2019年04月23日

席で左右された快適旅(旅行後)

※2019年5月にアップした2019年4月の旅行記です。
旅行前1日目/2日目(旅行無)/3日目旅行後

■2019.04 東京国際・熊本・福岡・静岡の旅行後

今回の旅では、空港ではなく、熊本駅前でバス路線を調べた結果、熊本空港でリムジンバス以外に路線バスが複数系統走っていることが分かりました。

そこで今回は、空港アクセス交通が分からないという体験を少し掘り下げてみます。

■停車バス停がバラバラで分かりにくい熊本
熊本空港に乗り入れているバス路線は、大部分が九州産交バスによる運行です。ネットでダイヤを調べてみると、空港を発着するバス路線について調べることができます。
しかし、複数系統あるバス路線の公開ページは系統ごとにバラバラ。空港バス停の時刻表は、空港発の全便を一括表示できますが、一便一便見ていかないとどの系統のバスかは分かりません。そして、空港着のバスは調べようがありませんでした。
結果、現地に行って初めて熊本駅前から空港へ路線バスがあることにも気がつけたという状況になっていました。

ただ、現地の表示は、経由地などは一部のバス停しか記載がありません。全ての停車バス停の記載があるのは熊本駅直行便のみ。空港リムジンバスと快速たかもり号はほんの一部だけ経由バス停が異なりますが、現地の時刻表は一緒の表示です。

熊本空港を発着するバスは、路線も便数もとても多く、気軽に利用できるその形態は、優等生的な存在として知られています。
しかし、同じ行き先でほぼ同じ経路を辿るのに、様々な停車停留所があるため、分かりにくいという大きな問題がありました。

このような路線網は、他の空港ではあまり例がありません。
例えば、長崎空港も似たように便数が多いバス路線が乗り入れており、長崎駅行きが複数系統あります。しかし、熊本とは異なり、長崎駅行きは、同じ行き先であっても、途中に通る道路が明らかに違い、明確に別路線と見ることができます。熊本は通る道路が同じですから、言ってみれば、鉄道の種別のような分かれ方になっています。種別のように特急、快急、急行、快速、準急、各停みたいにはっきり分けてくれればまだしも、同じ特急でも停車バス停が違ったりするので、あっちのバスは停まるのに、こっちのバスは前を通るのに停まらないの???とカオスになっています。そもそも違いがあることに気がつかないまま乗っている人も多そうです。
他空港だと、那覇空港から名護へ行くバスが、近い存在ですが、こちらも経由地が違うので、路線の違いには比較的気付きやすくなっています。

空港に乗り入れているバス路線を普段から調べている人ですら、こんな感じですから、たまたま熊本空港を使った客からすると、もう何がなんだか訳が分からないバス路線と言えるかもしれません。

<熊本空港から熊本市中心部へ向かうバスの現状>( )内はバスポールでの記載
■1番乗り場
・空港リムジンバス [熊本駅前経由]西部車庫行*C(「空港リムジンバス」「行先 熊本駅前(西部車庫)」「経由 グランメッセ・熊本県庁・水前寺公園・通町筋・交通センター」
・快速たかもり号  [熊本駅前経由]西部車庫行*D(「空港リムジンバス」「行先 熊本駅前(西部車庫)」「経由 グランメッセ・熊本県庁・水前寺公園・通町筋・交通センター」
・熊本阿蘇線    [熊本駅前経由]西部車庫行*B
・熊本駅直行便   [熊本駅前経由]西部車庫行*E(「熊本駅前直行便」「行先 熊本駅前(西部車庫)」「降車バス停 熊本駅前・二本木口・田崎橋・西部車庫」
・特急たかちほ号  熊本駅前行*B(「やまびこ号・たかちほ号」「行先 熊本駅前」「経由 熊本県庁・水前寺公園・通町筋・交通センター」
・特急やまびこ号  熊本駅前行*B(「やまびこ号・たかちほ号」「行先 熊本駅前」「経由 熊本県庁・水前寺公園・通町筋・交通センター」
・九州横断バス   熊本駅前行*A(「九州横断バス」「行先 熊本駅前」「経由 県庁前・交通センター」
■3番乗り場
・路線バス県16系統 熊本駅前行*F=九州産交バス(「行先 熊本駅前(各停)」「経由 通町筋、熊本交通センター」

*A)益城インター口・熊本県庁前・通町筋・熊本交通センター・ANAクラウンプラザホテル熊本ニュースカイ・熊本駅前
*B)経由Aの各停留所に加え、益城インター口-熊本県庁前間に東町中央・自衛隊前 追加、熊本県庁前-通町筋間に水前寺公園前・味噌天神 追加、ANAクラウンプラザホテル熊本ニュースカイは未経由、熊本阿蘇線のみ熊本駅前の次に西部車庫追加
*C)経由Bの各停留所に加え、阿蘇くまもと空港-益城インター口間に国際線ターミナル・テクノリサーチパーク入口・テクノ団地入口・グランメッセ前 追加、熊本交通センター-熊本駅前間に河原町・商工会議所前・ANAクラウンプラザホテル熊本ニュースカイ 追加、熊本駅前-西部車庫間に蓮台寺 追加
*D)経由Cの各停留所経路に加え、味噌天神-通町筋間に 交通局前 追加
*E)(空港で乗車したあと降車できる停留所)熊本駅前・二本木口・田崎橋・西部車庫(乗車専用停留所として8か所にも経由)
*F)テクノリサーチパーク入口など38か所を経由


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熊本空港の自動券売機上に掲げられていた路線図。停車バス停や系統が全て書かれているわけではありません。

■実は重要な公共交通機関の情報提供
レンタカーを使わない場合、旅行先での移動は、現地の公共交通機関を使うことが多いでしょう(お金を出せばチャーターできますけど、、、)。そして、事前に公共交通機関について調べた結果、路線がないからとか、接続がうまくいかないからとか、そういった理由で寄り道を諦めることは多々あるかと思います。
公共交通機関が走ってなくても、レンタカーを借りればチョチョチョイよ、という人は問題ないですが、公共交通機関しか利用できない人にとって、路線がうまく繋がらないということは、それはそのままイコール訪問先から外れるということになります。それが、路線情報がきちんと伝わっていないから、そんなことになっているのだとすると、こんな馬鹿げた話はありません。
公共交通機関の情報がきちんと伝わらないというのは、集客する上で致命傷になり得る出来事です。

ここ数年増え続けている訪日外国人向けの情報提供がまさにそんな状況なのをよく見かけます。
よく、地方の名所に外国人が多くなったという特集が組まれていますが、よく見てみると、そこまで来た外国人は、公共交通機関を利用しているパターンが多いです。いや、逆に言うと、訪日外国人がよく来ている場所は、公共交通機関で行けるところが多いんです。
もちろんレンタカーを借りて旅行する、あるいはタクシーを借り上げて訪れるという人もいるでしょうが、外国に来て、(大多数の国は右左が逆で)車を運転するのはリスキーですし、タクシーは高額で手を出しづらい。そういう人は公共交通機関に頼らざるを得ません。
その時、公共交通機関が使いづらいと、予約する時から利用者を減らしている可能性が高いです。

それが顕著に現れている一例に、長野県と岐阜県の妻籠宿-馬籠宿があります。
両宿場間の歩いての峠越えは、最近外国人比率が非常に高いのだそうです。その多くはJR中央本線とバスを組み合わせて来るのだとか。
日本在住の人間なら、中央高速に車を走らせ、峠は車でそのまま越えて妻籠と馬籠を別々に観光、という感覚でしょう。日本人は不便な公共交通機関ではなかなか来ないので、歩いて峠越えをしない。一方で、外国人は公共交通機関で行かざるを得ない。自動的に外国人比率が高まっているというわけ。中央本線やバスの情報がきちんと伝わらないと、これらの外国人はこの峠にはたどり着けないことになります。
京都の名所、天橋立も外国人に人気が出ていますが、ここも個人が鉄道を利用して気軽に訪れやすい場所です。

どこの観光地も、数年前までは、大型観光バスで中国人が大挙して押し寄せて、という感じだったのでしょうが、最近個人旅行が増えています。個人旅行だと、公共交通機関を使う比率が高いので、その情報の出し方は非常に大切になってきます。
今回利用した静岡では、まだ大型観光バスで中国人が移動していましたが、、、。

201904l.jpg
静岡空港に出ていたバスの発車案内。行先がはっきり分かれていれば、迷うところはあまりありません。自分の場合は、JR東海道本線に乗り換えて、沼津方面に向かう予定だったので、どれにするか迷い所でしたが、、、。

■海外ではバスも電車も並列
で、話を空港バスに戻していきますが、バスが、どこをどう走っているのか分からないのは、一番の問題点になってきます。
日本の場合、鉄道が圧倒的に定時性に優れ、値段も安いことから、日本人の多くは鉄道>バスという意識でしょう。成田国際や東京国際等では、アクセスに路線バスを使う人も増えていますが、例えば仙台は鉄道開通と同時にバスがほぼ全廃されるなどしています。

しかし、海外だと、そもそもこの環境がまるで違います。
海外では、鉄道が走っていても、定時性に難があるせいか、バスを使うユーザーも結構多く見られます。鉄道が発達している国も例外ではありません。さらに、鉄道とバスが連続的な運賃で利用できるところも多いので、海外では、鉄道とバス、あるいは路面電車などを同等の交通手段として並列的に見ている人がとても多いです。
乗換検索を使ってみても、まるで鉄道路線のようにバス路線が出てくるのが当たり前になっています。例えば、ロンドンのヒースロー空港から西方面のウェールズへ向かう場合、国鉄のサイトで経路検索・予約をしようとすると、一度東へ向かうヒースローエクスプレス+西方面へ向かう特急といった鉄道だけのルートは一切出てこず、空港から西方面へ向かうバス+特急といった経路が出てきてしまいます(鉄道経由は予約すらできない)。
日本の場合は、こうしたものは、ごく限られた路線しかヒットしません(空港バスはヒットすることは多いです)。

最近流行りのテレビ番組に、なんでそこにいるんだと海外の人に会いに行く、とか、世界の果てまで行くのにとても時間がかかる、みたいな番組があります。現地の国際空港に着いてから移動することが多いですが、その大半は、(実際には飛行機や鉄道路線もあるのに)なぜか現地の人にバスを案内されるパターンが多いです。鉄道が当たり前の日本人からしてみたら、違和感だらけなのですが、海外ではそれだけバス移動が当たり前ということなのでしょう。

日本だと、鉄道とバスが並行していると、バスは揺れるし、渋滞にはまるし、時間通り来ないしなどとマイナスイメージで、鉄道利用を選択する人が多いですが、海外の人は、バスで移動することの抵抗感がほぼ無い。この感覚は、日本人と大きく違うところです。

そんな人たちにとってみれば、空港から最寄りの大都市に出るバスがどこを通っているのか分からないのは、論外な出来事。
もっと簡単に行けるのに、行けないと思い込んでしまうから機会損失していたということも充分あり得るわけです。

今回利用した熊本空港のバスの場合は、交通局前バス停が良い例でしょうか。
このバス停には、リムジンバスは停まらず、快速か一部の路線バスしか停車しません。実質的に空港から利用できる便数は一日数便しかありません。経路検索せずに、空港でチケットを買おうとすると、単純になかなか良い便がヒットしません。
しかし、実は、このバス停へは、15分に1便程度運行しているリムジンバスで(路線バスだと)2つ隣のバス停である味噌天神に行き、そこから歩いても数分しかかからない位置にあります。
そういったことは、路線図がないと気が付けません。もっと高頻度で気軽にアクセスできるのに、なぜかアクセス不便な場所になってしまっています

もっと言うと、両バス停の間に九州学院前というバス停があるのですが、そこに行くとなったらどうでしょう。空港発のバスでここに停まる路線はありません。リムジンバスで空港→味噌天神を利用し、そこから5分ほど歩くだけで済むのに、詳しい経路検索したりすると、空港→(リムジンバス)→交通局前→(路線バス)→九州学院前といったルートや、空港→(バス)→肥後大津駅→(電車)→新水前寺前駅→(バス)→九州学院前といったルートがヒットしてしまいます。
さらに、バスルートの上ならまだしも、ルートから少し外れただけの尚絅校前なんて言われたらもうお手上げに近いです。しかし、少なくとも空港バスのルートが地図で見えていれば、尚絅校前バス停の位置が分からなくても、尚絅校は見つけられるので、何となく交通局前で降りれば歩いていけそうなのは分かるでしょう。

空港に降り立った人が向かう目的地は、そもそもバス停ではなく、ホテルだったり、会社や学校だったり、レストランだったり様々です。バス停の目の前にある場合もあれば、バス停から歩かなくてはならない場合もあります。これらは、路線図で見られていれば、自分なりにもっと便利なルートも探し当てられるでしょう(九州学院前や尚絅校の場合は地図付きのものが最適)。

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熊本空港の到着口前にあるのが交通情報を公開する大画面。最近色々な空港で増えてきていますが、熊本ほど複雑だと、交通局前に停まるバスかどうかなんて気付けません。

■安心して旅行するための路線図
熊本の話ばかりでローカルすぎて想像つかないかもしれませんが、東京でも同じです
羽田から都心へのバス路線網なんて、頭に入っている人は、関係者以外ほぼゼロでしょう。券売機だってピンポイントに行き先を選ぶ方式なので、10分後のバスで近くまで行けるのに、直行のバスが出る2時間後まで待ちます、みたいなアホみたいなことも、普通に起こっているわけです。

私自身は、初めて行った海外の街で、バス路線図があって助かったことが何度かあります。
ひとつの事例は、カナダのヴィクトリアに行ったとき。この街の空港は、街の中心部から車で小一時間ほど離れた場所にあります。いわゆるシャトルバスが中心部から空港まで走っているのですが、その値段は25ドルと高額。一方で、市バスを乗り継げば、少し時間は余計にかかるものの、2.5ドルで済みます。
さすがに値段が10倍となると、市バスの方が良かったので、事前にネットで調べてみました。
幸いなことに、現地の日本人が紹介しているサイトがいくつかヒット。日本語で色々調査ができ、McTavishで乗り継ぎ、乗り継ぐ系統番号は○番と□番があるといったことまでは分かったのですが、乗り継ぐバス停の位置や市バスが通るルートはよく分かりませんでした。
実は、中心部からMcTavishの間を結んでいるバスの一部は、遠回りのルートのバスも存在しています。ただ系統番号だけしか分からないと、大幅に遠回りする系統を選んでしまって時間だけが過ぎ去る可能性もあります。また、文字が読めず会話も通じなかった時に乗り継ぎバス停に停まったと気が付かず乗り過ごしてしまうこともありえます。
そこで、空港サイトからリンクが飛んでいた市バスの公式サイトを見に行ったところ、主要バス停だけですが時刻表と、路線図が提供されていました。提供されていた路線図は地図に重ねたものではありませんでしたが、道路の形状にあわせたルートマップになっていたため、片手でGoogleマップ、片手で路線図を照らし合わせると、ほぼ通るルートの特定ができました。
さらに、それが分かったことで、現地で実際に通る道を見ながら、そろそろ降りるバス停だ、と身構えることもできました。

日本に来る外国人も同じです。海外から来る客皆が金持ちで、皆が皆、タクシーを利用できるわけではありません。
鉄道は地図に落ちているからどこに行けるか一目で理解しやすいけど、バスはそうはいきません。そんななかで、バスを利用すると便利になる場所はたくさんあります
バスをもっと視覚的に分かりやすくすることは、結構重要なことなんです。

日本にも、分かりやすい路線図の提供を実践しているバス会社はいくつかあって、個人的には東京都交通局や西武バスが分かりやすい路線図を提供していると思います。私設で良ければ、那覇空港もカバーしている「バスマップ沖縄」(http://www.kotsu-okinawa.org/)が日本一と言えるでしょう。
バスマップ沖縄を見れば、自分の行きたい風光明媚な場所やホテルとバスルートの関係が一目瞭然です。那覇中心部から空港に行くのは、駅まで歩いてゆいレールに乗るより、近くのバス停からバスに乗った方が実は便利だった、なんてことが分かるかもしれません。

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例に出したカナダ ヴィクトリア空港の路線バスのりば。さすがに中心部へ向かう乗り継ぎ路線は出ていませんが、下の方に地図形式の路線図を掲出。日本でも路線図が出ているところがありますが、地図形式は少数派です。


色々書いてきましたが、今回利用した熊本のバスは、同じようなルートなのに微妙に停車バス停が違うという、少し特殊な事例でした。他の空港で、ここまで紛らわしいアクセス交通は国内では見られませんが、長崎のように経由が違うルートのバスが運行されている所ですら、迷っている客はいます。

熊本の空港アクセスも、微妙に異なるから迷ってしまうので、ぜひその辺がもっと分かりやすくなればなあと思いつつ、いつもの通り、徒然なるままに、薄っぺらい感想で旅を〆たいと思います。


posted by johokotu at 21:00| 東京 ☀| Comment(0) | ◆旅行記 | 更新情報をチェックする

2019年04月22日

席で左右された快適旅(3日目)

※2019年5月にアップした2019年4月の旅行記です。
旅行前1日目/2日目(旅行無)/3日目旅行後

■2019.04.22 (大分)→福岡→静岡→(自宅)

■指定なら空席があるソニック
二日目は実家を拠点に野暮用を済ませ、三日目の今日は、朝イチに大分を出発した。

まずは、日豊本線の特急ソニック2号で博多へと向かう。
朝五時台の電車だが、指定席も半分強の席が埋まっていた。自由席は駅に停まるごとに利用者が増えていった。小倉で3分の1程が入れ替わったが、小倉を出る頃には指定席のデッキにも人が数人いる状況になっていた。
小倉から博多までの特急は、ソニック以外にもきらめきなどがあり、もっと早い時刻から運行されているが、この電車の博多到着は7時49分で、博多への通勤にはもってこいの便。それなりに利用者がいるようだった。

自由席は満席でデッキにも人がいるほどだったが、指定席は小倉を出る時点でも満席にはならなかった。車両端の一人席×2列分に至っては、(座席指定できなかったのに)大分からずっと埋まらないほどだった。

指定席が満席になったのは赤間だった。
赤間のあとは約30分停まらず、次に停まる駅は博多の一駅手前の吉塚。吉塚で指定席料金払って乗ってくる人は普通いないので、赤間を出た時点で、座っている人のいない指定席≒空席となる。それを見越して、特急券を買わずに、或いは自由席特急券で乗り込んでくる輩が多数いるようなのだ。
当然、JRもその辺りは分かりきっていて、赤間を出てすぐ車掌が検札してまわり、支払いをしてもらっていたが、中には「(値段が)そんなするの」とか、声をかけられてから渋々自由席に移る人とかもいて、何とも見苦しい。外人とか旅人とかではなく、明らかに通勤の地元民で、わざわざ指定席に乗り込んでくるほどだからたちが悪い。毎朝同じような文句を言い合う光景が繰り返しているだろうと、不快に感じてしまった。

※結局、車両端の一人席×2列に、指定席券を予め持った客は現れなかった。ソニックの場合、小倉駅で座席を回転しなければならず、隣席や前後の席の人と連係しなければならないから、一人席は、その手間が減り、他人に気兼ねなく座席につける席だ。このため、本当は予約したかったのに、それができずに空席とはなんとも不満だった。往路でもそうだったが、数少ない指定席の中に、指定が出来ない席(予備席)が何席か設定されているようだ。自分は、二重発券にあったことが何度かあり、そのような予備席に助けられたことがあるので、予備席を、車掌の分かりやすい位置に設けるのは理解できるんだけど、何とも残念だった。

博多には八時前に到着。そのまま福岡空港へ向かい、八時過ぎに到着できた。
大分からだと約二時間半かかった。大分市内から大分空港まではバスで約一時間だが、渋滞で遅れる可能性はあるし、空港の売店数や便数は福岡空港の圧勝だから、このくらいのアクセス時間差なら、大分県民にとって福岡空港は選択肢のひとつになりうるのだろう。

このあとは、11時10分発で静岡へ向かう。一便早い9時45分発にも乗れる時間帯だが、変更不可の運賃で購入していることもあって早めることはできず、三時間かけて空港内をじっくり見学した。

見学自体は初日にサッと回っていたこともあり、無駄なく完了。出発時刻の一時間以上前には検査場を通過でき、こちらも南側から北側までなめるように見て回ったあと、搭乗を待った。

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今回は初めてのFDA搭乗。大きい機体のERJ-175の10号機(JA10FJ)シルバー塗装のものだった。JJPやAPJとの共演は福岡ならでは。


■空席に配慮もある?FDA
待合室でマッタリ待ったりしたあと、11時前に搭乗が始まった。
フジドリームエアラインズ(FDA)は、今回が初めての搭乗だ。
羽田には就航していないので「何その航空会社?」という人も多いだろう。大手が牛耳る日本では、言ってみれば、弱小航空の一つに過ぎないのだけど、ちゃっちいとは言え茶菓子が付くし、新聞も配布されていてサービスは大手以上の印象だ。

今回は、事前の座席指定で理解できないことが起こっていた
購入時に座席を指定したとき、窓側席、通路側席とも10席程度ずつ選べる状況だった。
できれば隣に他人がいない席が良かったから、窓側と連席の二席並びを探したところ、余っていたのがまだ5か所ほどあった。そのうちの1つはすぐ後ろの窓側に乳児がいる席(A側)だった。
乳児の前の席は座席を蹴られるから避けられる傾向にあるし、乳児の泣き声を嫌う人は多いからわざわざ座席指定表でも表示している。
指定できる窓側席の多くは反対側(D側)で乳児から離れている状況。しかもほとんどはその列よりも前方だった。

このような空席配置なら、このあと、まず窓側と通路側が連席で空いている席が埋まり、そのあとに、乳児と逆側(D席側)の前から指定が埋まるのが普通だろう。これなら、自分の隣の窓側が埋まるのは、他の窓側席が埋まった最後になる可能性が高い。
そこで、隣席が誰も来ないことを期待して、乳児座席の前の列の通路側席を確保した。

で、自分はできるだけ後方が好みなので、万一、隣が埋まるようなら、同じ条件の後方の通路側席に移りたいと思っていたため、指定後も数日ごとに指定状況をチェックしていた。

ところが、指定した翌日には自分の隣の座席が指定済みになってしまったのだ。他の座席指定は全く動きがなく、窓側席はいくらでも空いているのに、である。
これは流石にビックリで、どんな物好きが指定したのか不思議でしょうがなかった。これだけ窓側席が空いていれば、普通は乳児から離れて指定するはず。
まだまだ空席はたくさんあるので、この物好きが他の席に移動するのを期待しつつ、変更しないまま当日を迎えていた。

で、前日に調べても、座席指定したときから窓側席が少し減った程度で大きな変化はなかった。最悪窓口で空港持ち席が解放されたあとでも変更できるだろうと、そのままにして窓口手続きにかけていた。

窓口で確認したら、これまで指定できなかった、二つ後ろの列(つまり乳児の後ろの列)が二席連席で空いているとのことだったので、その通路側席に変えてもらい、一か八か、窓側に別の人が来ないことを願うことになっていた。

で、どんな物好きが乳児席の前の席を指定したのか興味津々だったのだが、機内に入ると、その列に客は現れなかったのだ。
さらに、自分の座席も隣に別の人は来なかった。
一方で空席とされていた前の方の窓側D席は結構埋まっていた(隣の通路側が空いている席も多かったので、通路側指定した人が横に移った可能性も高い)。

とても不思議な現象が起こったのだ。


なにか、隣席ブロックする特別な力が働いたのかは分からないが、明らかにブロックされていたような状況だった。バースデー割を使ったのも原因かもしれなかった。
こういう見えないところでの配慮があるからこそ、好感度が増していくのだろうと感じてしまった。

往路の特急とは全く逆で、他人に気兼ねなく過ごすことができるラッキーな状況。思わず、のびのび過ごすことができた。

201904h.jpg
新幹線に乗ってしまったので、座席は普通の配置に感じてしまった。


■やっぱり賑わう静岡は空席なし
飛行は順調な飛び上がりだった。
ラッキーだったのは、福岡を出たあと、大分空港上空→中央構造線のやや北側上を飛行してくれたことだった。
福岡や大分から羽田に行くときは、もっと南側の四国山地を横切ることが多く、これまで、松山と高松を空から眺められたことはなかった。しかし、今回は、北寄りに進んだおかげで、松山、高松、関空、中部と多数の空港を眺めることができた。中部辺りから雲が多くなってしまい、静岡空港を眺めることは出来なかったが、久々にヒットした感じだった。

飛行は浜松沖までは順調だったが、御前崎手前から急に南へ方向転換し始めた。なんじゃらホイ、と思っていたら、静岡空港への着陸が三番目になり、管制指示で待機になるという。
便数が少なくて利用が少ないと批判を浴びている空港なのに、妙な混雑に捕まってしまったようで、結局、静岡到着は10分ほど遅れることになってしまった。


静岡空港に来るのは4年ぶり。
前回訪問後、昨年4月に増築部が完成し、その後、既存区域の改修が続いていた。昨年10月に国際線が大きく変わり、今年3月に、残っていたすべての工事が完了したので、ちょうどいいタイミングでの訪問になった。

空港内は、相変わらず、中国便の利用者で混雑していた。
到着口を出たら、1階は人だらけ。到着エリアの椅子も含め、1階の椅子という椅子はチェックインを待つ中国人で溢れている状況だった。
彼らはチェックイン開始より少し前に到着しているようだ。チェックインが始まったら我先に手続きしなくてはならないので、広くなった2階には上がれない様子で、このために到着フロアが大混雑することになってしまっていた。彼らはチェックインを待っているだけだが、一階にはたいした店舗もなく、時間をかなりもて余している感じだった。

暫く見ていたら、チェックインが開始される少し前に、行列に並ぶために皆移動してしまい、一気に空席だらけになっていた。

※空港の土地はいっぱい余っているし、こういった人向けのショッピングセンターとかお茶ミュージアムとかでも誘致すれば、時間潰しにもなると勝手に思ってしまった。単純に、空港周辺に近隣住民があまりおらずに普段の買い物は期待できないから成り立たせるのは難しいのかもしれないし、誘致するなら新幹線駅とセットで、軽井沢みたいに電車で来てもらわないと無理でしょうが、、、。
富士山はもちろん、徳川氏や今川氏らが遺したものから、東海道に新幹線、プラモに製紙、バイクに楽器、お茶にみかん、うなぎにマグロ、餃子にわさび、さわやかにキルフェボン、みたいに、メインコンテンツになりそうなのはいっぱいあるんだけどなあ、、、。天竜10号を造り、今や世界のジェットを造ったホンダも元はと言えば静岡県。せっかくの空港なのに、ものづくりは得意でも、拠点づくりは苦手な印象だった。


201904i.jpg
残念ながら静岡空港付近は雲だらけ。富士山が少しだけ頭を出していた。こういうところがニッポンの風景。


■帰りの電車は帰宅ラッシュもなく座席で爆睡
静岡空港では、石雲院展望台も訪れ、空港には三時間弱滞在した。平日だったが、展望台にはカメラを抱えた人が10人ほど。親子連れなども入れ替わり立ち替わり訪れていた。
ターミナル内も人は多めだった。展望デッキ周辺は狭いこともあり、人が集まっている感じで、中国便待ちの人だけでなく、見学者もそれなりにいたようだった。

15時過ぎに空港を出ようとしたものの、藤枝行きのバスにタッチの差で間に合わず、結局次の島田行きで帰路についた。
バスの便数がそれほど多くないので、事前に調べることが重要であることを痛感してしまった。

バスのダイヤは飛行機のダイヤを考慮はしているようだが、乗った島田行きは便利に接続している到着便はなく、利用者は三人だけだった。
島田駅までは20分くらい。結局、電車に乗れたのは17時過ぎだった。
16時に空港に着けたとしても帰りの電車に乗れるのは17時になるのだから、不便な空港と言えるだろう。

結局島田を出たのが夕方になってしまった。帰宅ラッシュに捕まるかビクビクしていたものの、車内はそれほど混まずに逃げ切り。
ちょうど熱海行きに乗れたので、車内では延々、とにかく爆睡だった。

熱海では1本開けてゆっくり乗り換え。比較的楽な行程で、22時頃には自宅へ着けた。

※18きっぷの期間ではないし、新幹線が並走しているので、短距離利用ばかりかと思っていたのだが、正面に座っていたサラリーマンは、島田より西から来て、沼津まで利用していた。静岡空港に新幹線の駅を停めようと静岡県が主張しているが、こういう利用者もいることを考えると、西は豊橋、東は熱海ぐらいまでは利用者が出てきそうな印象だった。

201904j.jpg
ようこそ、空港のあるまち島田市へ。正直、空港から遠いです。


■今日の教訓!
朝イチソニックは指定席なら空席有←通勤に便利です。
[FDA]カラーを楽しもう←ただ搭乗するだけでも楽しめます。
[静岡]中国便の移動を考慮しよう←館内混雑が大きく変わります。
[静岡]バスは事前に調べよう←便数少なく乗り遅れると簡単に1時間遅れます。

■実際の旅程
04/22 MON
実   家05:00→05:15大 分 駅
大 分 駅05:18(日豊本線 ソニック2号)→07:49博 多 駅
博 多 駅08:00(福岡市地下鉄)→08:05[福岡空港]
[福岡空港]11:10(FDA144便)→12:35[静岡空港]
[静岡空港]16:30(富士山静岡空港アクセスバス島田線)→16:55島 田 駅
島 田 駅17:06(JR東海 東海道本線)→19:04熱 海 駅
熱 海 駅19:27(JR東日本 東海道本線)→20:42横 浜 駅
横 浜 駅20:45(JR東日本 京浜東北線など)→21:45自   宅


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2019年04月20日

席で左右された快適旅(1日目)

※2019年5月にアップした2019年4月の旅行記です。
旅行前1日目/2日目(旅行無)/3日目旅行後

■2019.04.20 (自宅)→東京国際→熊本→福岡→(大分)

■サテライトは座席を見ることもできず
今日はANAの朝二便目で熊本へと渡り、熊本から電車で大分へ向かう。熊本から博多までは初めての九州新幹線利用だ。

朝二便目といっても、東京国際(羽田)を八時台に出る便だった。
久々の第二ターミナル発で空港見学も済ませたいから、始発二便目の電車で空港へと向かった。

空港には六時前には到着。保安検査前エリアはいつでも見られるので、さっさと搭乗待合室へ進むことにした。
せっかくエプロンを楽しめる機会。敢えて国際線ターミナルの国内線乗り継ぎカウンターで手続きをし、専用の連絡バスでエプロンを通過して第2ターミナルへと進んだ

今回、北側に昨年末にできた新棟のサテライト施設(別棟)に行きたかったが、利用する飛行機の搭乗口は68Aで、南の端っこだった。
サテライト施設(別棟)は、同棟出発客しか利用できない。南出発ながら、久しぶりの搭乗待合室を確認するため、北の端まで歩いてきたものの、残念ながらサテライト施設(別棟)に足を踏み入れることを許されなかった。様々な快適ソファが置かれているそうなのだが、確認することはできず。北端では、ボーディングステーションと合わせて、ガラス越しに遠目で眺めただけになってしまった。

201904a.jpg
国際線からの連絡バスから見えた、貴賓ターミナル(手前)と新しいサテライト施設(別棟)。第2ターミナルの使用航空会社しか使わないはずなのに、なぜかJALが駐機する珍しい光景が見られた。


■中型機だから座席は満席?
熊本行きは満席だった
空港リムジンバスの経路上にあるグランメッセ熊本で東京ガールズコレクションが開催されていたほか、近隣ゴルフ場の熊本空港カントリークラブでKKT杯バンテリンレディースオープンが行われており、その関係者や観客なども搭乗していたようだった。
土曜日の午前便とはいえ、閑散期だから満席は想定外だった。ひと昔前なら、ジャンボ機も飛んでいた路線なのに、機材は座席数半分以下のB737。やはりこの大きさでは、こういう突発的なイベントには全く太刀打ちできていない印象で、座席指定がほとんどできなかったのも何となく理解できた。

※東京ガールズコレクションの開催は、前日夜に熊本空港からのバスを調べていた時に、同イベントが開催されるので大混雑や大幅遅延するとの注意喚起がなされていたことで知った。
最近はこんなような感じで、アイドルグループのイベントで、ファンの大移動が起こり、飛行機も宿も取れないというのがよくニュースになる。イベントを開催するのは良いんだけど、それに対応してファン向けにチャーター便飛ばすなど、普通の便にあまり影響が出ないように、ひと工夫してほしいと思ってしまった。


熊本には定時に到着。まずは空港見学をスタートした。
三年前の熊本地震で天井板が落ちるなどの大きな被害を受けたため、復旧で内装を大きく変えたのかと思っていたが、パッと見た目は大きな変化はなかった。
ターミナルビルは、地震の前年にリニューアル・耐震改修をしたばかりだった。しかし、受けた地震は震度7が二回。不幸中の幸いなことに、耐震改修したばかりだったから、二度の大揺れも何とか耐え抜いた(←耐震改修を決断した人は表彰ものでは?)。耐震基準は、箱を崩さないように何とか保って最低限命は守るというものだから、この後はもう耐えられないということなのだろう。地震を受けて、すぐに建て替えが決定してしまった。
国際線ターミナルの東側では、仮設ターミナルの工事が進行中。このため、既存ターミナルは大きくいじらない方針のようだった。
直前に民間委託の優先交渉権者も決まり、復興に向けた動きは活発化していた。

変化していたところが思ったほどなかったため、11時半頃には空港を出発できる状況になった。しかし、新幹線の時刻までまだまだ時間があるので、カフェもしつつ、館内で少しゆっくり過ごした。

201904b.jpg
新ターミナルは現ターミナルの所に建てられる。このため、まずは東側に仮設ターミナルを造って移動する予定。骨組みが見えるぐらいまで工事が進んでいた。左後方に見えるのが現・国際線ターミナル。


■アクセスバスはスキスキでも鉄道は座席埋まる
熊本空港は、予定より30分遅く、12時半に出発した。
東京ガールズコレクションによる渋滞が怖かったので、熊本駅までの移動は、肥後大津駅経由を選択。空港からはまず空港ライナーに乗車した。

空港ライナーは、なんと運賃無料の乗り合いタクシーだ。日中30分間隔ながらバンタイプの車両だから、混雑しないか心配だったが、利用したのは自分以外に一人だけで、拍子抜けの混雑度だった(タクシーなので、乗りきれない人がいる場合には無線で別の車両を手配してもらえることもある)。
バスに乗り込むとき、出発時刻の数分前だったのに扉が閉まっていた。このため、一見回送にも見えるほど。一緒に乗った一人は地元民ぽかったが、乗車の際、運転手に「大津駅行き」かどうかかなり不安そうに聞いていた。結構大々的にPRしていた印象だったけど、あまり知られていない存在なのかもしれない。

肥後大津駅までは15分かからず到着した。道はほとんど混んでいなかったが、信号は複数あるので、タイミングが悪いともう少し時間がかかりそうだった。
肥後大津駅に着くと、折り返しの空港ライナーを7人ほどが待っていて、それなりに需要はありそうだった。

熊本空港から見て熊本の中心部は西方向にある。肥後大津駅は、熊本空港の北北東方向なので、熊本の中心部に行くには、実はかなりの遠回りだ。電車に乗っている時間は短く、渋滞の影響はほぼ受けないが、肥後大津-熊本間は30分強だから、乗り換え時間も含め、一時間以上はかかると考えておいた方が良いだろう。
熊本は街の中心部が駅から少し離れていて、熊本駅からだと、市電やバスに乗り換える必要がある。肥後大津乗り継ぎは、バスが無料なのでお得感は出ているが、中心部に行くのにはあまり便利なアクセスとは言えない感じだった。

肥後大津駅では、15分ほどの乗り継ぎ時間で、熊本行きの電車に乗り換えられた。この区間はだいたい30分に1便。肥後大津では、空席も見られたが、三駅先の光の森辺りで、座席はすべて埋まった。熊本に着いた頃にはかなり立ち客もいる混雑度で、地方路線にしては利用者は多いようだった。

※最新の話題として、肥後大津駅から二つ熊本寄りの三里木駅から空港アクセス線を引こうという計画が出てきている。しかし、豊肥本線は空港のだいぶ北側を東西に走る路線であるため、空港から三里木までは、一度北進してからほぼ90度直角に西方向へ折れ曲がって熊本へと進むことになる。
豊肥本線は、三里木辺りから方向を南西方向に斜めに向かう経路に変わり、途中水前寺公園辺りで、空港からまっすぐ西進してきたバス路線と交差。熊本駅へは、一度南側にぐっと下がってから、ぐるりと半円を描いて回り込んで向かっている。熊本駅は、空港から見てほぼ西にあるから、何とも効率が悪い。
関東で言えば、新宿から銀座・有楽町まで行く場合に似ていて、熊本空港リムジンバスは直線的な東京メトロ丸ノ内線、豊肥本線は秋葉原乗り換えの中央総武線+山手線利用みたいなものだと言うと分かりやすいだろう。


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熊本地震の影響で肥後大津駅より東側の阿蘇方面は運休中。全列車がこの駅で折り返しとなっている。
この写真では見えづらいが、線路は続くも草ぼうぼうになっていた。


■待ち時間は座席でゆっくり
熊本では1時間以上のロス時間がある。1時間間隔のつばめの一本前の便にも充分に乗られる時刻だったが、今回は列車事前指定の格安きっぷだったから、早く博多へ行くことは出来なかった。

そこで、時間潰しを兼ねて、昼飯を食べたあと、バス停でリムジンバスの状況を確認しに行った。
結構多くの系統が運行されているようだが、駅のバス停は、ロータリー内ではなく、道路に面した1か所にまとまっていた。大量に貼られた時刻表をよくよく見てみると、リムジンバス以外にも、どうも熊本空港行の路線バスがあるようだった。これは、棚ぼた的な発見だった。
しかし、路線図が中途半端で、経由地がさっぱり分からなかった。駅付近にバス案内所も見当たらない。仕方がないので、駅に戻ったあと、駅ナカにあった観光案内所で尋ねてみたものの、リムジンバス以外は、そもそも存在自体を知らない様子。路線図がないか聞いてみても、その類いは配布していないという。空港にも詳しい路線図は掲示されていないし、これではどこを通るのかも分からず、地元民以外は利用することはできないと感じてしまった。

結局、たいした情報も入手できず、早々に改札口内へ。
待合室はなかったが、椅子が並べられたスペースはあったので、そこでゆっくり乗車を待った。
こちらも、空港同様にくまモンが至るところにおり、待合スペース脇では、巨大なモニュメントが撮影スポットになっていた。

※家に帰ってからよくよく調べてみると、熊本空港と熊本市街地を結ぶ路線は、かなり多種類が運行されていた。大きく分けて、リムジンバス、いわゆる都市間高速バス(特急・快速とされている)、そして路線バスがあり、それぞれに複数系統があるようだ。
空港から熊本中心部方面は、ほとんどのバスが熊本駅前行きか熊本駅前を経由してその先の西部車庫まで行く路線だが、系統によって経由バス停が細かく違う。通る道路が大きく違えば差異を認識しやすいのに、全系統とも経路が大きくは変わらない(一部脇に逸れて寄り道するものあり)。このため、ややこしさに拍車がかかっていた。
同じ道路を走るのに、途中停留所を通過するものがあるのだ。しかも、特急が止まるのに路線バスは通過する停留所があったり、空港からだと降車出来ないバス停もあったりと、通過バス停が一定でないために、非常に分かりにくかった。
(関東に住んでいる人なら、西武池袋線で、S-TRAINも有楽町線・副都心線も入った種別路線図みたいな感じと言えば分かりやすいだろうか。)


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今年の熊本の話題はなんと言っても金栗四三氏。駅改札の床では金栗氏ではなく、なぜかくまモン。左に隠れくまモン的な存在も見える。


■快適座席の新幹線
熊本で一時間待って乗った九州新幹線 つばめ号は、割引きっぷの残席数が予約した数日後には×になっていたにも関わらず、空席だらけの運行だった。
割引運賃は、かなり発行枚数を絞っているようだ。

つばめ号(800系)は各駅停車の新幹線で、みずほやさくらより格下扱いだろうが、車内の雰囲気や座席は、快適そのものだった。座席は、今朝乗ってきた飛行機やバスとは比較にならないほど、横幅や前後間隔が広い。リクライニングも後ろ座席を気にする必要がほとんどない。そして車内の雰囲気は、かなりスタイリッシュで、落ち着いている。
九州新幹線の全線開業で、飛行機は、鹿児島路線を中心に大打撃を受けている。しかし、これなら納得。時間をそれほど気にしないなら、こちらの方が良いという人も、「かなり」多いはずだ。
国内線では、一部便で、JALがファーストクラス、ANAがブレミアムクラスを設定している。しかし、それと比較されるのはグリーン車で、金さえ払えば快適なのは当たり前。となると、航空が競争を勝ち抜いていくためには、一般座席もそれなりの快適席を提供しなければならないように思えてならなかった。

※一般席は、新幹線でも飲み物とかが配られるわけでは無いのだから、スッチーがいちいち世話したり、特別感を出して上品な弁当とか茶菓子を配ったり必要など一切ない。特別料金を取ってるわけでもないし。
多少内装を工夫する必要はあるかもしれないが、単に、窓側席だとトイレにも行けないような狭っ苦しい座席でなければいいわけだ。そういった見方だと、スカイマークがかつて導入したA330型機は、非常に客目線で快適さを前面に出したものであり、神戸-鹿児島とかで客を奪う効果を発揮したのかもしれなかった(ANAもB737-700ER型機ANA Business Jetを、平成28年まで運航しているが、これはビジネスクラスだから席が快適なのは当たり前)。
しかし、今の日本の航空会社は、どこも効率が最優先だから、そういったコンセプトはなかなか広がらない。ANA便名で予約するのにスターフライヤーを積極的に利用する人やプレミアムエコノミーを好む人が多いのを見ると、それなりの需要はありそうに思えるんだけど、、、。代わり映えしない一般席の既存航空会社に対し、席を縮めたLCCがあるんだから、席が快適な航空会社みたいのがあってもいいのではないかなあ、、、。


各駅停車の新幹線で、開業時には駅が多すぎるとかなり文句が出ていたほどだったが、博多までは50分で、あっという間に到着できた印象だった。
飛行機と違って、駅に停まることで加減速したり、風景が常に変わったりしているから、窓が小さくて窓側でないと外の景色も楽しめない飛行機よりも体感時間が短いのかもしれない。
ここのところ飛行機ばかり利用していて、久々の新幹線だったが、久々に新幹線を使ったからこそ、色々な面で、飛行機の非快適性に気が付き、とても気になってしまった

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今回利用した新幹線の座席。とにかく席や窓が大きく、飛行機より快適。


■ソニックは最悪席に、今日の座席指定は一勝二敗
博多駅には予定時刻通り到着。ここでは一時間半ほどの余裕がある。
せっかくなので、この空き時間を利用して福岡空港見学も敢行した。
博多駅から空港までは乗り換え時間も含めて15分もかからない。空港内では一時間弱で保安検査前エリアを見て回ることができた。
このおかげで、リニューアルして変化した部分をだいたい把握でき、復路の時に余裕をもって回ることができるようになった。

一時間ほどで博多駅に戻り、ここからは、大分まで日豊本線特急ソニック号で移動だ。

ソニック号が走り始めた頃は、かなりおもろい列車だと言われていた。しかし、今日のように、真新しいつばめに乗った直後だと、座席の簡素さがかなり際立って見えた。(個人的にはソニックはいまだにスタイリッシュで早くて快適な印象だったが)この車両だったら、まだ、飛行機の一般席もなんとか太刀打ちできそうな印象だった。

こちらは安いきっぷは売り切れてはいなかったので、元々あまり利用者がいないようだった。博多を出る時点でも、指定席は3分の1も埋まっていない混雑度で、二人並びが両方とも空いている席が同じ車両のなかで4つもあるほどだった。人がいるところも、家族・知人での利用で3か所ほどが二席並びで埋まっていた以外は、一人利用者が二席を占拠していた。
ところが、なぜか自分の隣席にだけ、別の人が座ってきた。それどころか、韓国からの海外旅行者らしく、デカいスーツケースを足元に置くものだから、足がはみ出してきてきつい。韓国人だから日本語は通じない(小倉で座席を回転させるのも説明が大変だった)し、どうしようもない状況だった。
どうも自分は、昔からこういう貧乏くじを引きやすい。それにしても、かなり空いている車内なのに、この席配置は何とも納得がいかない。自分が座席指定をしたときは、隣は空席だったし、自分で座席指定を出来るのだから、これだけ空いているなら、隣がいない席を選ぶこともできるはずだ。小倉辺りで降りるならまだしも、手に持っている切符を見ると別府までの客で、ずっと狭っ苦しい状況になりそうだった。

数駅停車してもほとんど利用は増えず、連席で空いているところも含め空席は多数空いたまま。そこで、検札の際に車掌に、席を移ったらダメか聞いてみたら、「満席だから無理」だという。
しかし、小倉で出入りはあったものの、最終的には利用者は半分ぐらいまで増えた程度。博多から2席並びで空席だった所のうち2つは最後まで客は来ずじまいだった。乗車していた半数程が入れ替わった小倉以降も、隣に他人が来た人は、20か所位の組み合わせがある中、自分以外はたった二組だけという、不満の残る乗車になってしまった。

駅からは実家へ向かい、20時頃には着くことができた。

201904f.jpg
博多駅からはソニックに乗りかえ。車内は少しガタが目立った印象だった。883系は自分が若かった登場当時はカッコええ電車の代名詞で、早く乗りたくて堪らなかったんだけどなあ。


■今日の教訓!
[羽田]余裕があれば国際線からエプロン見学を楽しもう←いつもと違う角度から空港を眺められます。
[羽田]サテライト・ボーディングステーションに行けるかは運次第←割り当てられている便数も少ないです。
イベントあると混雑ひどい←行く先でイベントないかはよく調べた方が吉。
[熊本]隠れくまモンを探そう←隠れてないのもいっぱいあるので、どれが隠れなのかは不明、、、。
[熊本]大津に行くなら無料の空港ライナー←便利です。
[熊本]中心部に行くならバスの停車停留所を調べよう←系統別のページしかないので少し手間です。
JR九州は割引運賃で←ネット予約でおトクに行こう。

■実際の旅程
04/20 SAT
自   宅05:00(京急線等)→06:00[東京国際空港]
[東京国際空港]08:20(ANA641便)→10:05[熊本空港]
[熊本空港]12:30(空港ライナー)→12:45肥後大津駅
肥後大津駅13:00(JR九州 豊肥本線)→13:35熊 本 駅
熊 本 駅15:10(JR九州 九州新幹線 つばめ328号)→15:57博 多 駅
博 多 駅17:19(JR九州 日豊本線 ソニック43号)→19:35大 分 駅
大 分 駅19:45(自家用車)→20:00実   家


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2019年04月19日

席で左右された快適旅(旅行前)

※2019年5月にアップした2019年4月の旅行記です。
旅行前1日目/2日目(旅行無)/3日目旅行後

■2019.04 東京国際・熊本・福岡・静岡の旅行前

■鉄道+飛行機利用でたくさんの空港へ
今回は21日日曜日に、実家のある大分へ用事で行くため、月曜も休みを取って、ついでに空港見学してくることにした。
20日に東京を出発し、22日に東京に戻る行程だ。

21日の用事を済ませられれば良いので、20日昼便で東京国際(羽田)→大分、22日昼間に大分→羽田で良いんだろうけど、大分空港は前回訪問時から大きな変化はなく、見学は不要。そこで、それほど追加費用がかからない範囲で別空港を経由することにした。

検討したのは2か月前で、便は選り取りみどりだったので、出来るだけ安く、色々回れる行程を組むことにした。
東京と大分の周辺にある空港だと、福岡が、昨年南側が新ターミナルに移行し、さらに3月下旬にアクセスホール新設が確定していた。このため、福岡は確実に利用することにした

旅行時期は、青春18きっぷが使える期間ではないので、鉄道移動だと普通運賃での利用になる。
JRの普通運賃は100キロ以上のきっぷなら途中下車できるから、東京-大分間で、静岡、中部国際、名古屋、大阪国際、関西国際、八尾、神戸、岡山、広島、岩国、山口宇部、北九州 位は寄り道しやすい。しかし、この距離になると、鉄道は値段が高い(普通に2万円程度かかる)。さらに少しでも安くしようとおトクなきっぷを活用すると、区間・列車指定のもののが多くて途中下車できない。特に本州側の新幹線はたいしておトクなきっぷがなく、鈍行は関西圏と名古屋前後以外は鈍足で時間がかかりすぎる。航空では安い運賃がバンバン出ているし、鉄道を長距離利用して大分に向かうのは難しい状況だった。

そこで、鉄道オンリーは止め、「飛行機直行」か「鉄道+飛行機利用」で考えることにした。


■行きは熊本、帰りは静岡を経由へ
まずは単純に大分空港を発着で検討。
この場合、利用できる直行空港は、成田国際、羽田、中部国際、大阪国際しかない。電車でどれかの空港に向かい、そこから飛行機で大分となる。
この中では、中部がギリギリ。鉄道区間の距離がやや長いが、鈍行でも朝イチに出れば夕方の飛行機には間に合う。値段も七千円程度でギリギリだ(新幹線は値段が高いから実質的に対象外)。

九州側を福岡発着にしてみると、選択肢が広がる。直行している空港が多いためで、百里や静岡、松本等も視野に入ってくる。新潟や金沢、仙台辺りも、なんとかなりそうには見えるが、鈍行だとそこに行くまで時間がかかる上に鉄道運賃もあまり安くない。東海道と同じく新幹線だと値段が高く論外だ。
できるだけ、飛行機直行の時より、前後の鉄道部分を五千円程度(最大一万円程度まで)のプラスで収まる範囲になる空港を探した

マイラーなら、だったら羽田→ソウル→福岡なんてどう?なんて言う人もいそうだが、そもそも片道一区間以上乗る飛行機乗り継ぎだと値段がグッと上がる。そんだけ金があるなら、どういう経路で行くかなんて全く悩む必要はなく、行けるときに日帰りで、行きたい空港に飛んでけばいい。いかに効率よく、いかに割安で行けるか、それが平民の毎回の悩みどころなのだ。
東京-大分(あるいは福岡)間でどこかを経由して行く場合、唯一、ダイナミックパッケージで時々安い運賃が出ることはあるので、今回も検討はしてみたが、先に結果を言うと条件が合わず、採用できなかった。

東京側の空港を変えることばかり書いてきたが、九州側で別空港を利用を考えることもできる。ありがたいことにJR九州内は特急利用でも安い運賃があるので、福岡に加えて、北九州、熊本、佐賀、長崎、宮崎も候補にできた。

色々検討した結果、往路は羽田→熊本と飛び、熊本→大分は鉄道移動。復路は大分→福岡を鉄道で、福岡→静岡を飛行機、島田→東京を再び鉄道利用することにした。


■九州新幹線とフジドリームエアラインズに初めて搭乗へ
<往路>
羽田発はそのままで、九州側を別空港にするパターンを採用した。
北九州、福岡、熊本、佐賀、長崎、宮崎が候補だったので、まずは前回訪問時以降の変化状況から候補の絞り込んだ。

 北九州:国際線就航会社が増えた程度。
 福岡:改修の真っ最中で大きく変化。
 熊本:震災→復旧。
 佐賀:愛称が変更した程度。
 長崎:ほぼ変化がない。
 宮崎:愛称変更に加え増築が完了。

各空港の変化は、ざっくりこんなところだった。

変化した空港を中心に検討したら、最後は熊本と宮崎の比較となった。
鉄道運賃を調べてみたら、宮崎→大分間のおトクなきっぷは運賃が意外と安くなく、一方で熊本→大分間は、熊本→博多(新幹線)+博多→大分(特急)でそれぞれ二千円台の割引きっぷがあったため、今回は安く済む熊本に寄ることに決定した。
羽田-熊本と羽田-大分は最安値は同じ値段。熊本の場合、そこに六千円程度の電車賃が加わるだけで抑えられた。

で、往路の飛行機は、熊本着が昼くらいで良い。東京側を成田発にすることもできたが、すんなり羽田→熊本についてANAの朝便で一万円ほどの安い運賃が確保できたので、それにした。ボーディングステーションやサテライト棟が出来てから羽田の第二ターミナルを出発で利用していなかったから、その見学も兼ねての羽田発はベストな選択だった。
熊本からの電車は初めての九州新幹線乗車になることが決まった。

<復路>
往路で福岡を利用しないので、福岡発の航空便を検討した。単純に羽田直行か、LCCで成田か、スカイマークで百里(茨城)か、フジドリームエアラインズで松本or静岡or名古屋、大手で中部への飛行が候補となった。

このうち名古屋は昨年も訪れたので早々に脱落。成田もあまり変化はなく、関東地方にあって正直いつでも行けるのでパスした(LCCも一万円弱で意外と値が張っていた)。
で値段の比較だ。静岡と中部は、福岡線の飛行機が一万三千円程度でほぼ横並び。一方で松本は航空券代が一番安くても一万八千円程度と出た(羽田線より高い、、、)。そこで松本は脱落し、最後は中部と静岡の比較になった。
中部は路線数・便数が多いから、那覇帰りに中部経由にするとか、国際線利用の際に寄り道するとか、今後立ち寄るタイミングが静岡より中部の方が断然多そうだ。電車賃も静岡の方が安く済むし、今回は静岡経由に決めた
博多から福岡まで2千円台、静岡から東京まで3千円台、だいたい6千円程度のプラス。飛行機は羽田便とほぼ変わらない値段だったので、電車賃分がほぼ丸々プラスとなった。

復路の飛行機は、静岡行きを朝二便目で予約した。福岡-静岡線は1日四便。このうち朝イチ便だと、大分で始発の電車に乗って行っても福岡空港見学時間があまり確保できない。後の二便だと、静岡到着は夕方〜夜になるため、今度は静岡空港見学時間が取れない。よって、自動的に朝二便目利用となった。福岡空港には8時頃には着ける行程とし、11時台の出発まで三時間ほどの空港見学時間を確保した。


■ダイナミックパッケージ乗り継ぎ便は泣く泣く断念
今回は、結果として往復別々でチケットを取ったが、一応、往復利用のダイナミックパッケージ乗り継ぎ便も検討した。
単純な羽田-大分間の場合、伊丹乗り継ぎしかない上に値段が高かったので断念した(直行便が「安◯====高」に対し、伊丹乗り継ぎは軒並み「安◯◯◯◯◯高」だった)。
九州側を変えて、羽田-福岡間とすると、ANAは伊丹乗り継ぎのみ(値段は高)、JALは伊丹乗り継ぎに加え徳島や高知乗り継ぎが出てきた。JALのものは「安◯◯===高」で、値上がりは小幅に収まっていたものの、乗り継ぎ時間が一時間程度しかなく、見学するには短い。徳島、高知ともに前回利用からかなり時間が経っているので魅力的ではあったものの、自動的に付いてきてしまうホテルにチェックイン・アウトするのも面倒だし、安いホテルは黒崎周辺ばかりで途中下車しなければならず、格安乗車券が実質的に使えなくなるので、今回は活用を諦めた。

さらに、実は福岡-静岡線よりも、北九州-静岡線の方が安い運賃が出ていたので、本当はそちらを利用したく、検討していた
北九州-静岡線はちょうど就航してから1か月も経っていないこともあり、一万円を切る運賃が出ていて、運賃は申し分なかったのだ。大分に行くなら、福岡より北九州の方が電車賃が安いし、当然断トツの第一候補に躍り出ていたのだが、ダイヤは空港見学する自分にはダメダメだった
静岡-北九州線は、夕方〜夜にかけての一往復となっている。往路の場合、北九州到着は17時過ぎ。すぐに空港を出ても、大分到着は20時位になる。普通の人なら、これで何の問題無い。しかし、自分の場合は北九州空港到着後に空港を見学するので、見学をしていたら大分到着は夜遅く深夜になってしまう。欠航時の振替も、新幹線でギリギリ終電に間に合うだけで飛行機振替が難しいので、かなりリスキーだった。
一方の復路も、静岡着が19時過ぎ。東京への終電に間に合うかも微妙だし、大きく変化した静岡空港のターミナルを見学している暇が全くない。これでは利用を諦めるよりなかった。
新規就航路線で(今後二度と出ないであろう)格安運賃なので、非常に興味はあったものの、この路線の活用は諦めざるを得なかった。


こうして行程が決定。
初日(20日)は、ANAの朝二便目(ANA641便)で羽田→熊本と飛んで、熊本空港を見学。その後熊本駅まで移動し、九州新幹線の熊本→博多(つばめ328号)、日豊本線特急の博多→大分(ソニック43号)と乗り継ぐ
二日目は野暮用を済ませる一日。
三日目(21日)は、朝イチの日豊本線特急で大分→博多(ソニック2号)と移動。福岡空港見学後、二便目の静岡行き(FDA144便)で福岡→静岡と飛行。今度は静岡空港を見学して、15時頃静岡空港を出発。島田から鈍行乗り継ぎで東京まで戻る行程だ。最後東京到着は21時位という行程になった。

アクセスの予約(航空)
航空券は、約1.5か月前に予約した。
往路は、羽田→熊本の利用。
検索したら、ANA独自運賃である「ANA Discover JAPAN Fare」が一番安かったのでそれで確保。往路の熊本便は意外と混んでいたうえ、安い運賃だからか、座席指定はほとんどできない状況だった。
復路は、FDAの独自運賃である「バースデー割」が最安値。牡羊座の自分はちょうど対象になっていたので、それで予約した。

宿泊の予約
今回は、実家の用事ではないのだが、実家に泊まれるため、宿泊施設の手配は不要だった。

現地移動の予約(鉄道)
飛行機以外の移動は鉄道だ。
往復路とも、JR九州区間は、新幹線・特急利用のおトクなきっぷがあり、それで確保した。事前購入限定の割引きっぷ利用のため、1か月前の発売開始と共に予約。いずれも事前に列車の指定が必要だった。
往路は、熊本→大分というおトクなきっぷはなく、博多で分割しての購入とした(熊本→小倉、小倉→大分と小倉分割もできるが、値段がグッと上がるので断念)。このうち、熊本→博多間は「つばめ限定!九州ネット早特7」を活用。熊本空港到着が10時頃で、熊本空港見学に二時間、熊本空港→熊本駅間は一時間位と考えていたので、13時台に熊本駅を出る新幹線が最適なはず。発売日に予約を狙ったものの、満席で撃沈し、結局15時台のつばめになった。熊本空港→熊本間はバスでも電車でも、予約は不要なので、現地確保だった。
続く区間の博多→大分間は特急ソニックの割引運賃。7日前迄の割引運賃の設定はなく「ネット早特3」のみだった。こちらは空席だらけ。つばめからの乗り継ぎを考慮して、博多での乗り継ぎに少し余裕を見て17時台に博多を出る特急とした。

復路は、福岡空港の見学時間を出来るだけ長くとりたかったので、大分からの電車は、朝イチのソニック2号を「ネット早特3」で予約した。
静岡に着いたあとの、静岡空港→東京は、空港のアクセスバス+鈍行利用で予約は不要のため、現地購入だった。

色々悩んだものの、早めの予約で確保ができ、ゆっくり出発日を迎えられた。
■ここまでの教訓!
ANAは旅割よりもANA Discover JAPAN Fare←高い値段の時もあるのでしっかり比較しよう。
FDAはバースデー割を活用しよう←FDAは運賃高め。その中でもオススメです。
就航直後は運賃狙い目←安い運賃がよくあります。
九州はネット予約チャーンス←大都市間なら安い運賃がゴロゴロです。

■今回の予定旅程
04/20 SAT
自宅05:00(京急線等)→06:00[東京国際空港]08:20(ANA641便)→10:05[熊本空港]12:00(空港ライナー)→12:15肥後大津駅12:36(豊肥本線)→13:08熊本駅15:10(九州新幹線 つばめ328号)→15:57博多駅17:19(日豊本線 ソニック43号)→19:35大分駅19:45(自家用車)→20:00実家
04/21 SUN
(旅行なし)
04/22 MON
実家05:00(自家用車)→05:15大分駅05:18(日豊本線 ソニック2号)→07:49博多駅07:54(福岡市地下鉄)→07:59[福岡空港]11:10(FDA144便)→12:35[静岡空港]15:25(富士山静岡空港アクセスバス島田線)15:50島田駅16:04(JR東海 東海道本線)→18:00熱海駅18:11(JR東日本 東海道本線)→19:39横浜駅19:45(JR東日本 京浜東北線など)→20:45自宅


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2019年02月08日

富士を眺めに大島へ(旅行後)

※2019年2月23日からアップした2019年2月上旬の旅行記です。
(2月23日富士山の日特別企画)今回は富士山が関わる旅行記です。

旅行前1日目2日目/旅行後

■2019.02 大島の旅行後

今回の空港訪問では、割れ目火口から富士山と空港を絡めた写真の撮影に挑戦しました。大島空港からは、日本一の山、富士山がきれいに見えました。そこで、今回の旅行後は、富士山が見える空港を取り上げます。

■富士山が見えるエリアにある空港
まずは、空港から富士山が見える空港を挙げてみます。
日本地図センターが提供している「地図インフォ」のなかの「富士山ココ」で調べられます。

静 岡◎:北東 方向 約 80キロ
調 布◎:南西 方向 約 80キロ ☆
大 島◎:北西 方向 約 85キロ
羽 田◎:西南西方向 約 95キロ ☆
神津島×:北北西方向 約135キロ
成 田◎:西南西方向 約155キロ ☆
茨 城△:南西 方向 約175キロ ☆(ギリギリ)
☆はダイヤモンド富士可視範囲

◎はターミナル(展望デッキ)から視認可能
△(茨城)はターミナルから見えるはず(詳細未確認)
×(神津島)はターミナルからは視認不可(地形でそもそも不可)

空港領域から富士山が見える空港は、関東・東海にある7空港でした。
神津島を除く6空港は、「地形的には」空港領域のほぼ全域から富士山が見えるはずです。
神津島は、富士山方向に地形の高まりがあります。空港領域のうちターミナルなど一般者が入れる場所からだと、その高まりに隠れて富士山は見えませんが、滑走路の西端側は富士山が見えると思われます。
茨城は、ターミナルからだと富士山方向に林がありますし、ターミナル地区の反対側からは百里基地の塀の区間が多いので、空港を通して見える場所があるのかよく分かりませんでした。

新島、三宅島、八丈島、松本辺りは見えそうな距離にありますが、空港からは手前の山などに隠れており、地形的に見えません。
新島は大島と神津島の間。距離的にはよく見えそうですが、富士山方向に宮塚山があるため見えません。空港領域の西端部は、富士山方向が山の切れ目ギリギリ見えない位置に当たります。

今回訪問した大島は、唯一、ターミナルから海越しの富士山を眺められる空港でした。

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今回、都道207号線(三原山登山道路)の大丸山付近から撮影した、大島空港と相模湾、富士山。
大島空港からは宝永山が真正面になるので左右が対称の美しい形に見えます。
この時期に雪が造る模様は「日本一」な感じ(漢字)に見えますね。(「本」の部分が宝永山)



■静岡空港は最寄り空港ではない?
富士山が見える最も有名な空港は静岡空港(富士山静岡空港)でしょう。
愛称に「富士山」が付き、3レターも富士山に由来する「FSZ」を採用するなど、富士山推しの空港です。ターミナルの造り自体を富士山方向に向け、館内には富士山の展示もあるなど、富士山第一に考えており、展望デッキからは、正面に麓の方まで美しく稜線が伸びた富士山を拝むことができます。
7空港の中では、唯一東方向に富士山が見える空港となっています。
静岡空港は、富士山のある静岡県の玄関空港であり、名実ともに富士山な空港なのです。

しかし、富士山に最も近い空港かどうかは、実は微妙です。
静岡空港から富士山までは約80キロなのですが、同じく約80キロの距離に、東京都の調布飛行場があるのです。

距離が同じですから、静岡空港と調布飛行場で見える富士山は同じような大きさで見えるはずですが、調布は富士山が見える空港としては、あまり目立ちません。
その理由は富士山の見え方。
調布のターミナルからは残念なことに周囲の建物に富士山の一部が隠れてしまいます。しかも、調布から富士山を見ると、手前の丹沢山系に下の方が隠れて富士山の上の方しか見えません。一般的に日本人がイメージする千円札のような末広がりな富士山に見えないので、注目されていないようなのです。

関東は平野が広がっており、富士山の可視範囲はかなり広いです。富士山と筑波山を結んだ線上辺りの関東平野(埼玉県〜茨城県)から見る富士山は、すそ野の方まできれいに見えますから、関東人でも、末広がりの富士山を見慣れている人は多いです。神奈川や多摩地区に住んでいる人なら、上の方だけ見える富士山でも親しみを感じるでしょうが、調布から見える富士山は、多くの関東人にとっても、ちょっと期待外れな感じの富士山眺望になってしまっているのです。

ちなみに、今回訪れた大島は、日本の空港の中では、富士山までの距離が3番目に近い空港でした。ただ、静岡、調布との距離の差は5キロ程度なので、見た目の大きさはほぼ同じ。今回は、断然美しい富士山を拝めました。
海越しで、かつ、すそ野の方まできれいに見える大島空港からの富士山は、「空港から見える富士山眺望日本一」と言っても過言ではないでしょう。

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富士山静岡空港では、日本で最も富士山までの距離が近い空港の”ひとつ”ですが、実は私は、これまでの訪問で富士山が見えたことがありません、、、。写真は石雲院展望デッキから滑走路を見たところ。富士山が見えると書いてあるのですが、、、。



■首都空港からも最高峰が見える
東京国際空港(羽田空港)も富士山が良く見えるとして有名です。
富士山静岡空港や大島空港もありますが、日本人の多くが想像する「富士山が見える空港」と言えば、羽田空港でしょうか。この空港は富士山からギリギリ100キロ圏内に存在しています。

小さな国であれば普通ですが、広い国で、首都空港からその国の最高峰が見えるのは非常に珍しいことです。富士山の美しさは、世界的にも知られており、訪日外国人が、最初に降り立つ羽田で富士山を眺められるのは、興奮物でしょう。

関東は、空気が澄む冬期に快晴のことが多いので、目視できる日数が多いのも特徴のひとつです。調布と同様に羽田からも手前に丹沢の山々が存在しますが、調布よりは少し下、雪をかぶる範囲ぐらいまでは見ることができます。しかも、左側のすそ野は丹沢の山の傾きとちょうどかぶっており、なんとなく、すそ野の先の方まで見えているように錯覚してしまうのも羽田からの富士山眺望の特徴です。
関東圏の空港からの富士山は西側に見えるので、トワイライトタイムの夕焼け富士はかなり美しいです。羽田は、ダイヤモンド富士も見える位置にあるので、飛行機と日没のダイヤモンド富士を絡めた撮影も可能です。

羽田には国際線旅客ターミナルに富士見台がありましたが、現在は増築で消滅(富士見台自体は残存していますが、増築で建物ができてしまい眺望が遮られました)。さらにターミナルの西側にホテルの建設が始まり、国際線旅客ターミナルからは見えづらくなってしまいました。
良く見えるのは、国内線第1旅客ターミナルの展望デッキからで、国際線旅客ターミナル越しの富士山を見られます。

もう一つの首都空港、成田国際空港も、第1旅客ターミナルの展望デッキから眺められます。ただし、林越しに上の方が見えるだけのもったいない光景です。
空港南側にある航空科学博物館からは、少し下の方まで見えるので、飛行機と絡めるなら、こちらでとなるかもしれません。

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写真は羽田空港国内線第1旅客ターミナルの展望デッキから撮影した様子。
写真からは見切れていますが、この展望デッキからは、標高が日本第2位の北岳、第3位タイ(正確には第4位)の間ノ岳を含む南アルプス白峰三山も見えます。日本で空に最も近い1、2、3の山々が、日本の空へと向かう場所から見えるという、日本一の空スポットなんですよ。



■飛行場からも見える富士山、ぜひ飛行機で
関東平野であれば、多くのエリアから富士山を眺められます。
空港ではありませんが、関東に存在する民間飛行場(竜ヶ崎、ホンダエアポート)やヘリポート(東京ヘリポート、栃木ヘリポート)なども富士山が見えるエリアにあります。
先月訪問した竜ヶ崎飛行場は、周辺がだだっ広い畑作地帯になっていて「地平線が見える」ともPRされていますが、飛行場入口正面からは、そんな地平線の向こうにあるような富士山を見ることができました。

そして、関東や静岡を発着する飛行機に乗れば、よっぽど天候が悪くない限り、空の上から富士山を楽しめます。雨雲が出ていても、雲の上に突き出る富士山を見られる可能性は高いです。
せっかく空港や飛行場に行ったなら、ぜひ飛行機に乗って、富士山を眺めて見てはいかがでしょうか。美しい富士山を見れば、細かい説明は省略しても地球の鼓動を体感でき、まさに「前略 雲の上より」な富士山を眺めることができますよ。

※富士山が世界文化遺産になった6年前に、富士山と空港の特集を組みました。そちらもご参考に。
 2013.06.25配信 祝!世界遺産登録 飛行機で富士山を見に行こう
 2013.06.24配信 祝!世界遺産登録 空港から富士山を眺めよう!
 2013.06.23配信 祝!世界遺産登録 空から富士山を眺めよう!

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1月に訪問した竜ヶ崎飛行場の入口を振り返ったところ。富士山を正面に見ることができます。薄くて見づらいですが、左から1本目と2本目の電柱の間、少し低くて小さい斜めになっている電柱のすぐ左側に薄っすら写っているのが富士山です。



富士山は日本を代表する自然であり、古来から信仰の対象になってきました。そんな日本を代表する富士山をゆっくり眺めるのも、空港の一つの楽しみ方かもしれません。
結構多くの空港で富士山が拝めることを確認できたところで、今回の旅を〆たいと思います。


ラベル:大島空港
posted by johokotu at 21:00| 東京 ☀| Comment(0) | ◆旅行記 | 更新情報をチェックする

2019年02月07日

富士を眺めに大島へ(2日目)

※2019年2月23日からアップした2019年2月上旬の旅行記です。
(2月23日富士山の日特別企画)今回は富士山が関わる旅行記です。


■2019.02.07 →(大島 割れ目火口)→大島→(竹芝)→(自宅)

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さあ伊豆大島へ

■岡田港の早朝バスは3台並び
伊豆大島までの夜行便は、竹芝から7時間かかる。復路の所要時間は4時間半なので、速度を落とすとともに大島沖に停泊するなどして2時間半の余裕を見ているようだ。
23時半〜5時半は客室内は消灯されているので、睡眠には快適だった。

船は6時ジャストに岡田港に到着。まだ薄暗い中、岸壁へと降りた。
あまり利用客がいないように見えていたが、大島では50人ほどが降りていた。

ここからは路線バスで三原山温泉ホテルへ向かう。
どこが乗り場かもわかっていなかったが、岸壁を付け根まで進み、ターミナルを過ぎた左側、2番乗り場に3台のバスが止まっていた。

大島バスの公式サイトによると、早朝に着く大型客船の便に接続して「元町港 経由 御神火温泉行」「波浮港 経由 大島町陸上競技場行」「大島公園 経由 温泉ホテル行」の3種類のバスが運行されていると言う。しかし、乗り場も路線図も時刻表も公開されていないので、どこを通るのかは不明で、不安だらけだった。
そもそも温泉ホテルが、三原山温泉ホテルのことを指しているのかも分からない状況だったが、3つのバスの一つの正面表示機には「公園経由三原山温泉」との表示があったので、三原山温泉ホテルで間違いないようだ。

選択肢はほかにないので、とりあえず「公園経由三原山温泉」と出ているバスに乗り込んだ。

※三種類のバスのうち、今回乗らなかったのは、元町方面と波浮方面の二方面だった。
・御神火温泉行:元町方面のバス。大島公園ラインの経路で元町港へ向かい、港から御神火温泉まで運行される。元町港→御神火温泉間が早朝バスのみが通る経路だ。側面の表示機には「大島空港→支庁前→元町港→御神火温泉」と表示されていたので、空港にも寄るようだった。バスは2ドア都市型バリフリ車のものが使用されており、今日の乗客は10人ほどだった。
・大島町陸上競技場行:島南部の波浮方面へ向かうバス路線。島の西側沿岸を通って南部に向かう。元町地区の農協前まではノンストップらしく、そこから先は波浮港ラインと同一経路を取るそうだ。バスは観光バスタイプを使用。今日の乗客は5人ほどだった。


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到着したのは岡田港。岸壁からはまず真っすぐ進む。

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(左)岸壁の付け根まで進むとバスのりばの1番が正面、2番が左奥にある。
(右)早朝は全て2番乗場発。この日は左から御神火温泉行、大島町陸上競技場行、温泉ホテル行。

■温泉に着いたら霧だらけ
三原山温泉ホテル行のバスは、船を降りた人の流れがなくなった6時8分に出発した。
運行ルートは、岡田港から東進し、岡田港〜大島公園間を大島公園ラインと同一経路を経由、その後大島公園〜三原山温泉間はレインボーラインと同一経路を通った。
岡田港から三原山温泉を結ぶ昼間の路線バスは、三原山ラインと呼ばれ、西側から山へと上っていく。早朝バスは、昼間とは全く異なる経路でのアクセスだった。三原山ラインを通ると大島公園を通らないし、実際に乗るまで、どういう経路で行くのかずっと疑問だったのだが、単純に時計まわりに回る特別設定ルートでの運行だった。
バスは中型の1ドア2-2列タイプで、小さな観光バスに乗っている感じだった。

港からバスに乗った乗客は全部で7人だった。
一人が地元民で、途中泉津で降りていた。港から正面の運賃表を見ていたら、岡田港を出た際に泉津、泉津を出た後は、道路上の停留所名が次々出てくるのを運転手がカチャカチャ素早く切り替えてすぐに三原山温泉表示にしていた。運賃表で出てくるということは、ルート上のバス停での途中下車はできるということのようだ。しかし、泉津の利用者は、運転手とは知り合いだったようで事前に降りる場所を伝えていたので、途中のバス停で降りる場合には、事前に運転手に伝えておいた方が確実なようだった

残りの6人は温泉までそのまま乗車。温泉までは、三原山ラインの場合と同じ650円で、6時34分に到着できた。
バスから降りた人は自分以外全員ホテルへと入っていった。早朝から日帰り入浴もできるため、バス利用者以外でも来る人がおり、ちょうどバス到着時に3人組が駐車場に停めた車から降りてきていた。
三原山温泉は三原山の裏砂漠ルートの登山口に当たるが、こんな時期のこの時刻に三原山登山を開始する物好きはあまりいないのだろう。登山客であってもまずは温泉でゆっくりといった感じなのかもしれない。

自分はさっさと山腹噴火口(割れ目火口)へ行き、遠くがはっきり見えやすい朝の光の中で富士山を絡めた撮影をしたかった。この時間はここから先のバスはないので、山腹噴火口(割れ目火口)まで歩きだ。
都道207号線(三原山登山道路)を通って新火口展望台を経由するルートでアクセスした。

※三原山温泉から割れ目火口の撮影地までは、新火口展望台経由の経路と、湯場を経由して旧三原山ドライブウェイを通っていく経路が考えられ、グーグルマップ検索でも両ルートが出てくる。撮影地は割れ目火口の中でも下の方だったのだが、上の方だと勘違いしていた。このため、前者の経路が近いと思い込んでいた。さらに、竹芝桟橋で入手した、町が発行しているサイクリングガイドのパンフで、湯場〜割れ目火口間が通行止との記載があった。湯場の道路が通行止なら新火口展望台側に戻らざるを得ないので、あまり悩まずに新火口展望台経由を選択してしまった。
しかし、後でよく調べてみたら、湯場経由の道路は徒歩なら通行可能。湯場経由なら標高差60メートルほぼ下りで2.8キロ歩くだけで済んでいた。しかも、そもそもバスを一つ手前の湯場三叉路で降りたらほぼ平坦で1.8キロ歩くだけで済んでいたようだ。三原山温泉から新火口展望台経由の経路だと最初の2キロは標高差70メートルの上り坂、後半1.3キロは標高差80メートルの下り坂と上下動も多いきつめのルートだった。


昨日は雨で、今日は昨晩から晴れ予報(ただし午後から雲多めの予報)だったので、朝のうちは空気が洗われて富士山が綺麗に見えることを期待していた。
ところが、三原山温泉を出たら、周辺が霧だらけになってしまった。昨日の水分がまだ乾いておらず、気温が高くなってきたことで霧が出ているようだった。
最初の2キロは、最大10%程度の上り坂が続くなかで、霧のせいで真っ白空間。周辺の風景が見えない中での上り坂は、精神的にきつかった。

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三原山温泉から新火口展望台へと向かう途中は霧だらけ。先が見えない上り坂10%はきつい。

■割れ目火口で待ちぼうけ
新火口展望台には、温泉を出てから30分強で到着。今回唯一三原山の内輪山が見えるスポットだったが、相変わらず霧だらけで、ほとんど見ることはできなかった。

展望台から500メートルほど先の交差点(鎧端)を右折した先に割れ目火口がある。
鎧端からの道路は一気に急な下り坂になっており、1キロ程下ったところで車道はプツリと途切れている。道が途切れるのは、その先が火山噴出物に覆われるからだ。ちょうど車道が途切れた先から割れ目火口の遊歩道が始まっており、割れ目火口の撮影地は、遊歩道をしばらく歩いた先にあった。
撮影地には7時半ごろには到着できた。

※今回歩いた道路のうち、新火口展望台のある三原山温泉〜鎧端間は1986年の噴火から4か月後に開通した新道区間に当たる。ちょうど新火口展望台付近から先は外輪山の尾根を通るルートになっている。
1986年の噴火までは、湯場から割れ目火口の部分を通過し、鎧端を経由して御神火茶屋まで三原山ドライブウェイが通っていた。三原山ドライブウェイは割れ目火口で完全に分断されたために廃止され、現在は町道になっている。鎧端で右折した道路はこの三原山ドライブウェイの一部だ。鎧端付近の交差点は外輪山の尾根部分。ここから外輪山を下るために急な下り坂になっている。


撮影地からは、元町地区から空港にかけての領域を眺められるのだが、霧のせいで薄っすらとしか見えず。富士山はおろか、相模湾より向こう側はほとんど見えない状態だった。
ただ、風が強く霧は少し晴れつつあり、遠方の空は低い雲がかかっているだけで青い空もところどころ見えている。霧が出るときは、霧の上は晴れの時だから、晴れるまで待ちたい。新火口展望台の始発バスは9時43分発だから、最遅で9時までは撮影にチャレンジすることとし、風が通り抜ける寒い中、霧と低い雲が抜けてくれるのを待つことにした。

それにしても寒い。天気予報では、16度まで気温が上がる予報となっていたので、上着のフードを外してきてしまっていた。
風が冷たいうえに強めできつい。昨日竹芝のコンビニで確保したパンで朝飯を食べながら、ちょっとした岩の陰に隠れて霧が晴れるのを待った。

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割れ目火口に到着したのは7時半ごろ。到着した頃は、まだ霧は晴れないままだった。
富士山もまだ見えず、空港も薄くしか見えない状況だ。10年前より草が伸びていた。

■残骸だらけの旧三原山ドライブウェイ
強い風の吹く中45分ほど待った段階で霧が晴れ、富士山も相模湾も伊豆半島もはっきり見えるようになった。
昨日の雨で空気が洗われたのか、見える山々はくっきり。期待していた写真を撮影できた(→成果は大島空港の空港概要ページへ)。

※割れ目火口から富士山方向を望むことができるのは、火口が北西-南東方向に並んでいるからだ。富士山から伊豆大島にかけては、フィリピン海プレートが北西方向に進んでいるため、火口となる割れ目も北西-南東方向に並ぶことになる。そして、その延長上に大島空港があるため、割れ目火口の開けた方向に空港と富士山を同時に見ることができるのだ。
伊豆大島の側火口は、三原山を中心に北西-南東方向に火口が並んでおり、空港がその延長上にあるので、空港周辺にも火口跡(スコリア丘)が多数見られる。
伊豆大島では三原山を御神火として崇めており、昔から観光名所として多くの人が訪れる場所だ。近年は、島をジオパークとして売り出しているが、三原山北西側の割れ目火口から見える富士山と大島空港の風景は、プレートの動きという地球規模の地殻変動を体感できる、まさにジオパークならではの風景でもある。


空港と富士山を一緒に撮影できたので、とりあえず大島の第一目的は完了した。
少し時間を食ったものの時刻はまだ8時半。バスまでまだ1時間以上あるし、ここから空港までは予定通り歩いていくことにした。
新中央航空(NCA)調布-大島便の1便目は10時過ぎ頃に発着と思い込んでいたのだが、ここでNCAのダイヤを調べたら、木曜日は9:10着9:35発らしい。飛行機出発まであと1時間しかない。空港までは約9キロだから走れば間に合うかもしれないが微妙なところ。間に合うかわからないが、せっかく大島まで来たので、飛行機を写すために、無理しない範囲で少し走ってみることにした。

今回撮影をした割れ目火口は、1986年C火口列と呼ばれる側火山の火口群だ。最近の噴火である1986年の大噴火の際に、565年ぶりに起こった側噴火で生じた火口群で、列状に11か所もの火口が並んでいる。ちょうどその火口列の部分を旧三原山ドライブウェイが完全に縦断していた。噴火により、このドライブウェイは完全に分断されたが、その前後はまだ道路が残っていた。

撮影地からは、少し下がると、すぐに遊歩道が途切れ、舗装道路が姿を現した。
この舗装道路、ここから湯場までの間の道路も旧三原山ドライブウェイの跡だ。
サイクリングガイドのパンフでは通行止になっているが、道路に柵などはなく、このまま進んで行けそうだったので、そのまま進んでいくことにした。

※割れ目火口の下側に当たる、遊歩道が途切れた辺りには、1987年の天皇陛下臨幸之跡を示す碑が立っているほか、避難壕、お手洗が整備されている。しかし、避難壕、お手洗とも入口の前が草ぼうぼうで放置されており、実質的に使用できない。1986年の大噴火の後に暫く使われていたようなのだが、三原山温泉から歩いた都道207号線(三原山登山道路)が全線開通した後に役目を終えたようだ。伊豆大島のパンフレットの中には、トイレ有との表示があるパンフもあるが、実質的に用を足せないので要注意だ。

それにしてもこの道路、全く使っている様子がない。落ち葉が堆積し、路面はコケで滑りやすい状態。滑るので坂道は走るのには適しておらず、少しチンタラ歩いたり走ったりを繰り返した。
道端には東京大学地震研究所が数多くの地震計を設置していたので、それなりに人の出入りがあるようだが、当然ながらすれ違う人はいなかった。

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旧三原山ドライブウェイの途中に富士見展望台があった。冬なのに草ぼうぼうでぎりぎり富士山が見える程度(写真中央のうっすら白いのが富士山)。草がなければ空港も見えるそうだが、ほぼ見えなかった。

■ドライブウェイは車両は完全に通行止
湯場までの道は多少の上下はあったものの、ほぼ平坦だった。割れ目火口より山頂側が急坂だったのとは全く対照的だ。
割れ目火口付近は、元々ドライブウェイが一気に標高をあげていく場所なので、傾斜が一気に変わる割れ目火口付近は、地形的にも側火口になりやすい場所だったのかもしれない。

富士見展望台付近では何か所かで、道路に土嚢が列状に積まれていて、車で通り抜けができないようになっていた。
通行止は通行止らしい。

ほとんどの土嚢地帯は路面の一部が見えていたが、1か所道路の端から端まで大きな土嚢が置かれた場所があって、ここだけは歩きの人も土嚢の上を跨がないと通行できなかった。

湯場三叉路の少し手前には撤去済みの料金所跡地があり、交差点直前には、湯場福祉センターだった建物の廃墟が不気味に残っていた。この建物があるあたりが旧三原山ドライブウェイの起点で、下流側が三原山登山道路であることを指す標識も残っていた。
湯場福祉センターがあった場所は、湯場の名称のごとく水蒸気の噴出があって、昔からサウナ状の湯治場があったそうだ。1971年から、宿泊施設も兼ねた町営の湯場福祉センターになり、コンクリ建物が建てられたが、大きくなった施設を補うほどの噴出量がなく、1984年に廃止されている。つまり50年ほど前の建物の廃墟だったようだ。
今回現場で見たときは、1986年の大噴火で廃墟と化したのかと思っていたのだが、それよりも前に廃止になっているということだ。

それにしても、この旧三原山ドライブウェイは、1986年大噴火の重要な遺構とも言えるのではないだろうか。
せっかく人間と自然の関わりを体感できるのに、ほとんど注目されていないのは残念なことだろう。

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旧三原山ドライブウェイの開始点で今来た道を振り返った様子。土嚢が並び完全行き止まりだ。
青標識は、そこより手前側が三原山登山道路であることを指している。
青標識が指す登山道路の区間は未だ正式なようだ。ここからすぐの湯場三叉路では、車が通れないよう柵があるのに、車が入れない山頂側から見える形で、STOP入り止まれの赤三角新標識があった。

■空港までは半分マラソン
湯場三叉路で都道207号線(三原山登山道路)に戻ってきた。ここから空港まではずっと下り坂だ。
ここから空港までは7キロ弱。時刻は8時50分で、走れば何とか9時35分の離陸にギリギリ間に合うかもしれない感じだったので、半分マラソン半分早歩きで一気に空港へと向かった。

休み休みではあるものの、とりあえず走って走って、空港入口には9時35分ピッタリに到着。ちょうどエプロンでNCAの飛行機が出発準備でプロペラを回していたところだった。
ここからもとにかく走って展望デッキへ。
何とかギリギリ滑走路で離陸直前の飛行機を捉えることに成功。前回来た時には見えなかった富士山もまだよく見えていて、なんとか良い感じの写真を残せた。

それにしても走りすぎで疲れ果ててしまった。
調布便の離陸を見た後は、空港内の見学は後回しにして、まずは2階の喫茶で一服。昼飯も兼ねて食事をし、それからゆっくり空港内を見学した。

この後、大島空港では、11時30分着11時50分発で東邦航空(TAL)のヘリコプター定期便(東京愛らんどシャトル)の運航がある。現在の時刻は10時でちょうど便の切れ目だ。
TALの手続きは11時からの開始なので、チェックインロビーでは人が入らない写真が撮れると思っていたのに、なぜかTAL窓口で何やら係員が業務中。さらに、早くも11時50分発の利島行を待つ利用者がいて、うまい写真は写せなかった。熱海・伊東からの高速船かNCA調布便からの乗り継ぎ客なのだろうか、喫茶しか時間がつぶせないターミナルなので、ロビーのベンチでかなり暇そうにしていた。

ターミナルの見学は一時間ほどで完了。ターミナル側からのエプロン撮影は、さきほどのNCA便で済んだので、ヘリ便はターミナル地区の反対側からターミナルを絡めた撮影をすることにした。
空港ターミナルは10時半過ぎに出発。牛と富士山とヘリが絡めた写真が写せないか、ぶらっとハウスを経由したものの、そのような構図での撮影は無理そうだったので、そのまま滑走路の反対側へ。
30分弱道端で待って、やっと到着したヘリコプターの着陸に合わせて撮影を済ませた。

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ターミナル地区の反対側から眺めた空港。こちら側は滑走路とほぼ同じ長さで側道が取り付いているが、このあたりのみ側道が少し高くなっていて、唯一空港を眺められる。三原山をバックに空港ターミナルを写る構図の写真が撮れる。

■港湾ターミナルは未就航日も空いている
ヘリ便の撮影を済ませたのが12時前。船の出発までは、まだ2時間半ある。
ヘリ便は利島に行った後、12時15分には大島空港に戻ってくるが、大島空港の撮影は完了しているので、もう大島空港にいる必要はない。そこで、競合する航空便と船舶便を比較すべく、空港ターミナルと港湾ターミナルでどちらが快適かを確認するため、元町港の船舶旅客ターミナルを見学しにいくことにした。

元町港13時30分発の路線バス大島公園ラインに乗れば、岡田港には14時前には着ける。元町港の見学時に30分かかるとすれば、13時位までに元町に着ければ良い。空港から元町までは5キロほどで、ちょうど良いバス便もないので、そのまま海岸沿いを歩いて向かった。

元町港には12時45分頃に到着した。
元町港の船舶旅客ターミナルは天井の非常に高い建物で、かなり広々としていた。ほぼロビー空間で、利用者が集中した時には、充分な収容量がありそうだ(今日はほぼ誰もいないのでガランという音が聞こえてきそうだった)。
今日は元町港を発着する船舶便は1便もないが、船舶旅客ターミナルはしっかりオープン。東海汽船の窓口も開いていて、案内は行われていた。一方で、売店や飲食店は未就航の日は閉店となるらしく、全店シャッターが下りていた状況だった。閑散とはしていたものの、何人か利用者の出たり入ったりがあり、大島公園ラインのバス待ち客も見られるなど、拠点施設としてしっかり機能しているようだった。

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「岡田港」という大きな文字が目立つが、今日の船便の出航地を示しているだけで、ここは元町港。島の中心地にある港だが、今日は出航していないので閑散としていた。

■新ターミナルに移行した岡田港
元町港からは13時30分発の路線バス大島公園ラインで岡田港へと向かった。
バスには元町港からは5人が乗車したが、その全員が岡田港で下車。途中の停留所で乗降はなく、完全に港間を結ぶためのバスルートになっていた。

岡田港では、旧ターミナルが閉鎖されて中に入れなくなっており、代わりにきれいなターミナルが整備されていた。
家に帰ってから調べてみたら、新ターミナルは、なんと訪問した2月7日に使用開始になったばかりだった。当日ターミナル内でなんだか写真撮ってるオタクが多いなあと思っていたら、そうではなくて、ほんとに珍しくて撮影していた人が多かったようだ。
東京都知事も参加した記念式典は、既に5日にされていたそうで、当日はお祝いムードが全然なかったけど、何も知らずに初日に使用していたとは、、、。
空港ターミナルではないけれど、珍しい旅客ターミナル記念日に立ち会えたようだ。

この新ターミナルは、津波避難施設を兼ねたもの。最上階の展望デッキは、災害時には避難スペースとなり、食料などの備蓄倉庫も整備されていた。

復路の大型客船は、神津島から新島、利島に寄ってから大島に到着する。到着客が結構降り、大島から乗る人はあまりいなかったため、船内は往路以上にガラガラだった。
最終的に竹芝で降りたのは40人ほどしかいなかった

大型客船の大島→東京間は4時間半と往路よりかなり短い所要時間だ。しかし、これも距離からすると時間がかかりすぎ。その原因は、東京湾内では長さ50メートル以上の大型船は航路航行義務があり、航路では12ノット以下で運航することが義務付けられているため、普通に運航した場合より時間がかかっているためだ。
東京湾の入口に当たる久里浜沖までは2時間程度しかかからないから、ここで下してもらえれば、都内へより早くアクセスできるが、大型客船はノロノロと竹芝までノンストップで向かうことになる。その代わり、高速船ジェットフォイルは久里浜経由や館山経由(館山は期間限定らしい)が運航されていて、選択肢が多く用意されている。
ちなみに、伊豆大島を大型客船より後から出発する高速船は、竹芝までの所要時間が約2時間だ。大型客船は途中で追い抜かれ、高速船の方が1時間半早く竹芝に着ける。今の時期は神津島、新島、利島からは大型客船しかないから、神津島方面から大型客船に乗り岡田港で降りた乗客の中には高速船に乗り継いだ人も多くいたのかもしれなかった。

竹芝には予定通り19時に到着。帰宅ラッシュで混雑した下り線の電車で家へと戻った。

それにしても、レンタカーを借りて回ればいいのに、格安に済ますことだけ考えて、ずっと歩いてばかりだったので、歩き疲れるだけ歩き疲れた空港訪問となってしまった。

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岡田港を船上から眺めた様子。背後は急な崖になっているのが分かるが、そのおかげで風がさえぎられた天然の良港になっているようだ。正面に見える三角屋根が旧ターミナルで、左に見える高い建物が新ターミナル。


■おまけ:岡田港新ターミナル
ということで、せっかく供用開始日に岡田港の新ターミナルを利用したので、ちょっとだけ内部を公開!
個人的にはもう見ることができない旧ターミナルの内部を見たかったけど、、、。一日間に合わずでした、、、。

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新ターミナル全景。オシャレなガラス張りだ。津波避難施設なのに割れやすいガラス張りで大丈夫?

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(左)1階待合所。チェックインロビーで吹抜は高い。
(右)1階出札窓口。一番手前は観光協会窓口。

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(左)2階大島交流施設。何も使える広い空間。2階は吹抜を挟んだ反対側が狭い通路状の空間になっていて、椅子が並ぶ待合スペースになっている。
(右)4階屋上。実質的な展望デッキだが、施設名は津波避難スペース。

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(左)飲食店は3階に1店舗がある。飲食スペースは自由な感じ。
(右)飲食店脇には畳スペースもあった。

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売店は2階に1店舗が出店。みやげ物は、大体のものが手に入る。

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(左)旧ターミナル外観。(右)旧ターミナル内部をのぞいた様子。


■今日の教訓!
[伊豆大島]港は岡田か元町←当日朝に利用港が決まります
[伊豆大島]早朝バスは3経路←島の南東側以外はほぼ行けます
[伊豆大島]早朝登山は三原山温泉から←早朝バスは山頂口には行かないです
[大島空港]海の向こうの富士山見よう←デッキや搭乗待合室から眺められます
[伊豆大島]バスダイヤに要注意←船舶便の発着に合わせてダイヤが変わります
[伊豆大島]岡田港は新ターミナル←2月7日にオープン!

■実際の旅程
02/07 THU
(東海汽船大型客船さるびあ丸)→06:00大島岡田港
大島岡田港06:08(大島バス)→06:34三原山温泉
三原山温泉06:35(徒歩 3km)→07:30山腹火口
山腹火口 08:30(徒歩 9km)→09:35[大島空港]
[大島空港]10:30(徒歩 7km)→12:45大島元町港
大島元町港13:30(大島バス)→13:47大島岡田港
大島岡田港14:30(東海汽船大型客船さるびあ丸)→19:00竹芝桟橋
竹芝桟橋 19:30(徒歩 1km)→19:45浜松町駅
浜松町駅 19:45(JR京浜東北線等)→21:00自  宅


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2019年02月06日

富士を眺めに大島へ(1日目)

※2019年2月23日からアップした2019年2月上旬の旅行記です。
(2月23日富士山の日特別企画)今回は富士山が関わる旅行記です。


■2019.02.06 (自宅)→(竹芝)→

■深夜に都心へ
今回の旅は、深夜竹芝発の船で向かう。
18時に仕事を終わらして定時で上がって、19時には自宅へ帰宅。風呂と準備を済ませてから20時前に家を出た。
途中夕食を済ませつつ、電車で浜松町へ。浜松町には21時頃、そこから歩いて竹芝には21時15分ごろには着けた。

※浜松町から竹芝までは10分ほど徒歩となる。この区間では、東京都の産業貿易センターがあったところで2020年竣工を目指し竹芝地区開発計画という再開発が進行中。ビル建設に合わせて浜松町駅から芝商業高校前交差点を跨いでビルとの間を結ぶ歩行者デッキの建設が進められており、歩道が非常に狭くなっていた。

竹芝到着後は、まずは窓口で乗船券を購入。ちょうど「伊豆大島サイクルきっぷ」はキャンペーン期間中で、行きは貸毛布付きだった(貸毛布は通常100円。飛行機で配られる毛布より断然大きく、小柄な人なら体をすっぽり覆える)。

乗船開始は21時40分からなので、ターミナル内を散策した。
第2待合所で小笠原諸島返還50周年記念展示を実施していて、硫黄島の様子が非常に細かく紹介されていた。飛行場の様子も記述があり、空港めぐりをしている身としては非常に興味深かった。ぜひ行ってみたい島の一つだが、民間人が今も上陸できない理由などが書かれており、生きている間に上陸することはおそらく不可能だろうと実感することになった。
それにしても空港ではなく、船舶港湾のターミナルでこのような展示に遭遇するとは想像もしていなかった。

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竹芝桟橋のターミナル内にあった小笠原諸島返還50周年記念展示。
硫黄島の展示もあり、思いもよらぬ所で飛行場を感じることができた。

■ガラガラ運航で大島へ
今回の船はさるびあ丸。2012年11月に三宅島に行った際に乗った船舶だ(→最後は火山の空港へ)。2014年から運行開始した橘丸の方が新しいが、橘丸は主に三八航路に使われるため、大島へは今後もさるびあ丸の方が多いのだろう。

同じ船だが、乗船口は前回と異なりA1口で待合室から少し遠いサテライトだった。
この桟橋は東京都が整備しているはずだが、空港と異なり、待合室〜乗船口〜ボーディングブリッジ間は階段や急なスロープが多く、バリアフリーにはなっていなかった。この辺りは航空便の方が利便性が高いと思えた(ただし、伊豆諸島路線を運航する新中央航空も飛行機のドアの部分に段差有)。

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今回乗船したさるびあ丸への乗船口。
ボーディングブリッジを渡っての乗船は飛行機と変わらない。


船内に入ると、あまり人がいない感じだ。目立ったのは、学生風若人の数グループぐらい。
特に今回利用した2等リクライニングシート利用者は、前後あわせて15人程度しかいない。2等和室も20人程度だった。平日とはいえ、大島は椿まつりの期間に入り、夏以外では一番の稼ぎ時のはず。前回10年前に大島に来たのは2月下旬の日曜日だったのもあってかジェットフォイルがほぼ満席だった。その印象も残っていて、今回、こんなに空いているのを見て、なんだか拍子抜けしてしまった。

2等リクライニングシートは空席だらけだった。
ところが、指定された席へ行くと、揺れやすい端側、窓無し(2等はどこも窓が無い)、足置き無し、前が壁、テレビも見えない最悪席だった。しかも、すぐ後ろの席に別の客がいる
これだけ空席だらけなのに、客を集中させる必要はないだろう。

これではリクライニングもできないので、案内所で話したら、「どこでもいいですよ」と、すぐに別の席に変えてもらえた。
以前鹿児島・那覇航路を使った際に閑散期自由席・混雑期指定席としていたが、ぜひ東海汽船でも採用してほしいところだった。

出航後は、一度デッキに出て東京港の夜景を堪能。1時間ほど粘って東京国際空港沖で空港の撮影に挑んだものの、少し遠すぎてブレブレ写真しか撮れなかった。

自席へ戻ると、リクライニングシートは、かなりのリクライニングが可能なシートだった。
後ろに別の客がいると面倒だが、ガラガラの今日はリクライニングを倒したい放題。リクライニングシートは不人気らしいのだが、今日は快適に利用できそうだ。

23時半には消灯。ロビーと客室との間の扉も閉められ、就寝となった。

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かなりのリクライニングができる2等リクライニングシート。
空いていれば飛行機よりも断然快適だった。


■今日の教訓!
[竹芝]浜松町駅からの歩道は工事中で狭いです←2020年までの我慢
[竹芝]東京諸島情報満載←気軽にターミナルに来てみよう
[東海汽船]完全指定席←空いていれば船内案内所で交換してくれます

■実際の旅程
02/06 WED
自  宅20:00(JR京浜東北線等)→21:00浜松町駅
浜松町駅21:00(徒歩 1km)→21:15竹芝桟橋
竹芝桟橋22:00(大型客船さるびあ丸)→
(船内 宿泊)


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2019年02月05日

富士を眺めに大島へ(旅行前)

※2019年2月23日からアップした2019年2月上旬の旅行記です。
(2月23日富士山の日特別企画)今回は富士山が関わる旅行記です。

旅行前/1日目2日目旅行後

■2019.02 大島の旅行前

■10年ぶりの大島へ
木曜日に1日休暇が取れたので、東京から比較的安価に日帰りで行ける空港として、「伊豆大島」へ行くことにした。

伊豆大島に行くのは2009年2月以来、10年ぶりとなる。前回は、伊豆諸島の空港を周遊する予定で、3日間かけて、神津島、新島、大島、八丈島を目指した。
今回は、余裕が1日のみなので、日帰りで伊豆諸島のどこか1島のみの訪問を計画。この時期の伊豆諸島は海が荒れやすく、神津島と新島は船が着岸できない可能性も高いので、前回訪問後にANAが撤退して大きく変わっているはずの大島と三宅島を第一候補とし、できるだけ格安で行こうと検討を始めた。

空港に行くのだから飛行機で行くのが最も手っ取り早いが、新中央航空(NCA)調布便は片道1万円超えで距離の割に値段が高い。安価に行くためには、できるだけ船を利用したいところだった。
特に2月は椿まつりの観光客輸送のため、船が大増便。船では伊豆大島にとても行きやすくなっている。大型客船便はいずれの島も1日1往復あるものの、高速船はこの時期大島に集中投入されており、他の島への便は無し。大島便は、東京から1日3往復(直行・久里浜経由・館山経由)、熱海から1日3往復(直行2・伊東経由1)、稲取から1日2.5往復もある。

そこで、今回は船で大島に行くことにした。

※航空便の普通運賃は片道1万円を超える値段だが、島民向けには離島割引などのかなり安い運賃がある。調布-大島線の場合、片道運賃11,800円・往復運賃22,000円だが、島民割引運賃10,200円、離島航空路割引運賃7,100円と島民向けの運賃は高速船の片道運賃と変わらないので、島民なら航空便が利用しやすい。

■最も効率的でお得に船で行く方法は?
2月は伊豆大島にたくさんの船便が就航しているので、最も効率的でお得な便でアクセスしたい。
まずは伊豆大島での滞在時間と運行ダイヤで比較した。乗船時間と出到時刻、片道運賃(大型客船は2等運賃)は以下の通りだ。

・大型客船
 東 京発着4,630円 乗船4.5時間 大島着06:00 / 大島発14:30
・高速船(*は経由便)
 東 京発着7,490円 乗船約2時間 大島着10:15* 10:40* 14:55 / 大島発11:00 15:10* 15:20*
 久里浜発着5,000円 乗船約1時間 大島着10:40 / 大島発15:20
 館 山発着4,540円 乗船約1時間 大島着10:15 / 大島発15:10
 熱 海発着4,770円 乗船約45分 大島着09:05* 12:20 15:55 / 大島発10:35 13:40* 16:10*
 伊 東発着3,960円 乗船約35分 大島着09:05 / 大島発13:40
 稲 取発着3,460円 乗船約35分 大島着10:50 14:50 / 大島発09:25 13:25 16:10

大島滞在時間は、大型客船の場合、東京発着で約8時間半。高速船の場合は、東京・久里浜・館山発着だと最大約5時間、熱海発着最大約7時間、伊東発着約4時間、稲取発着最大約5時間だ。

今回大島で必ず行きたいのは、大島空港と高い位置から大島空港を眺められる山腹火口(割れ目火口)の2か所。このうち割れ目火口からは富士山を望みたかったので、できれば午前早い時間帯に訪れたい。
滞在時間から考えると大型客船か高速船熱海発着、大島の到着時刻から考えると大型客船か高速船熱海・伊東発着が候補になった。


滞在時間や上陸時刻より重視したのは、船舶の値段だった。
伊豆大島は、東京から一番近い島なのだが、意外と値段が張る。東京からは、大型客船の2等でも4,630円、高速船だと片道7,490円もするのだ。航空ユーザーからしてみれば「安いじゃん」となるところだが、同じ船なら、利尻礼文なら2千円台、隠岐や五島福江、種子島屋久島等は3千円台、佐渡なら高速船でも3千円台なので、その感覚でこの値段を見てしまうと、かなり高止まりしている印象を受ける。
単純に東京から往復運賃で乗船すると、福澤さんが吹っ飛んでしまう。大型客船ならまだ飛行機との差が大きいが、所要時間25分のNCA調布便でも11,800円だから、2時間かかる高速船に7千円強も出すくらいならそもそも飛行機で飛んだ方が良い。
そこで東京以外の発着も検討してみると、久里浜や伊東発着なら電車賃含めても飛行機の半額以下なので何とか許容範囲内。単純に片道運賃で向かうのなら、大型客船か、高速船の場合は久里浜か伊東発着が候補になった。

少し飛行機利用も考えるかと傾きかけていたものの、もっと安い方法がないか色々調べてみたら、伊豆大島については、東海汽船が正規ツアーとして、往復の割引チケットを多種類販売していることが分かった。しかも、値段が意外と安いものばかりで、これが船で行く決め手となった。
大型客船東京発着3,980円、高速船東京発着5,980円、館山発着2,980円、熱海発着3,980円、伊東発着2,980円、稲取発着2,480円、東京→大島→熱海4,500円と、なんと往復利用できる割引きっぷなのに、正規の片道運賃よりも安いのだ。旅行会社が提供するならまだしも、自社で格安運賃を出すのなら、初めから片道運賃を安くすれば良いのに、なんとも不思議な値段設定だった。

船に乗る時間をできるだけ短くして、欠航リスクと酔いリスクの削減もしたかったので、これらの割引運賃は、熱海発着がベストに思えた。
ところが、いずれのプランも利用できる便が限定されており、熱海発着は熱海午後発、大島午前発しか設定されていないので、日帰りでは利用ができなかった(同じように高速船東京発着も東京午後発、大島午前発で利用不可能)。
稲取発着も大島10:50着13:25発しか利用できず、大島滞在時間が短すぎて実質的に利用不可能。館山発着や伊東発着は安いが、港までのアクセスを考えるとトータル値段は大型客船東京発着より高くなる。その割に滞在時間は短めだったので断念。
結局、大型客船東京発着の割引チケットである「伊豆大島サイクルきっぷ」を使って大島を訪問することに決めた。

※今回使った「伊豆大島サイクルきっぷ」は期間限定販売のお得なきっぷ。名称にサイクリングが付いているが、自転車を持ち込まない場合でも利用できる。
よく調べてみると、大島までは、このような格安の往復チケットが出ていることが多いようだ。往復チケット以外にも、バスツアーが付いているものや宿泊プランを提供されているツアーもある。自分のように空港見学のような特殊な目的で渡島する人は少ないだろうから、純粋な観光旅行なら、このようなツアーを活用するのがおススメだ。
ちなみに、前回10年前に利用した際には、京急観光が久里浜発着の格安プランを提供していた。京急線沿線住民の京急線利用促進策の一環としても設定していたのだろうが、日本旅行に営業譲渡してしまったせいか、今回は久里浜発着プランは見当たらなかった。久里浜発着だと、船に乗る時間はたった1時間で、東京発着より格安になるので、期待していたのだが、ちょっと残念だった。


■現地移動は結局歩き?
続いて現地での移動方法を考えた。
大島では、大島空港と割れ目火口に行ければ良いので、大島島内での全体の移動距離は、島の北西部のみの範囲で、20キロ程度だ。大型客船往復の場合、滞在時間はたっぷり8時間半あるので、チンタラ行程になっても問題はない。

割れ目火口は山の中腹である標高460メートルほどの高さにあるので、上り坂は結構きついが、時間はあるのでレンタサイクルがベストだった。しかし、到着が早朝過ぎてレンタサイクルは確保できなさそうだ。
となれば、レンタカーが楽ちんだが、8時間貸しだと費用がかさむ。一方で、調べてみたら、船到着に合わせて三原山温泉まで行く早朝バスがあるようだ。
今回はできるだけ費用削減したかったので、現地での移動は路線バスを活用することにした

まずは早朝に港に着いた後、三原山温泉までバスで移動。温泉から3キロ歩いて割れ目火口へ。その後、最寄りの新火口展望台バス停まで1キロ戻ってそこからバスで元町方面へ下り、空港へ行く行程を立てた。

だが、よく調べてみると、新火口展望台バス停からのバスは9時43分発まで運行がない。しかも、空港への最寄りバス停椿・花ガーデンからは2.5キロほど歩かねばならないようだ。椿・花ガーデンの次に停まる終点の港(船の発着によって毎日変わるが岡田港か元町港のいずれか)まで行って、1時間に1本程度設定されている岡田港-元町港間の路線バスに乗り継いでも良いが、そうなると、空港に着くのが11時頃になる。
割れ目火口から空港までは最短ルートで約9キロあるが、ずっと下り坂。割れ目火口を8時に出られれば、ゆっくり歩いても10時半には空港に着けるので、ハイキング的な要素も兼ねて歩くことにした。

三原山温泉から割れ目火口までは、3キロのうち2キロが上り坂なので、そこで早くも疲れるようなら、9時43分まで待ってバスに切り替えればいい。三原山温泉までの早朝連絡バスのルートが大島バスの公式サイトでも公開されておらず、時間がかかるかもしれないので、いつでもバスに切り替えることを頭に入れながら、徒歩移動を中心にすることにした。

空港にはどんなに遅くなっても11時頃には着ける。
NCA調布便の午前便は確か10時過ぎ頃だったはずなので間に合うか微妙だが、ヘリ定期便が11時半過ぎに着発があるので、それを狙って撮影を済ませられれば御の字。
昼食時間も考えて12時過ぎのバスに乗れれば、帰りの船に充分間に合うので、その行程で動くことにした。

アクセスの予約(船舶)
今回使う「伊豆大島サイクルきっぷ」は往復乗船のみのチケットだが、あくまでもツアー扱いなので、予約は前日までだった。そこで、前日昼に、7日が晴れで波も2メートル以下であることを確認してから、電話をして予約を済ませた。
チケットは当日乗船券売り場で発券すればいいという、ただの事前予約制割引往復券で、座席は2等リクライニングシート限定だった。

宿泊の予約
船内泊のため、宿泊の予約は不要だった。

現地移動の予約(バス)
今回は、できるだけ費用を削減するため、2,000円のバス一日券を購入して路線バスを使うことを検討した。
が、結局バスダイヤが合わず、徒歩移動が多くなりそうだったので、都度バス料金を支払うことになった。

これで準備完了。離島に行くときは毎度のことだが、当日の天候が悪くならないことを願いつつ、出発を迎えることになった。
■ここまでの教訓!
東海汽船は割引パッケージを探そう←公式サイトでたくさん!
東海汽船は値段が高い←伊豆諸島はやっぱり近くて遠い島

■今回の予定旅程
02/06 WED
自宅19:30(JR京浜東北線等)→20:30浜松町駅20:30(徒歩)→21:00竹芝桟橋22:00(大型客船さるびあ丸)→
(船内 宿泊)
02/07 THU
→06:00大島・岡田港or元町港06:30(早朝バス)→07:00三原山温泉07:00(徒歩 3キロ)→07:45割れ目火口08:00(徒歩 9キロ)→10:15[大島空港]12:30(大島バス)13:00大島・岡田港or元町港14:30(大型客船さるびあ丸)→19:00竹芝桟橋19:00(徒歩)→19:30浜松町駅19:30(JR京浜東北線等)→20:30自宅


ラベル:大島空港
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2019年01月20日

駅から便利に空港訪問(旅行後)

※2019年2月にアップした2019年1月の旅行記です。
旅行前1日目/旅行後

■2019.01 竜ヶ崎・百里の旅行後

今回の空港訪問では、最寄駅からアクセスバスで訪れました。数年前より便数が多くなり、かなり使いやすくなった印象でした。
今回は、そんな最寄駅からのアクセスバスについて軽〜く取り上げます。

■バスが便利な空港は意外と多かった
茨城空港の最寄駅からのアクセスバスは、石岡駅-空港間の関鉄グリーンバスの路線です。平成31年1月現在、16.5往復運行で、だいたい1時間に1本、最短で30分間隔で運行されています。
このバス路線は、開港時にはたった2往復、航空便に合わせたダイヤだったところからスタートした路線。前回平成25年に訪問した時は12往復でしたので、かなり便数が増えてきています。常磐線がだいたい30分間隔なので、なんとなく、鉄道からバスへ気軽に乗り継ぎ利用できるようになってきた印象でした。

国内の多くの空港は、最寄駅からアクセスバスが走っています。しかし、航空便と連動した運行の場合が多いのが特徴。そんな中で、茨城のように、航空便連動にこだわらずに最寄駅からの連絡バスがポンポン走る空港があります。
今回の私みたいに、空港に見学に行く需要は、気軽で行きやすいことが結構重要なポイントになりますから、アクセスバスが高頻度で走っていると、それだけで空港の利用を増やせます。

そんな高頻度運行の最寄駅アクセスバスがある空港を、まずは見てみます。

函館 航空便 国内21・国際1 程度
 函館駅 シャトルバス38往復
青森 航空便 国内20・国際1 程度
 青森駅※ 路線バス17往復
仙台 航空便 国内31・国際3 程度
 館腰駅 路線バス12往復
百里 航空便 国内 6・国際2 程度
 石岡駅 路線バス16.5往復
調布 航空便 国内10・国際0 程度
 調布駅 路線バス17往復
新潟 航空便 国内23・国際2 程度
 新潟駅※ アクセスバス33往復
 新潟駅※ 路線バス平18土休13.5往復
松本 航空便 国内 3・国際0 程度
 松本駅※ アクセスバス3往復(航空便連動)
 松本駅※ 路線バス平16土休13往復
富山 航空便 国内 5・国際1 程度
 富山駅 アクセスバス5往復(航空便連動)
 富山駅 路線バス10往復
小松 航空便 国内19・国際2 程度
 小松駅 路線バス36.5往復
静岡 航空便 国内 8・国際2 程度
 島田駅 アクセスバス8往復(実質的に航空便連動)
 藤枝駅 アクセスバス7往復(実質的に航空便連動)
名古屋 航空便 国内23・国際0 程度
 西春駅 路線バス平39土休32.5往復
 勝川駅 路線バス平21.5土休18往復
岡山 航空便 国内12・国際3 程度
 岡山駅 アクセスバス22往復
広島 航空便 国内26・国際4 程度
 白市駅 路線バス25.5往復
山口宇部 航空便 国内10・国際1 程度
 宇部新川駅※ アクセスバス9往復(航空便連動)
 宇部新川駅※ 路線バス平9土休6往復
徳島 航空便 国内13・国際1 程度
 徳島駅※ アクセスバス14往復(航空便連動)
 徳島駅※ 路線バス10往復
高松 航空便 国内18・国際4 程度
 高松駅※ アクセスバス22往復程度(一部航空便連動)
松山 航空便 国内37・国際1 程度
 松山駅※ アクセスバス49往復
高知 航空便 国内22・国際0 程度
 高知駅※ アクセスバス50.5往復
北九州 航空便 国内18・国際5 程度
 朽網駅 路線バス32往復
長崎 航空便 国内36・国際1 程度
 大村駅 路線バス20.5往復
熊本 航空便 国内39・国際2 程度
 肥後大津駅 路線バス27往復

※は厳密には最寄駅ではないですが、実質的に最寄駅として機能している発着地


ざっくり挙げてみたのが上の通り。意外と多くの空港で運行されている印象です。

最寄駅アクセスバスの便数が少ない空港もあるものの、函館や北九州などバスの本数が20往復を超えている空港も多く、これらの空港は事前にダイヤを調べなくても、来たバス便に気軽に乗って行ける印象があります。

ただ、やはりアクセスバスの便数が多いのは、航空便の便数が多い空港がほとんどです。
茨城のように航空便が少なめなのに、バスがたくさん出ているのは、結構珍しい存在のようです。便数が一桁台の空港では、連絡バスはほぼ航空便と完全連動で、バスが高頻度で走っているのは、茨城以外では松本ぐらいしか見られませんでした。

■茨城空港はよく考えられたバス路線群
茨城が優れているところは、乗り入れるバス路線が複層構造になっていることでしょうか。
茨城を発着するバス路線は、
 (1)大都市直行(遠距離バス):東京駅行
 (2)地域拠点都市連絡(中距離バス):水戸駅行(多頻度)、つくば駅行、常陸太田市行
 (3)最寄駅連絡(近距離バス):石岡駅行(多頻度)、新鉾田駅行
 (4)地元向け(近距離バス):小美玉市コミュニティバス
と、ターゲットが異なる四重構造になっています。

(1)の長距離バスのターミナルとしても機能しているため、航空利用以外の呼び込みに成功。よく考えられたバス路線群と言えそうです。

航空便が少ない空港の場合、同じような方面に多くの路線を運行させると、それぞれの便数が少なくなるために利用が分散してしまい、それぞれの路線維持が難しくなります。
このため、1路線のみしかバスがない空港も多いです。1路線しかない空港は、小さな空港に多く、「(2)地域拠点都市直行路線」か「(3)最寄駅路線」の場合がほとんど。北は稚内から、南は宮古までかなり多くの空港で採用されており、航空便と完全連動のことが多いのが特徴です。

茨城は複数路線を設定できるぐらいの利用がありますが、ターゲット別に利用を集中させることで、多方面の路線の維持に成功しています。結果として、バスの多頻度運行が実現できています。

四重構造にもなっている空港は非常に珍しく、普通は3種類ぐらいが限界です。先に挙げた空港の中では、近い存在は北九州ぐらいですが、それも「(1)大都市直行路線」(福岡市内行)は深夜のみなどと、完全ではありません。
北九州の場合、平成18年の開港当時は「(3)最寄駅路線」として朽網駅行(当時34往復)と苅田駅行(当時17往復)の二種類が運行されていましたが、現在は朽網駅行(32往復)に集中させています。苅田に行くなら朽網から15分間隔で運行する鉄道で一駅ですから、バス路線としてはほとんど変わらない存在でした。全体の運行便数は減っていますが、気軽に行きやすい便数と言う点では全く問題ないまま、路線維持につなげられています。

同じターゲットで同方面に複数路線を運行しているために、結果的に利用が分散しているケースは結構見られます。
例えば、静岡は「(3)最寄駅路線」が島田駅行と藤枝駅行の2方面あって同じターゲットの乗客を奪い合うことになっています。このため、結局、便数を維持できず、運行されているのは航空便に連動する便だけになってしまっています。こうなると、航空利用以外の利用の呼び込みは難しくなってしまいます。
この2駅は、鉄道では二駅間。どちらか1方向に統合し便数を二倍にした方が、行きやすさは格段に上がってきます。


■訪日外国人で公共交通機関のアクセス向上はポイント
訪日外国人が最近多くなってきていますが、訪日外国人が増えれば増えるほど、空港からの公共交通機関のアクセス向上は重要なポイントになります。

空港への個人利用者のアクセスは、タクシー利用やレンタカー利用が一般的と思われがちです。ツアー客なら空港からチャーターバスでサヨウナラでしょう。
しかし、個人旅行客、特に訪日外国人は気軽にレンタカーは借りられないでしょうし、タクシーは財布に響きますから、公共交通機関は頼みの綱です。ここを便利にすることは重要です。

例えば、日本人が海外旅行に行くことを考えてみれば分かりやすいでしょうか。
バカ高い金を出してツアーを組んで、空港からチャーターバス(日本で言う白タクでしょうか?日本人(中国人)が手配した日本人(中国人)の運転手の日本人(中国人)の車で日本(中国)で決済して乗るんですよね?)で観光地をグルグル回るのも方法としてはありますが、自分の好みの場所に行きたいなら、現地の鉄道なりバスなりを利用するでしょう。特に鉄道やバスが発達している国なら尚更です。

訪日外国人が日本で感じるのも同じでしょう。
個人旅行の場合、空港アクセスを調べて、それが不便だと、それだけで選択肢から外れてしまうこともありえます。
事前の調査で、ネットで調べにくいバスの複数路線を見比べるのは本当に面倒です。特定の最寄駅まで出ればあとは鉄道で、となっている方が、はるかに分かりやすさも利便性も向上します。

広島空港の白市ルートなどは、そういった分かりやすさという点では、非常に優れていることが分かります。
交通事情が分かりにくい地域こそ、公共交通機関がいかに分かりやすく使いやすいかが、非常に重要なポイントになってくるわけです。


バス路線が工夫されていた茨城空港を今回利用してみて、アクセスバスは多経路運行しなくても、ポイントとなる路線に集中させて頻度を上げれば使いやすくなるということが、なんとなく分かりました。

最近、航空利用以外の利用者を呼び込むため、ターミナル施設の充実を図ろうとする空港は多いです。
しかし、アクセスが不便では人を呼び込めません。そもそも、航空便連動の便しかなかったら、出発・到着前後のついで利用も期待できないでしょう。
箱モノを整備するだけでなく、茨城のようにアクセス交通の工夫が必要なのかもしれません。

非常に簡単な内容ではありますが、そんなことも体感できたことに驚きながら、今回の旅行を〆たいと思います。

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2019年01月19日

駅から便利に空港訪問(1日目)

※2019年2月にアップした旅行記です。
旅行前/1日目/旅行後

■2019.01.19 自宅→(東京)→竜ヶ崎→百里→(東京)→自宅

■常磐線で使える便数は1時間に2本
今日は、出発前にはダイヤを全く調べずに、東京から電車で百里飛行場(茨城空港)へと向かう。

家を出たのは8時半頃で、常磐線の拠点となる上野駅には9時半頃に着いた。
今朝は意外と早く出られた。単純に上野から石岡までは2時間程度のはずなので、この感じなら昼過ぎには戻ってこられそうだ。
今日使っているのは休日おでかけパスだから、土浦までの間なら途中下車も可能。そこで、常磐線の途中にある竜ヶ崎飛行場に寄ってみることにした。

ここまでは南から京浜東北線でのアクセス。大井町辺りで乗り換え検索をしたところ、20分近く待って品川での乗り換えが出ていたのだが、待ち時間が長いととりあえず上野まで来ていた。
ところが、上野でダイヤを確認したら、直前の電車にタッチの差で間に合っておらず、結局同じ電車への乗り換えになってしまい、上野で20分ほど待つことになってしまった。

※上野で乗り換えた電車は、品川始発で上野10時9分発の特別快速だ。日中、土浦までは特快1本、快速(快速線各停)3本だが、石岡まで行く場合には1時間に2本の快速線各停しか使えないダイヤになっていた。快速線各停は土浦行1本と勝田行2本の3本が20分間隔で、実質的に20分・40分間隔となるためやや利用しづらい。(特急は1時間に2本で石岡に止まるのはそのうち1本のみ)
全便が品川始発ではなく、一部に上野始発もあるので、品川で乗り換えるべきか上野で乗り換えるべきかは難しい選択になってしまっている。


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上野駅の常磐快速線ホームへの降り口。
宇都宮線・高崎線と同じホームで間違えやすいので要注意。青色の路線に乗り換えよう。


■自転車にやさしい関鉄
急きょ寄ることにした竜ヶ崎飛行場。
飛行場へは、佐貫駅で途中下車して、関東鉄道竜ヶ崎線で2駅乗った竜ヶ崎駅からのアクセスになる。竜ヶ崎駅からは、公共交通を使うとコミュニティバスに20分ほど乗ったあと30分歩くぐらいしか方法がないのだが、ネットで調べてみたら、竜ヶ崎駅でレンタサイクルが借りられるようなので、それで向かうことにした。

レンタサイクルは台数が4台しかないので、佐貫駅に着いた後に竜ヶ崎駅に電話してまだ余っていることを確認。それから関東鉄道に乗り込んだ。佐貫から竜ヶ崎までは2駅なので主要時間は5分ほどだった。
駅からはすぐにレンタサイクルで出発しようと思っていたのだが、駅舎に入っても、レンタサイクルをやっているような観光案内所みたいなものが見当たらない。少しウロウロしたもののよく分からなかったので、出札窓口で係員に聞いてみたら、駅がやっているレンタサイクルだった。
手続きは、申込書に記入しただけで、駅舎裏でいきなり引き渡しになったので、利用料の確認をしたら、なんと利用料金がタダのレンタサイクルだった。

※竜ヶ崎駅のレンタサイクルは、関東鉄道利用者のみが利用できるものだった。同鉄道は、自転車にやさしい鉄道のよう。サイクルトレインというサービスを展開しており、朝と夕方を除き自転車を持ち込めることができる。

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今回利用した竜ヶ崎駅。レンタサイクルは駅窓口で手続きができる。


■だだっ広い龍ケ崎
竜ヶ崎駅から竜ヶ崎飛行場までは7キロ弱の道のりだ。
竜ヶ崎駅は龍ケ崎市市街地の西側、竜ヶ崎飛行場は龍ケ崎市の東のはずれにあるので、駅からは市街地を抜けて東進していく。3キロ程進むと、今度は、だだっ広い畑作地帯へと突入。のんびりと飛行場へと向かった。

飛行場までは20分ほどで到着できた。
2009年以来10年ぶりの訪問でありながら、入口からの全体的な雰囲気はあまり変わっていなかった。ただ、ターミナルを兼ねる事務所棟は新調されていた。
定期便もなく、のんびりした飛行場だが、土曜日と言うこともあってか、ポツポツ人が出入りしている。遊覧飛行と見られる飛行機も離着陸していた。

飛行場自体は小さなものなので、見学は20分ほどで終了。
このあとさらに遠くへ行かねばならないので、すぐに出発し、竜ヶ崎駅へと戻ることにした。

ところが、今日は西風がとても強かった。竜ヶ崎駅まではほぼ西進。このため、障害物が何もない畑作地帯はまともに前に進むことができなかった。
そこで一度南下して大宮地区に出た後、家が立ち並び防風にもなっている県道121号線を進むルートに変更。30分ほどかかって駅へと戻った。

竜ヶ崎駅には12時半前に到着できた。
次の電車は12時35分発なので、さっさと自転車を返却しようと思ったら、窓口が12時20分から昼休みに入ってしまっていた。13時頃まで窓口手続きをしないとの掲示が出ていたので、12時35分発の電車に乗れるのか心配だったが、折り返しの電車が入ってきたときから改札口に係員が出てきたので、話をしてカギを返却。そのまま鉄道に乗ることができた。

※竜ヶ崎飛行場周辺の広い畑作地帯は、龍ケ崎市の発行するパンフなどでも地平線が見えると紹介されている。快晴だった今日は、ちょうど飛行場入口を振り返ると遠くに富士山が綺麗に見えていた。

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竜ヶ崎飛行場周辺はとにかくだだっ広い畑作地帯。


■遅延のおかげで時間短縮し接続
竜ヶ崎駅からはまずは関東鉄道で佐貫駅までUターン。
思ったより早く龍ケ崎を出られたので、茨城空港へもパッパと行けそうな気がしていた。
ところが、のんびりした電車の中で、この後のダイヤを調べてみたら、悩ましい事態が判明してしまった。

接続する電車でアクセスすると、約一時間後の石岡13時35分発茨城空港行バスに数十分差で乗り継げないのだが、茨城空港の公式サイトでバス時刻表をよく見てみたら、石岡発のバスは13時35分発に乗れなかったら、次は15時5分発で、運行間隔が最も開く時間帯に突入していたのだ。

竜ヶ崎駅で乗った電車は佐貫駅には12時42分に到着する。佐貫駅から出る次の石岡方面行の電車は、同じ時刻の12時42分発(367M列車)で、残念ながらギリギリ間に合わないようだ。367Mに乗れれば石岡に13時27分に着けるので、石岡13時35分発の茨城空港行バスに乗り継げる。ところが、佐貫でタッチの差で間に合わないことで、石岡で1時間以上待ちぼうけになってしまうのだ。

なんとかならないか調べてみたところ、佐貫で次の12時50分発土浦行(3169M列車)に乗ると、土浦で後続の特急ときわ61号(61M列車)に乗り換えられ、それが石岡に13時23分到着できることが分かった。佐貫-石岡間は30分もかからないと思いこんでいて、367Mが走行距離の割に時間がかかるなあと思っていたのだが、石岡の一つ手前の高浜で長時間停車してこの特急の通過待ちをするために時間がかかるようだった。
13時35分発のバスに乗れないと石岡の待ち時間があまりに長すぎるので、土浦から特急ときわ61号でアクセスすることにした。

※最近のダイヤ検索は、特定便のみの乗り換えダイヤや駅時刻表しか表示できないものが多いので、今回のようなパターンは探しにくい。「えきから時刻表」だと、列車時刻表を一気に見られるので、上記のような内容は1ページで一目瞭然。調べやすいのでおススメだ、と思っていたら3月でサイト閉鎖らしい、、、(!)

佐貫駅に着いて常磐線のホームに降りたら、列車が30分ほど遅延していた。まだ367Mが来ていないどころか、それより1便前の12時22分発土浦行(1165M列車)も来ていない状況だった。

幸いなことにホームに降りてすぐに1165Mが到着したので、とりあえず土浦まで乗車したものの、先行列車に乗り継ぐようなことはできなかった。
ここから先石岡方面行の次便は、結局遅れている367Mになるようだった。

367Mは10分ほどの遅れで済んでいた。単純な10分遅れだと石岡13時35分発のバスに間に合わないが、この電車は高浜で長時間停車するので、そこで遅れた時間をある程度吸収できるはずだ。
単純に特急ときわ61号が5分遅れ程度ならこの367Mに乗っても石岡13時35分発のバスにギリギリ間に合うはずだが、それ以上遅れてしまうと石岡13時35分発のバスには間に合わない。一方で、後続の特急は10分遅れまでなら、石岡13時35分発のバスに間に合う。つまり、5分遅れまでなら367Mにそのまま乗っていっても良く、5分以上10分までの遅れだったら特急に乗り換えた方がいい。しかし、10分以上遅れるのなら、結局バスに乗り継げないから、特急料金を払ってまで特急に乗った意味がなくなってしまうので、367Mで安く行くべきだ。
367Mは元々高浜で長時間停車するぐらい、特急との間で運行間隔が開いているはず。状況によっては高浜で通過待ちをせずに石岡に先行する可能性もある。
10分程度の遅れというのは、本当に判断に迷う状況だった

土浦駅の駅窓口で駅員に状況を確認すると、特急はかなり遅れているので、367Mの方が石岡に早く着くのではないかと言う。

一か八かで367Mに乗ったところ、高浜には同駅の出発時刻より5分ほど早くに到着した。通過待ちをするように長時間停車を始めてしまったので、結局バスにも間に合わないかなあ〜と思っていたら、結局特急がまだまだ近づいてなかったせいか、高浜での通過待ちはなくなって、高浜を定刻に出発。石岡にも定刻で到着できた

なんと、電車が遅れたおかげで所要時間が短縮。特急料金を払わずに13時35分発の茨城空港行バスに間に合ってしまった

石岡駅は2016年3月に新駅舎が完成。同9月には東口にBRTバス専用駅前広場が完成し、茨城空港アクセスバスも北口発着から南口発着に変わっていた。
改札口を出た後は、左に進んでいく。空港開港の頃だけに使っていた人は、間違えないように要注意だろう。

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石岡駅では2016年から南口にバスターミナルが整備された。
改札口を出てから左方向にある。空港アクセスバスもここで発着する。


■相変わらずトロトロのBRT
茨城空港行のバスは、普通の路線バスだ。利用者は10人ほど。2人が途中の停留所でおりたものの、残りは全員空港まで乗車していた。大きな荷物を持った東洋人(おそらく韓国人)もいたので、空港アクセスとしてそれなりに機能しているようだった。

石岡駅から5キロ程は鹿島鉄道跡地に整備されたBRT専用道路を通過する。専用道路なので、高速走行して、空港までの所要時間短縮に寄与しているように見えるが、実はそうではない。
この専用道路は、多くの一般道と交差するのだが、交差点で優先されるのは、なんと一般道の方。小さい道も含めて、交差点では必ず一旦停止するので、とにかくトロトロ走行になってしまっている。しかも交差点に信号はなく、一般道側の車が途切れないと横断できないので、大きな道路が交差する石岡運動公園付近では、かなり長時間停車していた。
専用道なら渋滞には絶対ハマらないが、普通に一般道を通る方が、信号待ちがあっても早い印象がするほどだった。

専用道以外の一般道走行区間は9キロ程。一般道が信号待ちも考慮して平均時速30キロだったとしても、専用道5キロが時速50キロですばやく走破できれば、石岡駅から空港まで25分程度で行き来できる。しかし、現状では所要時間が35分もかかってしまっていた。これではなかなか利用しようという気が起きないのではないだろうか。

空港には遅れはなく、14時10分に到着。
片道運賃は620円だが、往復割引券であるダブルチケット(1000円)があるので、下車時に購入して支払いを済ませた。

茨城空港を訪問した時間帯は、この後のバスが1時間半も間が空いてしまうことからも分かる通り、飛行機が発着する時間ではなかった。チェックインカウンタも閉じていたのだが、ターミナル内には今回も多くの人がいた。飲食店の席は余りがない状況で、2階ランド側の休憩コーナーにも多くの人が座っていた。
茨城空港はただ見学に来ただけの客も非常に多いのが特徴だ。小さな空港だが、売店の商品種類は多い方だし、休日にはイベント出店も多い。東京行バスの待合所としての機能も兼ねているから、利用が多いようなのだ。地方の空港は集客に困っているところが多いが、他の空港にも参考になる点があるかもしれない。

※茨城空港の来場者数は、2018年5月に1千万人を達成している。航空利用者数は累計4百万人ほどなので、航空利用者以上の見学者が来ていることになる。

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空港ターミナルからは筑波山がくっきり見えた。
2階のランド側に整備されている休憩コーナーからIBARAKI越しに眺められる。


■空港と空のえきの相乗効果は??
今日は、人が集まる空港よりも、新しくできた「空のえき そ・ら・ら」の見学がメインだ。

空のえきと称していたので、空港の敷地内にでき、空港と一体化していると思っていたのだが、実際には茨城空港前交差点を超えた先にあり、空港ターミナルからは750メートルほど離れた位置にあった。
さらに、そ・ら・らの営業時間は9時〜18時だった。空のえきと称していたので、道の駅のような存在なのかと思っていたのだが、道の駅のような24時間開放施設でもなかった。

要は、空港とは完全に別々の施設で、大館能代や能登のように相乗効果がありそうな施設ではなかったのだ。空港から少し離れているので、空港に来た利用者が搭乗前後に、わざわざついで寄りする感じではない(石岡行以外の空港バスは航空便接続ダイヤだから、そもそも立ち寄ろうとしてもそんな時間はないのだけれども、、、)。
空港ターミナルの中にそ・ら・ら、そ・ら・らの建物の中に空港のパンフレット類が置かれ、時々コラボイベントは行われているようだが、相乗効果はあまり期待できない、少し残念な施設になっていた。

空港ターミナルと同様に、空のえきにもそれなりの人数が来てはいたものの、近隣のショッピングセンターやアウトレットモールのようなうじゃうじゃ人出はなし。訪れた15時ごろには、行われていたイベントが早くも終了しており、寂しい感じだった。

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空港との相乗効果を狙って整備された空のえき。道の駅のような物品販売施設になっている。
地元産品を買うにはもってこいだが、空港にもSKY ARENAがあるしなぁ。


■常磐線石岡経由も便利になってきた
空のえきから空港に戻ったら15時半。
次の便まで待っても良かったが、空港内をひと回りはしたので、そのまま15時45分発の石岡駅行バスで帰ることにした。

飛行機が到着する時刻ではなかったが、帰りのバスは空港から5人が乗車。そのうち3人は大きなカメラを抱えた明らかなオタクだった。飛行機の発着がなくても、こういう人がいてターミナルがにぎわうなら心強いと言えそうだ。
バスも、途中停留所からは5人ほどが乗車してきていたので、一応、空港アクセスとしても地域路線バスとしてもうまく機能しているようだった。

石岡駅から上野方面へは、1時間に2本程度の運行だ。石岡では15分ほどの接続で上野行に乗りこめ、2時間後には上野駅に着くことができた。

前回利用した東京駅バスだと、高速の渋滞が不安要素。渋滞の不安がほとんどない石岡駅発着のバスの便数が増え、接続が良くなったので、かなり便利になってきた印象だった。

※今回は、休日おでかけパスを使った。茨城空港までの運賃の比較は以下の通りだ。
<今回>途中下車有で片道当たり 2,155円
 ・鉄道 休日おでかけパス 2,670円
 ・鉄道 土浦-石岡往復 640円
 ・バス ダブルチケット 1,000円
<普通の鉄道片道(東京駅から)> 2,130円(特急料金は+1,000円)
 ・鉄道 東京-石岡 1,490円
 ・バス 石岡-空港 640円
<直行バス片道(東京駅から)> 1,200円


201901g.jpg
「石岡駅から乗り継ぎが便利です」が、もう少しバスが時短になれば、、、。


■今日の教訓!
[茨城空港]常磐線でのアクセスは1時間に鈍行2・特急1←上野からは実質1時間に2本
[茨城空港]石岡からのバスは大体1時間に1本〜2本←便数が徐々に増加中
[茨城空港]バスは鈍足運行←BRT専用道の走行が特にトロトロ

■実際の旅程
01/19 SAT
自  宅08:30(JR京浜東北線 等)→09:30上 野 駅
上 野 駅10:09(JR常磐線 特別快速)→10:50佐 貫 駅
佐 貫 駅10:55(関東鉄道竜ヶ崎線)→11:02竜ヶ崎駅
竜ヶ崎駅11:05(レンタサイクル)→11:30[竜ヶ崎飛行場]
[竜ヶ崎飛行場]12:00(レンタサイクル)→12:30竜ヶ崎駅
竜ヶ崎駅12:35(関東鉄道竜ヶ崎線)→12:42佐 貫 駅
佐 貫 駅12:22(JR常磐線)→12:44土 浦 駅 ※遅延便
土 浦 駅13:02(JR常磐線)→13:27石 岡 駅 ※遅延便
石 岡 駅13:35(関鉄グリーンバス)→14:10[百里飛行場]
[百里飛行場]15:45(関鉄グリーンバス)→16:18石 岡 駅
石 岡 駅16:34(JR常磐線)→18:14上 野 駅
上 野 駅18:30(JR京浜東北線 等)→19:30自宅


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2019年01月18日

駅から便利に空港訪問(旅行前)

※2019年2月にアップした旅行記です。
旅行前/1日目旅行後

■2019.01 百里の旅行前

■今回は鉄道で日帰り百里
1月19日に1日暇ができたので、日帰りで百里飛行場(茨城空港)に行くことにした。
前回2013年に訪問した際は、オープンしていなかった空のえきもあるので、その見学も合わせていくことにしたのだ。

前回は、東京駅からの格安バスで向かったので、今回は鉄道+石岡駅からのバスを活用する。
鉄道+石岡バスの組み合わせは、開港当時も利用しているが、当時よりバスの本数が大幅に増加していた。そこで対して予定は立てずに、行き当たりばったりでも使いやすいか、その使い勝手がどう変わったのかも体感することにした。

※東京方面から茨城空港に行く場合、石岡の一つ先の羽鳥駅から小美玉市のコミュニティバスを利用する方法もある。土曜日は全線運休だったため、今回は利用できなかった。

鉄道は上野-石岡間を往復するだけで2,980円かかるが、土曜日だと土浦以南が範囲の2,670円の休日おでかけパスも使える。自分の出発地は関東の中でも南側でJR線利用区間が上野発より長いので、この切符を活用することにした。

アクセスの予約(鉄道・バス)
今回は予約なし。
前述のとおり当日に休日おでかけパスを購入し、鉄道で茨城へと向かうことにした。
バスも予約は不要なので、直接バスで支払うことにした。

現地移動の予約
今回は現地の移動はなし。

宿泊の予約
今回は日帰りなので宿泊はなし。


■ここまでの教訓!
休日日帰りなら休日おでかけパス←出発地によってはお得

■今回の予定旅程
01/19 SAT
自宅09:00(JR京浜東北線 等)→10:00上野駅10:30(JR常磐線)→12:30石岡駅13:00(関鉄グリーンバス)→13:30[百里飛行場]16:00(関鉄グリーンバス)→16:30石岡駅16:30(JR常磐線)→18:30上野駅19:00(JR京浜東北線 等)→20:00自宅


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2018年09月06日

いつもおき楽に邦基知る(旅行後)

※2018年12月にアップした2018年9月の旅行記です。

■2018.09 東京国際・出雲・隠岐・美保の旅行後

今回は世界ジオパークの名が付いた隠岐空港を利用しました。隠岐空港は、愛称がただ隠岐をPRするだけのものではなく、空港の自体が珍しい地形に立地している、世界ジオパークの見所のひとつになっていました。
そこで、今回は、ブラタモリばりに、空港の立地や地形など地学的な部分にスポットを当ててみます。
※余談ですが、今年春発行の玉造温泉の公式広報誌「姫神さまのふりぃぺーぱー」37号は、ブラタモリをもじって特集を組んでいました、、、。

■空港は実は地学的に珍しい立地ばかり
地球上の土地はどこだって、地震とか火山の噴火とか水の浸食などによってできた地形です。特に、空港のあるところは、どこも特徴的な地形の場所がほとんどです。このため、特別に取りあげるのも何だか変です。
しかし、空港を利用するときにそんなことを気にしている人はあまりいないでしょう。今回は、そんなところを少しだけ掘り下げていきます。

隠岐空港がユネスコ世界ジオパークの登録地域だということは本文でも触れました。日本にはユネスコ世界ジオパークに登録されている地域が8つありますが、このうち、登録地域のなかに空港があるのは、隠岐と鳥取だけと、かなり珍しいことになっています。

世界自然遺産の場合、空港のような人工開発物は、どちらかと言うと登録の邪魔になることが多いです。例えば、小笠原に空港がなかなかできないのもそのせいです。
ところが、今回の隠岐の事例を見てみると、そもそも火山噴火で貴重な平らの土地があったから、今ここに空港がある、ということを学べます。自然と生活が切っても切れないものだということを気付かせてくれるわけです。隠岐空港は、ジオパークという点では、非常に優れた見学地となっていました。

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隠岐空港はジオパークの重要なポイントとなっています。


隠岐に限らず、空港は広い範囲でまっ平らな空間が必要になるため、造る前に周辺も含めて地形を非常に考えています。特に最近の空港は山の中や海の中に造られることも多く、土地を大規模に改変しなければならないことが多くなっています。空港建設前に、周辺の土地利用や風向きなども必ずチェック。その土地その土地の地形の特性をよく考えなくてはならないのです。

今回訪れた空港を取り上げてみても訪れたすべての空港が地学的に特徴的な場所にあります。
隠岐:本文にも書いた通り、火山噴火による噴出物でまっ平らな土地ができた、島のなかでも珍しい地形の上に出来ています。まっ平らと言っても元の地形に傾斜はあるので造成はしていますが、噴火口跡に挟まれている(そもそもターミナル地区はスコリア丘跡)のがはっきり分かるなど、空港地形の面白さを体感できる空港です。
美保(米子):砂州の中央に位置しています。立地する弓浜半島は、日本最大級の巨大な砂州で、空から眺めても面白いです。空港自体は、砂州とは直角な方向で整備されていて、すぐ日本海側は美しい弓なりをした海岸が迫り、反対側は汽水湖である中海に飛び出しています。
出雲:実は日本ジオパークの「島根半島・宍道湖中海ジオパーク」範囲内にあります。宍道湖に注ぐ河川が造り上げた出雲平野にあります。この平野は、西側では日本海に面しているのに、北側が島根半島の山があり、東側の宍道湖へ川が注ぐ、日本海から分離された盆地のような珍しい地形になっていることでも特徴的です。
なかうみスカイポート:水上飛行機用の離着水施設として、波の荒れにくい汽水湖の中海にあります。日本ではそもそも水上飛行機の離着陸場自体が珍しいですが、汽水湖にある点でさらに珍しさが増しています。ちなみに、プレ営業しているせとうちSEAPLANESの遊覧飛行はその名も「ジオフライト」と地形推しになっています。

今回訪問した山陰の空港はどこも特徴的な地形のところにありました。
隠岐空港は、空港周辺の家々を見てみると、周辺が産地なのか、生け垣の足元を大きな火山岩で囲っている家が多く、空港と生活と地球が密接に関わっていることがよく分かる良い例になっています。

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今回空の上から眺められた美保飛行場と弓浜半島。曲線が美しい半島です。

■全国にたくさんある珍しい地形の空港
隠岐や出雲のようなジオパークほど目立たなくても、特徴的な地形の場所にある空港はたくさんあります。いくつか挙げてみます。

佐渡、大島、南紀白浜:いずれも日本ジオパークの範囲内。
富山:河川敷の上に滑走路・駐機場があります。飛行場や離着陸場では結構見られる形態ですが、空港では国内唯一の存在です。
関西国際:海上埋立地→おかげで今回浸水しました。関空のあと、中部国際、北九州、神戸と海上空港が次々に生まれています。
鳥取:愛称の通り元々鳥取砂丘の領域です。空港南方にある湖山池が空港付近に堆積した砂丘によって海と分離してできた湖として知られています。
岩国:河口の三角洲を活用。旧広島西(現広島ヘリポート)なども同じです。広義では、羽田も似たようなものですね。
佐賀:干拓地。人工で水抜きしてできた珍しい陸地にあたります。
長崎:島をそのまま空港化したもの。関空のような海上空港とは微妙に違います。
上五島:文化的景観の上五島石でできた山の上
鹿児島:平なシラス台地
徳之島:海岸のリーフを活用(直前までの土地活用は塩田)。久米島も同様。
粟国:沖縄では珍しい火山岩の島のなかで琉球石灰岩(珊瑚の跡)に立地

ざっくり挙げてみただけでもポロポロ出てきます。

空港の良いところは、これらの地形を離着陸時に空から高みの見物できることです。これだけは鉄道や車にはできない、空港ならではの楽しみ方でしょう。

ほとんどの人は、普段、あまり意識せずに観光していますが、自然の観光地、いわゆる風光明媚な所は、大規模な地殻変動によって形成された特徴的な所が多いです。空港だって同じく地形が特徴的。であれば、観光をしてもおかしくない所のはず。空港は、実は、地形に興味がなくても、楽しめる、実に魅力ある施設とも言えそうです。

パッと見た目は地形に特徴があまりないけれど、地形が注目された空港に仙台があります。
この空港は、2011年の東日本大震災のときに津波に襲われたのが記憶に新しいのではないでしょうか。この空港が立地しているのは、仙台平野の海近く。海岸は砂浜が続いており、何となく、津波が来そうなことは分かります。
ただ地形をみると、空港付近は、河川以外では最も山側まで津波が押し寄せたことが分かっています。周囲はほとんど標高差が分からない平野が広がっているのですが、空港部分は海岸平野・三角州に当たる地域でした。海岸平野・三角州は谷底平野・氾濫平野よりも微妙に標高が低く、同じ平野の中でも、津波のリスクが高かったようなのです。
周囲より標高が低いのかは分かりませんが、似たように海に近い空港はいくつかあって、庄内、高知などが一例ではないでしょうか。

また、例えば、沖縄の空港は、島自体が珊瑚礁からできた石灰岩の大地であることがほとんどです。石灰岩だから、穴も開きやすく、新石垣には、滑走路下に洞窟もあるほど。ここからは、日本最古の人骨が出たことでも知られています。
こうやってみていくと、地学的に見どころがあるオモロイ空港は探せばいくらでも出てきます。

201809-5c.jpg
河口の三角州にあることがはっきり分かる岩国飛行場。三角形が印象的です。


空港は自然を壊す嫌われものになることが多いですが、空港こそ、自然をしっかり活用していて、自然と人々とを結びつけているとも言えそうです。
空港は、実は、地学的な魅力が満載。あなたの地元の空港も、なぜそこにできたのか調べてみたら、もしかしたら新しい発見があるかもしれません。これを機会にぜひ、地形が特徴的な空港へ行ってみませんか。


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2018年09月05日

いつもおき楽に邦基知る(4日目)

※2018年12月にアップした2018年9月の旅行記です。

■2018.09.04 (松江)→出雲→羽田→(自宅)

■松江でマッタリ
今日は予定外の4日目。
元々3日目に行おうとしていた予定をずらすことにした。

台風はあっという間に北海道へと逃げていき、今日は朝からよく晴れていた。

前日に宍道湖と中海は見て回り、観光に余裕がある。時間はたっぷりあるので、ホテルをギリギリまで満喫し、10時に出発した。

前々回は出雲中心、前回は鳥取中心に回ったので、今回は松江中心に回ることにした。松江の名所だけをゆっくり見られそうだ。

まず向かったのは、松江のメイン観光地である松江城だ。国内に数か所しかない天守が残る貴重な遺産となっている。急な階段をエッチラオッチラ天守まで上ったら、殿様気分で松江の街が一望できた。朝から気温がグングン上がり、とても暑い日になったが、天守だけは強風が吹き抜け、とても涼しい場所になっていた。
その後は、城下町をブラブラ。街ブラで昼食を済ませた後は県立美術館へ立ち寄った。美術館では、展示だけでなく、波の高い宍道湖もボケーと眺められるなど、ゆったりとした時間を過ごすことが出来た。

ただ、ゆったり過ごしすぎたのか、美術館を見終わったらもう15時を過ぎていた。まだ、3か所しか観ていないのに、そろそろ時間が危なくなってきた。あんまりゆっくりしすぎるのも良くないという、ちょうどよい一例だろう。

201809-4a.jpg
松江城は現存天守のひとつ。松江最大の観光地になっている。今日は台風が抜けて良い天気。

■縁結びとは人間の営みだった
せっかく出雲まで来て3か所見ただけで帰るのはもったいない。
付近の観光地を検索したところ、程近くに八重垣神社がある。さらにそこから少し山奥に出雲國一ノ宮の熊野大社があったため、それぞれに立ち寄った。
八重垣神社は、古代結婚式の発祥地で、若い女性に大人気の、縁結びで有名な神社だ。夫婦の木が多数あり、境内には男性のシンボルを模した木製のものがゴロゴロ。縁結びから子孫繁栄までご利益がありそうな感じだった。
一方の熊野大社は、広々とした大社だった。ちょうど意宇川が中流で小さな盆地をつくっているところにある。盆地で平らになったところに鎮座しており 、雰囲気は熊野の熊野大社にそっくりだった。

熊野大社で17時過ぎていたので、ここからは空港へと急いだ。大型農道を通り、再び玉造温泉街を横切りながら、宍道湖南岸に出て、その後国道を西進した。有名な夕日の光景を眺めながら空港に向かうことができた。
縁結びで売りまくっている出雲空港は、縁結びな展示物がまた増殖している感じだった。

それにしても、出雲はとにかく縁結びのイメージが強すぎだ。良縁を求めて、特に独身女性に人気のパワースポットとして紹介されている所が多い。
ところが、出雲の名所に立ち寄ると、独身者にはちょっと恥ずかしくなるような、男女のいわゆる陰な表現に関してオープンな場所が結構多い。八重垣神社に男性のシンボルを模したものがゴロゴロしていることは前述した通りだが、玉造温泉の少し山奥にも、勾玉製作地のすぐそばに珍宝石さんという、シンボルを祀る社があるほどだ。そもそも、玉造温泉の名称の由来となっている勾玉は、胎児を表現したものと言われている。男と女が出会って、することしたら、子供が生まれる。そんな人類の起源を信仰の源にしているから、その表現がオープンになるのはごく自然な話。最終的にこれらが縁結びに結び付くといった具合だろうか。神社は、陰な部分の表現をうまく陽に結びつける役割をしているのかもしれない(そもそも「陰」と考えること自体おかしいのかもしれない)。
ちなみに、県外の人にはあまり知られていないが、玉造温泉は、山側の少し奥まった日陰な場所といった趣の所にラブホ街がある。一方、玉造のメインストリートは、独身者に大人気の温泉街で、町の雰囲気も、日向の場所よろしく、バッチリ明るい雰囲気に造り上げている。そういうところでも、陰陽がはっきり見られるというのは、面白いところだろう。

実は、今日1日観光地を回って、特に、男女と子供の縁結びという考え方の深さを、少し垣間見たような気がしていた。結局、ご縁とは、子孫繁栄に繋がることであり、それは、人間の営みに繋がる
このため、最初はなんだかくだらないと思っていた、この空港の愛称や売り出し方も、間違ってはいないのだと感じることができた。空港こそ、出会いと別れのご縁の場。出雲空港だからこそできる愛称、そんな感じがした。

※ちなみに、ラブホと言えば、地方の空港に行くと、空港周辺に立地していることが結構多い。例えば、山形空港は、ターミナル脇の一番目立つ建物はラブホだったりする。
これにはちゃんと理由がある。
地方に出てきたリーマンが現地で××するために、、、。ではなくて、、、。都市計画の関係上、ラブホは、学校周辺や住宅地などには建てられず、ごく限られた地域でしか建築が認められていないのだが、空港周辺は建てられる地域に指定されていることが多いのだ(騒音とかで街が形成しにくい背景もある)。空港は、こういうことも考えることができるから面白い存在だと言えそうだ。


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縁結び空港は、自動販売機すらも縁結び。出雲だからできる愛称だろう。

■結局混雑する最終便
今回振り替えた最終便は、一時満席表示となったものの、今朝には空席有りの「○」に変わっていた。昨日は結局全便飛んだし、今日も朝から平常運航。だから、振り替えた人は少ないと思っていた。ところが、手続きに行ったら「満席」札が下がるほどの混雑だった。

出雲-東京国際(羽田)線は、最終便の1便前は16時台の便なので、どうも最終便集中型のようだった。

※出雲-羽田線の競合路線である美保(米子)-羽田線は、最終便は羽田到着が22時頃になり、その一便前は18時頃の運航であるためか、最終から一便前の利用が多く、最終便は利用が少ない。片やJALのみの運航、片やANAのみの運航で、とても対照的な運航ルートになっているようだった。

昨日までの台風の影響は一切なく、羽田までは定時運航。一日延ばした旅行も無事終わることができた。

それにしても、今回の旅行では、隠岐で地形から空港の立地を考え、出雲で思想や都市計画から空港の立地を考えた。ご縁の国島根は、そんなことまで考えられるほど、面白い訪問になるようだった。

201809-4c.jpg
出雲に来れば「素敵なご縁をありがとう」が実感できるだろう。


■今日の教訓!
[出雲]縁結びの陰の部分も観光しよう←考え方が意外と深いです
[出雲]ご縁の国へはやはりIZOから←縁結びを体感できます

■実際の旅程
09/05 WED
玉造温泉10:00(レンタカー)→<島根観光>→18:00[出雲空港]
[出雲空港]19:25(JAL286便)→20:45[東京国際空港]
[東京国際空港]21:00(京急線等)→22:00自宅


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2018年09月04日

いつもおき楽に邦基知る(3日目)

※2018年12月にアップした2018年9月の旅行記です。

■2018.09.04 (松江)→出雲→(松江)

■台風通過で空港は閑散
3日目は、本当は最終日になる予定だったのに、台風通過をやり過ごす日に変わってしまった。

起きたときにはまだ雨は降っておらず、本当に台風の影響があるのかどうかよく分からない感じだった。
天気予報は昨晩と大きく変わらず、台風は昼にも近畿を通過しそう。明日の朝には北海道付近まで進むとの予報だ。さらに、島根県の天気は、悪い方に転び、午後に強雨と出た。
飛行機は、羽田線は全便が台風の影響でタダ振り替え可能な状況だったが、運航自体は平常便が連続。なぜか最終便だけが天候調査となっていた。(名古屋線や伊丹線は全欠航だった)

とりあえず、今日中に台風は抜けそうなので、すでに昨日の時点で明日への変更を確定している。今日は天気が持つ間に、軽く観光することにした。

台風をやり過ごす日なので、まずはホテルを満喫し、チェックアウトは最終時刻の10時にした。
朝食の時間帯もまだ雨は降っていなかったが、10時には、雨が降ったり止んだりが始まった。

まずは玉造の温泉街を抜けて玉作湯神社にだけ寄り道し、その後は出雲空港へと向かった。座席指定をするためだ。

空港では、明日の便への正式な変更手続きと座席指定を完了。その後、空港内を見学した。
羽田線は普通に飛んでいたが、欠航便が多いせいか、空港内は閑散としていた。窓口で最終便だけが天候調査の理由を聞くと、出雲ではなく、羽田の強風が原因だという。台風からは、出雲の方が近いのに、羽田の方が危険なのだそうだった。

※この日の夜のニュースでは、お台場辺りが午後7時頃強風であったことが伝えられていた。乗ろうとしていた便は最終的に飛んだのだが、もしも飛行機に乗っていたら大揺れして大変だっただろう。やはり、台風は東側がより危険であることが分かった。

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閑散としていた出雲空港。通常運航していたのは羽田線のみだった。

■台風通過で強風吹き荒れる
空港を出たのは12時半頃。雨は降ったり止んだりで中途半端だったが、それよりも風が強くなってきていた。
その後は、宍道湖北岸を通って松江方面へと向かった。
宍道湖一周はざっくり一時間ほどだ。一周まわるだけでは時間が余るので、さらに遠出して中海にも移動。昨日夜間で見られなかった大根島に寄り道した。

それにしても風が強い。大根島に渡る海中道路を通ったら、波が時々道路に打ち寄せてくる状況だった。
雨はそれほど強くないが、風は強い。湖なのに結構な白波がたっていて、少しずつ不安になってきた。大根島では、由志園に寄ろうと思っていたのだが、このあと風雨が強くなる予報で、島に長くいたせいで、道路封鎖にあって島から出られなくなると洒落にならない。結局、中海の北半分をぐるりと回るだけで、玉造温泉へ戻ることを決定。松江市中海振興多目的施設(なかうみスカイポート)だけに寄り道して、玉造へ戻った。

※大根島付近での風は、台風西側に吹く、吹き返しの北風だった。このため、松江から大根島へ向かう海中道路では道路に向けて波が打ち付けていた。これを先に見てしまったので、島から出られるか不安になってしまったが、北風なので、中海の北岸側では波は全く高くなかった。隠岐で遭わなかった島流しに遭うかとビクビクしたのは杞憂だった。

夕食付きだったので、チェックイン開始の15時と同時にホテルへと入館した。

天候が悪いし、佳翠苑 皆美はとても居心地の良い宿だったので、ホテル滞在をとにかく長くしたが、台風は本当に韋駄天で、18時には玉造も雨がほぼ止んでしまった。

その日の夜はテレビに釘付けだった。
関空で、交通が寸断されていたのだ。滑走路は水浸しで飛行機は発着できず、船は波が高くて運航不可能。地上交通は橋が壊れて通行できない。出入り出来なくなってしまった空港島に多くの人が取り残されているという。要は島流し状態だった。
よく考えてみたら、関空だって立派な離島だ。離島に行くときは、特に天候が悪いとなれば、島流しに備え、事前に食料を多めに持ち込んだり、お金や服を多めに持ったりするだろう。関空もそれが必要だということだ。
自分はなんとか隠岐での島流しは逃れられたが、注目している空港でこんなことが起こってしまうとは何とも皮肉な話だった。

とりあえず、自分は無事に台風をやり過ごせた。
明日に期待しつつ就寝となった。

201809-3b.jpg
なかうみスカイポートに着いたら雨が強くなってしまった。中海も霞んでしまってよく見えない状況だった。


■今日の教訓!
[大根島]風向きにより白波注意←海中道路では波が打ち寄せることも!
[関空]よく考えれば離島です←島流し対策も万全にしておこう

■実際の旅程
09/04 TUE
玉造温泉10:00(レンタカー)→<島根観光>→11:00[出雲空港]
[出雲空港]12:30(レンタカー)→<島根観光>→15:00玉造温泉
(佳翠苑 皆美 宿泊)


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2018年09月03日

いつもおき楽に邦基知る(2日目)

※2018年12月にアップした2018年9月の旅行記です。

■2018.09.03 (隠岐の島)→(西ノ島)→(七類)→美保→(松江)

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島前は西ノ島

■台風早まるも波はもつ
二日目。
今日もまずは天気予報と運航状況のチェックから始まった。
台風は速度が早くなり、5日どころか、明日4日夜にも上陸との予報に変わっていた
当然、今日は、船の運航基準となる波予報も悪くなり、元々1メートル予報だったものが、午後は1.5メートルに変わっていた。波が高くなるのは、明日4日に台風が上陸してからだ。6時半に隠岐汽船の公式サイトは、高速船含め平常運航との告知を出したが、午後までそのままかはまだ信用していなかった。
航空便は、乗る予定の明日4日の飛行機はすべて振替タダの条件付きになった。これで、運航しようがしまいが、振り替えは無料で出来るようになった。台風の進路予測だと、明日夜にぶち当たりそうだから、振替した方が良さそうだ。明日の早い時刻の便に振り替えるか、翌日5日の便に振り替えるかのいずれかだ。
幸いだったのは、台風が上陸直前から、一気に韋駄天になる可能性が高いことだった。4日夜に台風が上陸すれば、5日夜には北海道辺りまで去っている見込みで、明日飛べなくても、明後日5日は確実に飛べそうだ。念のため、一日多く休みを取って島流しに備えていたので、飛行機は翌日5日へ振り替えることにした。

ただ、今はまず、今日の動きを考える方が先だった。
台風は、どう転んでも今日中に本土に上陸することはなさそうだ。最終的にはチケットを買う際に窓口で午後の運航予定を聞いてからの決めになるが、とりあえず今日は島前に寄って最終便の船で七類に行く行程は、そのままで問題なさそうだった。

今日は港から8時半の船に乗るため、7時45分にレンタカー屋が開店すると同時に借りた車を返さなければならない。
そこで、7時に宿を出て、まずは西郷港へ。返却・送迎がスムーズにいかないリスクもあるので、先に船のチケットを確保したかったのだが、窓口が開くのは7時半からだったので断念した。

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隠岐の島中心街である西郷。隠岐汽船が就航する西郷港は、かつて水上飛行機も発着していたメインの港湾だ。

その後、駐車場から車を出し、ガソリンスタンドへ。開店時刻に合わせてレンタカー屋に入った。
レンタカー屋に入ると、同じことを考えている人がいて、一緒に港まで送迎になった。

※レンタカー屋で一緒になった人のは、大阪から飛行機で来ていた人で昨日島に上陸し、今日は島前に行こうとしていたようだ。伊丹から直行便があるせいか、島の観光地はどこも、関西弁の人が多かった印象だった。

港には8時過ぎに無事到着できた。
窓口で午後も平常運航か聞いたところ、「なに寝ぼけたこと言ってんだ」的に、当たり前のように「そうだ」との回答があったので、島前を経由することを確定。とりあえず、西ノ島別府まで2等のきっぷを購入した。
同時に飛行機への切り換えを取り止め。この他、今から高速船で本土に直行など、複数の逃げパターンを準備していたが、とりあえず今日は予定通りで進めそうだ。

船は昨晩から停泊していたため、既に乗船は始まっていた。
2等客室はそれなりに混んでいた。団体ツアー客もおり、一角はツアー予約者専用にされていたほど。一般向けの区画も壁伝いはほぼ埋まっている状況で、通路側しか確保出来なかった。

西郷港を出た船からは空港がよく見える。道後のなかでも結構有名なジオサイトである西郷岬の爆裂火口と空港をデッキで眺めてから、客室へと戻った。

※空港ネタとしては、今出たばかりの西郷港も、これから向かう別府港も、過去に水上飛行機が運航していたことがある珍しい港。空港も海から丸見えで、空港ファンにはちょっと興奮の航路だった。

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西郷港を出てすぐに右側に見えてくる爆裂火口。灯台は西郷岬のもので、空港のすぐそばにある。

■振替は簡単なのに、、、
船内ではスマホ通信・電話ができた。別府港までは約一時間半あるので、暇潰しもかねて、今後の予約を台風を考慮して変更する手続きを船上で済ませることにした。
今朝の天気予報によれば、明日は特に時間が遅くなるほど台風の影響が大きくなるのは確実だ。台風はどんどん速度を上げているので、通過時刻が昼くらいになる可能性もある。午後遅いほど飛ばない可能性が高いし、仮に飛んだとしても台風を飛び越えることになり大揺れだろうから、あまり乗りたくない。一方で明後日5日は台風は去っているのがほぼ確実。さらに明日の出雲地方は、外出しても問題なさそうな曇り時々強くない雨と出た。
初めから4日朝に帰ろうかどうしようかとか、ヤキモキしながら飛ぶか飛ばないか空港で待ったりするのは止めて、明日は屋根のあるところを中心とした出雲観光に費やすことにし、無料で切り替えできる今の時点で、翌日5日最終便への振替を決めた。5日はどの便へも振替可能だが、台風の影響が一番小さくなるはずの最終便に変更することにした。

振り替え方法をJALサイトで調べると、振替専用の予約が何かあるわけではなかった。元々乗ろうとする便の予約はそのままで、とりあえず、振り替えたい便を支払いせずに普通運賃で予約(=つまりダブル予約)しておき、最終的な手続きは、空港のカウンタで行え、と出ていたのだ。乗ろうとしていた飛行機が飛んだ以降に振り替える場合も事前手続きはそれだけで良いらしい。そこで、とりあえず残り三席となっていた5日の最終便を予約した。ところが、JALパック(ダイナミックパッケージ含む)の場合は、特別な手続きとして、ツアー窓口に連絡を入れろと注意書きが出た。

JALパックは、ネットで連絡できる問い合わせフォームがあるので、それで連絡すれば良いのだが、セキュリティ設定が合わないのか、なぜか自分のスマフォからはアクセスできない。このため、何度も電話をかけ、30分以上呼び出し中のコールのまま待って連絡をつけた。
ところが、やっと出たオペレーターからは予約番号や変更予定便のデータは一切聞かれず、「その通りの予約で大丈夫です」と案内されただけで終了してしまった。営業トークの上手な人なら、「では、延泊となる明日4日夜のホテル予約はどうしましょう」くらいの提案があってもいいところだが、そんなことも一切なし。こっちは電話賃かけて小一時間待たされたのに、電話した意味は全くゼロだった。こんなんだったら、連絡しろと告知しないでほしいところだった。

※那覇便とかでも、台風の時は、何でもない平日の翌日便がすぐ全便満席になり、実際の運航前に○になることがあるが、ダブル予約できるなら納得。何便も予約する人がいるのだろう。実際今回も、3日朝の時点で、4日の便はほぼ△(最終便は残3、最終一便前は×)だったのだが、5日朝になったら○の便が多くなっていた。
台風が不安なときは、正規の予約のほかに予め複数便をしておいた方が振り替えはしやすくなる。ただ、3つも4つも予約を取るのはマナー違反だから、その辺の天秤は難しいところだろう。


ひとまず飛行機の振り替えは完了した。座席だけが、搭乗二日前だと空港持ち席になってしまい、購入後でないと指定できなかったため、充分時間を確保できる明日に空港で発券してもらうことにした。

もうひとつ困ったのは、レンタカーの予約だった。今日の夜から明日4日18時半までの予約にしていたため、飛行機を変更することを決めた時点で、返却場所をホテル近くに変えるか、もしくは5日まで延ばさねばならない。
電話して確認したところ、車のサイズがひとつ大きいなら、期間を延ばすのが可能とのことだったので、それで変更し、5日の18時半まで借りることにした。

JALパックへの電話に小一時間かかったせいか、レンタカーの電話が終わったら、すぐに西ノ島の別府港に着いた。

※電話に時間がかかったせいで着岸の様子を見そびれてしまったが、西ノ島の前に中ノ島の菱浦港に停まっていた。大勢いたツアー客は菱浦で降りているなど、人気の高い島だったようだ。
今回、二日目は中ノ島と西ノ島の二島訪問も検討したのだが、島前での滞在時間が五〜六時間しかなかったために断念していた。
ツアー客が大勢降りた中ノ島は海士町という観光に熱心な町の島で、最近色々注目を浴びているらしい。しかし、事前の調査で西ノ島や知夫里島の方が大自然を満喫できそうだったし、西ノ島の方が大きかったので、自分は西ノ島訪問を選択した。ツアー客は、中ノ島だけで済ますか、もう一泊しての訪問なのだろう。この船に乗っているということは、確実に昨日の時点で島後にいたということになるから、離島を3日以上かけてまわるツアーなのかもしれない。
船のダイヤがもう少し便利になると良いのだけれど、、、。


西ノ島では、港の別の桟橋の付け根にあるくにがレンタカーを利用した。降りている人もそれほど多くはなかったし、レンタカー屋に向かっている人は誰も居ない。相当空いてる暇なレンタカー屋なんだろうなと思っていたのだが、レンタカー屋に着くと、「本日満車」の札が出ていた。早めに予約をしておいて正解だった。

201809-2c.jpg
くにがレンタカーのある桟橋付近は水上飛行機の発着地だったようで、陸側にある店の前に案内の看板があった。

■食事で時間を食い、道に迷って時間食う
車を借りてまず向かったのは、舟引運河だ。
通常の回り方であれば、遠い方から回りはじめて、徐々に港へ近づいて来る方がリスクが少なく、効率が良い。しかし、事前のネットサーフィンでは、良さそうな食事どころが見当たらず、今回、朝飯も兼ねた昼飯を港近くの食堂で食べることにしていた。島にはいくつか食堂があるが、手持ちの観光ガイドによれば、どの食堂も開店は早くても11時。行こうとした店の開店は11時半だった。このため、港から付かず離れずのところから見て回った。
開店と同時に食堂に入って食事。本格的に島観光を始められたのは、12時半くらいだった。この時間をうまく調整できるともっと早く島を回れるのだけど、、、。

西ノ島の観光地は国賀海岸(摩天崖、通天橋、赤尾展望台)がハイライトで、それに鬼舞展望所焼火神社位だ。あとは通り道に隠岐國一の宮の由良比女神社、港付近に黒木御所がある。
レンタカー屋で渡された地図ではこれら主な観光地に番号が振られていて、番号順に回ればうまく観光できるようになっていた。

ちなみに、車にカーナビは付いていなかったのだが、代わりに村が用意したというスマホ端末を渡され、そのアプリがナビをしてくれた。走行しながら、場所場所で観光案内音声が流れるなかなかの優れもの。それぞれの名所でかなり詳しい解説をしてくれるものだったが、実際使ってみると、意外と使いづらかった。
スマホ音声ナビが使いづらかったのは、現地の道路看板と地図の存在、そして普段のカーナビの使い方が原因だった。
今回西ノ島の道路事情と観光地の位置は大雑把に頭に入れていた。このため、だいたいこのくらい走ったら右折だ、といった程度でしか考えていなかった。観光地名は覚えていたが、地名までは頭に入っていなかったので、音声が「○○地区へはここを左です」と言っても気が付けなかったのだ。
まず間違えたのは舟引運河方面へ曲がる交差点。港から浦郷までの約3分の1、浦郷手前の橋までの半分くらいの距離のところで右に曲がる必要があったのだが、その交差点を失念。妙な左カーブ後に橋の手前のトンネルが見え、その手前の交差点に「右 市部」と書かれた看板があったことで気が付き、少し遠回りして運河に行くことになってしまった。
さらに、鬼舞展望台への曲がり角を間違えた。事前に渡された地図には、由良で国賀海岸方面と道が分かれたあと、赤尾展望台も鬼舞展望所も同じ道で右折するように書かれていた。しかし、その交差点の数百メートル手前に赤尾展望台に短絡できる右折路が実は存在。現地の案内看板に、右折するよう案内が出ていたので、そこで曲がってしまった。尾根道へはいずれも出られるので、大きな問題ではないのだが、当然正しい曲がり角ではないので、音声案内はなかった。
日頃からカーナビに慣れているせいか、やはり細かい部分は音声だけでは理解できず、地名は覚えきれない。かつ現地の案内看板と、カーナビに表示されているリアルタイム地図にかなり頼っていることがよく分かった。昔なら事前に紙の道路地図と見比べながらカーブの状況とかを想像力も働かせながら把握していたが、デジタル化が進むと感覚が退化してしまうものだ。
空港の案内などでは、地名ではなく観光地名で案内されていることが多いが、なんとなく納得だった。

※カーナビと言えば、一日目の島後でもそうだったのだが、恐らく一番便利な使い道はクネクネ山道の走行だ。この先、どのくらい先にどういうカーブがあるか、はっきり分かるので、見通しが良くなくても予測運転しやすい。元々軍需で発達した技術だが、数メートルのずれもないこのシステムと、それにあわせた地図を作り上げた人は本当に凄い。

赤尾側に先に来てしまったので、まずは赤尾展望台に寄り道。その後は、鬼舞、摩天崖、通天橋、由良比女神社と見て回った。

※赤尾展望台は、展望台から歩いて5分ほどの手前に駐車場がある。が、地元の人も小型の観光バスも、展望台の目の前まで車を乗り入れていた。

時間があり、上下送迎が上手くつけられるのであれば、摩天崖から通天橋までハイキングするのも良いだろうか。今日は、レンタカーで、かつ時間もなかったので、ハイキングは初めからする気はなかった。
摩天崖と通天橋は、さすがメイン観光地だけあって、何台も車が来ていた。港でも舟引運河でも食堂でも赤尾でも鬼舞でも観光客をほとんど見なかったのだが、こんなにレンタカーを借りている人がいたとは、、、。満車であるのも少し納得だった。

それにしても今日は暑すぎる日だった。太陽光が燦々と降り注ぎ、気温も30度超え。外に出たくない陽気だった。しかも、中ノ島の観光地はどこも日陰が少なく、いずれの箇所も早々に退散することになってしまった。
それでも時間は結構ギリギリ。最後に、島前を造った焼火山の火口近くにある焼火神社に寄りたかったのが片道歩きで20分ほどかかるとのことだったので、結局時間がなく断念。
船に乗り遅れてはまずいので、さっさと港へと戻ることになってしまった。
食事の確保に結構時間を食ったので、もう少し島滞在時間があれば、、、と強く思う訪問だった。
で、レンタカーは軽自動車を6時間契約だったが、ガソリン代なども含み結局7000円ほど取られてしまった。もしかしたら、観光タクシーの方がお得かもしれないと思うほどだった。

※西ノ島は、いずれの箇所も、牛と馬が放し飼いにされているので、道も草地も観光地のあずまやも、糞だらけになっている。駐車場も糞が多いので、(特に出来立てホヤホヤのは)踏まないように注意が必要だ。

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西ノ島の別府港。こちらも水上飛行機がかつて発着していた。左側の桟橋がフェリーの発着場。右側の小さな桟橋が古くからあるもので、水上飛行機もこちら側の浜から発着していたそうだ。現在は、観光船のりばになっている。

■船を快適に過ごせても、連絡バスは満員で不快
西ノ島からは、16時前に出発。西ノ島からは20人ほどが乗船した。
この船は、朝に七類を出て、島後を経由、中ノ島で二時間停泊し、この西ノ島に寄って再び七類へと戻る便だ。島後をこの便よりも遅く出て七類に20分早く着く便があるため、島後から乗って七類まで行く人はいない。中ノ島からの乗客ばかりのはずだが、2等客室は足の踏み場もないくらい混雑していた
今回、本土までの2時間半は、少しでも快適にしようと、特2等客室にしておいたのだが、結果は正解だった。

※特2等は、2等の1.5倍程の運賃をとられるのだが、見た感じは2等そっくりの客室なので、何のために等級分けしているのか最初は全く分からなかった。しかし、乗ってみたら、広い客室に客は5人だけ。要は、普通の船なら前後に2等を配置するところを片方特2等にしただけのこと。片方は芋洗い、片方はノビノビし放題として、快適さを売る客室になっていた。

2時間半あったのに、移動は爆睡していたら、あっという間だった。

本土側の到着は七類港だ。
ここからは連絡バスに乗って美保飛行場(米子鬼太郎空港)に向かう。境港に着いてくれれば、鉄道でも向かえるのだが、七類からの交通手段はこのバスしかない。
境港駅前、米子空港、米子駅前と経由するバスは普通の路線バス仕様。20分前に到着した、島後からのフェリーの客を既に乗せていて、立ち客も出るほど混雑していた。前回同じバスに乗ったときは、観光バス仕様の松江方面のバスは激混みだった一方で、米子方面はガラ空き、そもそも、島前からの船からはほとんど客が居なかった。ところが、今日は乗車する客が多かった。フェリーを降りたのが真ん中ぐらいの順番だったので、自分はなんとか座席を確保出来たが、チンタラしてたら30分近く立ったままになるので、危なかった。

船は快適なのに、連絡バスがこれでは、台無しだろう。

201809-2e.jpg
七類港。面白い形をしたターミナルが目を引くが、接続バスはすぐに出発するので寄ることはできない。

船に接続するバスは、船が17時55分到着であるのに対し18時ちょうど発だ。船からバス乗り場までは、桟橋を通った後の階段が直接下りるようにはなっておらず少し遠回り。5分での乗り継ぎは結構厳しい距離がある。
しかし、バスへの乗車の様子を見ていたら、人の波がまだあるにも関わらず、バスへ来る人がちょっと途切れた途端に出発してしまった。
自分は真ん中ぐらいで出てきて、バス乗り場の位置を事前に把握していて真っ直ぐ乗り場に向かってきた。そんな自分が乗ってからも1分も待っていなかっただろうか。
航空便接続のバスもそうなんだけど、確かに待たせ過ぎるのは避けたいけど、港に着いてから売店や飲食店に寄るのはおろかトイレにすら行く暇もないのは、ちょっと考えもの。特に船は船酔いする人も多くて、降りてからでないとトイレに行けない人も多いのだから、もう少し時間に余裕がほしいところだった。

※七類からの最終の連絡バスは、かなりセカセカ出発するわりに、18時のバスは、境港駅での鉄道への乗り継ぎはギリギリとなっている(平日は18時18分発、土休日は18時22分発)。ダイヤ上は15分で境港駅前のバス停に到着できるので、本来は接続できるはずだが、信号待ち等が長かったり渋滞したりするときや鉄道切符買うのに時間がかかると到底乗り継げない。境港乗り換えでの鉄道利用を計画に入れ込むかどうかは考えものだ。今回も駅前到着時には電車が停まっているのが見えていたが、駅前を出発して港の前をグルリと回ったときにはもうホームから消えていた。きっぷを買っていたら乗り遅れてたくらいのタイミングだった。

空港には18時半前には着けた。
まずレンタカーカウンターへ行ったら、すぐに駅方面にある一時保管場所まで連れていかれ、貸し出し完了となった。

ちょうどレンタカー保管場所へ向かう通路で、境港駅で見た電車から降りてきた利用者が十人ほど見られたので、鉄道よりノンストップのバスの方が早く着くようだった。

レンタカーを受け取ったあとは、そのまま宿泊地の玉造温泉へ向かっても良かったのだが、今はまだ夕食前。街の中で美味しい店にありつけるかも分からないので、空港内の飲食店で食事をし、合わせて軽く館内を見学した。
米子は既にリニューアル後に一回来ており、国際線チェックインカウンタ以外大きな変化はなかったので、見学しなくても良いくらいだった。が、釣り下がっている鬼太郎のデザインが変わっているなど、細かいところは色々変化していた。

201809-2g.jpg
米子空港では吊り下がっている鬼太郎も2016年に変更されていた。鳥取らしく大風呂敷を広げた広告も松江まで広がりを見せていた。

■温泉でゆっくりする前に宿予約
食事したあとは、レンタカーで出発して玉造温泉へ。玉造までは一時間ほどで到着できたが、結局ホテルのチェックインは20時を過ぎてしまい、街散策にも出ずじまいとなった。

部屋に入ってからテレビで台風の最新進路を確認すると、当初より西寄りコースに変わっていた。一時、東海に上陸するかもという予報もあったほどだが、結局、松江にいる自分にはあまりよろしくない、四国上陸でほぼ間違い無さそうになっていた。さらに、動きが加速しており、明日昼にも、四国から能登辺りに向かって近畿を斜めに縦断する予報に変わっていた。
松江の明日の天気も、今朝までは曇り時々雨予報だったものが、曇り後強雨予報に変化していた。もしかしたら、明日は外に出るのも難しい状況になるかもしれなかった。

さて、あとは風呂に入って寝るだけ、、、としたいところだったが、明日のホテルをまだ予約していない。
二連泊できるかフロントに聞いたら無理とのことだったので、楽天トラベルで予約することにした。同じホテルの別の部屋はヒットしたものの、同じホテルで過ごすのも何だかつまらないので、豪雨で移動できないことも見越して、同じ温泉街の別の宿、佳翠苑 皆美(自動的に夕食付き)を予約した。

台風がどう影響しても、10時にはチェックアウトしなければならず、次の宿のチェックイン時刻は15時以降だから、どんなに少なくとも五時間は外にいる必要がある。屋内観光地を中心にまわることを頭に入れつつ、回り方を明朝よく考えることにした。

201809-2f.jpg
米子空港ではターミナルリニューアルが始まっていた。来年7月に完成予定だそうで、デジタルサイネージに案内が出ていた。


■今日の教訓!
[隠岐]空港は島前-島後の船から眺めるべし←空港に火口に、トカゲ岩までひと目の中に!
[中ノ島]ドライブして名所まわるだけなら3時間〜4時間←満車に要注意
[中ノ島]観光タクシーも選択肢←レンタカーは意外と値が張ります
離島では食事の場所に要注意←なかなか見つからないこともあり
[隠岐汽船]快適さを求めるなら特2等がお手頃←2等は激混み、特2等は激空き
[隠岐汽船]連絡バスにはすぐに行こう←すぐ発車するのでさっさとバス乗り場へ

■実際の旅程
09/03 MON
隠岐の島・西郷港08:30(隠岐汽船 フェリーしらはま)→10:05西ノ島・別府港
西ノ島・別府港10:30(レンタカー)→<西ノ島 島内観光>→15:00西ノ島・別府港
西ノ島・別府港15:45(隠岐汽船 フェリーおき)→17:55七類港
七 類 港18:00(日ノ丸自動車)→18:26[美保飛行場]
[美保飛行場]18:30(レンタカー)→20:00玉造温泉
(曲水の庭ホテル玉泉 宿泊)


posted by johokotu at 21:00| 東京 ☀| Comment(0) | ◆旅行記 | 更新情報をチェックする