪田高濃度地区に火山ガスが観測されていないこと。
 2.飛行経路及び空港に火山ガスが流れる予報がないこと。

だった。

この基準によれば、西風時に運航できないことは容易に想像がつく。だが、この基準は、羽田空港には掲げられていないし、ANAの公式サイトはおろか、三宅村や三宅島観光協会のサイトにも載っていない。1は当然としても、2があることは現地に行くまで知ることができなかった。

自分は4年間、空港現地の運航時間帯の実際のガス濃度が高いか低いかだけで運航が決まるのだと思っていた。ANAのサイトにも「運航の可否は、当日の火山ガス観測を含めた気象観測実施後決定します。」(念のため強調すると「予報」とは一切書かれていない)としか書かれておらず、現場の火山ガス噴出量や濃度だけが判断基準だと思いこんでいたのだ。
当日の火山ガス噴出量やガス濃度が相手ではなかなか予想が難しい。当然ながら運航可否はギリギリまで決められないものだと思っていた。

ところが、2.の基準を元にすれば、空港区域の火山ガス濃度が高くなる可能性があると予報が出ただけでも運航はできないということになる。
風向きが西向きのときは、雄山で出た火山ガスは東へ流れる。火山ガスの噴出量に関係なく、東側にある空港区域にはガス濃度が高くなる予報が出る。空港現地の実際のガス濃度が高いか低いかはまったく関係なく、西風時ははじめから飛べるものではなかったのだ。

このことが分かれば、飛ばない可能性が高い日は、西向きの風のときとすぐに分かる。飛ぶ日を予想はできなくても、ほぼ確実に飛ばない日は分かるのだから、飛ぶか飛ばないかギリギリまで気をもんだり、そもそも羽田まで行って運航可否を確認したりする必要がある日はぐんと減っていたはずだ。

実は三宅島便の欠航に風向きが大きく関係しているのではないか、という疑いは、別の事例で薄々感じてはいた。
それは平成23年1月に霧島の新燃岳が噴火したときだった。新燃岳は宮崎空港よりも鹿児島空港の方が近いのに、噴火当時、鹿児島は平常なのに宮崎の欠航が相次いでいた。当時は冬で西風の日が多く、「西風が強いので東側広範囲で降灰」との報道も頻繁に流れていた。三宅島も似たような話なのかとなんとなく感じたのだ。桜島の降灰に慣れている鹿児島人なら当たり前かもしれないけれど、東京人にはこの単純なことが分からなかった。

それ以後、風向きと欠航の関係を気にし始め、平成23年の春頃には西向きの風のときに欠航が多いことに気がついた。このことが確信に変わったのは、旅行前でも書いたとおり、今夏に地元の民宿から西風時は飛ばないと言われたときだった。

西向きの風の時にはほとんど飛ばないことが分かってから、運航可否の予測は簡単だった。気象庁の予報で西向きの風のときは運休するのだから、東向きの風のときのみを狙えばよい。
飛びもしない飛行機を待ちに無駄に羽田に行く回数が減ったうえ、欠航が予想される日に事前に別の予定を入れやすくなった。

東風=天気が悪い
東風の日を狙えば良いことが分かったのだが、実はこの東風は三宅島ではちょっと曲者だった。

日本上空は偏西風が吹いているから、結構な日数、西寄りの風が吹いている。三宅島も例外ではなく、西寄りの風が多いから島東部の坪田が高濃度地区になっているのだし、船の港が三池港のことが多くなっている。つまり、東寄りの風の日はあまり多くない。

風が東寄りになるときは、気圧に変化が見られるときが多い。気圧が変化するのは前線が通過したりするときで、つまり天気が悪くなるときだ。
このため、東風のときは、火山ガスによる欠航は回避できても、強風や視界不良での欠航可能性があがってくる。三宅島空港は滑走路が南北方向に延びていて、東西方向の風に弱い。特に海から直接風がくる東風のときは強風の欠航が増えてしまうのだ。
今回はまさにこれに当たって視界不良欠航になってしまった。


となると、運航に最も適しているのは、北東か南東の風になる。
季節風は、太平洋気団が強い夏場は南東、シベリア気団が強い冬場は北西のことが多いから、夏の就航率が高い傾向もあるよう。

夏場に晴れている南東の風の日を狙う

これが三宅島便に乗れる確率が最も高まる条件だった。

ちなみに、運航するかしないか事前に予測したいときは、以下のサイトを参考にしてみると良いだろう。

気象庁三宅島火山防災連絡事務所
http://www.seisvol.kishou.go.jp/tokyo/rovdm/Miyakejima_rovdm/Miyakejima_rovdm.html
毎日7時と17時に火山ガス予報を出している。7時の予報で三池・沖ヶ平地区、あるいは坪田地区に予報が出ていれば運航はほぼアウトだ。

気象庁
http://www.jma.go.jp/jma/index.html
気象庁では2日前から各地方の予報(天気、波、風)を出しているので、最新の予報はここでチェックできる。

Windfinder
http://www.windfinder.com/
風予報を出しているサイト。1週間前から1時間ごとの風予報を出すので、早めに風向きを予想できる。風速が10mを越えると強風欠航の可能性が高まるが、ここのサイトの風速はやや大きめに書かれていると感じる。

三宅島観光協会
http://www.miyakejima.gr.jp/
ブログで毎日の運航情報を出している。当日はここで確認。



座席指定をすばやく
さて、三宅島便が飛びにくい日が分かったところで、座席指定の注意点を。

就航率が悪く飛ぶか飛ばないか微妙なこともあって、三宅島便は搭乗率もあまり良くない。だいたい三割〜四割程度だそうだ(就航率が高い大島便と同程度の搭乗率、、、)。
しかし、「この程度の混雑率ならスキスキ運航で楽に好きな座席に座れる!」と油断しないほうがいい。
この便は、上りと下りで混雑率が大きく異なるのが大きな特徴で、羽田発は全然搭乗客がいないのに、三宅島発は満席近いことが多いという。

この現象は船のダイヤが大きく関係している。
三宅島の船は、竹芝22時過ぎ→三宅島5時、三宅島14時過ぎ→竹芝20時で運航している。飛行機は羽田12時前→三宅島12時過ぎ、三宅島13時過ぎ→羽田14時前だ。
東京発は、飛行機を欠航で逃すと、船に切り替えたとしても三宅島到着が翌朝になってしまう。そこで、できれば飛行機がいい、という人も、はじめから船にしてしまうことが多いようだ。
一方、三宅島発は、飛行機を欠航で逃した場合、すぐあとの船に切り替えが可能で、その日中に東京に着ける。とりあえず飛行機を予約しておいて、飛ばなきゃ船へという人が多いのだ。
当然三宅島発は飛んだら激混みというわけ。

となると、問題になるのが座席指定。
2日目でも書いたとおり、三宅島便は離島路線のため事前の座席指定はできないのだが、当日になると指定ができるので、できるだけ早く指定を済ませたい。運航に使用されるボンバルディアDHC8‐Q300は窓側席でも翼(エンジン)がかかってしまう席が意外と多い。すぐに前後の窓側は埋まるので、座りたい席があるなら、0時を過ぎたら即指定したい


三宅島空港の注意点
最後に、三宅島空港の注意点。

三宅島空港のターミナルは暫定ということもあって、必要最低限の施設しか用意されていない。

まず、売店がない。おみやげなどは島内の商店で購入しておきたいし、携行が義務付けられているガスマスクも購入できないので注意が必要だ。羽田から来る場合、火山ガス濃度が高い時は運休となるので、着陸後すぐにガスマスクが必要という事態にはならないにしても、島に着いてからマスクを手に入れるまで時間がかかるので、持っていないなら羽田で購入しておきたい。

また、一般トイレは保安検査場外のみの設置。搭乗待合室内に多目的トイレはあるにはあるものの、1か所なので、金属探知機をくぐる前にトイレは済ませておいたほうが無難だろう。
成田空港にエアアジア・ジャパンが就航した時、搭乗待合室にトイレも売店もない!とマスコミが大騒ぎしてたけど、それと同じような状態になっているのだ(離島の空港はだいたいこんな感じだから、マスコミが大騒ぎしている意味が分からないのだけど、、、)。

火山の島三宅島。飛行機を利用する際は、事前にしっかり準備したい。



火山の自然景観が豊かな三宅島。一日、二日ちょっと観光するだけなら、火山ガスの影響はあまり受けずに済む印象でした(半日滞在でガスマスクは使用せず)。

なかなか行きづらい印象がある島かもしれませんが、羽田から一時間もかからず行けるとても身近な離島です。
飛行機が飛びやすい日をうまく狙ってぜひ訪ねてみてはいかがでしょうか。

そんなこんなで最後の空港訪問記を〆たいと思います。

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