2019年09月05日

深夜空港でDREAMS見た(旅行前)

※2019年10月にアップした旅行記です。

■2019.09 鳥取・但馬・関西国際・中部国際の旅行前

■余った18きっぷ+飛行機で山陰へ
先週に引き続いての空港訪問。今週は余った青春18きっぷ活用して、土日に鳥取+但馬を回ることにした。歳をとってしまったせいか、最近18きっぷの鈍行移動は身体への影響が大きい。翌日月曜日は、予備日も兼ねた一日休息日のつもりで、有休をとった。
18きっぷは三枚目と四枚目の使用だから、一日分余るが、充分元は取れているので、敢えて月曜日まで旅程には含めなかった。しかし、今回はこれが大きな効果を発揮することになるとは、予約の時は知るよしもなかった。
詳しくはそれぞれの日の記事に書くとして、二日間の訪問では、片道はどうしても飛行機に頼らざるを得ない。飛行機はとにかく早く予約しないと値段が高いので、早めに予約をかけた。

※東京-鳥取間は、行き来するだけなら飛行機を使わなくても鈍行で二日で往復可能です。


今の時期はムーンライトながらが運行していないので、一日目の朝に関西にワープするという芸当は不可能になっている。このため、土曜は五時間動けずに無駄になる行程になってしまう。一方、帰りの日曜は24時台まで丸々使える。
飛行機は東京国際(羽田)→鳥取は六時台から飛んでいるが、鳥取→羽田は19時55分羽田着とかなり早い。行きは電車とあまり変わらない動き始めで、帰りは電車よりずいぶん早く終わりなので、休みをフル活用するなら、行きを飛行機、帰りを電車とした方が良い。
イメージとしては、初日朝鳥取に飛び、午後に但馬(あるいは朝但馬、午後鳥取)、夜に神戸〜名古屋辺りまで戻り、翌日一日かけて東京に戻るつもりでいた。二日目の帰り途中に福井か、名古屋、中部国際(中部)、静岡のいずれかに寄れれば御の字で、関西国際(関空)か中部に泊まれば、空港見学できる上に宿泊費も削減できて一石二鳥な行程にできそうだった。

ところが、細かいダイヤを考え始めたら、意外と行程を組むのが難しい。
山陰線が思ったほど便数がなく、まず、但馬→鳥取→関空か中部へ鈍行移動という訪問は無理だった(だいたい、鳥取→大阪に行くときに再び豊岡を通るので効率も悪い)。鳥取→大阪の移動を深夜バスにすれば行けないこともないが、空港に泊まれない、バス代がプラスでかかる、そもそも羽田→伊丹→但馬の航空運賃が羽田→鳥取より高い、現地に着く時刻が鳥取便より二時間遅い、空港に降りたあとに空港見学するので豊岡駅までの足がないなどデメリットだらけだ。
そのため、ほぼ自動的に鳥取→但馬→関空か中部へ、の移動となった。が、この場合も、但馬飛行場に行くのにタクシーを使用しなければ、豊岡を出られるのは、どう頑張っても夕方。格安旅行でタクるのもバカらしいので、それは無しにすると、初日中に中部への到達は不可能だった(名古屋市内までは行ける)。泊まりは関空で確定だ。

で、二日目の訪問先を検討したが、関空スタートなら、東京へ帰る途中で、大阪圏や東海道沿線の空港に寄ることができる。しかし、名古屋と神戸は昨年、大阪国際と静岡は今年春と、近年行ったところばかり。昨年FLIGHT OF DREAMSが開業している中部にここのところ行けていなかったが、第2ターミナル開業直前となんとも間が悪い。それでも、中部なら、関空を始発で出れば10時過ぎには着けるので、二、三時間楽しんだとしても、まっすぐ帰れば21時くらいには東京に帰り着く。
二日目は中部に寄ることにして計画をたてた。

アクセスの予約(航空+鉄道)
往路は羽田→鳥取の航空券確保が必要だ。近年はインバウンドと機材小型化の影響ですぐ予約が取れなくなるので、一か月前より前に予約を完了し、国際線用の安い運賃(1万円ほど)で確保した。
東京→鳥取は夜行高速バスという手もあるにはあるけど、値段は1万円超えで、鳥取到着時刻も飛行機とあまり差がない。空港見学という目的も相まって、飛行機がベスト選択だった。
18きっぷはこの前の週で使う余りを活用するので、新たな購入は無し。途中予約が必要な電車に乗る予定もないので、事前準備は完了となった。

現地移動の予約(鉄道)
現地の移動も基本JR線での移動。こちらも予約が必要なものはなかった。

※ただし、今回は旅行中に行程変更が生じて高速バスを使ったので、旅行の最中に別の事前予約を入れている。

宿泊の予約
宿泊は、空港見学+深夜帯の実態調査を兼ねた関空宿泊なのでホテルなどは取らなかった。

18きっぷと飛行機を組み合わせるのは久しぶり。天候だけは荒れないよう願いながら一か月待つことになった。
■ここまでの教訓!
ANAなら国際線運賃も検討しよう←購入条件には要注意ですが、、、
[鳥取]朝も早けりゃ夜も早い←最終便の乗り遅れに要注意
山陰線は少数便←上手く乗り継がないと長時間待ちになります

■今回の予定旅程
09/07 SAT
自宅04:30(京急線等)→05:30[東京国際空港]06:40(ANA293便)→07:55[鳥取空港]10:00(徒歩)→10:30鳥取大学前駅11:00(JR山陰本線)→11:08鳥取駅11:09(JR山陰本線)→11:52浜坂駅12:07(JR山陰本線 快速)→13:16豊岡駅13:30(レンタサイクル)→14:00[但馬飛行場]16:00(レンタサイクル)→16:30豊岡駅17:33(JR山陰本線)→18:06和田山駅18:25(JR播但線)→19:19寺前駅19:25(JR播但線)→20:09姫路駅20:16(JR山陽本線 新快速)→21:18大阪駅21:25(JR阪和線他 関空快速)→22:30[関西国際空港]
(関西国際空港 調査見学兼ねた空港内野宿)
09/08 SUN
[関西国際空港]05:54(JR阪和線他 関空快速)→07:02大阪駅07:15(JR東海道本線 新快速)→08:41米原駅08:46(JR東海道本線)→09:19大垣駅09:26(JR東海道本線 特別快速)→10:04金山駅10:19(名鉄常滑線 準急)→11:03[中部国際空港]14:17(名鉄常滑線 特急)→14:49金山駅15:05(JR東海道本線 快速)→15:57豊橋駅16:00(JR東海道本線)→16:36浜松駅16:38(JR東海道本線)→19:14熱海駅19:27(JR東海道本線)→20:41横浜駅20:50(JR京浜東北線等)→22:00自宅

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2019年09月02日

日本国を感じる空港見学(旅行後)

※2019年10月にアップした旅行記です。
旅行前1日目2日目/旅行後

■2019.08・09 新潟・庄内の旅行後

今回の空港見学旅では、新潟空港からの帰り道、バスのなかで迷った中国人に遭遇しました。
近年訪日外国人が急増していますが、その玄関口はほとんどが空港です。空港を取り上げる身としては、これは避けては通れない話題。
そこで今回は、訪日外国人が日本を旅する上での公共的な問題点について、軽く取り上げてみます。

■ちゃんと調べてきていた中国人
今回中国人に遭遇したのは、空港入口バス停から乗った、空港は一切関係ない路線バスの中でした。中国人は、大きなキャリーバッグを持っていて、何故かわざわざ空港から歩いてきて、このバスに乗っていました。

本文でも書いた通り、この人は、乗車票も取らずに乗車したあと、動き出したバスの運転手に何やら紙と一万円札を示して中国語で話しかけています。運転手は中国語が分からないので話は通じず、結局何も解決せずに、中国人は交渉を諦めました。
で、自席に戻ってきたあと、地元のジジババしかいない路線バスの車内で唯一の若造である自分に声をかけてきたのです。

運転手に示していた紙には、経路検索結果のようなものが印刷されていました。書かれていたのは、全て中国語。喋ってくるのも全て中国語。流石に中国語は分かりません。
しかし、中国人が指差して話してくるので、示された紙の指差された箇所を少し読み込んでみると、書かれた簡体字は、バス停を示しているようで、辛うじて「新潟日報○○○○○○○」のように読めます。調査のためにバス停に貼ってあった路線経路図をたまたま撮影していたので、記録画像を見てみると、途中に「新潟日報メディアシップ」なるバス停があり、他に近い名前のバス停はなかったので、恐らくそこで降りたいのだろうと推測できました。韓国語とかだったら完全アウトでしたが、簡体字とはいえ漢字なので、なんとなく理解ができました。

そう、この中国人は、運転手に、降りたいバス停までの行き方を尋ね、唯一持っている日本円の一万円札で料金支払いをしようとしていたわけです。

示された紙には、新潟日報メディアシップの次に最終目的地も書かれていたので、この中国人は、バス停を降りたあとも迷いそう。
信号停車中に、運転手に、たぶん当該バス停で降りたいことを伝えて 、一万円両替できないことを確認。さっきのバス停でこの中国人が乗車票を取り忘れていることを説明しました。その上で値段を聞いて降りる準備だけしておき、よく分からんこの中国人を連れて一緒に降りることにしました。

一万円札しか持ってないから、バス代を代わりに支払って一緒に下車(後で20元をいただきました)。そこで、最終目的地について、日本語か英語表記のものがないか、あるいはマップがないか片言英語で聞いてみたら、別に持っていた予約票に英語表記があり、ANAクラウンプラザホテル新潟に行きたかったことが分かりました。後で調べたら、中国語だと、ANAの文字すらなく、「皇冠假日酒店 新泻」なので、さっぱり分からなかったわけです(今となっては「新潟」だって分かるか怪しい、、、)。
私自身も地元民じゃないので、この周辺のことはさっぱり分かりません。Googleマップ検索したら、歩いて数分のところにホテルがあることが判明。一緒に歩いてホテルまで連れていったという顛末でした。

渋滞にはまるのが怖くて、かなり早めに新潟空港を出たので、乗る電車まではまだまだ余裕。バス車内で新潟日報メディアシップで降りてから駅まで歩いて10分ほどであることを確認できていたので、たまたま対応ができました。

■案内表示に外国語を表示する重要性
たったこれだけの事例ですが、今回の事例では、インバウンドが急増するなかでの問題点と助かった点がいくつも隠れていました。ざっと上げてみると、以下のようなことでしょうか。

・案内言語の問題
(1)運転手の語学力というか案内力
(2)案内の言語表記
・情報入手の問題
(3)交通検索結果
(4)WiFi接続環境
・支払決済の問題
(5)両替対応
(6)運賃の決済方法


まず、大きく立ちふさがるのは、やはり言語の壁です。これは、日本の母国語がローカル言語の日本語ですから、なかなか解決が難しいところがあります。例えば(1)については流石に運転手に中国語もしゃべれるようになれとは言えないでしょう。そういうことは、C-3POがやれば良いわけです。(最近ではポケトークみたいなのもありますね。)
それでも、バスの運転手なんだから、どこのバス停を通るかは把握しており、類推はできるはず。そのくらいの想像力と対応力はつけてほしいものです。

ただ、これらの解決策が、係員の能力や翻訳機頼みというのも考えもの。運転手が話せないなら、表示でフォローできるよう、表示を工夫することでの改善は図ってほしいところです。
その際、(2)でどこまで対応すれば良いのかという問題に直面してきます。

今回利用した新潟空港の場合、往路で利用したリムジンバスでは日英中韓露の五か国語での案内がなされていました
しかし、復路で利用したバスは、普段は訪日外国人が乗ることなどほぼない片田舎の路線バスですから、日本語でしか案内がありませんでした。こうなると、訪日外国人は自分では見て確認できず、人に聞くしか方法が無くなってしまいます。
で、話を聞きにいったけど、中国語しか分からんから、運転手と会話もできなかった、というわけです。

この言語問題については、自分は海外の国で、外国人として体験したことがあります。

一例目は、昨年冬季オリンピック観戦で韓国に行った際。
ソウルの街中は韓国語だけの案内ばかりで、非常に困りました。韓国人は英語を喋れるので、普通に街中にも英語があふれていると思い込んでいました。ところが、街中にはよう分からんロト7みたいな文字しかないから、何が書いてあるのか全く把握できないんです。何の表示か想像するのは、本当にロト7のような賭けみたいなものでした。
恐らく今回の中国人も同じ感覚なのでしょう。この人が行きたかった目的地はことごとく漢字ではなく、カタカナでしたから、、、。

二例目は、数年前にスイスに行ったときのこと。
この国は四か国語が公用語になっていて、公共交通機関の案内は、四か国語とさらに英語での案内がなされていました。
公用語の各言語を自分は全く知らないですが、英語ならかじっているので、見るだけでも判断でき、時には英語のできる係員に片言英語で問い合わせをしながら、迷うことなく比較的快適に旅行ができました。
(スイスは日本語で案内を流す鉄道もあります)

今回たまたま関わったのは中国人でした。中国人は漢字が分かると言っても、簡体字や日本語と全く異なる発音を使うので、日本語とは全く別の言語のユーザーと言っても差し支えない人たちです。そんな中で、なぜか中国人は中国語しか使わない人が多いです。恐らく中国語が世界で通じるグローバルな言語だと思っているんでしょうが、、、。せめて世界的に使われている英語表現が分かれば、多少の意志疎通ができますが、中国人の場合、片言英語や英単語すらも通じないことが多いので、毎回意志疎通に苦労します。今回も、例に漏れず、中国語しか分かっていない人でした。

日本語もグローバルな言語ではなく、外国人から見たら意味わからん象形文字でしょう
バス停にある路線図は日本語だけ、バス内の案内も日本語だけ、バス停を降りても周辺案内すらない。自分が逆の立場だったらさっぱり分からんとなります。韓国で自分が体験した韓国語に対する感覚とほぼ同じというわけです。

こうやって考えると、日本語以外で何かグローバルな言語での案内を出すことは結構重要で、そこで参考になるのがスイスというわけです。

案内を出すなら、何語か。
世界全言語を網羅するなど不可能ですし、表示できる領域は限られるので、言語を絞る必要があります。バスの案内なんてスペース的には日本語+一言語くらいでしょう。
日本の場合、隣国で訪日客が多い中国語や韓国語での表示が最近増えていますが、これらの言語はあくまでローカルな言語。新潟空港で出ていたロシア語も、東京国際空港等では使われておらず、どちらかというとローカル言語でしょう。世界には、フランス語やスペイン語等を使う人も多いですが、新興国等で新規導入して使われることが多いのは英語(シンガポールが一例)。英語だって万能ではありませんが、欧州でも、米国でも、オセアニアでも使われている英語が一番話ができやすいのではないでしょうか。
(こういう時のためにエスペラントがあるんだと思うんですが、英語ほどは普及していませんね。)

日本の場合、大正時代の街の映像を見たって、英語は普通に店の看板とかで使われていました。現代の街中でも店名を横文字にする所は多いですし、そもそもグローバル思考のジャパニーズはカタカナ用語で和製英語を使いたがります。ペンとかパイナポーとかも分かります。となれば、公共交通機関が英語を使うのには、違和感を持つ日本人は少ないはず。
最近は中韓を表示させるのが流行っていますが、公共交通機関には、そこまでしなくても、せめて日英で案内を出せるようにはしてもらいたいものです。日本人のほとんどは、少なくとも中学校で基礎的な英語を習っているはずですから、片言英語(単語羅列くらいでも)は喋れるはず。運転手だって簡単なバスの案内くらい出来ますし、聞く客も英語が母国語でなくても理解できる確率が、中韓を出すよりは大きいのではないでしょうか。

最近の良い事例として、JR東海の、英語での生の案内放送が挙げられるでしょうか。
これに対して聞き苦しいとか、(下手で)恥ずかしいといった否定的な意見もあるんだとか。
しかし、渡航してきた身からしたら、下手でも片言でも、グローバル言語で案内がある効果は図りしれません。人間バカではないですし、そもそも個人旅行で海外旅行をするほどならある程度の知能のある人たちなのだから、下手な英語でも、読み取ったあるいは聞き取ったことを踏み台に、こういうことを言いたいのかな?と類推できます。踏み台が全く無いのとわずかでもあるのとでは、雲泥の差です。

201908m.jpg
新潟空港リムジンバスで出ていたロシア語の案内。所要時間25分などの案内です。ロシア人はひと安心ではないでしょうか。


■簡単に情報入手できるのもまた問題
次に見えた問題点は情報の入手という点です。

最近はネットの発達で、事前に、現地の調査を、それぞれの母国語で簡単に、そして、かなり詳細にできるようになっています
今回の中国人も、路線検索のようなもので、空港からホテルまでの経路を検索していました。ところが、この検索がかなり細かいところまで網羅しすぎていたために、「空港から空港入口バス停まで歩き」「バスで新潟日報メディアシップまで乗り」「その後歩いてホテルへ向かえ」と出てきていました。
そのため、この中国人は、地元のジジババしか乗らないような、日本一色の路線バスに日本到着後すぐ乗ることになってしまったわけです。

カーナビに沿って行ったら、離合もできないようなスゲー小道を誘導されることが時々ありますが、それと同じです。
そこで、うまくフォローできる能力(小道の例で言えば車をうまく切り回せるかなど)が皆に備わっていれば問題ないですが、現実にはそう簡単にはいきません。今回の中国人も、地図は持っておらず(情報統制が厳しい国なので日常的に地図を見る機会が少なく、地図を見ようという発想にならないのかな?)、検索結果も母国語の中国語のみでしか情報を持っていませんでした。結果として、じっくり調べてきたのにワケわからんという非常に残念なことになってしまっていました。

そもそも検索ができなければ、この人は、中国語が通じる空港案内所で行き方を尋ねたかもしれません。
検索が粗ければ、地元の路線バスなどはヒットせず、空港からリムジンバスに乗れ、となります。そうなれば、他に同じ飛行機に乗ってきた中国人もいたでしょうし、案内も中国語が出てくるのでまだマシ。とりあえずリムジンバスで駅前まで行ってから、そこでとりあえず案内所に聞くべという感じになったかもしれません。
非常に細かい所まで検索ができてしまうから起こってしまった事例と言えます。
(3)の交通検索結果の出し方は、意外と気を付けないといけない要素であることに気付けます。

じゃあ、そんな風にきちんと調べてきた人が、現地で言葉が通じずに困ったとき、どうするか。

そこで威力を発揮するのは、それはもう、検索ですよ、検索。人に聞けないときは、自分で調べるしかありません
しかし、日本ではそれも難しいです。なぜなら、(4)WiFi接続環境があまり良くないから。

今回、この中国人を誘導するために、私自身もスマフォを使ってホテルの位置やバス停の状況を確認しました(新潟のことはほとんど知りませんから、、、)。このとき使ったのはモバイルデータネットワークです。しかし、訪日外国人は、その情報網は使えません。WiFiに繋げるかどうかが重要になるわけです。

この中国人も、ネットに繋がる環境があれば、自分で調べることができたのかもしれません。

ただ、そんな環境はすぐに整備はできないでしょう。
それなら、(2)を充実させて、貼り紙などの情報を強化する方が簡単です。
と言うより、WiFiで調べるような内容は、事前や事後調査用のもので、現地にいるなら、現地の案内で動くのが普通でしょう。ネットで調べなければ分からないような案内しか出ていないのなら、それは明らかに現地の案内不足ということになります。
そう、現地の案内こそ、充実させなければならないということなのかもしれません。

バスに乗る時に不安になることと言えば、自分の乗るバスはどれか、自分の降りるバス停がどこか、そもそもどうやって乗ればいいのかなどがあります。
このうちバスの乗り方は、分かりにくいかもしれませんが、最悪キョロキョロ回りの人の動きを見ていれば分かります。前乗りか後乗りか、降りる合図は紐を引くのかボタンを押すのか運転手に声かけるのか、乗るときに何か取るものがあるのか無いのか、周りを見れば分かることが多いからです。
しかし、降りるバス停の名前や位置は、情報がなければ、全く分かりません。この中国人も、空港入口のバス停で路線図が読めていれば、乗ってからいくつ目のバス停で降りるのかが分かり、人に聞かなくても降りるバス停に気付けたのかもしれません。路線図ではなく、地図形式の掲示があれば、周りの道の形状から降りる場所が分かったかもしれません。
でも、中国語しか分からないこの中国人には、そんな補助となる情報は一切ありませんでした。

実は私自身、海外ではなく、日本の中で、似たような事態に陥ったことがあります。
宮古島に行ったときの旅行記(→http://johokotu.seesaa.net/article/131740856.html)に書いていますが、降りるバス停の案内が車内で出てこず、どこでどう降りてよいのか分からなくなってしまったのです。
その時は、手元に地図があったため、現地の道路配置を注意深く見て、それらを比較しながら乗ったことで、事なきを得ました。

海外に行くとき、日本人の多くは、地球の歩き方を持っていきますよね。それはまさに、不足している情報を補って、(3)の情報強化を図っているということになります。

最低限の情報を、それほど細かくなくていいから、分かりやすいものを入手できること。それが訪日外国人が旅行しやすい土壌になるのかもしれません。

201908n.jpg
空港入口バス停に出ていた路線図。日本語が分かっていてもなかなか理解ができません。次に来るバスはどこへ行く?駅はどこ?港はどこ?そもそも進行方向はどっちでしょう?


■意外と気付けない決済問題
そして最後に分かった問題点は、決済方法です。これは意外と、現金主義の日本人には分かりにくいことかもしれません。

今回の中国人は、一万円札でバス代を支払おうとしていました。しかし、バスでは千円札しか使えませんでした。中国人なのでクレジットカードは持っていないでしょうが、日本のバスは世界基準のクレジットカードでの支払いもできません。交通系ICカードが発達していますが、来日してすぐ、日本のガラパゴス交通系ICカードなんか入手していないでしょう。
結果として、金はあるのに支払えないというアホみたいな不思議な状況に陥っていました

海外だと、電車やバスの切符を買うのにクレジットカードは当たり前。現金を廃止した国もあるくらいです。でも、日本の公共交通機関は、切符を買うのになぜかクレジットカードが使えず、現金しか使えないところがほとんどです。
羽田に着いた後の京急線の自動券売機が良い例ですが、この券売機、京急カードなら使えるので、システムは十分対応可能なんです。それでも頑なに京急カード以外のクレカは使えません。

で、現金の出番なわけですが、日本に紙幣はたった四種類しかないのに、高額紙幣が使えないという、何とも情けない状況になっています。
そもそも、一万円札が使えないのは、訪日客に限らず、日本人だって不便極まりない話で、バスに乗る前に小銭を作るため、キオスクなどで要りもしないジュース等を買った経験のある人も多いのではないでしょうか。

そして、今回の中国人が一万円札しか持っていなかったのは、両替所での両替が一万円札しかできないからでしょう。
世界有数の金融業界がある日本ですら、外貨両替は高額紙幣しかできないことが多いです。例えば、米国に行くときに、現地で偽札と疑われやすくて嫌われる100ドル札(10000円と似た価値の紙幣)ばかりで両替され、チップを作るために、到着してすぐ安いものを買って小銭に崩さざるを得ないなんてことはよくあります。バーガー一個食うのに万札(100ドル札)で払うなんてアホみたいでしょう。でも、実際にはそうせざるを得ない人は多いと思います。
同じように来日客の多くが高額紙幣しか手元にないわけです。空港に到着してすぐバスに乗る時に、千円札とか小銭なんて持ってないです。

でもそんなのカンケイネーと、日本の公共交通機関は、システムは対応可能なのに、利用できるようにしていません。
意味分からん何とかペイとかを拡大するくらいなら、クレジットカードをひとつ整備すれば、訪日客の多くが決済で困ることも少なくなります(中国人はそうはいかないですが、、、)。

日本の場合はタクシーですらクレカが使えないのもたくさんあるのだから、訪日外国人にとっては、交通機関の利用が不安そのもの。
デヴィッド・ボウイやミック・ジャガーじゃないですが、カードが使えないなら「じゃっ、いいですぅー」と、言いたいところですが、公共交通機関に、代替手段はあまりないので、使わざるを得ません。支払決済のシステム導入が求められるところです(公的ポイントが付くようになりますしね、、、)。


普段日本にいると、なかなか気付けないところも多いですが、訪日外国人の視点に立てば、空港からバスに乗るだけでも、いろいろ問題があることが分かります。
そして、それを解決すると、日本人のユーザーにもメリットがあることも分かります。

少し旅行後のこのページがいつもより長くなってしまいました。今回の旅は、日本国山を探すなど日本国を感じながらの旅でしたが、そんな中で迷った外人がいたことで、本当にうすーくですが、ここが変だよ日本人的なことも垣間見れ、何だかとても日本国を意識した、非常に興味深いものになりました。
空港ではこれからも多くの訪日外国人を受け入れるはず。少しでも訪れた人が容易に旅ができるようになることを願いつつ、今回の旅を〆たいと思います。

posted by johokotu at 21:00| 東京 ☔| Comment(0) | ◆旅行記 | 更新情報をチェックする

2019年09月01日

日本国を感じる空港見学(2日目)

※2019年10月にアップした旅行記です。

■2019.09.01 (鶴岡)→庄内→(米沢)→(自宅)

■日本国の境目を堪能
二日目は、明るくなる前から移動をスタートした。
空港に行くだけなら、仮眠した道の駅みかわから10分くらいなので、六時くらいに動き出せば良い。しかし、せっかく来た庄内だから少しでも観光したい。そこで、空港が開いていない早朝の時間を利用して観光名所の鼠ヶ関へ行くことにしたのだ。

道の駅みかわから鼠ヶ関までは無料高速を含めて40キロほどなので、小一時間かかる。明るくなるのが五時頃だから、四時前に道の駅みかわを出発し、まずは道の駅あつみへ。その後、鼠ヶ関を観光した。

早朝だから、街中は車も人もほとんどいない。誰もいない旧国境(県境)キハ47系が停泊していた駅などをじっくり見学。かつてヤマトがあった時代の日本国の境目をひとり静かに体感した。

その後、最大の観光地である鼠ヶ関灯台へ移動した。こちらは、打って変わって人だらけ。海岸沿いに釣り人がうじゃうじゃいた。
灯台遊歩道を一回りしたあと、一か八かで、もうひとつの大きな観光地、念珠の松庭園に行った。事前に調べた感じだと営業時間は9時-17時だったが、受付があるわけではないので、扉が開いていれば中に入れる。覗いてみたら、まだ朝五時台なのに、すでに開園していた。
スタッフが朝も早よから清掃をしていたために開いていたようで、とてもラッキーなことに、人がいない静かな空間に入り込めた。

こうして鼠ヶ関の観光名所をだいたい満喫し、かつての日本国の境目を充分すぎるほど堪能できた。
ただ、見学に結構時間がかかってしまい、予定より遅れて六時少し前に関を出た。

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鼠ヶ関灯台に向かう途中にある神社の大鳥居。初夏の地震で破損してしまったようで落下物はそのままくぐり抜け禁止になっていた。ブール―シートをかぶせた家も目立ったが、観光地は普通に営業中だった。



■庄内はジョギングしながら見たい
鼠ヶ関から空港まではこれまた小一時間。結局七時前に到着となった。ちょうど7時10分発の第一便が出発するタイミングだったので、まずはターミナル反対側の公園から駐機の様子、続いてエプロン脇の公園区画から離陸を撮影した。

飛行機を見送ったあとは、ターミナル地区に移り、第二便目との間を縫うつもりで館内調査を始めた。
が、第一便が行ったばかりなのに、アクセスバスが早くも到着している状況で、館内にはすでに第二便のお客さんがチラホラ。結局、外回りを先に調査し、チェックインロビー等の調査は、搭乗締切ギリギリにロビーに人がいなくなるのを待ってからすることになってしまった。

飛行機が動き出す前にターミナル内の調査はなんとか終了したので、その後は再びターミナル反対側の公園へ。少し走ってアタフタしたものの、第二便の離陸を撮影した。
これにて調査は終了。特に調べ忘れもないので、ターミナルには戻らずに、そのまま、鶴岡駅へと戻った。

ガソリンを入れて車を返却したら、ちょうど九時。残念ながらタッチの差で酒田方面の9時発の電車には間に合わなかった。予定通り10時発の村上行きから米坂線経由で米沢へ向かうことが確定した。

201908i.jpg
広々とした庄内空港の緩衝緑地。朝からジョギングする人もかなりいた。走りながら、キャンプしながら飛行機を眺めたい、オモロい空港だ。


■接続最悪で米沢へ
10時発の村上行きは、ボックスがほぼ1〜2人のグループで占領された程度の人しか乗っていなかった。鶴岡出発時にロングシートには二人いただけで、車内はかなり空いていた。
昨日来るときに夕陽で染まる海岸を眺めたが、今日は明るい日差しの中での移動。青い海と高い崖のコントラストをじっくり堪能できた。

一時間半の乗車で着いた村上での接続は最悪で、一時間近く待たされる
チョロっと観光でもすんべかと、駅前の観光案内所に入っていたら、バックパックを背負った人がかなりの数、雪崩れ込んでいた。
ほぼ18きっぷユーザーなのだろう。長い待ち時間に皆辟易しているようだった。
村上の街の中心部は、駅から少し離れたところにあるので、時間のない観光は全然できない。食事をしに街中に出るのも時間が危ういので、観光案内所の係員も案内に困っている様子だった。
東京方面へ乗り継いでいく場合、ちょうど良い昼飯時間だが、駅前も石田屋という小料理屋がある程度。案内所でも、一時間無いならここだと案内していて、多くの人が吸い込まれていた。

結局、駅前を少し散策しただけでその後は待合室にこもってから、列車を乗り継いだが、次の乗り継ぎ地坂町まではたった12分。ここでまた約一時間の待ち時間となった。
連続的な二時間待ちならまだ遊びようがあるのに、なんとも中途半端な待ち時間の連続だ

坂町は村上以上に田舎だった。と言うより駅前は商店街ではなくほぼ住宅街だった。駅前通りを散策しても、開いてるのかも分からない飲食店と床屋ばかりしかない。もちろん、観光地ではない(街中にSL展示はあるらしく、このあと坂町を発車した列車からも微妙に見えた)。なので、観光客には楽しむ場所がほとんどなかった。
結局、国道沿いのイオンで飲み物を確保した以外にやることはなく、再びダラダラ過ごしたまま、米坂線へ乗車となった。

米坂線は一両なので、座席が半分埋まる程度の乗車があった。軽装の利用者も多く、近場の駅で降りる人ばかりなのかと思っていたが、ほとんどの人は米沢までの長区間利用。途中駅からは客が増える一方で、最後は立ち客も目立った。山岳路線だが便数が少ないから利用者を集められているようだった。
乗客のなかには、村上で乗り継ぎをしていたのを見かけた客も何人かおり、明らかに18きっぷユーザーと思われた。

201908j.jpg
一時間近い待ち時間があった村上駅。街の中心部から離れており、結局駅でダラダラ過ごすことになった。


米沢には定刻で着いた。
ここでは二時間待ちの乗り継ぎになるので、待ち時間を利用して、駅から東方にあるヘリポートに寄ることにしていた。
改札を出て左に進んだ駅レンタカーでレンタサイクルを扱っているので、早速借りて、すぐに向かうことにした。

米沢ヘリポートは、駅の反対側にある。道はほぼ平坦で、わずか20分弱走った場所に設置されていた。
施設は開いてはいたものの、ヘリの発着も駐機もなく、正直何もない。このため、見学はすぐに終わってしまったので、ほぼとんぼ返りで駅前へと戻った。


■最後の最後にまた遅れ
そのまま一時間ほどは特段やることがなく、駅前の店舗で牛肉どまんなかを確保したのと、駅ナカの土産店をじっくり見て過ごしただけだった。村上と坂町の乗り継ぎ時間を含めて四時間あれば街中にも出られそうだが、二時間では無理だった。

こうして、またまたダラダラ待って乗った米沢発の電車は二両編成で、座席は半分ほど埋まる程度の混雑度だった。
途中、峠駅で力餅を販売していて、ダッシュで買いに行った人も見られたが、値段も書いてないし、すぐに財布からお金を出せるか自信がなかったので購入は断念した。

※峠の力餅は、10個で1000円の餅であるようだ。仮に購入したとしても、10個も入っているので、車内で食いきろうとすると喉に詰まりそうで極めて危険だ。
駅停車中に千円札を握りしめて買いにいけば良いわけだが、売り子のどこにもその記載がない。そもそも、短い停車時間で買えるのかどうかもよく分からない。一人で売っていて、乗る場所を間違えると、売りに来もしないので、なかなか購入は勇気がいる。実際を見てみると、車掌も販売している事は心得ているようで、混んでいなければギリギリまで待ってくれるようだった。公式サイトには、進行方向一番後ろで売り始めるようにしているとの記載があるので、確実に買いたいなら後ろに乗るのがオススメ。ちなみに、商品の値段は公式サイトには書かれていないように見える。


福島までは一時間弱しか乗らずにあっという間に着いた。ここは20分ほどの接続だ。
余裕のある乗り継ぎはこれが最後になるので、トイレにだけ寄り道。その後にホームへ行くと、既に列車が入線していた。出発までまだ10分以上あるが、座席確保のためにもさっさと車内に入り込んだ。

出発時刻が近づくとどんどん人が多くなり、出発した時には、つり革が半分ぐらいは埋まっていた。
利用者は郡山に向かって斬減したが、郡山でドッと乗ってきて再び混雑。新白河までは常に立ち客がいる混雑度だった。

新白河乗り継ぎは、2017年10月に新たに始まったものだ。黒磯駅付近の直流交流切り替え位置を変更したことに伴うもので、新白河-黒磯間は区間運転に変わっていた。
同一ホームでの乗り換えと聞いていたのだが、乗車した列車の乗り継ぎは、階段を使っての乗り継ぎだった。
乗り継いだ黒磯行きは30分ほどしか乗らない短距離便。東北線では珍しいE531系紺色帯の車両だった。走って乗り換えた人もたくさんいたものの、5両編成に延びたので着席は余裕だった。

黒磯は、いつも通り階段上り下りの乗り継ぎ。ここでは4両に短縮されたものの、座席は3分の2程度が埋まった位で、こちらも余裕の着席となった。

ここまで来ると、外も真っ暗だし、淡々と進む感じだった。

上野へ向かう最後の乗り継ぎである宇都宮は、二分接続だった。今回の旅で最も短い乗り継ぎ時間で、毎回不安になる箇所だが、ホーム上での乗り継ぎに改善されていて、問題なく予定の電車に乗り込めた。
もう関東平野だ。ここまで来ればひと安心。何かアクシデントがあっても、まだ、このあとに便がある。さらに、今日はゲリラ豪雨もないみたいだ。あとは上野での乗り継ぎだけだから、遅れの心配もない。ゆっくりと眠りに入った。

ところが油断したせいか、小山でなぜか予定外の長時間停車が始まってしまった。何度も放送が入るので目覚めてしまった。
放送によると、貨物列車の通過待ちなのだが、今日に限り二本通過待ちするという。理由は一切放送されない。ホームの発車時刻を見てみたら、当たり前のように遅れているようだ。さっさと帰りたい深夜に貨物に抜かれること自体で不満タラタラなのに、遅れてまで余計な通過待ちとは一体何なのか。理由も分からないまま遅延することほどイラつくことはない。
その後、回復しようとする努力も見られず、上野に着くまで遅れは解消されないままで、4分遅延で到着となった

こうなると問題なのは京浜東北線への乗り継ぎだった。元々五分接続で磯子行きがあったため、それに乗り継ぐ予定にしていたのだが、乗り継ぎ時間が一分しかない。鶯谷で追い抜いたのが見えたので、走って乗り継ぎ、何とかギリギリ飛び乗れた。
七分後に大船行きがあるので待たなかったんだろうけど、乗り継ぎ客を待つような配慮は一切なかった。
自分の場合は、あとは京浜東北線に乗るだけなので事なきを得たが、意味不明遅延で、この先のさらなる乗り継ぎで終電に間に合わない人もいたのではないだろうか。

それにしても、日本国の鉄道って、こんな意味不明遅延多かったかなあ、、、。
結局、毎回のように遭遇する天候による遅延を完全に回避できたのに、朝っぱらと夜遅くに意味不明な遅れが生じるという、不思議な体験をして、日本国を感じた旅が終了した。

201908k.jpg
最後に訪れた米沢ヘリポート。米沢駅から東へ約3.5キロの山沿いにある。



■今日の教訓!
鼠ヶ関 普通に観光は可能です←地震の爪痕は残るも朝から釣り客もうじゃうじゃ
[庄内]意外とお客さんが多いです←1便目が飛ぶ時刻には2便目のお客さんがいます
[庄内]公園を楽しみながら眺めよう←キャンプ場からも眺められます
羽越本線 村上での時間つぶしを考えよう←一時間乗り継ぎです
深夜の電車は遅延に注意←乗り継ぎできなくなります

■実際の旅程
09/01 SUN
道の駅庄内みかわ04:00(レンタカー 40q)→04:45道の駅あつみ
道の駅あつみ05:00(レンタカー 5q)→05:10鼠 ヶ 関
鼠 ヶ 関06:00(レンタカー 45q)→07:00[庄内空港]
[庄内空港]08:30(レンタカー 15q)→09:00鶴 岡 駅
鶴 岡 駅10:00(JR東日本 羽越本線)→11:35村 上 駅
村 上 駅12:26(JR東日本 羽越本線)→12:38坂 町 駅
坂 町 駅13:33(JR東日本 米 坂 線)→15:35米 沢 駅
米 沢 駅15:45(レンタサイクル 4q)→16:15[米沢ヘリポート]
[米沢ヘリポート]16:30(レンタサイクル 4q)→17:00米 沢 駅
米 沢 駅17:44(JR東日本 奥羽本線)→18:30福 島 駅
福 島 駅18:50(JR東日本 東北本線)→20:23新 白 河駅
新 白 河駅20:28(JR東日本 東北本線)→20:51黒 磯 駅
黒 磯 駅20:56(JR東日本 東北本線)→21:48宇 都 宮駅
宇 都 宮駅21:50(JR東日本 東北本線)→23:38上 野 駅
上 野 駅23:43(JR東日本 京浜東北線等)→01:00自   宅

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2019年08月31日

日本国を感じる空港見学(1日目)

※2019年10月にアップした旅行記です。

■2019.08.31 (自宅)→新潟→(鶴岡)

■朝っぱらから遅延と混雑
今回は久しぶりの上越線北上だ。
前回は10年前の利用だが、ムーンライトえちごを活用して朝8時には鶴岡に着いていた。しかし、今回は夜行がなく、どんなに頑張っても鶴岡着は15時台。一日目に庄内空港を見るのは諦め、まずは新潟空港へ直行する。

自宅を4時前に出発。京浜東北線の始発に乗り、上野へ向かった。
5時8分に着いた上野は、毎度のことながら数分での接続だった。宇都宮線と常磐線は5時10分発に対し、高崎線は5時13分発で少し余裕があるものの、多くの人が走って乗り換えていた。
高崎線は短い10両編成で、赤羽で満席になり、立ち客がいるほど混雑していた。

201908a.jpg
朝イチの上野駅。北へ向かう列車が5時10分から一気に出発する。


順調に行きたいところだったが、朝っぱらから、北本駅で非常停止釦が押されて安全点検で長時間停車。高崎には10分ほど遅れて到着となった。元々乗り継ぎ時間の短い両毛線や信越本線への乗り継ぎは全く間に合っておらず、電車を待たせて接続となっていた。このおかげで、水上行きは、普段なら階段を上り下りしての乗り継ぎらしいのだが、この日だけは同一ホームでの乗り継ぎに変更となり、少しラッキーな事態になった。
乗り継いだ電車には定刻より早く車内に入り込めたが、少し遅れての発車となった。せっかく間に合ったのに大丈夫かいなと思ったのも束の間、新前橋駅で、接続する両毛線の遅れ待ちで、再び遅延が拡大。朝イチからイレギュラーのオンパレードで、不安な船出となってしまった。

結局、遅延運行も数分の遅れで済んだため、水上からはなんとか定刻に復帰できた。
水上-越後湯沢間は電車の便数が少ないので、接続しなかったらどうしようとハラハラしっぱなしだったが、なんとか持ちこたえた感じだった。

高崎→水上と水上→長岡はともに4両編成。田舎を走る列車としては長い方ではあるものの、全区間通じて座席はほぼ埋まった状態だった。
高崎→水上間は、沼田で通勤・通学者がゾロリ、水上→長岡間は、土合で登山者が少し多めに降りた位で、群馬県内はあまり増減がなく、新潟県内に入ってから長岡に向かって徐々に利用者は増えていく一方だった。さすが青春18きっぷ期間だけあって、高崎から長岡まで全線乗り通す、明らかな18きっぷユーザーが多数見られた。

長岡で乗り換えたのは快速だった。しかし、各停から快速に乗り換えたのに、3両しかない。このために混んでいて、立ち客もつり革の半分ぐらいは埋まっていた。新潟に遊びに出る若者も目立ち、利用にちょうどよい便のようだった。
混雑はほとんど解消しないまま進み、新潟には定刻通り11時半に着けた。

長岡からの快速は、2015年に開設された列車だ。
この快速からは新潟で白新線に短時間乗り継ぎが可能で、一気に羽越本線を下る(地図的には上るだけど、、、)ことができる。快速設定前は、新潟到着が数十分遅かったため、それだけで乗り継ぎが一本遅れとなり、その後の接続は一時間以上あとの便になっていた。このため、当時は、その日中に行けるのは大館までだったが、この新潟での接続が変化したことで青森まで到達できるようになった。言ってみれば、東京の18きっぷユーザーにとって画期的な列車なのだ。
東京側から見ると、新潟まで行かずに、新津から羽越本線に入った方が秋田方面へ抜けるには短絡している。しかし、新潟地区は、新潟との間の列車が重視され、新津や新発田の接続が良くない。多くの人が新潟が目的地だから、新潟での乗り継ぎもあまり深くは考えられていなかったということだろう。
ただ、新潟で快速から乗り継ぐ羽越本線は、村上で一時間ほど接続時間がある。ここは改善されなかった。
村上でそれだけ時間があるなら、そもそも新潟経由で快速など設定しなくても、列車に乗っている所要時間的には間に合うはず。特急優先で各停なんて間縫っての運行なので、どうしてもこういう接続が最悪の駅ができてしまうのは残念なところだった。

※東北本線や東海道本線は、特急がほぼないので、普通電車同士の接続はうまく考えられている。しかし、羽越本線のように特急が走る路線はそうはいかず、各停同士の接続が悪い。そんな場所は全国的にたくさんある。九州で言えば宇佐、北陸の福井・敦賀、山形新幹線最優先になっている奥羽本線の新庄・山形・米沢などが典型例だ。これらの駅では接続が良くなるだけで、利便性が大幅に向上するが、なかなかうまくはいかない。今回の新潟での接続変化のようなことが起こることを願うばかりだ。

201908b.jpg
長岡で乗り換えたのは快速。奥のホームに停まる電車から階段を上り下りしての乗り換えだった。


■間違えやすい新潟駅
新潟駅からは約20分後のリムジンバスで新潟空港へ向かうことにしていた。
事前にネットで調べた限りでは、リムジンバスは南口発、路線バスは北側の万代口発であることは分かっていた。しかし、ホームから階段を下りたら、コンコースの案内に東口と西口の記載しかない
頭の中には北と南しか無い状態だったので、ワケわからんと大混乱してしまった。どういうこっちゃいなと、駅構内図をパッと見たら、どうも改札口が東西にあり、東側にある改札口を東口、西側にある改札口を西口と称しているようだ。北側の出口を万代口と称している時点で、東西南北での案内はもうアウトなのに、それを無視して、出口案内では一切出てこない東、西を新たに出してくるから、客からするともうカオスだった。せめて東改札、西改札みたいにするやろと少し半ギレ気味に案内図を軽く見たら、どっちの改札側に進んでも南北を結ぶ通路に出られるようだ。図の下側にバスロータリーが描かれていたので、深く考えずにそちらに向かって歩いた。ちなみに、細かいことを言うと、自分が進んだのは、図の左側にあった東口側。東口側は、南北通路が改札口内にあり、改札口は南側と北側(ホーム経由)に分かれていた。東側は改札口が南北に分かれているので、厳密には東口と称するのは詐欺で、南口東改札口などと称すべきところだ。

バスまでの時間も限られているので、せっせと歩いて改札口、さらに出口を出た。
少し急ぎつつ、ロータリー左奥のバス乗り場へ行き、総合案内板で空港行きの乗り場を探した。ところが、乗り場番号を探してもなかなか空港行きが見当たらない(どころか路線バスの行先も書いていない意味不明の総合案内板だった)。キョロキョロしてやっと見つけた立て看板には、「階段上って反対口へ」と不思議な案内が出ていた。

?????

振り返ってよくよく見てみたら、自分が出た改札口は万代口だった
自分が改札内で見た案内図は、南を向いて見ていたので、上が南、下が北になっていたのだ。
いきなり東口、西口の表示が出てきて、南北方向に行くのはどっちでも変わんないと思った瞬間に、東西の存在が頭から消滅。同時に南北の違いも意識しなくなってしまっていた。さらに、手元のスマホで調べた新潟空港アクセスバスの乗り場案内とそっくりな南北出口・ロータリーが書き込まれた図で、バス停位置も駅舎を出て左側と同じだったので、案内図の下が南口だと思い込んでしまった。

バスの出発まではほとんど時間がないので、少し小走りで南北自由通路を通って反対側の南口ロータリーへ。なんとか予定通りのバスに乗ることができた。

※リムジンバスの乗り場はビックカメラの前にあるので、目印にすると良い。新潟は東西南北似たような駅構造なので、こういった施設を目指して行くと迷いにくい(ただし、CoCoLoというJRの駅ビル商店は、北にも南にも東にも西にもあるので目印にならない)。

201908c.jpg
見間違えた看板。地図の向きは正しいんだけど、南も北も同じような形で、バス停位置は両方とも改札を出て左側なので、完全に下が南と思い込んでしまった。よく見れば、はっきり南口広場、万代広場と書いてあるんだけど、、、。



■間違えやすい新潟空港
リムジンバスは、南口を出た後、すぐに北側へと向かう不思議な経路をとる。そもそも万代口の方が空港に近いのに、わざわざ南口発着にしている。これは、万代口側の道路混雑が激しいためで、定時運行のために数年前にこちらへ移されたものだった。

バスは50人弱の定員のバスで、20人ほどの混雑だった。渋滞はなくほぼ時間通りの運行だったが、高速道路を通るわけでもなく、信号ばかりで交通量の多い道を通るので、朝晩を中心に渋滞にはまりそう。少し早めに乗った方が良さそうなバスだった。所要時間は公称25分だから、チェックイン締切時刻の小一時間前には駅を出るバスには乗っておきたいところだろう。

※新潟空港から南に4キロほどのところに新幹線の車庫があり、そこから空港まで新幹線(白新線分岐も可能)を延伸するという野心的な計画がある。少し遠回りになるが、阿賀野川沿いを、首都高C2みたいに北上すれば家屋はほとんどない。しかし、相手は、公で動く国鉄ではなく民間企業のJR。しかも、新千歳空港のような相乗効果を重視するのではなく、飛行機は新幹線の敵だなどという頭の固い貧弱な発想しかない現状では、期待は薄い。空港の需要も、新千歳みたいに多くはなく、仙台みたいに途中に集客施設を造れる場所もあまりないから、採算は合わないのだろう。
10キロ無いから鉄道だと10分切るのは確実で、バスだと渋滞なしでも25分かかるのと比較すれば、効果は絶大。空港バスが通るのが田舎道なら、まだ安心感があるが、渋滞がとにかく不安な実態を見ると、整備して欲しいところだが、そう簡単にはいかないようだ。
距離だけみると、新潟駅からでも約7キロほどなので、新潟港を経由しつつ海沿いを通った方が利用者は格段に多そうだが、それはそれで、新幹線延伸は線形が難しそうだ。



新潟空港は、建物自体に大きな変化はなく、細かいところが変化した程度だった。
前回はカウンタを構えていた新日本航空(NJA)が撤退。一方で、Peach Aviation(APJ)がカウンタを新設していた。しかし、APJは、正規のカウンタ区画であるNJA跡地ではなく、ランド側中央寄りに邪魔臭く小さなカウンタを設けていた。お金のない弱小航空会社ですらカウンタ区画を守っているのに、である。こういうところは、流石はLCC。他の航空会社より目立たせる一方で、客動線で邪魔かとか全体の施設配置の考え方(=客が見たときの施設全体の分かりやすさ)とかは一切考えないという、自分の都合が最優先の自分勝手なところを見せられた感じがした。

調査は一時間ほどで終了し、少し歩いて空港入口バス停へ。昨年大きく変わった発着バスの状況を調べて完了した。
ターミナルに戻るのも面倒くさいので、そのまま10分ほど待って、空港発着ではない普通の路線バスで新潟駅へ向かった

空港入口バス停からは、何故か大きなキャリーバッグを持った中国人が一人乗車していた。乗車したあと、動き出したバスの運転手に何やら紙と一万円札を示して中国語で話しかけている。運転手は中国人の話している内容が何も分からない様子。
どうも、途中の新潟日報メディアシップで降りてANAクラウンプラザホテル新潟へ向かいたいらしい。運転中だから危ないし、迷っていたので、途中下車してホテルまで連れていった。
何も分からずに、路線検索の結果だけをもとに路線バスに乗ってしまったようで、新潟空港のアクセスバスは、色々と間違いやすいようだ。

そんなこんなで、途中のホテルから歩いたものの、時間に余裕はあり、乗る電車が発車する30分以上前に新潟駅に到着できた。

201908d.jpg
新潟駅は新幹線と在来線のホームが隣接して、乗り換えが容易になっている。新潟空港のアクセスへの乗り方もこのくらい簡単ならなあ、、、。



■日本国にいたことを実感
夕食用の駅弁を購入したあと、定刻の電車に乗って鶴岡へ向かった。

鶴岡までは、村上で一回乗り換えるだけ。しかもわずか4分というベストな乗り継ぎで、北上を続けた。
村上以降は利用者も激減し、車内の利用者も一両あたり10人ほどしかいなくなってしまった。

村上から乗車したら、車内を撮影する人がいる上、どうも沿線にカメラ小僧が多い。調べてみたら、きらきらうえつの定期便運行終了が九月末に迫っていて、さらに自分が乗っているキハ47系の退役が間近らしかった。村上-鶴岡間は風光明媚な区間で、元々撮影スポットが多いらしいのだが、いつもに増して、撮影者が多かったようだ。
ちょうど夕陽が落ちていく時間帯。車窓は最高で、笹川流れを始めとした特徴的な海岸線と夕陽がきれいに映えて見えていた。

201908e.jpg
風光明媚な区間として有名な羽越本線の村上-鶴岡間。ちょうど夕陽が落ちるベストタイムだった。


鼠ヶ関を過ぎた辺りで日没となった。
鼠ヶ関から少し山側に入ったところに日本国山という山がある。ちょうど新潟(越後)と山形(庄内)の県境にある、555メートルと積極的に行き(GO)たくなる標高の山だ。
珍しい名前の由来はいくつかあるようなのだが、新潟と山形の県境は、古くは、ヤマトと蝦夷の境目であり、そのためにこんな名前が付いたとも言われている。
鼠ヶ関も駅近くの、街のど真ん中に県境がある。つまり、鼠ヶ関から北はヤマトの国にとっては未開の地だったわけで、ちょうど日没になったことで、少し不思議な体験をしたように感じてしまった。空港からのバスで出会った迷い外人よろしく、なんとなく、知らない土地に向かう不安感が暗闇が迫ることで増大する気がした。

201908f.jpg
翌日行った際に鼠ヶ関を街並みを写した様子。鼠ヶ関周辺では、初夏の地震の影響で屋根にブルーシートをかけている家が結構見られた。


鶴岡に着いたときには、空の遠くだけがトワイライトになっている程度でほぼ真っ暗な状態だった。

今日はここで車を借り、近くにあるどこかの日帰り温泉でひとっ風呂浴びたあと、道の駅でひと晩明かすつもりでいた。
早朝に鼠ヶ関を訪問したかったので、そのすぐそばにある道の駅あつみが第一候補だった。しかし、鼠ヶ関周辺は初夏に大きな地震があったばかりの地域で、海沿いにあるこの道の駅は津波が怖い。それより鶴岡側に道の駅はなく、反対側に遠ざかった所にある道の駅みかわが次に鼠ヶ関に近い道の駅のようだ。仕方がないので、少し鼠ヶ関から離れるが、とりあえずそこで一晩明かすことにした。

で、道の駅に向かう前に、まずは温泉探しだ。
周辺には有名な温泉地として湯野浜温泉やあつみ温泉があるので、日帰り湯があればと思ったものの、事前調査ではヒットしていなかった。現場に来れば何か分かるべと、とりあえず鶴岡までやって来たが、何だか人が少ない。駅前の建物に観光案内所があったものの、時刻が遅くすでに閉店後。パンフは置かれていたが、温泉が有名な土地ではないので、近場の温泉案内みたいなものもなく、分からずじまいとなってしまった。
仕方がないので、ネット検索したら、これから向かおうとしている道の駅みかわに、22時までやっている銭湯があることが分かったので、そこに行くことを決定した。

駅からは五分ほど歩いて、オリックスレンタカーへ。車を借りたら、すぐに道の駅みかわへ出発した。
まだ夜八時なのに走っている車は多くなく、スイスイ10分ほどで到着。座りっぱで疲れた体を温泉で癒したら、その後は駐車場の車内で駅弁を食べ、翌朝の早起きに備えて22時には就寝した。

201908g.jpg
鶴岡駅に着いたときはちょうどトワイライトタイムの最後の時間帯。暮れゆく感じが引退マジかの電車に映えていた。



■今日の教訓!
上越線 始発から混雑に注意←18きっぷシーズンは意外と混みます
新潟駅 東西南北気を付けよう←地図上似たような場所ばかりで迷います
[新潟]アクセスバスに要注意←路線バスを活用するときはよく調べよう
羽越本線 日没時の村上-鶴岡間は眺め最高←夕陽がきれいです

■実際の旅程
08/31 SAT
自   宅04:00(JR東日本 京浜東北線等)→05:09上 野 駅
上 野 駅05:13(JR東日本 高 崎 線)→06:55高 崎 駅(到着遅れ)
高 崎 駅07:12(JR東日本 上 越 線)→08:17水 上 駅(到着遅れ)
水 上 駅08:28(JR東日本 上 越 線)→10:18長 岡 駅
長 岡 駅10:29(JR東日本 信越本線 快速)→11:29新 潟 駅
新 潟 駅11:50(新潟交通 リムジン)→12:15[新潟空港]
[新潟空港]13:45(徒  歩)→14:00空港入口
空港入口 14:03(新潟交通 路線バス)→14:30新潟日報メディアシップ
新潟日報メディアシップ14:30(徒  歩)→14:45新 潟 駅
新 潟 駅15:43(JR東日本 白新線・羽越本線)→17:06村 上 駅
村 上 駅17:10(JR東日本 羽越本線)→18:47鶴 岡 駅
鶴 岡 駅19:30(レンタカー 6q)→19:45道の駅庄内みかわ
(道の駅庄内みかわ 車中泊)

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2019年08月30日

日本国を感じる空港見学(旅行前)

※2019年10月にアップした旅行記です。
旅行前/1日目2日目旅行後

■2019.08・09 新潟・庄内の旅行前

■JRで格安移動できる季節がやって来た
今夏、七月と八月は予定が目白押しだったので、学生が減る九月に空港訪問を計画。夏だから有効期間の長い青春18きっぷを活用することにし、土日二回を活用して空港訪問することにした。

JR路線のある本土4島のうち、長く行けていないところから絞ったら、帯広、札幌、函館、庄内、福島、福井、但馬、鳥取、徳島が候補になった。このうち、前回訪問時以降、帯広、鳥取、徳島が増築、函館が内装の大規模変更を行っており、庄内は国内線就航会社が増えた。これらの空港は訪問先としては魅力的だ。
このうち、東京から二日以内に18きっぷのみで空港訪問できるのは庄内、福島、福井、但馬の四空港位。福島のみが日帰り可能圏で、庄内、福井、但馬は二日必要だ(鳥取も二日で行き来は出来るが、空港見学するのは時刻的に難しい)。
残りの空港は二日間かかる上、函館、鳥取、徳島は最低片道、帯広、札幌は往復ともに飛行機移動が必須となる。
複数空港を一緒に訪問できるのは、帯広と札幌、鳥取と但馬で可能だろうか。片道飛行機の各空港は、鉄道の片道で途中別の空港に立ち寄ることも可能だ。

色々悩んだ挙げ句、最初の週は、ジェットスター・ジャパン(JJP)就航で少しだけ改修した庄内に行くことにした。
庄内までは、東京からだと意外と距離があり、単純な18きっぷ使用なら、片道最短でも10時間ほどかかる。今は、夜行列車がなく24時間通しでの移動が出来ないから、普通に行こうとすると、二日間は必要となってしまう。
そこで、片道JJPにして日帰りできないか探ってみたものの、運航時間帯が夕方と中途半端なためにJJPを活用しての日帰りは不可能だった。ANAなら朝晩の便があるので、それなら片道飛行機でもギリギリ日帰り可能だが、値段が高く、空港訪問時間がほぼない。羽田発朝一便に乗っても、空港をすぐに出るバスに乗らないと東京に帰れないのだ。

結局二日かかるなら、往復とも電車の方が断然値段が安くなるので、飛行機は利用しないことにした。往路は東京を朝イチで出て、一日目の夕方と二日目の午前を見学に充当。復路は現地を昼頃出て東京深夜着となる行程を考え始めた。

■行きは上越線、帰りは東北本線
18きっぷ利用の場合、東京から庄内への移動は、上越線経由東北本線経由になる。ムーンライトがあれば活用したいところだが、東北本線は元から無いし、上越線も数年前に運行がなくなってしまった。土日休みだと、土曜の朝出て日曜の深夜に帰ってくるしか方法がない。

標準的な乗り継ぎ時間だと、上越線経由は10時間、東北本線経由は11時間ほどだ。
普通に考えると所要時間の短い上越線経由で行きたいが、上越線経由は運行便数が多くない。特に復路は、谷川岳が立ちはだかり、越後湯沢-水上間で遅い時刻に電車の運行がなかった

このため、自動的に、行きは上越線経由、帰りは東北本線経由となった。

往路は朝イチ便からの接続が良く、庄内に15時台に着ける。
一方の復路は、庄内を出たあと、新庄経由で乗り継ぐ経路なら、11時前に出れば終電に間に合うようだ。

乗り方は決まったものの、単純往復+庄内のみ訪問だと、少し余裕がある。そこで、往復の途中で別の空港に寄ることにした。
初日に庄内へ直行するなら、二日目の帰りに山形、仙台、福島のいずれかに寄れそう。一方、庄内を二日目朝訪問とするなら、初日に新潟に寄れそうだ。
東京からの単純往復は東北本線沿線の方がしやすく、新潟は前回訪問から時間が経っているので、今回は、初日に新潟に寄り、庄内訪問は二日目朝にすることにした。

■帰りは米沢で時間割く
初日(往路)は、朝イチ便を乗り継いで新潟へ。新潟にはちょうど正午前に着くので、そこから新潟空港に立ち寄り。新潟を15時半に出られれば、19時には鶴岡にたどり着くので、その行程にした。
どうせ一日目に庄内に行けないなら、もっと新潟にいても良かったが、後述のレンタカーの関係上、この列車になった。

二日目(往路)は、朝イチで庄内空港を見学。その後、鶴岡駅まで戻り、あとはひたすら鉄道乗り継ぎ旅だ。
鶴岡10時51分発に乗れば、新庄・小牛田経由か新庄・米沢経由で23時38分には上野に戻れる。

鶴岡から新庄に出て、新庄から福島の間で東北本線へ至るルートは、大きく三つのルートがある。
(1)奥羽本線に乗らない陸羽東線経由(小牛田から東北本線)
(2)羽前千歳まで奥羽本線に乗る仙山線経由(仙台から東北本線)
(3)福島まで奥羽本線オンリー(福島から東北本線)

の三つの行き方だ。
距離はどのルートでも大きく変わらないが、(2)はダイヤの関係上、鶴岡10時51分発の乗り継ぎではその日中に東京へ戻れない。

(3)奥羽本線オンリー(新庄・米沢経由)で新庄から乗る電車は一昨年に秋田に行ったとき(→http://johokotu.seesaa.net/article/453900667.html)にも利用している。山形で一時間待ちがあり、後から追ってくる村山始発の区間電車を活用して山形空港に寄ることも可能だ。しかし、山形には、まさに一昨年に行ったばかりで無理して行かなくても良いので、迷ってしまった。

もっと早い時刻に庄内を出られれば、仙台や福島に寄れるのでは?と、これらの経由で、もう一便早くすることも検討した。が、陸羽西線の便数が少なすぎ、一便早くすると、鶴岡発が9時と二時間も前倒しになってしまう。この場合、庄内空港見学が終わるかも分からない上、レンタカー屋が開いていない可能性もある。結局、仙台や福島に寄ることは断念した。

で、(3)ルートで山形空港立ち寄りに傾きかけていたのだが、よくよく調べてみたら、50分ほど早い10時発で、新潟方面行きがある。それで村上、坂町と乗り継ぐと、米沢に15時半過ぎに着けることが分かった。この場合、米沢で二時間待ちで、前述の鶴岡10時51分発から(3)新庄・米沢経由で乗り継ぐのと同じ電車に乗ることができるのだ。
米沢には、まだ訪問したことがない公共用ヘリポートがあるので、二時間の待ち時間を使ってその見学を行うことにした。近年行ったばかりの山形空港にバタバタ小一時間で寄るより、意味があると判断した。

坂町・米沢経由の決定ルートは、村上と坂町でそれぞれ一時間ほどの待ち時間がある。加えて米沢で二時間待ちだから、もしも接続がうまくいっていれば、四時間早く帰りつけるはずのルートだ。
坂町から米沢間は山岳部なので、大雨などの影響を受けやすいが、ここが不通になれば、あとから出る10時51分発で新庄経由で帰れるし、米沢から先は、緊急事態には新幹線振り替えも可能なので、この経路に確定した。

※ちなみに、鶴岡10時発の電車は、そのまま上越線方面へ乗り継げば、21時台には上野に戻ることができる。上越線方面はこれが東京へその日中に戻れる最終電車になる。越後湯沢-水上間の電車が少ないからこんなに早い終電になる。東北本線のように少なくとも一時間に一便でも走っていれば、庄内地方に13時頃までいられる総乗車時間なのだが、、、。なんとも残念だった。

アクセスの予約(鉄道)
すべて鈍行利用。指定席等もとる必要がなかったため、予約は不要だった。
事前準備は青春18きっぷの用意のみだった。

現地移動の予約(バス、レンタカー)
新潟駅から新潟空港まではリムジンバス、路線バスを利用。予約は不要だった。

庄内空港は、車で行くか、鶴岡か酒田からアクセスバスで行くしかない。
しかし、鶴岡で朝10時の電車に乗るために使えるバスは空港発8時過ぎの便しかない。見学に時間がかかると乗り遅れのリスクもあるので、庄内での移動は、自由に回れるレンタカー利用とした。
レンタカーは、借りる代金がかさむものの、日の出とともに動き始められるし、車中泊にすれば、ホテル代を浮かせる。レンタカーなら空港周囲の公園も回りやすい。

鶴岡には数件の格安レンタカーがあるため、できればそれらを利用したかったが、初日の貸し出しが営業時間に間に合わないので断念した。実際には19時以降も開いている店は大手のオリックスとトヨタしかなく、選択肢はほぼなかった。一方で、電車のダイヤからすると、もっと遅い時刻に貸出しとすることも可能なのだが、レンタカー屋が最長の店舗でも20時までの営業だったため、新潟滞在は4時間限定(空港滞在は実質二時間程度)となった。
結局鶴岡での貸し出し・返却で最安値が出たオリックスレンタカーでの利用となった。

宿泊の予約
今回は夜通し車を借りて、車中泊とした。

今回訪問する空港は、頑張る割には、という感じだが、新潟と庄内の二空港と米沢ヘリポートのみの訪問となった。
■ここまでの教訓!
庄内へはLCCは使いづらい←1日1往復では使えません
庄内への行き方は乗り継ぎダイヤで決定←全部で大きく5ルートあり

■今回の予定旅程
08/31 SAT
自宅04:00(JR京浜東北線等)→05:09上野駅05:13(JR高崎線)→06:55高崎駅07:12(JR上越線)→08:17水上駅08:28(JR上越線)→10:18長岡駅10:29(JR信越本線 快速)→11:29新潟駅11:50(新潟交通)→12:15[新潟空港]14:10(新潟交通)→14:44新潟駅15:43(JR白新線・羽越本線)→17:06村上駅17:10(JR羽越本線)→18:47鶴岡駅19:00(レンタカー 6q)→19:10道の駅庄内みかわ
(道の駅庄内みかわ 車中泊)
09/01 SUN
道の駅庄内みかわ06:00(レンタカー 10q)→06:15[庄内空港]09:00(レンタカー 15q)→09:30鶴岡駅10:00(JR羽越本線)→11:35村上駅12:26(JR羽越本線)→12:38坂町駅13:33(JR米坂線)→15:35米沢駅15:45(レンタサイクル)→16:15[米沢ヘリポート]17:00(レンタサイクル)→17:30米沢駅17:44(JR奥羽本線)→18:30福島駅18:50(JR東北本線)→20:23新白河駅20:28(JR東北本線)→20:51黒磯駅20:56(JR東北本線)→21:48宇都宮駅21:50(JR東北本線)→23:38上野駅23:43(JR京浜東北線等)→01:00自宅

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2019年05月27日

アルプス越えて陸から北へ(旅行後)

※2019年6月にアップした2019年5月の旅行記です。

■2019.05 富山・小松・能登・松本の旅行後

今回の旅で訪れた4空港+1離着陸場には、どこも、周辺緩衝地帯やターミナルに人が集まる様々な地元民向け施設がありました。

旅の終わりは、そんな、空港にある地元民向け施設を探ってみます。

■スポーツ施設が多かった信州・北陸
まずは、今回訪問した空港にあった地元民向け施設を挙げてみます。

・富山:富山県空港スポーツ緑地(総合体育センター、陸上競技場、テニスコートなど)
・能登:空港自体が道の駅。ターミナルは行政施設を併設。
・小松:スカイパークこまつ翼(サッカー・ラグビー場、ソフトボール場、グラウンドゴルフ場・パークゴルフ場)
・松本:長野県松本平広域公園信州スカイパーク(やまびこドーム、プール、陸上競技場、馬術競技場、マレットゴルフコースなど)
・飛騨エアパーク:(厳密には空港と若干離れていますが)みはらし広場と丹生川運動公園(グラウンド、テニスコート)

能登以外はスポーツ施設を設けています。特に、富山、松本は周辺に広く整備。小松や飛騨(隣接地)も、広くはないですが、グラウンド数面を配置していました。能登はスポーツ施設はありませんが、ターミナル館内に行政施設を設置していました。そして、いずれの空港も周辺公園などに展望台がありました。

富山と小松は地元民向けの運動施設ですが、設備がかなり充実。松本に至ってはJリーグも開催される陸上競技場を設置するなど、各空港ともかなりの本格派でした。
※能登も、地元民向けではありませんが、ターミナル横にある日本航空学園内に同校用のグラウンドなどがあります。

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富山空港は富山県空港スポーツ緑地が隣接しています。写真は空港の展望デッキから北を見たところ。奥に見える建物は空港ではなく、総合体育センターです。

■全国的にスポーツ施設が多い
全国的に、空港周辺の緩衝地帯には、公園を設けることが非常に多いです。しかし、その多くは、芝生広場や展望台、飛行機展示といった、いわゆる都市公園仕様。富山、小松、松本のように本格的なスポーツ施設や行政施設を設けているのは、それほど多くありません。
ざっくりあげると、以下の空港で緩衝地帯に地元民向けの施設を設けています。

<緩衝地帯に地元民向けスポーツ施設がある空港>
・札幌(丘珠):コミュニティードームつどーむ(全天候型グラウンド、テニスコート、パークゴルフ場など)
・三沢:三沢市民運動公園(野球場)
・大館能代:大館能代空港周辺ふれあい緑地(テニスコート、スポーツ広場、クロスカントリースキーコースなど)
・秋田:県立中央公園(あきたスカイドーム、陸上競技場、投てき場、野球場、アーチェリー場、マウンテンバイクコースなど)
・庄内:庄内空港緩衝緑地(オートキャンプ場、アーチェリー場、テニスコート、グラウンドゴルフ場、ゲートボール場など)
・調布:東京スタジアム、武蔵野の森総合スポーツプラザ、大沢グラウンド、調布基地跡地運動公園
・名古屋:豊山グラウンド、豊山スカイプール
・岡山:日応寺自然の森スポーツ広場(野球場、パターゴルフ場、テニスコートなど)
・広島:中央森林公園(サイクリングロード、グラウンドゴルフ場、テニスコートなと)
・高松:さぬき空港公園(グラススキー場など)
・大分県央:大野総合運動公園(グラウンド、野球場、テニスコート、ゲートボール場など)
・喜界:喜界ガーデンゴルフ

<ターミナル地区などに地元民向け行政施設を設けている空港>
・大館能代:道の駅
・花巻:花巻市交流会館(市のカルチャールームなど)
・但馬:パスポートセンター
・徳島:運転免許センター
鳥取:数年前まで国際交流センターあり

以前の旅行記でこれらの施設は一部取り上げたことがあります。
http://johokotu.seesaa.net/article/269616447.html

こうやって見ると、全空港の一割程度に地元民向け施設、特にスポーツ施設が整備されていることが分かります。
秋田は施設数がかなり多く、市民が運動しに行くならここ、といった感じです。調布も跡地を再開発しているため範囲が広く、スポーツ施設だけでなく大学や病院も整備。本格的な競技場の数々は、東京オリンピック・パラリンピック2020でもフル活用される予定になっています。
今回訪問した松本も、秋田や調布と並び施設数が多い空港です。富山も数は多い方です。

それぞれの施設を見てみると、市中ではなかなかお目にかかれないアーチェリー場を設けている空港が複数あるほか、競技大会ができる公認施設もあり、大館能代のクロスカントリースキーコースや広島のサイクリングロードなど珍しい施設もあります。
名古屋の豊山グラウンドは普通の野球グラウンドですが、毎年イチロー杯が行われることでも有名です。

これらの施設はあくまでも市民向けなので、空港利用者が使うことはあまり想定されていません。しかし、富山の総合体育センターでは、卓球場などが気軽に利用でき(30分ごとの利用料設定)、空港内でも待ち時間での利用がPRされていました(令和元年5月現在、航空利用者・空港内店舗利用者がビリヤード・光線銃・卓球のいずれかを30分半額で利用できるサービスもありました)。

以前の旅行記(→http://johokotu.seesaa.net/article/462424498.html)でも書きましたが、ここ数年、空港内に子どもの遊び場がたくさん登場しています。さらに、昨年末には、東京国際空港の第1ターミナルにコトを提供する施設としてTHE HANEDA HOUSEがオープンするなど、いま、体を動かす施設が空港のトレンドです。飛行機の待ち時間にちょっと時間潰しに運動すると、施設を活用できたら嬉しいところです。
そういえば、松本については、空港偏愛漫画の前略 雲の上よりでも、待ち時間?に、国宝級?の信州スカイパークを二周歩いて筋肉痛になっていましたね(笑)

201905j.jpg
今回訪問した松本では、飛行機の向こうに陸上競技場が見えます。

■行政施設は能登が最先端
行政施設併設では、能登の右に出る空港はありません。道の駅であることに加え、石川県のいくつかの出先機関がターミナル内に入っています。ひとつの建物に空港、道路、役所の三つの機能が備わっています。イベントを開催しなくても、空港に飛行機利用者、道の駅に観光客、行政施設に地元民、さらにそこに勤務する人々と多くの人が普段から集まります。
これらの取り組みにより、第32回国際交通安全学会賞(業績部門)を受賞しています。

地方の空港では、飛行機が飛んでいない時間帯は閑古鳥が鳴いている空港が多く、入居している売店や飲食店は苦戦を強いられています。今回訪問した空港も、富山では売店が長い昼休みをとり、松本は最終便が飛び去った17時前には早くも全店店仕舞いをしていました。
しかし、人が集まるなら、こういった店も維持しやすくなり、航空発着時間帯以外に来た人も利用しやすくなります。

空港周辺の運動施設に運動に来て帰りに空港の飲食店に寄る、行政施設に手続きに来てついでに売店で買い物して帰る、といった具合。こういった施設を入れることで、空港がもっと賑わう原動力になりそうです。

全国の空港を回ると、こういう施設を設けられそうな空港は結構たくさんあります。
そもそも空港が県立であることも多いので、空港と行政施設の相性は抜群によく見えます。でも、なかなかこういったコンセプトの整備が広がっていません。
個人的にはとても不思議ですが、サービスでもお手本にされることの多い東京国際(羽田)や成田国際には市民向け行政施設はありませんから、むしろそういう施設がない方が世の中的には常識なのかもしれません(厳密に言うと、羽田は空港内にある羽田空港警察署で免許更新が出来たりします)。
行政主導だと、市民の福利厚生の側面が強くなりますから、どうしてもスポーツ施設や文教施設に偏りがちです。しかし、民間主導にして商業施設の誘致するのもひとつの方法ではあります(乗り遅れ防止のため渋滞対策の同時実施は絶対条件ですが)。名古屋ではそれを実践し、旧国際線ターミナルにショッピングモールが開業しています。

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能登空港は道の駅併設。到着出口前には道の駅の認定証も掲げられています。

■施設集約で人を集めるのは商業施設と同じ
さまざまな施設を集約させて、人を集めるのは結構ポイントになるやり方です。
最近の街中施設はこういった集合型が非常に多いです。集合型にできず、各店が点でバラバラな商店街は衰退。一方で、集合型となったショッピングモールが発展しています。
昔から駅に図書館があったり、デパートやスーパーがあったりするのはよく見られますが、最近では、ショッピングモールの中に行政施設が入っているところも多くなりました。客からすれば全て1か所で済むのですから、集まるのが当然と言えば当然。これらの施設は人が集まる場所なので、バスの発着点になり、便利になったアクセスでさらに人が集まるという、好循環になっています。
成田国際空港に直行バスが走るイオンモール成田は、開業前は周囲が田畑と山林しかない地区でしたが、このショッピングモールが出たことで、アクセス交通が発達。さらに、集まった人を目当てに、隣接地にも商業施設が立ち、人が集まる地域に変貌しています。

そんな目で見ていくと、空港はちょうど良い集客施設でもあることに気付けます。空港という施設だけでも飛行機が人を運んできて、バスの発着点にもなります。これは、集客施設が航空関連か商業関連かの違いだけで、中身はショッピングモールとそっくり。スポーツ施設や行政施設を集約することで人を集め、アクセスがさらに便利になれば、もっと人を集められるというわけです。

また、地方ではバスの終点は、学校だったり、病院であったりします。これは、普段から利用する人が、自家用車が利用できない学生やジジババだから。自動車免許返納がブームになっている今、その需要は益々高まります。
飛行機の騒音があるので、適切かどうかは分かりませんが、こういった施設を隣接させるのもひとつの手でしょう。そうすることで、バスの発着点にもなり、ますます便利になります。
学校隣接は能登が実践していました。そして、実際に見た朝のバス利用から考えてみると、学校を隣接させた効果があったことが分かります。
こうやってアクセスが便利になれば、就航便数の増加も見込めます。

南紀白浜が空港をバス結接点にしようと試みていますが、アクセスを便利にするだけでは片手落ちで、空港に何らかの施設を加えることがポイントになりそうです。

空港は街の中心部から外れていることが多いです。車で行かざるを得ないような辺鄙なところにある空港にスポーツ施設を造っても人が集まるかよ、という意見もほとんどだと思います。
しかし、例えば、横浜だって開港したときはただの寒村でした。同じように、港である空港だって、大化けして、そもそも行政施設だけでなく、人が生活する地域に変わる可能性は秘めているということです。
江戸時代は街道沿いに街が出来、大正の頃になると鉄道駅を中心とした街になり、さらに平成には道路網を元に商業施設が集積して街が動いていく。家畜が驚くからと鉄道を拒んだら街が衰退したとか、駅前商店街は郊外のショッピングモールに客を奪われて気がついたら駅利用者がいないとか、そんな所は日本各地にあります。逆に、拠点を獲得し、大きく発展する所もあります。

今回訪問した能登を始め、岡山や熊本など、全国の空港近くには工業団地があります。これも空港があるからこそ。ここに勤める人が周囲に住み、その人たちを便利にするために商業施設がやって来て、さらに福利厚生も必要になるといった具合です。

空港にスポーツ施設や行政施設があるのは、そんな第一歩なのかもしれません。
話が少し飛躍しすぎているかもしれませんが、そんな見方で空港を見ていくと、ワクワクしてくるのではないでしょうか。

今回訪問した空港に本格的なスポーツ施設がたくさんあったことから、少しだけ施設の充実について考えてみました。
そんなこんなで、いつもの通り、軽〜い空想的な話題もしながら、旅のまとめを軽〜く〆させていただきます。

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2019年05月26日

アルプス越えて陸から北へ(2日目)

※2019年6月にアップした2019年5月の旅行記です。

■2019.05.26 (穴水)→能登→飛騨→松本→(塩尻)→(自宅)
■日の出前から里山越えてNTQへ
別所岳パーキングエリアで一晩を過ごし、目が覚めたら、外が明るくなりかけていた。

今日は、どんなに遅くとも18時頃までに塩尻に戻る必要がある。制限時間があるなかで、移動距離が約280キロととにかく長い。八時半の能登空港のターミナル開館までに、外回りの確認は出来るだけ済ませ、最早で空港を出る計画だった。

時刻はまだ四時過ぎだが、明るくなれば外回りの撮影は可能なので、道の駅でもある能登空港へすぐに向かった。
空港到着後、まずは西側の展望台へ。そのあとは、ターミナル側へ移動。駐車場やターミナル外観などを見学、バスを確認した。

能登空港は、道の駅併設の施設だが、ターミナルには開館時間が設定され、朝は八時半まで入れない。
このため、ターミナルから空港駐車場を挟んだ反対側に、第二駐車場とトイレ棟が整備されていて、ターミナルの閉館時間帯はそちらを利用するようになっていた。第一駐車場とされている空港駐車場も24時間解放だが、他の車が多いし、トイレから遠いので、仮眠目的で使うなら第二だ。
今日は、他に三台の車が車中泊をしていた。

外回りの調査は、チンタラしたものの一時間ほどで済んでしまったので、第二駐車場に入り二度寝。始発バスの撮影で七時過ぎに一度起きたものの、そのまま八時半の開館までさらに三度寝。道の駅の大きな機能のひとつである車中仮眠も堪能した。

※朝のバスは、飛行機が着いているわけでもなく、ターミナル自体も空いていない(=待ち合いスペースすらない)時間帯に、少し道を逸れてやってくる。このため、バスをわざわざ空港経由にする意味があるのか最初は分からなかった。
しかし、様子を見てみたら、開館までにやって来た四便ともに2〜3人の乗車があった。いずれも空港に隣接する日本航空学園の学生とみられる若者だった。
今日は休日の朝。休みの日を利用して金沢などへ出掛ける需要なのだろう。
周囲にはほとんど民家はなく、専ら学生利用なのだろうが、需要が生まれていることが分かる良い実例だ。隣の場所の学生でなくても、駐車場が24時間開放でタダだから、少し離れた住民もパークアンドライド乗り場としても使えそうだった。


八時半にターミナルが開館すると同時に館内へ。売店は開館と同時に開いていた。
朝イチの飛行機までもまだまだ時間があるので、客のいない館内をさっさと見て回れると思っていた。しかし、いざ館内にいると、二、三組客が出入りしていた。道の駅だけあって、ドライバーのちょっと見学が多かったようだった。売店では空港ソフトクリームなども販売されており、空港にいながら道の駅らしい体験が充分できる施設になっていた。

九時に開店と同時に飲食店を撮影。ゆっくり食事をしたかったが、泣く泣く断念し、売店で朝食(パン位しかなかったけど)を購入。車中食として、能登空港をあとにした。

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能登空港に着いたのは、ちょうど日の出直前。すぐに向かった展望台からは、真ん丸太陽と空港を一緒に撮ることが出来た。

■不安なまま飛騨越えへ突入
ここからは、一気に飛騨エアパークまで南下する。
本当は少しでも費用を削減しようと下道で行きたいところだが、それでは時間が不安。そこで、できるだけ上道として、七尾まではのと里山海道、七尾から能越道、さらに高岡から東海北陸道を進んだ。ありがたいことに、のと里山海道に加えて高岡インターチェンジ(IC)までの能越道も無料区間。高岡までは懐を痛めることなく高速移動ができた。
整備されていない七尾の街中で下道に下りた際に渋滞にはまったものの、高速区間は安定的に70キロ走行が出来た。高岡までは片側一車線交互通行だったので、渋滞をつくるトロトロ車がいるかと思ったが、石川・富山はそんな車は見られなかった。

※高岡から小矢部砺波ジャンクション(JCT)までは、富山県が管理する区間になっている。この区間だけ100キロ高速・片側二車線で、さらに快適に飛ばすことができた。
同じNEXCO管理の道のように見えるが、実際には別々管理。このため、東海北陸道へ進む場合、小矢部砺波JCT手前の料金所では、通行券を受けとるだけでなく、富山県への支払いも必要になり、二つの手続きが必要なので要注意だ。


この先で危ない事態に遭遇した。

今回、前日に北陸道を通った際に五箇山-白川郷間通行止の表示が出ていたため、今日も通行止でないか少し不安なまま来ていた。
なぜそうなったのかと言えば、数日前からGoogleマップで、飛騨清見IC付近に通行止表示が出現。ルート検索をかけた際も、通行規制迂回みたいな表示が出ていたからだ。
しかし、ルート検索結果を詳しく分析はしていなかった。このため、前日の北陸道から、SAPAでSAPAガイドを手に入れ、詳細ルートを確認したかったのだが、どこのSAPAでもSAPAガイド配布しておらず、さらに渋滞情報板もなく、確認のしようがなかった。初めて通る道でもあり、通行止区間の具体的な場所がよく分かっていなかった。

問題なのは、東海北陸道がもしも通れないなら、ここからは、少し離れた国道に迂回する必要がある点だった。小矢部砺波を過ぎてしまうと、下道離脱したあとの高山への道はかなりのクネクネ山道になる。それであれば、小矢部砺波から富山側へ逃げ、まだ道幅が広いであろう富山-高山間のメイン国道を進みたい。
しかし、ここまで道路上の情報板でも、通行止に関する情報は何も出ておらず、本当に通行止めでないのか不安で仕方なくなっていたのだ。

そこで、これらの通行止が解消したのかの確認も兼ねて、城端SAへ寄った。
このSAは、パーキングオアシス併設だったが、SA自体の施設はとても簡素だった。トイレとコンビニ、小さな飲食店があるだけでとてもSAとは思えない。しかも、上下線が同じ施設を利用するため、とても混雑していた。そして案内所もなければ、情報板も見当たらないという致命傷を抱えていた。
これでは、通行止区間がどこなのか、渋滞があるのかないのか、通行止が解除されているのかどうかも、さっぱり分からない。なにより、ここまでのSAPAで、どこにもSAPAガイドを配っている所がなく、正確なICやJCT位置も把握できていなかった。

こうなると、道路上の情報板を信じて、何もないものとして先へ進むしかない。
結局、時間が足りなくなるかもしれないので、先を急いだ。

東海北陸道は、小矢部砺波から南下する。高山は富山から南下する谷筋にあり、実は、東海北陸道のルートは高山より二つ西側の谷筋を通っている。このため、東海北陸道の小矢部砺波から高山へ向かうには、白川郷からひと山分だけ東に向かった飛騨清見から、さらに中部縦貫道に分岐し、東にもうひと山越えなければならない
しかし、富山平野の南の谷はひとつだと思い込み、鉄道が富山から南下して高山に直結しているので、東海北陸道も高山に直結しているものと思い込んでいた。SAPAガイドもなく、SAに情報ステーションも見当たらなかったことで、別の高速に分岐しなければならないことは全然知らなかった。

そんな中で、白川郷を過ぎ、飛騨清見ICの直前で、高山には分岐しなければならないことを知ったような状況だった。白川郷から東へ向かった先にあるこのICが高山ICでないために、やや頭の中で混乱しながら東海北陸道を離脱。さらに、中部縦貫道とやらに入る分岐のはずなのに、JCTではなくICで料金所があることが頭の混乱に拍車をかけた。
こうなるともう訳がわからない。
とりあえず標識に沿って向かうべと、中部縦貫道高山方面が右だと記載のある図上の標識に沿って、料金所ブースから右に車線変更した瞬間、なぜか目の前の中部縦貫道への分岐路が行き止まりで入り込めなかった。当然急ブレーキ減速。道路上に止まるわけにもいかないので、とりあえず一旦左の道を進み一般道へ降りざるを得なかった。

ICの長い下り坂を下りながら、よくよく周囲の状況を確認したら、何だか工事誘導員みたいのがたくさんいる。
どうも中部縦貫道の飛騨清見ICから東側が工事で通行止になっているようだった。
ナビが適切に誘導してくれ、IC出口の信号待ちですぐに、高山までは中部縦貫道と平行して国道158号線があることを確認。瞬時の判断で、とりあえず下道で行くことを決定した。自分はうまく判断できたが、よく分からないままだったら、道路上で止まってしまい、大事故を誘発しかねない事態だった。

暫く進んだ高山西IC付近に道の駅ななもり清見があったので寄り道し、状況を確認することにした。
よくよく見てみると、目の前の交差点付近にある情報板には飛騨清見IC-高山西IC間工事通行止との表示が。さらに道の駅の中の壁にも同じ情報がたくさん貼られていた。
今通ってきたから飛騨清見IC-高山西IC間がどこか分かるけど、SAPAガイドがないから事前に気付くことすらできなかった。

それにしても、通りすぎてから情報があっても何の意味もなさないから、、、。
さっき寄った城端SAといい、東海北陸道の案内板といい、こういうドライバーに最も重要な情報を出さない(出してたのかもしれないけど、気付かないような出し方な)のは、いただけないと、憤慨してしまった。

※ちなみに道の駅を出て高山西ICから中部縦貫道に入ったら、目の前の車が、飛騨清見IC方面に行きたかったようで急ブレーキ、あわやぶつかる事態にはまってしまった。
間違える人がいた最大の原因は、通常の看板をきちんと隠していなかったことだ。かつ、入口に東海北陸道方面が「工事で」通行止として、だから「国道迂回して行くしかない」みたいな表示が一切見られなかったことで、間違える人が続出。結局、訳が分からないまま通行止のバリケード前まで行ってしまうようだ。「何月何日〜何月何日に○○IC〜○○IC通行止」と書かれていても、初めて通る人には、今自分が利用しているICからどっち方向のことを言っているのか分からないし、そういう書き方は、駐車して見るポスターでじっくり見るためのものだ。運転している人は、道路上の表示機を見て、一瞬で判断しなければならないんだから、「ここから東海北陸道方面は「本日」工事で通行止。国道へ迂回せよ。」といった記載をしなければ意味がない。
高山西ICで急ブレーキ停止していたのは前の車だけでなく、後ろの車もだったので、表示の仕方が紛らわし過ぎたのだろう。


高山で寄るのは飛騨エアパークだ。
唯一まだ行けていなかった農道離着陸場で、高山の中心部から少し北東に離れた場所にある。
中部縦貫道が途切れる高山ICは、高山市中心部より北側にあるから、裏道的な県道89号線を通ってアクセス。高山市中心部を避けるルートをとった。

飛騨エアパークには12時半頃に着いた。能登空港からの約200キロは約3時間半かかったことになる。ルートは大部分が高速道路で、渋滞にはまることはなく、平均速度60キロほどで、ほぼ想定通りの所要時間だった。
飛騨エアパークを利用している飛行機はなかったが、施設は開いていて、管理人さんが暇そうにしていた。何も飛んではいないが、近くに公園もあるせいか、何組か見学者が訪れていて、これまで訪ねた農道離着陸場の中では最も見学者を見た農道離着陸場となった。
見学は30分ほどで済ませられ、そのまま、平湯方面に向けて出発した。

201905g.jpg
飛騨エアパークの入口。周囲はビニールは椅子が立ち並ぶのんびりした畑作地帯だった。

■北アルプス越えは意外とすんなり
ここから松本空港までは75キロほどなので、順調にいけば2時間位だ。しかし、今日は日曜日の午後。上高地観光を終えた人たちが大量に出てくるであろう時間帯にさしかかり、渋滞に巻き込まれるリスクがあった。このため、三、四時間かかることも想定しながら先を急いだ。終電は19時前であと5時間弱だからあまりチンタラしてられなかった。

山道ではあったものの、平湯までは細かいクネクネはあまりなく、比較的スムーズな通行が出来た。

※高山から松本までは、平湯温泉脇まで山を登り、安房峠をぬけて、あとは上高地を起点とする梓川沿いを下るだけ、つまり一山(その一山が高すぎる北アルプス)を越えるだけだと思っていた。
ところが、実際に来てみると、平湯温泉脇に行くまでにも、もう一山平湯峠を越える道になっていた。
往路で平湯温泉から富山まではずっと下りだったから、平湯のある谷は、高山とは違う谷筋に当たっていた。これまで平湯は高山の奥座敷だと思っていたのだが、正確には富山の奥座敷の神岡のさらに奥座敷だった。


北アルプスを越える安房トンネルからは往路と同じ道路を戻る形になる。
予想に反して、交通量は往路ほど多くはなかった。クネクネと狭いトンネルのせいで時々減速はあったものの、ほぼ下り坂だから持ち直しも容易。波田で国道と分かれてからは一気に交通量が減ったので、平均すると時速50〜60キロ走行が出来た。

松本空港には、予想より遥かに早く、15時頃にはたどり着けた。
松本は前回訪問から時間は経っているものの、それほど大きな変化はない。ちょうどフジドリームエアラインズの昼便が飛び立った後だったので、ペッぺと調査を済ませられると思っていた。

しかし、館内には意外と人がいた。

隣接するスカイパークで信州花フェスタを開催していて、そこを訪れたついでに寄り道する人が多いようだった。人の途切れを狙ったり、遅い昼飯をとったりしていたら、時間が経つのはあっという間。いつの間にやら、FDAの最終便の時間帯(16時30分発)を迎え、その出発はバタバタ見届けることになった。最終便が飛び立つと空港内はあっという間に店じまいをしてしまい、こちらも見るものがなくなったので、空港を出発した。
それでも時刻はまだ17時。17時半前には塩尻でレンタカーを返却できた。

201905h.jpg
花フェスタで花とフジドリがコラボレーション。普段からこのくらい花があると良いんだけど、、、。

■時間がかかる山梨越え
ここからは、中央本線を鈍行で戻る行程だ。
事前に検索をかけた最終電車は、塩尻18時59分発で、まだ一時間半以上ある。これなら一便、下手したら二便早く帰れそうだと検索をかけてみると、17時37分発を逃すと18時59分発まで東京方面へ抜けられる便がないようだ。
出発までは約十分しかない。逃すと塩尻駅で一時間半も待たされたうえ、帰り着くのが1時間半遅くなるわけだから、なんとか乗りたい。レンタカー屋から塩尻駅へ走って走って、何とか発車時刻に間に合わせた。

塩尻駅では時間が無くて何も購入できず、弁当も飲み物も確保できずじまいとなってしまった。

なんとかギリギリ間に合った電車は、まず甲府行きだ。
電車に乗ってからジョルダンの検索結果をよくよく確認すると、この電車からの乗り継ぎは小淵沢で20分待って、八王子には22時前の到着と出ていた。結構待ち時間が長い。塩尻18時59分発に乗った場合は、接続が良いため八王子までの所要時間は三時間半かからない。この便は4時間以上かかるため、塩尻を一時間半早く出るのに都内に入るのは40分ほどの差しかない。なんとも無駄が多い行程だった。
なんとかならないか甲府の時刻表を開いてみると、甲府到着数分後に塩山行きがあるようだが、塩山行きはその先の接続はなかった。甲府で乗り換える電車は、小淵沢始発で追っかけてくる電車に乗っても変わらないことが分かった。

今回は、夕飯をどこかの駅で地元系駅弁(=コンビニ駅弁ではない)を買うことを考えていた。塩尻で売店寄る時間がなく駅弁を確保できていなかったので、乗り継ぎのついでにどこかの駅で購入しなければならない。
詳細なダイヤを見る限りでは、小淵沢〜甲府間か大月、八王子が候補になったが、大月、八王子は時刻が遅いから売店が閉まっている可能性が高い。そこで小淵沢〜甲府間での寄り道を検討した。
ただ、今回使っている切符は、少しでも安くしようと分割購入し、塩尻から100キロギリギリで区切ってしまっている。このため途中下車ができないので、駅改札口内に売店がある必要があった。小淵沢〜甲府間で、改札口内にも売店がある可能性が一番高いのは甲府なので、乗り継ぎは甲府で行うことに決定。塩尻から甲府、大月、八王子と乗り継ぐことにした。

※ジョルダンで後日検索をかけたら上記の乗り継ぎが普通に出てきた。さらに、最終電車も塩尻18時59分発ではなく、19時56分発であることが判明した。事前に調べたときは、乗り換え時間設定がおかしかったのか、往路も含め、全然違う電車のみがヒットしていた。このため、今回は現地で行った検索がとにかく使えなかった。
そもそも、乗り継ぎ便があるかないかは、ピンポイントで検索するダイヤ検索では分かりづらく、列車時刻表でないと探しづらい。今回の場合、小淵沢〜甲府間ではどの駅でも乗り継ぎが可能なので、途中寄る駅の選択肢も豊富だ。しかし、ピンポイントの検索だと、全員小淵沢でしか乗り継ぎできないと考えてしまう。ナビの普及で幹線道路にばかり車が集中するのと同じで、客の流動が固定化される要因になりそうな印象だった。


甲府までは二時間弱の乗車だった。まだ陽が出ている時間帯で、八ヶ岳や南アルプスの雄大な車窓も堪能。車内にお客はあまりおらず、快適に過ごすことができた。

甲府には19時過ぎに到着した。
改札階に上ると、どうもあまり大きくない駅のようだ。改札口内には、コンビニ一軒と端の方に駅弁売店が一軒あっただけだった。
なんとか駅弁売店が開いていたので、これはラッキーと思ったのも束の間。店の前に立ったら、すべての駅弁が売り切れてしまっていた。仕方がないとコンビニを覗いても、置いてある弁当は、どこのコンビニでも売っているサンドイッチ程度しかない。ならばホーム売店はどうよ、とホームに降りてみたものの、二店舗ほどお店はあるようなのだが、一店舗は18時頃に閉店済。一店舗はそもそも店を畳んでいた。改札口内には立ち食い蕎麦屋すらなかった。
こうなると、もう何もできない。結局30分間ボケーと過ごし、大月行きに乗り換えた。

大月までは一時間かからなかった。
ここで東京行きに乗り継ぎ。駅の中は、富士急から乗り換えてきた外国人でごった返していたが、ここの売店も閉店後で駅弁を購入することは叶わなかった。

八王子は、甲府よりも大きく、改札口内に店舗が多いものの、時間が22時近くということもあり、当然軒並み閉店後。
結局、自宅最寄駅前の松屋で夕食を食べることになり、そのまま普通の腹加減で帰宅となってしまった。

201905i.jpg
日が傾きかけた塩尻駅。JR東海の車両も見られる一大ターミナルだ。ワイン樽が目印。松本空港最寄駅は次の広丘駅。


■今日の教訓!
能登へは富山側も無料区間長い←高岡以北は無料です。
飛騨は南北に山だらけ←東西移動は山越えが多いです。
[飛騨]見学者が意外と多い←展示機体も見られます。
[松本]日の入り前には店じまい←最終便は16時半。
中央線鈍行移動は所要時間に注意←最終電車とその一便前は乗り継ぎ便利。

■実際の旅程
05/26 SUN
別所岳SA04:00(レンタカー 20km)04:30[能登空港]
[能登空港]09:15(レンタカー 210km)→12:30[飛騨エアパーク]
[飛騨エアパーク]13:00(レンタカー 75km)→15:00[松本空港]
[松本空港]17:00(レンタカー 10km)→17:30塩 尻 駅
塩 尻 駅17:37(JR東日本 中央本線)→19:15甲 府 駅
甲 府 駅19:45(JR東日本 中央本線)→20:33大 月 駅
大 月 駅20:50(JR東日本 中央本線)→23:38八 王 子駅
八 王 子駅21:45(JR東日本 横浜線等)→23:00自   宅


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2019年05月25日

アルプス越えて陸から北へ(1日目)

※2019年6月にアップした2019年5月の旅行記です。

■2019.05.25 (自宅)→(塩尻)→富山→小松→(穴水)
■塩尻へのルートは高を括らずしっかり調べた方がいい
今日は朝イチから八王子経由で塩尻へ鈍行移動だ。八王子までは横浜線で移動。とりあえず始発に乗って向かっていた。
事前に軽く調べた感じだと、高尾を6時過ぎに出る松本行きに乗れれば9時過ぎには塩尻へ着けるようで、東京駅の始発からだったら乗れるようだった。しかし、ジョルダンで横浜線からの始発検索をかけたところ、最寄駅から始発に乗っても、その時刻に高尾へは行けないようで、八王子で45分待って次便の松本行きへの接続と出た。これだと塩尻到着は10時前頃だ。

途中異音検知で10分ほど駅間に止まるアクシデントがあったが、八王子には6時に着けた。
ここで、駅に掲げられていた時刻表を覗いてみたら、高尾始発の電車の時刻表があり、始発の松本行きは高尾6時14分発だと書いてある。で、ホームの表示機を見ると、次の中央線は6時6分発だ。高尾までは5分強のはずだから、間に合いそうだ。

とりあえずと乗ってみたら、高尾では一分接続で普通に間に合ってしまった
ジョルダンの検索でなぜヒットしないのか分からないが、紙の列車時刻表をきちんと見ておくべきだった。

乗った電車は松本行きだから、このまま乗ってけば良い。座席も高尾発の時点で半分ほどしか埋まっておらず、特に甲府〜上諏訪間はガ〜ラガラ。高尾の時点で座席を確保出来たので、塩尻までは結構長い距離爆睡していた。

塩尻駅には9時17分に着けた。

※高尾から乗った電車は、東京駅から松本へ向かう始発鈍行だった(高尾始発はもう少し早いのがあるので多摩地区からはもっと早く松本に着ける)。結局、塩尻までは後続のあずさ号に追い付かれず、特急よりも松本に早く着ける電車なので、とにかく早く松本へ行くのには使える電車だ。朝起きるのは大変だけど、特急料金分が浮く感じがした。

201905a.jpg
高尾駅で松本行に乗り換え。1分乗り継ぎだが同一ホームで乗り換え可能だった。

■かみ高地へのルートは神置かんで車とバイクだらけ
少しでも安く行こうと、相模湖を境にきっぷ分割をしていたため、自動改札は通れず、塩尻では窓口通過だったが、窓口で揉めている人がいて、改札を出るのに十分ほどかかってしまった。
駅からレンタカー屋までは徒歩10分ほどなので、普通に行けば、9時半位には出発できるところだった。しかし、改札での時間ロスに加え、途中にあった西友で朝飯のパンを確保してから向かい、さらに手続きにも時間がかかったおかげで、結局10時出発となった。

塩尻からは富山へ直行だ。富山との間には高速道路がなく、下道利用。山の中なので信号は少ないだろうが、クネクネが多かったり、混雑したりすると時間がどんどん減っていくので、とにかく先を急いだ。

塩尻から松本空港南端をかすめながら、小道を通って山形村を通過。波田から国道158号線へと入った。ここまでは交通量はそれほどでもなかったが、信号待ちが意外と多かった。
国道に入ったら、信号は少なくなったが、今度は交通量が激増し、時速30キロほどのノロノロ大行列となった。バイクも結構いる。
よく考えてみたら、この道は上高地への唯一の道路だった。土曜の朝で向かう人が多かったようだ。ここをすんなり抜けられる神がいたらありがたいんだけど、そんなのは期待するだけ無駄骨。
道の駅 風穴の里で、ひと休みと思ったら、駐車場はバイカーだらけ。全くゆっくりできず、ほとんど休憩せずに、トイレだけ済ませて先を急いだ。

それにしても道はノロノロ。
車が多いのもあるが、何より、上高地との分岐点である中の湯までの間で、トンネルが狭い区間が続くのが、最大の原因だった。上高地へ向かう観光バスとピストン往復する路線バスが多く、それらがトンネル内で離合するのには幅がギリギリ。離合するごとに大減速し、状況によってはトンネル前で待っていたりするので、ノロノロになっていた。普通乗用車とバスの離合は、問題なくできるが、圧迫感はあるので、初心者ドライバーだと、離合するときに大きく減速してしまうかもしれなかった。

上高地へのパークアンドライドが実施されている沢渡で自家用車の半分くらいは減ったものの、観光バスはそのまま直進するので、中の湯までは、車間は開いたものの、ノロノロしたままだった。

※今回全く考慮していなかったが、国道158号線のこの区間は、最盛期の土曜朝は、沢渡の駐車場に入れない車で大渋滞することもあるらしかった。今回はノロノロとは言えほとんど止まることなく動いていたから良かったが、ちょっとリスキーな道路だったようだ。
中の湯から平湯までの間は、安房トンネルという峠越えの短絡ルートが整備されているが、これは中部縦貫道の一部として整備されたもの。計画では、松本-高山間はこの中部縦貫道で結ばれることになっているので、開通すれば上高地渋滞を心配せずに松本から高山へ行けるようになるが、まだ事業化すらされていないので、実現するのはまだまだ先だ。梓川沿いの斜面は、岩が脆いのか、結構崩れている箇所があったので、トンネル造成も難工事なのかもしれない。
ちなみに、この道路は高山市では緊急輸送道路網とされている。翌日に訪れた飛騨エアパークは、この道路を活用したドクターヘリの離着陸場として、緊急輸送を担う拠点と位置付けられている。


ノロノロ走行のせいで平湯を抜け切った時には11時台も後半だった。
安房トンネルの平湯料金所の先すぐのところで高山方面に行く道と分かれ、国道471号線に入った。平湯からはほぼ下り坂でクネクネもあまりなし。こちらに行く車はほとんどなく、信号が増える富山平野に入るまでは、うって変わってスイスイの快適路だった。

かつて公害、今はスーパーカミオカンデで有名な神岡を通過し、笹津を抜けたら、富山平野に。典型的な扇状地だから、一気に眺望が開けた。

結局、富山空港までは3時間強かかり、13時過ぎに着くことが出来た。約130キロを三時間強だから、平均時速は40キロほどで、田舎道にしては時間がかかった印象だった。

201905b.jpg
富山空港では駐車場の向こうに立山連峰の山々が見えた。富山平野らしい風景。

■富山空港での移動ルートはたての山もよこの山も楽しもう
先を急ぎたいので、富山空港では少しでも時短をしたいところだったが、駐車場が全然空いていない。無料側で止めようとしたら、ターミナル近くはすべて満車で、遠く離れた、端から二つ目の区画であるF区画まで行かされてしまった。
小型機運航各社が揃う場所が目の前にあり、撮影も出来たので、一石二鳥的ではあったのだが、ターミナルへの移動は大変だった。
なにより今日は暑すぎ。毎年五月下旬にはこんな日があるけど、北海道ですら35度超えという真夏日で、外に少し出ているだけで汗が吹き出す天気だ。それなのに、駐車場からターミナルまでは、途中まで屋根すらなかった。屋根がないから立山連峰の山々は楽しめたけど、今日のような真夏日は勘弁してほしかった。

※富山空港は、川沿いの南北に細長い領域に空港を設置しているため、ターミナル前に広い敷地を確保できていない。そんな中で北側は総合体育館センターの建物で蓋をされており、ターミナル前東側正面は空港スポーツ緑地の公園となっている。このため、駐車場が南側に異様に細長く配置されることになってしまっていた。
その南端付近まで行かされたから、逃げ水的に歩けど歩けどターミナルにたどり着かない感じだった。


ターミナルに入ると、ちょうど上海航空が到着し、中国人が少しずつ出てきていた。しかし、国内線はない時間帯のため、ターミナル内は閑散としていた。おかげであまり時間をかけずに見学を終わらせられた。

富山空港は、北陸新幹線金沢延伸の影響で、東京国際線が二往復減便し、四往復が朝晩に二往復ずつ運航するダイヤに変わっている。このため昼間の利用は少なく、二階にある薬屋さんは昼間の時間帯に一時閉店するという、一見すると不思議な営業時間になっていた。

富山空港のターミナルには一時間ほどしか滞在せず、14時半には出発。ターミナルを出たあとは北側にある展望台に寄り道。その後、フォトスポットとして有名な神通川の対岸から空港を少しだけ眺めてから、すぐに小松へ移動を開始した。

201905c.jpg
神通川の向こうに富山空港、そして立山。すぐ横にある山といった感じ。

■小松へのルートは金触らずに、まっとうに午後から華麗にゴーゴー!
小松までは100キロないものの、下道だと日の入りまでに着けるか分からないので、富山インターチェンジから北陸道で向かった。
北陸一の観光地金沢はまったくタッチせずに華麗にスルー。松任でトイレ休憩した程度で、素早く移動した。それでも富山で高速に乗るまでに時間がかかったこともあり、結局、富山-小松間は二時間弱かかり、16時半頃の到着となった。

まずは17時までの航空プラザをチラ見。続いて日が出ている間にと、外回りを先に見て回った。小松は最終便が20時台で、時間は比較的余裕があるので、空港内はゆっくり見て回った。

ひと通り見学して回り、夕食を済ませたら、ちょうどトワイライトタイムな時刻になった。せっかくなので再度展望デッキに出たら、ちょうどカーゴルクス航空が動き出し、エバー航空が着陸、ANAがPBBを外し始めたタイミングだった。地方空港ながらボーイング747型機や国際線も見られる、小松らしい風景を眺められたのは、ラッキーだった。

※夕食は2階出発ロビーの飲食店で食べたのだが、会計を済ませて店の外に出たら、長蛇の列が出来ていた。ちょうど台湾便の人達がチェックインを終えて夕食を食べようとしていたよう。土曜日の夕方は一気に混むので要注意だ。

これで小松の調査は終了。あとは夜の間に能登への移動を残すのみとなった。

ところが、ターミナルを出ようと一階に降りたところで、館内のラックに小松市の観光案内パンフを発見。せっかくだからと読んでみたら、空港回りにスカイパークこまつという公園が整備されていることが判明してしまった。
カーゴルクスの離陸を見届けたためにターミナルに少し長居してしまい、既に日の入り後。空は徐々に暗くなってきていた。ところが、この公園、西側に「翼」、東側に「共生の丘」と二種類があるという。明るい間に2か所とも回ることは不可能そうだったので、一か八かで、Googleマップを見て色々整備されていそうな「翼」へと向かうことにした。

結果は失敗だった

「翼」には競技場等が整備されているのだが、18時以降は閉園されて締め出される施設で、滑走路脇に近づくことは叶わなかった。一方、「共生の丘」は、滑走路端付近に設けられた24時間解放している野っ原だった。しかも「共生の丘」のすぐそばには、掩体壕もあった。空港見学者として行くならこちらが正解だった。
ただ、共生の丘も、草木に阻まれて、滑走路側のフェンスへはあまり近づけない。フェンスも二重でクリアは難しく、脚立を使って離着陸機材を写すのには適していても、滑走路などの施設を写すのは難しい環境で、特に夜間は真っ暗なので、それ相応のカメラが必要な施設だった。

201905d.jpg
共生の丘近くにあった掩体壕。光が足りずにブレブレです。人間の目ではもっともっと暗い時間帯だった。

■能登へのルートは無料 のと おり
小松を出たのは19時半過ぎ。
ここからは夜通し下道で能登へと向かう。
まずは暑すぎた今日かいた汗を流すため、日帰り温泉に寄り道することにした。カーナビで検索をかけたら、経路上にある近くの温泉美川温泉安産の湯なる日帰り温泉があることが分かった。スマホで調べたら、手ぶらセットも提供されていたので、寄り道した。

※日帰り温泉施設は結構あったようなのだが、カーナビでもスマホでもパパっと出て来なかった(小松は南の方に温泉街があるので、そちらの温泉宿ばかりヒットする)。
少し時間をかけたら、美川温泉にももう1か所あるのも分かったし(タオル付きかどうかわからなかったので断念)、美川温泉を出たあと徳光インターチェンジ付近に松任海浜温泉といった大きな日帰り温泉施設(ツーリングまっぷるに載っている)も見られるなど、結構多くの施設があったようだった。


美川温泉を出たあとは、最初の道の駅である内灘まではずっと下道だった。金沢を再びかするルートで、それほど車は多くないが、信号は多い。しかもちょくちょく捕まる状況で、内灘を出るときには21時を過ぎてしまっていた。

ここからは自動車専用道路ののと里山海道が早い。しかし、前回チョコマカ料金を取られ、トータルでは結構払わされた記憶があったので、下道利用を考えていた。そんな中で、スマホでネットサーフィンしたら、この道が無料化されたとの情報がヒットした。時間も遅く、このまま下道だと日付跨ぎになる可能性もあるので、一か八かで利用することにした。
結果は◎で、能登空港インターチェンジまで、通行料は一切取られなかった。

この日は能登空港まで行くつもりだったが、眠気に襲われてしまい、少し手前の別所岳サービスエリアで23時頃就寝となった。

※のと里山海道は、平成25年3月31日正午に無料化されていた。そう言えば、以前は能登有料道路だった。土曜日の夜九時過ぎからの利用だったが、走行している車はほとんど無く快適路だった。

201905e.jpg
今日の風呂は美川温泉。宿が閉館したあとに改装して風呂場だけ使えるようにしていた。広くはないが、人も少なく快適だった。黒湯の弱食塩泉。


■今日の教訓!
中央線 松本へは鈍行の方が早い←始発特急よりも早く着けます。
国道158号線はノロノロ←上高地に行く交通量が多い道です。
[富山]立山連峰を眺めよう←何よりも目立ちます。
[小松]スカイパークこまつは日の入り前に←翼は閉め出されます
のと里山海道は無料高速←非常に便利です。

■実際の旅程
05/25 SAT
自   宅05:00(JR東日本 横浜線等)→05:49八 王 子駅
八 王 子駅06:06(JR東日本 中央本線)→06:13高 尾 駅
高 尾 駅06:14(JR東日本 中央本線)→09:17塩 尻 駅
塩 尻 駅10:00(レンタカー 130km)→13:15[富山空港]
[富山空港]14:30(レンタカー 90km)→16:30[小松飛行場]
[小松飛行場]19:30(レンタカー 15km)→20:00美川温泉 安産の湯
美川温泉 20:30(レンタカー 30km)→21:15道の駅内灘
道の駅内灘21:30(レンタカー 70km)→23:00別所岳SA
(車中泊)

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2019年05月24日

アルプス越えて陸から北へ(旅行前)

※2019年6月にアップした2019年5月の旅行記です。

■2019.05 富山・小松・能登・松本の旅行前

■安く行ける空港の多さで行先を決定
今回は、日曜日に一日時間がとれたので、あまり金をかけずに空港訪問をしようと考えた。交通費を出しても2万円程度までとして、行けそうな場所をセレクトした。
LCCを活用すれば、本土四島内なら2万円程度で往復できる。しかし、行ける時間は一日しかないので、単純な往復旅程になる。このため、1日1往復便しか飛んでいない所へは行けない。北の方はそもそも路線が少なく札幌程度。西の方も、大阪、広島、高松、松山、福岡、熊本、鹿児島辺りのみが候補となった。
しかし、大阪、福岡、熊本は昨年〜今年にかけて行ったばかり。土日ということもあり、意外と値段が高くて往復で二万円超えの所も多く、それでいて訪問先が1空港ではなんだかもったいない。

一方で鉄道を活用する場合、関東近辺の空港が候補になった。近辺の空港とは、比較的気軽に行ける東京国際、調布、成田国際、百里ではなく、少し遠出する、福島、新潟、松本、静岡、東京諸島辺りだ。このうち、一月に百里、二月に大島、四月に静岡に行っている。

悩んだ結果、今回は鉄道利用で、福島、新潟、松本を候補にした。

いずれの候補地も普通に行くならJR利用だ。青春18きっぷの利用時期であれば、1日往復2,370円で済むが、五月は使えない。そこで普通に往復きっぷを買うことになるが、松本は往復七千円程度、福島は往復九千円程度、新潟は一万円超えだった。新潟は鈍行だと日帰りは厳しく、新幹線を活用せざるを得ない。新潟などは高速バスもあるが、バスだとどの都市へも値段は鉄道より若干高かった。

結局、一番安く済む松本に鈍行で日帰りで行くことにした
松本なら一万円かからない。

松本の場合、南側の塩尻発着でレンタサイクルを利用できる。朝イチ便での塩尻到着は10時前、復路は19時前の電車が最終なので、九時間滞在が可能で、かなりの余裕があった(特急利用でもほぼこの時刻と変わらない)。単純に片道きっぷ×2でも良いが、途中寄り道するなら、休日お出かけパスや週末パスなども活用できそうだった。

ただ、松本空港だけに行くのでは時間をもて余す。塩尻には値段の高い大手だけでなく、ニコニコレンタカーもあったので、レンタカー代も比較的安く済ませられる。そこで、農道離着陸場で唯一行ったことのない飛騨エアパークにも寄りたくなり、塩尻からレンタカーを借りて回るかどうか迷っていた。

そんなこんなで迷っていたら、五日前に、前日の土曜日も暇ができることが判明。こうなると、せっかくなので、二日かけて別の空港にも行きたくなってしまった。

ただ二日連休になったのが直前過ぎて、飛行機での遠出は、LCC活用でも片道一万は軽く超えてしまう状況。結局、電車で安く行ける場所を探すしかない。
単純に1日かけて松本+飛騨に行くとすると、電車賃七千円+レンタカー三千円程度だ。この電車部分を週末パスにすれば、電車賃九千円程度で二日間東日本一円に行けるようになる。新幹線や特急を利用すると電車賃がぐっと上がってくるから、鈍行利用になるが、二日使えるなら、新潟、庄内、山形、花巻、仙台、福島辺りまでも行きやすい。
山形、仙台は一昨年と昨年に訪れている。二日かけて新潟+庄内は回れそうだが、庄内は8月にジェットスターが乗り入れ予定だから、訪問は待った方が良い。結局、初日に松本+飛騨、翌日に福島+行き帰りに栃木ヘリポート経由で行く予定を立て始めた。

しかし、松本と福島で日程を分断するのはなんとも効率が悪い。
何とかならぬかと、日本地図をよくよく眺めていたら、塩尻から一気に北陸へ抜けてしまえば良いことに気がついた

北陸地区の四空港は2008年以来訪問できていない。出来るだけ早めに再訪問したいと考えていたのに、今まで実現していなかった。
塩尻からだと、一番近い富山までは下道で130キロほど。二日あるなら、塩尻拠点で、松本+飛騨に加えて、富山、能登、小松、福井まで足を伸ばすのは比較的容易そうに見えた。

塩尻からレンタカーして、さらに先へ進むなら、東京からレンタカーで向かっても良いけど、運転が往復で400キロ増えてしまう。塩尻発着で前後を電車にすれば、寝ても行けるので、疲れが少ない。電車賃分が高くなるが、400キロ高速を走れば、高速代+ガソリン代で電車賃分を超えてしまうから、値段的にも良い。

最終的に、塩尻拠点として北陸に行くことを決定。以下の行程とした。
一日目は、まず東京→塩尻を電車で移動。塩尻からレンタカーで、塩尻→富山→小松とした。
その後、夜の間に小松→能登へ移動。
二日目は、朝能登見学後→飛騨→松本→塩尻と移動する。塩尻→東京は再び電車だ。


一日目、日の入りは19時頃だから、この日の最終訪問空港にはどんなに遅くても18時には着いておきたい。塩尻-富山間は下道約130キロ、富山-小松間は約90キロ、小松-福井間は約40キロだ。下道は平均速度30〜40キロ、高速は平均速度70キロとして、富山までは3〜4時間、富山-小松間は下道2〜3時間・高速1〜2時間、小松-福井間は下道1時間強・高速1時間弱といったところ。富山に13時〜15時位に滞在となるだろうから、小松までの移動はリスク軽減で高速とし、小松滞在は17時〜19時想定とした。このまま福井にも寄りたいところだが、先に福井に寄るにしても時間が遅く開いていない。富山に寄らずに、一日目に小松、福井に行く方法もあるが、そうすると二日目に富山に寄るのはリスキーになってしまう。そこで今回は福井に行くのは断念した

二日目は、能登からスタートだ。
能登は8時半開館、飲食店が9時開店なので、どうしても10時頃まで滞在せざるを得ない。その後、約280キロ戻る必要がある。後半約90キロは下道オンリーだが、残りの190キロほどは高速も使える。
すべて下道だと、順調にいっても8〜9時間はかかる。これでは終電に間に合わないので、高速代がかかってしまうが、東海北陸道も活用し、素早く移動することにした。それでも、5〜6時間はかかる行程となった。

※そもそも、帰りに余裕を持たせることを考えれば、最終日は近場とするのがセオリーだ。このため、一日日に能登と小松、富山、二日目に飛騨、松本が理想的だった。しかし、能登までは塩尻から280キロほどあり、一日目に三空港回るのは不可能だ。小松と富山のいずれかに寄りつつ能登に行くこともできそうに見えるが、能登は閉館時間が早いので、実質的に不可能。能登が21時くらいまで飛行機が飛んでいれば一日目夕方からの訪問で良いんだけど、実際には18時には閉まってしまう(会議室などで20時頃まで開いている場所もあるが空港側は閉まる)。さらに、訪問が遅くなり、能登に着いたときに日が落ちていると、翌朝まで動けなくなる。
このため、能登訪問は、どうしても二日目朝訪問になってしまった。
結局、一日目に富山と小松を仕上げ、夜に能登へ移動することしかできず。二日目は、朝能登を出て長距離戻る行程なので、最悪東京に近い松本は時間がなければパスするイメージで動くことにした。


アクセスの予約(鉄道)
電車は鈍行なので予約不要だった。

宿泊の予約
せっかく道の駅の能登空港に行くので、車中泊とし、宿泊費を浮かせることにした。

現地移動の予約(レンタカー)
現地移動はレンタカーだ。
レンタカー予約は飛行機のように早くしても、逆に遅くしてもそれほど値段は変わらない。満車でないことを毎日確認しつつ、二日前に天気が雨でないことを確認してから、予約を済ませた。
一日三千円ほどのレンタカーだが、ナビをつけたり、保険をつけたりしたら結局、二日で一万円ほどかかってしまった。

こうして、トータル交通費二万円ほどで、かなりお安く、四空港+一農道離着陸場訪問が実現することになった。
■ここまでの教訓!
[松本空港]塩尻からも行けます←松本よりも近いです。
北陸へは信州拠点で←200キロ弱で北陸へ行けます。

■今回の予定旅程
05/25 SAT
自宅05:00(JR横浜線等)→06:31八王子駅06:35(JR中央本線)→09:53塩尻駅10:10(レンタカー 130km)→14:00[富山空港]15:30(レンタカー 90km)→17:00[小松飛行場]19:00(レンタカー 130km)→22:00[能登空港]
05/26 SUN
[能登空港]09:30(レンタカー 210km)→13:30[飛騨エアパーク]14:30(レンタカー 75km)→16:30[松本空港]18:00(レンタカー 10km)→18:30塩尻駅18:59(JR中央本線)→21:27大月駅21:31(JR中央本線)→22:19八王子駅22:33(JR横浜線等)→24:00自宅


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2019年04月23日

席で左右された快適旅(旅行後)

※2019年5月にアップした2019年4月の旅行記です。
旅行前1日目/2日目(旅行無)/3日目旅行後

■2019.04 東京国際・熊本・福岡・静岡の旅行後

今回の旅では、空港ではなく、熊本駅前でバス路線を調べた結果、熊本空港でリムジンバス以外に路線バスが複数系統走っていることが分かりました。

そこで今回は、空港アクセス交通が分からないという体験を少し掘り下げてみます。

■停車バス停がバラバラで分かりにくい熊本
熊本空港に乗り入れているバス路線は、大部分が九州産交バスによる運行です。ネットでダイヤを調べてみると、空港を発着するバス路線について調べることができます。
しかし、複数系統あるバス路線の公開ページは系統ごとにバラバラ。空港バス停の時刻表は、空港発の全便を一括表示できますが、一便一便見ていかないとどの系統のバスかは分かりません。そして、空港着のバスは調べようがありませんでした。
結果、現地に行って初めて熊本駅前から空港へ路線バスがあることにも気がつけたという状況になっていました。

ただ、現地の表示は、経由地などは一部のバス停しか記載がありません。全ての停車バス停の記載があるのは熊本駅直行便のみ。空港リムジンバスと快速たかもり号はほんの一部だけ経由バス停が異なりますが、現地の時刻表は一緒の表示です。

熊本空港を発着するバスは、路線も便数もとても多く、気軽に利用できるその形態は、優等生的な存在として知られています。
しかし、同じ行き先でほぼ同じ経路を辿るのに、様々な停車停留所があるため、分かりにくいという大きな問題がありました。

このような路線網は、他の空港ではあまり例がありません。
例えば、長崎空港も似たように便数が多いバス路線が乗り入れており、長崎駅行きが複数系統あります。しかし、熊本とは異なり、長崎駅行きは、同じ行き先であっても、途中に通る道路が明らかに違い、明確に別路線と見ることができます。熊本は通る道路が同じですから、言ってみれば、鉄道の種別のような分かれ方になっています。種別のように特急、快急、急行、快速、準急、各停みたいにはっきり分けてくれればまだしも、同じ特急でも停車バス停が違ったりするので、あっちのバスは停まるのに、こっちのバスは前を通るのに停まらないの???とカオスになっています。そもそも違いがあることに気がつかないまま乗っている人も多そうです。
他空港だと、那覇空港から名護へ行くバスが、近い存在ですが、こちらも経由地が違うので、路線の違いには比較的気付きやすくなっています。

空港に乗り入れているバス路線を普段から調べている人ですら、こんな感じですから、たまたま熊本空港を使った客からすると、もう何がなんだか訳が分からないバス路線と言えるかもしれません。

<熊本空港から熊本市中心部へ向かうバスの現状>( )内はバスポールでの記載
■1番乗り場
・空港リムジンバス [熊本駅前経由]西部車庫行*C(「空港リムジンバス」「行先 熊本駅前(西部車庫)」「経由 グランメッセ・熊本県庁・水前寺公園・通町筋・交通センター」
・快速たかもり号  [熊本駅前経由]西部車庫行*D(「空港リムジンバス」「行先 熊本駅前(西部車庫)」「経由 グランメッセ・熊本県庁・水前寺公園・通町筋・交通センター」
・熊本阿蘇線    [熊本駅前経由]西部車庫行*B
・熊本駅直行便   [熊本駅前経由]西部車庫行*E(「熊本駅前直行便」「行先 熊本駅前(西部車庫)」「降車バス停 熊本駅前・二本木口・田崎橋・西部車庫」
・特急たかちほ号  熊本駅前行*B(「やまびこ号・たかちほ号」「行先 熊本駅前」「経由 熊本県庁・水前寺公園・通町筋・交通センター」
・特急やまびこ号  熊本駅前行*B(「やまびこ号・たかちほ号」「行先 熊本駅前」「経由 熊本県庁・水前寺公園・通町筋・交通センター」
・九州横断バス   熊本駅前行*A(「九州横断バス」「行先 熊本駅前」「経由 県庁前・交通センター」
■3番乗り場
・路線バス県16系統 熊本駅前行*F=九州産交バス(「行先 熊本駅前(各停)」「経由 通町筋、熊本交通センター」

*A)益城インター口・熊本県庁前・通町筋・熊本交通センター・ANAクラウンプラザホテル熊本ニュースカイ・熊本駅前
*B)経由Aの各停留所に加え、益城インター口-熊本県庁前間に東町中央・自衛隊前 追加、熊本県庁前-通町筋間に水前寺公園前・味噌天神 追加、ANAクラウンプラザホテル熊本ニュースカイは未経由、熊本阿蘇線のみ熊本駅前の次に西部車庫追加
*C)経由Bの各停留所に加え、阿蘇くまもと空港-益城インター口間に国際線ターミナル・テクノリサーチパーク入口・テクノ団地入口・グランメッセ前 追加、熊本交通センター-熊本駅前間に河原町・商工会議所前・ANAクラウンプラザホテル熊本ニュースカイ 追加、熊本駅前-西部車庫間に蓮台寺 追加
*D)経由Cの各停留所経路に加え、味噌天神-通町筋間に 交通局前 追加
*E)(空港で乗車したあと降車できる停留所)熊本駅前・二本木口・田崎橋・西部車庫(乗車専用停留所として8か所にも経由)
*F)テクノリサーチパーク入口など38か所を経由


201904k.jpg
熊本空港の自動券売機上に掲げられていた路線図。停車バス停や系統が全て書かれているわけではありません。

■実は重要な公共交通機関の情報提供
レンタカーを使わない場合、旅行先での移動は、現地の公共交通機関を使うことが多いでしょう(お金を出せばチャーターできますけど、、、)。そして、事前に公共交通機関について調べた結果、路線がないからとか、接続がうまくいかないからとか、そういった理由で寄り道を諦めることは多々あるかと思います。
公共交通機関が走ってなくても、レンタカーを借りればチョチョチョイよ、という人は問題ないですが、公共交通機関しか利用できない人にとって、路線がうまく繋がらないということは、それはそのままイコール訪問先から外れるということになります。それが、路線情報がきちんと伝わっていないから、そんなことになっているのだとすると、こんな馬鹿げた話はありません。
公共交通機関の情報がきちんと伝わらないというのは、集客する上で致命傷になり得る出来事です。

ここ数年増え続けている訪日外国人向けの情報提供がまさにそんな状況なのをよく見かけます。
よく、地方の名所に外国人が多くなったという特集が組まれていますが、よく見てみると、そこまで来た外国人は、公共交通機関を利用しているパターンが多いです。いや、逆に言うと、訪日外国人がよく来ている場所は、公共交通機関で行けるところが多いんです。
もちろんレンタカーを借りて旅行する、あるいはタクシーを借り上げて訪れるという人もいるでしょうが、外国に来て、(大多数の国は右左が逆で)車を運転するのはリスキーですし、タクシーは高額で手を出しづらい。そういう人は公共交通機関に頼らざるを得ません。
その時、公共交通機関が使いづらいと、予約する時から利用者を減らしている可能性が高いです。

それが顕著に現れている一例に、長野県と岐阜県の妻籠宿-馬籠宿があります。
両宿場間の歩いての峠越えは、最近外国人比率が非常に高いのだそうです。その多くはJR中央本線とバスを組み合わせて来るのだとか。
日本在住の人間なら、中央高速に車を走らせ、峠は車でそのまま越えて妻籠と馬籠を別々に観光、という感覚でしょう。日本人は不便な公共交通機関ではなかなか来ないので、歩いて峠越えをしない。一方で、外国人は公共交通機関で行かざるを得ない。自動的に外国人比率が高まっているというわけ。中央本線やバスの情報がきちんと伝わらないと、これらの外国人はこの峠にはたどり着けないことになります。
京都の名所、天橋立も外国人に人気が出ていますが、ここも個人が鉄道を利用して気軽に訪れやすい場所です。

どこの観光地も、数年前までは、大型観光バスで中国人が大挙して押し寄せて、という感じだったのでしょうが、最近個人旅行が増えています。個人旅行だと、公共交通機関を使う比率が高いので、その情報の出し方は非常に大切になってきます。
今回利用した静岡では、まだ大型観光バスで中国人が移動していましたが、、、。

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静岡空港に出ていたバスの発車案内。行先がはっきり分かれていれば、迷うところはあまりありません。自分の場合は、JR東海道本線に乗り換えて、沼津方面に向かう予定だったので、どれにするか迷い所でしたが、、、。

■海外ではバスも電車も並列
で、話を空港バスに戻していきますが、バスが、どこをどう走っているのか分からないのは、一番の問題点になってきます。
日本の場合、鉄道が圧倒的に定時性に優れ、値段も安いことから、日本人の多くは鉄道>バスという意識でしょう。成田国際や東京国際等では、アクセスに路線バスを使う人も増えていますが、例えば仙台は鉄道開通と同時にバスがほぼ全廃されるなどしています。

しかし、海外だと、そもそもこの環境がまるで違います。
海外では、鉄道が走っていても、定時性に難があるせいか、バスを使うユーザーも結構多く見られます。鉄道が発達している国も例外ではありません。さらに、鉄道とバスが連続的な運賃で利用できるところも多いので、海外では、鉄道とバス、あるいは路面電車などを同等の交通手段として並列的に見ている人がとても多いです。
乗換検索を使ってみても、まるで鉄道路線のようにバス路線が出てくるのが当たり前になっています。例えば、ロンドンのヒースロー空港から西方面のウェールズへ向かう場合、国鉄のサイトで経路検索・予約をしようとすると、一度東へ向かうヒースローエクスプレス+西方面へ向かう特急といった鉄道だけのルートは一切出てこず、空港から西方面へ向かうバス+特急といった経路が出てきてしまいます(鉄道経由は予約すらできない)。
日本の場合は、こうしたものは、ごく限られた路線しかヒットしません(空港バスはヒットすることは多いです)。

最近流行りのテレビ番組に、なんでそこにいるんだと海外の人に会いに行く、とか、世界の果てまで行くのにとても時間がかかる、みたいな番組があります。現地の国際空港に着いてから移動することが多いですが、その大半は、(実際には飛行機や鉄道路線もあるのに)なぜか現地の人にバスを案内されるパターンが多いです。鉄道が当たり前の日本人からしてみたら、違和感だらけなのですが、海外ではそれだけバス移動が当たり前ということなのでしょう。

日本だと、鉄道とバスが並行していると、バスは揺れるし、渋滞にはまるし、時間通り来ないしなどとマイナスイメージで、鉄道利用を選択する人が多いですが、海外の人は、バスで移動することの抵抗感がほぼ無い。この感覚は、日本人と大きく違うところです。

そんな人たちにとってみれば、空港から最寄りの大都市に出るバスがどこを通っているのか分からないのは、論外な出来事。
もっと簡単に行けるのに、行けないと思い込んでしまうから機会損失していたということも充分あり得るわけです。

今回利用した熊本空港のバスの場合は、交通局前バス停が良い例でしょうか。
このバス停には、リムジンバスは停まらず、快速か一部の路線バスしか停車しません。実質的に空港から利用できる便数は一日数便しかありません。経路検索せずに、空港でチケットを買おうとすると、単純になかなか良い便がヒットしません。
しかし、実は、このバス停へは、15分に1便程度運行しているリムジンバスで(路線バスだと)2つ隣のバス停である味噌天神に行き、そこから歩いても数分しかかからない位置にあります。
そういったことは、路線図がないと気が付けません。もっと高頻度で気軽にアクセスできるのに、なぜかアクセス不便な場所になってしまっています

もっと言うと、両バス停の間に九州学院前というバス停があるのですが、そこに行くとなったらどうでしょう。空港発のバスでここに停まる路線はありません。リムジンバスで空港→味噌天神を利用し、そこから5分ほど歩くだけで済むのに、詳しい経路検索したりすると、空港→(リムジンバス)→交通局前→(路線バス)→九州学院前といったルートや、空港→(バス)→肥後大津駅→(電車)→新水前寺前駅→(バス)→九州学院前といったルートがヒットしてしまいます。
さらに、バスルートの上ならまだしも、ルートから少し外れただけの尚絅校前なんて言われたらもうお手上げに近いです。しかし、少なくとも空港バスのルートが地図で見えていれば、尚絅校前バス停の位置が分からなくても、尚絅校は見つけられるので、何となく交通局前で降りれば歩いていけそうなのは分かるでしょう。

空港に降り立った人が向かう目的地は、そもそもバス停ではなく、ホテルだったり、会社や学校だったり、レストランだったり様々です。バス停の目の前にある場合もあれば、バス停から歩かなくてはならない場合もあります。これらは、路線図で見られていれば、自分なりにもっと便利なルートも探し当てられるでしょう(九州学院前や尚絅校の場合は地図付きのものが最適)。

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熊本空港の到着口前にあるのが交通情報を公開する大画面。最近色々な空港で増えてきていますが、熊本ほど複雑だと、交通局前に停まるバスかどうかなんて気付けません。

■安心して旅行するための路線図
熊本の話ばかりでローカルすぎて想像つかないかもしれませんが、東京でも同じです
羽田から都心へのバス路線網なんて、頭に入っている人は、関係者以外ほぼゼロでしょう。券売機だってピンポイントに行き先を選ぶ方式なので、10分後のバスで近くまで行けるのに、直行のバスが出る2時間後まで待ちます、みたいなアホみたいなことも、普通に起こっているわけです。

私自身は、初めて行った海外の街で、バス路線図があって助かったことが何度かあります。
ひとつの事例は、カナダのヴィクトリアに行ったとき。この街の空港は、街の中心部から車で小一時間ほど離れた場所にあります。いわゆるシャトルバスが中心部から空港まで走っているのですが、その値段は25ドルと高額。一方で、市バスを乗り継げば、少し時間は余計にかかるものの、2.5ドルで済みます。
さすがに値段が10倍となると、市バスの方が良かったので、事前にネットで調べてみました。
幸いなことに、現地の日本人が紹介しているサイトがいくつかヒット。日本語で色々調査ができ、McTavishで乗り継ぎ、乗り継ぐ系統番号は○番と□番があるといったことまでは分かったのですが、乗り継ぐバス停の位置や市バスが通るルートはよく分かりませんでした。
実は、中心部からMcTavishの間を結んでいるバスの一部は、遠回りのルートのバスも存在しています。ただ系統番号だけしか分からないと、大幅に遠回りする系統を選んでしまって時間だけが過ぎ去る可能性もあります。また、文字が読めず会話も通じなかった時に乗り継ぎバス停に停まったと気が付かず乗り過ごしてしまうこともありえます。
そこで、空港サイトからリンクが飛んでいた市バスの公式サイトを見に行ったところ、主要バス停だけですが時刻表と、路線図が提供されていました。提供されていた路線図は地図に重ねたものではありませんでしたが、道路の形状にあわせたルートマップになっていたため、片手でGoogleマップ、片手で路線図を照らし合わせると、ほぼ通るルートの特定ができました。
さらに、それが分かったことで、現地で実際に通る道を見ながら、そろそろ降りるバス停だ、と身構えることもできました。

日本に来る外国人も同じです。海外から来る客皆が金持ちで、皆が皆、タクシーを利用できるわけではありません。
鉄道は地図に落ちているからどこに行けるか一目で理解しやすいけど、バスはそうはいきません。そんななかで、バスを利用すると便利になる場所はたくさんあります
バスをもっと視覚的に分かりやすくすることは、結構重要なことなんです。

日本にも、分かりやすい路線図の提供を実践しているバス会社はいくつかあって、個人的には東京都交通局や西武バスが分かりやすい路線図を提供していると思います。私設で良ければ、那覇空港もカバーしている「バスマップ沖縄」(http://www.kotsu-okinawa.org/)が日本一と言えるでしょう。
バスマップ沖縄を見れば、自分の行きたい風光明媚な場所やホテルとバスルートの関係が一目瞭然です。那覇中心部から空港に行くのは、駅まで歩いてゆいレールに乗るより、近くのバス停からバスに乗った方が実は便利だった、なんてことが分かるかもしれません。

201904n.jpg
例に出したカナダ ヴィクトリア空港の路線バスのりば。さすがに中心部へ向かう乗り継ぎ路線は出ていませんが、下の方に地図形式の路線図を掲出。日本でも路線図が出ているところがありますが、地図形式は少数派です。


色々書いてきましたが、今回利用した熊本のバスは、同じようなルートなのに微妙に停車バス停が違うという、少し特殊な事例でした。他の空港で、ここまで紛らわしいアクセス交通は国内では見られませんが、長崎のように経由が違うルートのバスが運行されている所ですら、迷っている客はいます。

熊本の空港アクセスも、微妙に異なるから迷ってしまうので、ぜひその辺がもっと分かりやすくなればなあと思いつつ、いつもの通り、徒然なるままに、薄っぺらい感想で旅を〆たいと思います。


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2019年04月22日

席で左右された快適旅(3日目)

※2019年5月にアップした2019年4月の旅行記です。
旅行前1日目/2日目(旅行無)/3日目旅行後

■2019.04.22 (大分)→福岡→静岡→(自宅)

■指定なら空席があるソニック
二日目は実家を拠点に野暮用を済ませ、三日目の今日は、朝イチに大分を出発した。

まずは、日豊本線の特急ソニック2号で博多へと向かう。
朝五時台の電車だが、指定席も半分強の席が埋まっていた。自由席は駅に停まるごとに利用者が増えていった。小倉で3分の1程が入れ替わったが、小倉を出る頃には指定席のデッキにも人が数人いる状況になっていた。
小倉から博多までの特急は、ソニック以外にもきらめきなどがあり、もっと早い時刻から運行されているが、この電車の博多到着は7時49分で、博多への通勤にはもってこいの便。それなりに利用者がいるようだった。

自由席は満席でデッキにも人がいるほどだったが、指定席は小倉を出る時点でも満席にはならなかった。車両端の一人席×2列分に至っては、(座席指定できなかったのに)大分からずっと埋まらないほどだった。

指定席が満席になったのは赤間だった。
赤間のあとは約30分停まらず、次に停まる駅は博多の一駅手前の吉塚。吉塚で指定席料金払って乗ってくる人は普通いないので、赤間を出た時点で、座っている人のいない指定席≒空席となる。それを見越して、特急券を買わずに、或いは自由席特急券で乗り込んでくる輩が多数いるようなのだ。
当然、JRもその辺りは分かりきっていて、赤間を出てすぐ車掌が検札してまわり、支払いをしてもらっていたが、中には「(値段が)そんなするの」とか、声をかけられてから渋々自由席に移る人とかもいて、何とも見苦しい。外人とか旅人とかではなく、明らかに通勤の地元民で、わざわざ指定席に乗り込んでくるほどだからたちが悪い。毎朝同じような文句を言い合う光景が繰り返しているだろうと、不快に感じてしまった。

※結局、車両端の一人席×2列に、指定席券を予め持った客は現れなかった。ソニックの場合、小倉駅で座席を回転しなければならず、隣席や前後の席の人と連係しなければならないから、一人席は、その手間が減り、他人に気兼ねなく座席につける席だ。このため、本当は予約したかったのに、それができずに空席とはなんとも不満だった。往路でもそうだったが、数少ない指定席の中に、指定が出来ない席(予備席)が何席か設定されているようだ。自分は、二重発券にあったことが何度かあり、そのような予備席に助けられたことがあるので、予備席を、車掌の分かりやすい位置に設けるのは理解できるんだけど、何とも残念だった。

博多には八時前に到着。そのまま福岡空港へ向かい、八時過ぎに到着できた。
大分からだと約二時間半かかった。大分市内から大分空港まではバスで約一時間だが、渋滞で遅れる可能性はあるし、空港の売店数や便数は福岡空港の圧勝だから、このくらいのアクセス時間差なら、大分県民にとって福岡空港は選択肢のひとつになりうるのだろう。

このあとは、11時10分発で静岡へ向かう。一便早い9時45分発にも乗れる時間帯だが、変更不可の運賃で購入していることもあって早めることはできず、三時間かけて空港内をじっくり見学した。

見学自体は初日にサッと回っていたこともあり、無駄なく完了。出発時刻の一時間以上前には検査場を通過でき、こちらも南側から北側までなめるように見て回ったあと、搭乗を待った。

201904g.jpg
今回は初めてのFDA搭乗。大きい機体のERJ-175の10号機(JA10FJ)シルバー塗装のものだった。JJPやAPJとの共演は福岡ならでは。


■空席に配慮もある?FDA
待合室でマッタリ待ったりしたあと、11時前に搭乗が始まった。
フジドリームエアラインズ(FDA)は、今回が初めての搭乗だ。
羽田には就航していないので「何その航空会社?」という人も多いだろう。大手が牛耳る日本では、言ってみれば、弱小航空の一つに過ぎないのだけど、ちゃっちいとは言え茶菓子が付くし、新聞も配布されていてサービスは大手以上の印象だ。

今回は、事前の座席指定で理解できないことが起こっていた
購入時に座席を指定したとき、窓側席、通路側席とも10席程度ずつ選べる状況だった。
できれば隣に他人がいない席が良かったから、窓側と連席の二席並びを探したところ、余っていたのがまだ5か所ほどあった。そのうちの1つはすぐ後ろの窓側に乳児がいる席(A側)だった。
乳児の前の席は座席を蹴られるから避けられる傾向にあるし、乳児の泣き声を嫌う人は多いからわざわざ座席指定表でも表示している。
指定できる窓側席の多くは反対側(D側)で乳児から離れている状況。しかもほとんどはその列よりも前方だった。

このような空席配置なら、このあと、まず窓側と通路側が連席で空いている席が埋まり、そのあとに、乳児と逆側(D席側)の前から指定が埋まるのが普通だろう。これなら、自分の隣の窓側が埋まるのは、他の窓側席が埋まった最後になる可能性が高い。
そこで、隣席が誰も来ないことを期待して、乳児座席の前の列の通路側席を確保した。

で、自分はできるだけ後方が好みなので、万一、隣が埋まるようなら、同じ条件の後方の通路側席に移りたいと思っていたため、指定後も数日ごとに指定状況をチェックしていた。

ところが、指定した翌日には自分の隣の座席が指定済みになってしまったのだ。他の座席指定は全く動きがなく、窓側席はいくらでも空いているのに、である。
これは流石にビックリで、どんな物好きが指定したのか不思議でしょうがなかった。これだけ窓側席が空いていれば、普通は乳児から離れて指定するはず。
まだまだ空席はたくさんあるので、この物好きが他の席に移動するのを期待しつつ、変更しないまま当日を迎えていた。

で、前日に調べても、座席指定したときから窓側席が少し減った程度で大きな変化はなかった。最悪窓口で空港持ち席が解放されたあとでも変更できるだろうと、そのままにして窓口手続きにかけていた。

窓口で確認したら、これまで指定できなかった、二つ後ろの列(つまり乳児の後ろの列)が二席連席で空いているとのことだったので、その通路側席に変えてもらい、一か八か、窓側に別の人が来ないことを願うことになっていた。

で、どんな物好きが乳児席の前の席を指定したのか興味津々だったのだが、機内に入ると、その列に客は現れなかったのだ。
さらに、自分の座席も隣に別の人は来なかった。
一方で空席とされていた前の方の窓側D席は結構埋まっていた(隣の通路側が空いている席も多かったので、通路側指定した人が横に移った可能性も高い)。

とても不思議な現象が起こったのだ。


なにか、隣席ブロックする特別な力が働いたのかは分からないが、明らかにブロックされていたような状況だった。バースデー割を使ったのも原因かもしれなかった。
こういう見えないところでの配慮があるからこそ、好感度が増していくのだろうと感じてしまった。

往路の特急とは全く逆で、他人に気兼ねなく過ごすことができるラッキーな状況。思わず、のびのび過ごすことができた。

201904h.jpg
新幹線に乗ってしまったので、座席は普通の配置に感じてしまった。


■やっぱり賑わう静岡は空席なし
飛行は順調な飛び上がりだった。
ラッキーだったのは、福岡を出たあと、大分空港上空→中央構造線のやや北側上を飛行してくれたことだった。
福岡や大分から羽田に行くときは、もっと南側の四国山地を横切ることが多く、これまで、松山と高松を空から眺められたことはなかった。しかし、今回は、北寄りに進んだおかげで、松山、高松、関空、中部と多数の空港を眺めることができた。中部辺りから雲が多くなってしまい、静岡空港を眺めることは出来なかったが、久々にヒットした感じだった。

飛行は浜松沖までは順調だったが、御前崎手前から急に南へ方向転換し始めた。なんじゃらホイ、と思っていたら、静岡空港への着陸が三番目になり、管制指示で待機になるという。
便数が少なくて利用が少ないと批判を浴びている空港なのに、妙な混雑に捕まってしまったようで、結局、静岡到着は10分ほど遅れることになってしまった。


静岡空港に来るのは4年ぶり。
前回訪問後、昨年4月に増築部が完成し、その後、既存区域の改修が続いていた。昨年10月に国際線が大きく変わり、今年3月に、残っていたすべての工事が完了したので、ちょうどいいタイミングでの訪問になった。

空港内は、相変わらず、中国便の利用者で混雑していた。
到着口を出たら、1階は人だらけ。到着エリアの椅子も含め、1階の椅子という椅子はチェックインを待つ中国人で溢れている状況だった。
彼らはチェックイン開始より少し前に到着しているようだ。チェックインが始まったら我先に手続きしなくてはならないので、広くなった2階には上がれない様子で、このために到着フロアが大混雑することになってしまっていた。彼らはチェックインを待っているだけだが、一階にはたいした店舗もなく、時間をかなりもて余している感じだった。

暫く見ていたら、チェックインが開始される少し前に、行列に並ぶために皆移動してしまい、一気に空席だらけになっていた。

※空港の土地はいっぱい余っているし、こういった人向けのショッピングセンターとかお茶ミュージアムとかでも誘致すれば、時間潰しにもなると勝手に思ってしまった。単純に、空港周辺に近隣住民があまりおらずに普段の買い物は期待できないから成り立たせるのは難しいのかもしれないし、誘致するなら新幹線駅とセットで、軽井沢みたいに電車で来てもらわないと無理でしょうが、、、。
富士山はもちろん、徳川氏や今川氏らが遺したものから、東海道に新幹線、プラモに製紙、バイクに楽器、お茶にみかん、うなぎにマグロ、餃子にわさび、さわやかにキルフェボン、みたいに、メインコンテンツになりそうなのはいっぱいあるんだけどなあ、、、。天竜10号を造り、今や世界のジェットを造ったホンダも元はと言えば静岡県。せっかくの空港なのに、ものづくりは得意でも、拠点づくりは苦手な印象だった。


201904i.jpg
残念ながら静岡空港付近は雲だらけ。富士山が少しだけ頭を出していた。こういうところがニッポンの風景。


■帰りの電車は帰宅ラッシュもなく座席で爆睡
静岡空港では、石雲院展望台も訪れ、空港には三時間弱滞在した。平日だったが、展望台にはカメラを抱えた人が10人ほど。親子連れなども入れ替わり立ち替わり訪れていた。
ターミナル内も人は多めだった。展望デッキ周辺は狭いこともあり、人が集まっている感じで、中国便待ちの人だけでなく、見学者もそれなりにいたようだった。

15時過ぎに空港を出ようとしたものの、藤枝行きのバスにタッチの差で間に合わず、結局次の島田行きで帰路についた。
バスの便数がそれほど多くないので、事前に調べることが重要であることを痛感してしまった。

バスのダイヤは飛行機のダイヤを考慮はしているようだが、乗った島田行きは便利に接続している到着便はなく、利用者は三人だけだった。
島田駅までは20分くらい。結局、電車に乗れたのは17時過ぎだった。
16時に空港に着けたとしても帰りの電車に乗れるのは17時になるのだから、不便な空港と言えるだろう。

結局島田を出たのが夕方になってしまった。帰宅ラッシュに捕まるかビクビクしていたものの、車内はそれほど混まずに逃げ切り。
ちょうど熱海行きに乗れたので、車内では延々、とにかく爆睡だった。

熱海では1本開けてゆっくり乗り換え。比較的楽な行程で、22時頃には自宅へ着けた。

※18きっぷの期間ではないし、新幹線が並走しているので、短距離利用ばかりかと思っていたのだが、正面に座っていたサラリーマンは、島田より西から来て、沼津まで利用していた。静岡空港に新幹線の駅を停めようと静岡県が主張しているが、こういう利用者もいることを考えると、西は豊橋、東は熱海ぐらいまでは利用者が出てきそうな印象だった。

201904j.jpg
ようこそ、空港のあるまち島田市へ。正直、空港から遠いです。


■今日の教訓!
朝イチソニックは指定席なら空席有←通勤に便利です。
[FDA]カラーを楽しもう←ただ搭乗するだけでも楽しめます。
[静岡]中国便の移動を考慮しよう←館内混雑が大きく変わります。
[静岡]バスは事前に調べよう←便数少なく乗り遅れると簡単に1時間遅れます。

■実際の旅程
04/22 MON
実   家05:00→05:15大 分 駅
大 分 駅05:18(日豊本線 ソニック2号)→07:49博 多 駅
博 多 駅08:00(福岡市地下鉄)→08:05[福岡空港]
[福岡空港]11:10(FDA144便)→12:35[静岡空港]
[静岡空港]16:30(富士山静岡空港アクセスバス島田線)→16:55島 田 駅
島 田 駅17:06(JR東海 東海道本線)→19:04熱 海 駅
熱 海 駅19:27(JR東日本 東海道本線)→20:42横 浜 駅
横 浜 駅20:45(JR東日本 京浜東北線など)→21:45自   宅


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2019年04月20日

席で左右された快適旅(1日目)

※2019年5月にアップした2019年4月の旅行記です。
旅行前1日目/2日目(旅行無)/3日目旅行後

■2019.04.20 (自宅)→東京国際→熊本→福岡→(大分)

■サテライトは座席を見ることもできず
今日はANAの朝二便目で熊本へと渡り、熊本から電車で大分へ向かう。熊本から博多までは初めての九州新幹線利用だ。

朝二便目といっても、東京国際(羽田)を八時台に出る便だった。
久々の第二ターミナル発で空港見学も済ませたいから、始発二便目の電車で空港へと向かった。

空港には六時前には到着。保安検査前エリアはいつでも見られるので、さっさと搭乗待合室へ進むことにした。
せっかくエプロンを楽しめる機会。敢えて国際線ターミナルの国内線乗り継ぎカウンターで手続きをし、専用の連絡バスでエプロンを通過して第2ターミナルへと進んだ

今回、北側に昨年末にできた新棟のサテライト施設(別棟)に行きたかったが、利用する飛行機の搭乗口は68Aで、南の端っこだった。
サテライト施設(別棟)は、同棟出発客しか利用できない。南出発ながら、久しぶりの搭乗待合室を確認するため、北の端まで歩いてきたものの、残念ながらサテライト施設(別棟)に足を踏み入れることを許されなかった。様々な快適ソファが置かれているそうなのだが、確認することはできず。北端では、ボーディングステーションと合わせて、ガラス越しに遠目で眺めただけになってしまった。

201904a.jpg
国際線からの連絡バスから見えた、貴賓ターミナル(手前)と新しいサテライト施設(別棟)。第2ターミナルの使用航空会社しか使わないはずなのに、なぜかJALが駐機する珍しい光景が見られた。


■中型機だから座席は満席?
熊本行きは満席だった
空港リムジンバスの経路上にあるグランメッセ熊本で東京ガールズコレクションが開催されていたほか、近隣ゴルフ場の熊本空港カントリークラブでKKT杯バンテリンレディースオープンが行われており、その関係者や観客なども搭乗していたようだった。
土曜日の午前便とはいえ、閑散期だから満席は想定外だった。ひと昔前なら、ジャンボ機も飛んでいた路線なのに、機材は座席数半分以下のB737。やはりこの大きさでは、こういう突発的なイベントには全く太刀打ちできていない印象で、座席指定がほとんどできなかったのも何となく理解できた。

※東京ガールズコレクションの開催は、前日夜に熊本空港からのバスを調べていた時に、同イベントが開催されるので大混雑や大幅遅延するとの注意喚起がなされていたことで知った。
最近はこんなような感じで、アイドルグループのイベントで、ファンの大移動が起こり、飛行機も宿も取れないというのがよくニュースになる。イベントを開催するのは良いんだけど、それに対応してファン向けにチャーター便飛ばすなど、普通の便にあまり影響が出ないように、ひと工夫してほしいと思ってしまった。


熊本には定時に到着。まずは空港見学をスタートした。
三年前の熊本地震で天井板が落ちるなどの大きな被害を受けたため、復旧で内装を大きく変えたのかと思っていたが、パッと見た目は大きな変化はなかった。
ターミナルビルは、地震の前年にリニューアル・耐震改修をしたばかりだった。しかし、受けた地震は震度7が二回。不幸中の幸いなことに、耐震改修したばかりだったから、二度の大揺れも何とか耐え抜いた(←耐震改修を決断した人は表彰ものでは?)。耐震基準は、箱を崩さないように何とか保って最低限命は守るというものだから、この後はもう耐えられないということなのだろう。地震を受けて、すぐに建て替えが決定してしまった。
国際線ターミナルの東側では、仮設ターミナルの工事が進行中。このため、既存ターミナルは大きくいじらない方針のようだった。
直前に民間委託の優先交渉権者も決まり、復興に向けた動きは活発化していた。

変化していたところが思ったほどなかったため、11時半頃には空港を出発できる状況になった。しかし、新幹線の時刻までまだまだ時間があるので、カフェもしつつ、館内で少しゆっくり過ごした。

201904b.jpg
新ターミナルは現ターミナルの所に建てられる。このため、まずは東側に仮設ターミナルを造って移動する予定。骨組みが見えるぐらいまで工事が進んでいた。左後方に見えるのが現・国際線ターミナル。


■アクセスバスはスキスキでも鉄道は座席埋まる
熊本空港は、予定より30分遅く、12時半に出発した。
東京ガールズコレクションによる渋滞が怖かったので、熊本駅までの移動は、肥後大津駅経由を選択。空港からはまず空港ライナーに乗車した。

空港ライナーは、なんと運賃無料の乗り合いタクシーだ。日中30分間隔ながらバンタイプの車両だから、混雑しないか心配だったが、利用したのは自分以外に一人だけで、拍子抜けの混雑度だった(タクシーなので、乗りきれない人がいる場合には無線で別の車両を手配してもらえることもある)。
バスに乗り込むとき、出発時刻の数分前だったのに扉が閉まっていた。このため、一見回送にも見えるほど。一緒に乗った一人は地元民ぽかったが、乗車の際、運転手に「大津駅行き」かどうかかなり不安そうに聞いていた。結構大々的にPRしていた印象だったけど、あまり知られていない存在なのかもしれない。

肥後大津駅までは15分かからず到着した。道はほとんど混んでいなかったが、信号は複数あるので、タイミングが悪いともう少し時間がかかりそうだった。
肥後大津駅に着くと、折り返しの空港ライナーを7人ほどが待っていて、それなりに需要はありそうだった。

熊本空港から見て熊本の中心部は西方向にある。肥後大津駅は、熊本空港の北北東方向なので、熊本の中心部に行くには、実はかなりの遠回りだ。電車に乗っている時間は短く、渋滞の影響はほぼ受けないが、肥後大津-熊本間は30分強だから、乗り換え時間も含め、一時間以上はかかると考えておいた方が良いだろう。
熊本は街の中心部が駅から少し離れていて、熊本駅からだと、市電やバスに乗り換える必要がある。肥後大津乗り継ぎは、バスが無料なのでお得感は出ているが、中心部に行くのにはあまり便利なアクセスとは言えない感じだった。

肥後大津駅では、15分ほどの乗り継ぎ時間で、熊本行きの電車に乗り換えられた。この区間はだいたい30分に1便。肥後大津では、空席も見られたが、三駅先の光の森辺りで、座席はすべて埋まった。熊本に着いた頃にはかなり立ち客もいる混雑度で、地方路線にしては利用者は多いようだった。

※最新の話題として、肥後大津駅から二つ熊本寄りの三里木駅から空港アクセス線を引こうという計画が出てきている。しかし、豊肥本線は空港のだいぶ北側を東西に走る路線であるため、空港から三里木までは、一度北進してからほぼ90度直角に西方向へ折れ曲がって熊本へと進むことになる。
豊肥本線は、三里木辺りから方向を南西方向に斜めに向かう経路に変わり、途中水前寺公園辺りで、空港からまっすぐ西進してきたバス路線と交差。熊本駅へは、一度南側にぐっと下がってから、ぐるりと半円を描いて回り込んで向かっている。熊本駅は、空港から見てほぼ西にあるから、何とも効率が悪い。
関東で言えば、新宿から銀座・有楽町まで行く場合に似ていて、熊本空港リムジンバスは直線的な東京メトロ丸ノ内線、豊肥本線は秋葉原乗り換えの中央総武線+山手線利用みたいなものだと言うと分かりやすいだろう。


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熊本地震の影響で肥後大津駅より東側の阿蘇方面は運休中。全列車がこの駅で折り返しとなっている。
この写真では見えづらいが、線路は続くも草ぼうぼうになっていた。


■待ち時間は座席でゆっくり
熊本では1時間以上のロス時間がある。1時間間隔のつばめの一本前の便にも充分に乗られる時刻だったが、今回は列車事前指定の格安きっぷだったから、早く博多へ行くことは出来なかった。

そこで、時間潰しを兼ねて、昼飯を食べたあと、バス停でリムジンバスの状況を確認しに行った。
結構多くの系統が運行されているようだが、駅のバス停は、ロータリー内ではなく、道路に面した1か所にまとまっていた。大量に貼られた時刻表をよくよく見てみると、リムジンバス以外にも、どうも熊本空港行の路線バスがあるようだった。これは、棚ぼた的な発見だった。
しかし、路線図が中途半端で、経由地がさっぱり分からなかった。駅付近にバス案内所も見当たらない。仕方がないので、駅に戻ったあと、駅ナカにあった観光案内所で尋ねてみたものの、リムジンバス以外は、そもそも存在自体を知らない様子。路線図がないか聞いてみても、その類いは配布していないという。空港にも詳しい路線図は掲示されていないし、これではどこを通るのかも分からず、地元民以外は利用することはできないと感じてしまった。

結局、たいした情報も入手できず、早々に改札口内へ。
待合室はなかったが、椅子が並べられたスペースはあったので、そこでゆっくり乗車を待った。
こちらも、空港同様にくまモンが至るところにおり、待合スペース脇では、巨大なモニュメントが撮影スポットになっていた。

※家に帰ってからよくよく調べてみると、熊本空港と熊本市街地を結ぶ路線は、かなり多種類が運行されていた。大きく分けて、リムジンバス、いわゆる都市間高速バス(特急・快速とされている)、そして路線バスがあり、それぞれに複数系統があるようだ。
空港から熊本中心部方面は、ほとんどのバスが熊本駅前行きか熊本駅前を経由してその先の西部車庫まで行く路線だが、系統によって経由バス停が細かく違う。通る道路が大きく違えば差異を認識しやすいのに、全系統とも経路が大きくは変わらない(一部脇に逸れて寄り道するものあり)。このため、ややこしさに拍車がかかっていた。
同じ道路を走るのに、途中停留所を通過するものがあるのだ。しかも、特急が止まるのに路線バスは通過する停留所があったり、空港からだと降車出来ないバス停もあったりと、通過バス停が一定でないために、非常に分かりにくかった。
(関東に住んでいる人なら、西武池袋線で、S-TRAINも有楽町線・副都心線も入った種別路線図みたいな感じと言えば分かりやすいだろうか。)


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今年の熊本の話題はなんと言っても金栗四三氏。駅改札の床では金栗氏ではなく、なぜかくまモン。左に隠れくまモン的な存在も見える。


■快適座席の新幹線
熊本で一時間待って乗った九州新幹線 つばめ号は、割引きっぷの残席数が予約した数日後には×になっていたにも関わらず、空席だらけの運行だった。
割引運賃は、かなり発行枚数を絞っているようだ。

つばめ号(800系)は各駅停車の新幹線で、みずほやさくらより格下扱いだろうが、車内の雰囲気や座席は、快適そのものだった。座席は、今朝乗ってきた飛行機やバスとは比較にならないほど、横幅や前後間隔が広い。リクライニングも後ろ座席を気にする必要がほとんどない。そして車内の雰囲気は、かなりスタイリッシュで、落ち着いている。
九州新幹線の全線開業で、飛行機は、鹿児島路線を中心に大打撃を受けている。しかし、これなら納得。時間をそれほど気にしないなら、こちらの方が良いという人も、「かなり」多いはずだ。
国内線では、一部便で、JALがファーストクラス、ANAがブレミアムクラスを設定している。しかし、それと比較されるのはグリーン車で、金さえ払えば快適なのは当たり前。となると、航空が競争を勝ち抜いていくためには、一般座席もそれなりの快適席を提供しなければならないように思えてならなかった。

※一般席は、新幹線でも飲み物とかが配られるわけでは無いのだから、スッチーがいちいち世話したり、特別感を出して上品な弁当とか茶菓子を配ったり必要など一切ない。特別料金を取ってるわけでもないし。
多少内装を工夫する必要はあるかもしれないが、単に、窓側席だとトイレにも行けないような狭っ苦しい座席でなければいいわけだ。そういった見方だと、スカイマークがかつて導入したA330型機は、非常に客目線で快適さを前面に出したものであり、神戸-鹿児島とかで客を奪う効果を発揮したのかもしれなかった(ANAもB737-700ER型機ANA Business Jetを、平成28年まで運航しているが、これはビジネスクラスだから席が快適なのは当たり前)。
しかし、今の日本の航空会社は、どこも効率が最優先だから、そういったコンセプトはなかなか広がらない。ANA便名で予約するのにスターフライヤーを積極的に利用する人やプレミアムエコノミーを好む人が多いのを見ると、それなりの需要はありそうに思えるんだけど、、、。代わり映えしない一般席の既存航空会社に対し、席を縮めたLCCがあるんだから、席が快適な航空会社みたいのがあってもいいのではないかなあ、、、。


各駅停車の新幹線で、開業時には駅が多すぎるとかなり文句が出ていたほどだったが、博多までは50分で、あっという間に到着できた印象だった。
飛行機と違って、駅に停まることで加減速したり、風景が常に変わったりしているから、窓が小さくて窓側でないと外の景色も楽しめない飛行機よりも体感時間が短いのかもしれない。
ここのところ飛行機ばかり利用していて、久々の新幹線だったが、久々に新幹線を使ったからこそ、色々な面で、飛行機の非快適性に気が付き、とても気になってしまった

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今回利用した新幹線の座席。とにかく席や窓が大きく、飛行機より快適。


■ソニックは最悪席に、今日の座席指定は一勝二敗
博多駅には予定時刻通り到着。ここでは一時間半ほどの余裕がある。
せっかくなので、この空き時間を利用して福岡空港見学も敢行した。
博多駅から空港までは乗り換え時間も含めて15分もかからない。空港内では一時間弱で保安検査前エリアを見て回ることができた。
このおかげで、リニューアルして変化した部分をだいたい把握でき、復路の時に余裕をもって回ることができるようになった。

一時間ほどで博多駅に戻り、ここからは、大分まで日豊本線特急ソニック号で移動だ。

ソニック号が走り始めた頃は、かなりおもろい列車だと言われていた。しかし、今日のように、真新しいつばめに乗った直後だと、座席の簡素さがかなり際立って見えた。(個人的にはソニックはいまだにスタイリッシュで早くて快適な印象だったが)この車両だったら、まだ、飛行機の一般席もなんとか太刀打ちできそうな印象だった。

こちらは安いきっぷは売り切れてはいなかったので、元々あまり利用者がいないようだった。博多を出る時点でも、指定席は3分の1も埋まっていない混雑度で、二人並びが両方とも空いている席が同じ車両のなかで4つもあるほどだった。人がいるところも、家族・知人での利用で3か所ほどが二席並びで埋まっていた以外は、一人利用者が二席を占拠していた。
ところが、なぜか自分の隣席にだけ、別の人が座ってきた。それどころか、韓国からの海外旅行者らしく、デカいスーツケースを足元に置くものだから、足がはみ出してきてきつい。韓国人だから日本語は通じない(小倉で座席を回転させるのも説明が大変だった)し、どうしようもない状況だった。
どうも自分は、昔からこういう貧乏くじを引きやすい。それにしても、かなり空いている車内なのに、この席配置は何とも納得がいかない。自分が座席指定をしたときは、隣は空席だったし、自分で座席指定を出来るのだから、これだけ空いているなら、隣がいない席を選ぶこともできるはずだ。小倉辺りで降りるならまだしも、手に持っている切符を見ると別府までの客で、ずっと狭っ苦しい状況になりそうだった。

数駅停車してもほとんど利用は増えず、連席で空いているところも含め空席は多数空いたまま。そこで、検札の際に車掌に、席を移ったらダメか聞いてみたら、「満席だから無理」だという。
しかし、小倉で出入りはあったものの、最終的には利用者は半分ぐらいまで増えた程度。博多から2席並びで空席だった所のうち2つは最後まで客は来ずじまいだった。乗車していた半数程が入れ替わった小倉以降も、隣に他人が来た人は、20か所位の組み合わせがある中、自分以外はたった二組だけという、不満の残る乗車になってしまった。

駅からは実家へ向かい、20時頃には着くことができた。

201904f.jpg
博多駅からはソニックに乗りかえ。車内は少しガタが目立った印象だった。883系は自分が若かった登場当時はカッコええ電車の代名詞で、早く乗りたくて堪らなかったんだけどなあ。


■今日の教訓!
[羽田]余裕があれば国際線からエプロン見学を楽しもう←いつもと違う角度から空港を眺められます。
[羽田]サテライト・ボーディングステーションに行けるかは運次第←割り当てられている便数も少ないです。
イベントあると混雑ひどい←行く先でイベントないかはよく調べた方が吉。
[熊本]隠れくまモンを探そう←隠れてないのもいっぱいあるので、どれが隠れなのかは不明、、、。
[熊本]大津に行くなら無料の空港ライナー←便利です。
[熊本]中心部に行くならバスの停車停留所を調べよう←系統別のページしかないので少し手間です。
JR九州は割引運賃で←ネット予約でおトクに行こう。

■実際の旅程
04/20 SAT
自   宅05:00(京急線等)→06:00[東京国際空港]
[東京国際空港]08:20(ANA641便)→10:05[熊本空港]
[熊本空港]12:30(空港ライナー)→12:45肥後大津駅
肥後大津駅13:00(JR九州 豊肥本線)→13:35熊 本 駅
熊 本 駅15:10(JR九州 九州新幹線 つばめ328号)→15:57博 多 駅
博 多 駅17:19(JR九州 日豊本線 ソニック43号)→19:35大 分 駅
大 分 駅19:45(自家用車)→20:00実   家


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2019年04月19日

席で左右された快適旅(旅行前)

※2019年5月にアップした2019年4月の旅行記です。
旅行前1日目/2日目(旅行無)/3日目旅行後

■2019.04 東京国際・熊本・福岡・静岡の旅行前

■鉄道+飛行機利用でたくさんの空港へ
今回は21日日曜日に、実家のある大分へ用事で行くため、月曜も休みを取って、ついでに空港見学してくることにした。
20日に東京を出発し、22日に東京に戻る行程だ。

21日の用事を済ませられれば良いので、20日昼便で東京国際(羽田)→大分、22日昼間に大分→羽田で良いんだろうけど、大分空港は前回訪問時から大きな変化はなく、見学は不要。そこで、それほど追加費用がかからない範囲で別空港を経由することにした。

検討したのは2か月前で、便は選り取りみどりだったので、出来るだけ安く、色々回れる行程を組むことにした。
東京と大分の周辺にある空港だと、福岡が、昨年南側が新ターミナルに移行し、さらに3月下旬にアクセスホール新設が確定していた。このため、福岡は確実に利用することにした

旅行時期は、青春18きっぷが使える期間ではないので、鉄道移動だと普通運賃での利用になる。
JRの普通運賃は100キロ以上のきっぷなら途中下車できるから、東京-大分間で、静岡、中部国際、名古屋、大阪国際、関西国際、八尾、神戸、岡山、広島、岩国、山口宇部、北九州 位は寄り道しやすい。しかし、この距離になると、鉄道は値段が高い(普通に2万円程度かかる)。さらに少しでも安くしようとおトクなきっぷを活用すると、区間・列車指定のもののが多くて途中下車できない。特に本州側の新幹線はたいしておトクなきっぷがなく、鈍行は関西圏と名古屋前後以外は鈍足で時間がかかりすぎる。航空では安い運賃がバンバン出ているし、鉄道を長距離利用して大分に向かうのは難しい状況だった。

そこで、鉄道オンリーは止め、「飛行機直行」か「鉄道+飛行機利用」で考えることにした。


■行きは熊本、帰りは静岡を経由へ
まずは単純に大分空港を発着で検討。
この場合、利用できる直行空港は、成田国際、羽田、中部国際、大阪国際しかない。電車でどれかの空港に向かい、そこから飛行機で大分となる。
この中では、中部がギリギリ。鉄道区間の距離がやや長いが、鈍行でも朝イチに出れば夕方の飛行機には間に合う。値段も七千円程度でギリギリだ(新幹線は値段が高いから実質的に対象外)。

九州側を福岡発着にしてみると、選択肢が広がる。直行している空港が多いためで、百里や静岡、松本等も視野に入ってくる。新潟や金沢、仙台辺りも、なんとかなりそうには見えるが、鈍行だとそこに行くまで時間がかかる上に鉄道運賃もあまり安くない。東海道と同じく新幹線だと値段が高く論外だ。
できるだけ、飛行機直行の時より、前後の鉄道部分を五千円程度(最大一万円程度まで)のプラスで収まる範囲になる空港を探した

マイラーなら、だったら羽田→ソウル→福岡なんてどう?なんて言う人もいそうだが、そもそも片道一区間以上乗る飛行機乗り継ぎだと値段がグッと上がる。そんだけ金があるなら、どういう経路で行くかなんて全く悩む必要はなく、行けるときに日帰りで、行きたい空港に飛んでけばいい。いかに効率よく、いかに割安で行けるか、それが平民の毎回の悩みどころなのだ。
東京-大分(あるいは福岡)間でどこかを経由して行く場合、唯一、ダイナミックパッケージで時々安い運賃が出ることはあるので、今回も検討はしてみたが、先に結果を言うと条件が合わず、採用できなかった。

東京側の空港を変えることばかり書いてきたが、九州側で別空港を利用を考えることもできる。ありがたいことにJR九州内は特急利用でも安い運賃があるので、福岡に加えて、北九州、熊本、佐賀、長崎、宮崎も候補にできた。

色々検討した結果、往路は羽田→熊本と飛び、熊本→大分は鉄道移動。復路は大分→福岡を鉄道で、福岡→静岡を飛行機、島田→東京を再び鉄道利用することにした。


■九州新幹線とフジドリームエアラインズに初めて搭乗へ
<往路>
羽田発はそのままで、九州側を別空港にするパターンを採用した。
北九州、福岡、熊本、佐賀、長崎、宮崎が候補だったので、まずは前回訪問時以降の変化状況から候補の絞り込んだ。

 北九州:国際線就航会社が増えた程度。
 福岡:改修の真っ最中で大きく変化。
 熊本:震災→復旧。
 佐賀:愛称が変更した程度。
 長崎:ほぼ変化がない。
 宮崎:愛称変更に加え増築が完了。

各空港の変化は、ざっくりこんなところだった。

変化した空港を中心に検討したら、最後は熊本と宮崎の比較となった。
鉄道運賃を調べてみたら、宮崎→大分間のおトクなきっぷは運賃が意外と安くなく、一方で熊本→大分間は、熊本→博多(新幹線)+博多→大分(特急)でそれぞれ二千円台の割引きっぷがあったため、今回は安く済む熊本に寄ることに決定した。
羽田-熊本と羽田-大分は最安値は同じ値段。熊本の場合、そこに六千円程度の電車賃が加わるだけで抑えられた。

で、往路の飛行機は、熊本着が昼くらいで良い。東京側を成田発にすることもできたが、すんなり羽田→熊本についてANAの朝便で一万円ほどの安い運賃が確保できたので、それにした。ボーディングステーションやサテライト棟が出来てから羽田の第二ターミナルを出発で利用していなかったから、その見学も兼ねての羽田発はベストな選択だった。
熊本からの電車は初めての九州新幹線乗車になることが決まった。

<復路>
往路で福岡を利用しないので、福岡発の航空便を検討した。単純に羽田直行か、LCCで成田か、スカイマークで百里(茨城)か、フジドリームエアラインズで松本or静岡or名古屋、大手で中部への飛行が候補となった。

このうち名古屋は昨年も訪れたので早々に脱落。成田もあまり変化はなく、関東地方にあって正直いつでも行けるのでパスした(LCCも一万円弱で意外と値が張っていた)。
で値段の比較だ。静岡と中部は、福岡線の飛行機が一万三千円程度でほぼ横並び。一方で松本は航空券代が一番安くても一万八千円程度と出た(羽田線より高い、、、)。そこで松本は脱落し、最後は中部と静岡の比較になった。
中部は路線数・便数が多いから、那覇帰りに中部経由にするとか、国際線利用の際に寄り道するとか、今後立ち寄るタイミングが静岡より中部の方が断然多そうだ。電車賃も静岡の方が安く済むし、今回は静岡経由に決めた
博多から福岡まで2千円台、静岡から東京まで3千円台、だいたい6千円程度のプラス。飛行機は羽田便とほぼ変わらない値段だったので、電車賃分がほぼ丸々プラスとなった。

復路の飛行機は、静岡行きを朝二便目で予約した。福岡-静岡線は1日四便。このうち朝イチ便だと、大分で始発の電車に乗って行っても福岡空港見学時間があまり確保できない。後の二便だと、静岡到着は夕方〜夜になるため、今度は静岡空港見学時間が取れない。よって、自動的に朝二便目利用となった。福岡空港には8時頃には着ける行程とし、11時台の出発まで三時間ほどの空港見学時間を確保した。


■ダイナミックパッケージ乗り継ぎ便は泣く泣く断念
今回は、結果として往復別々でチケットを取ったが、一応、往復利用のダイナミックパッケージ乗り継ぎ便も検討した。
単純な羽田-大分間の場合、伊丹乗り継ぎしかない上に値段が高かったので断念した(直行便が「安◯====高」に対し、伊丹乗り継ぎは軒並み「安◯◯◯◯◯高」だった)。
九州側を変えて、羽田-福岡間とすると、ANAは伊丹乗り継ぎのみ(値段は高)、JALは伊丹乗り継ぎに加え徳島や高知乗り継ぎが出てきた。JALのものは「安◯◯===高」で、値上がりは小幅に収まっていたものの、乗り継ぎ時間が一時間程度しかなく、見学するには短い。徳島、高知ともに前回利用からかなり時間が経っているので魅力的ではあったものの、自動的に付いてきてしまうホテルにチェックイン・アウトするのも面倒だし、安いホテルは黒崎周辺ばかりで途中下車しなければならず、格安乗車券が実質的に使えなくなるので、今回は活用を諦めた。

さらに、実は福岡-静岡線よりも、北九州-静岡線の方が安い運賃が出ていたので、本当はそちらを利用したく、検討していた
北九州-静岡線はちょうど就航してから1か月も経っていないこともあり、一万円を切る運賃が出ていて、運賃は申し分なかったのだ。大分に行くなら、福岡より北九州の方が電車賃が安いし、当然断トツの第一候補に躍り出ていたのだが、ダイヤは空港見学する自分にはダメダメだった
静岡-北九州線は、夕方〜夜にかけての一往復となっている。往路の場合、北九州到着は17時過ぎ。すぐに空港を出ても、大分到着は20時位になる。普通の人なら、これで何の問題無い。しかし、自分の場合は北九州空港到着後に空港を見学するので、見学をしていたら大分到着は夜遅く深夜になってしまう。欠航時の振替も、新幹線でギリギリ終電に間に合うだけで飛行機振替が難しいので、かなりリスキーだった。
一方の復路も、静岡着が19時過ぎ。東京への終電に間に合うかも微妙だし、大きく変化した静岡空港のターミナルを見学している暇が全くない。これでは利用を諦めるよりなかった。
新規就航路線で(今後二度と出ないであろう)格安運賃なので、非常に興味はあったものの、この路線の活用は諦めざるを得なかった。


こうして行程が決定。
初日(20日)は、ANAの朝二便目(ANA641便)で羽田→熊本と飛んで、熊本空港を見学。その後熊本駅まで移動し、九州新幹線の熊本→博多(つばめ328号)、日豊本線特急の博多→大分(ソニック43号)と乗り継ぐ
二日目は野暮用を済ませる一日。
三日目(21日)は、朝イチの日豊本線特急で大分→博多(ソニック2号)と移動。福岡空港見学後、二便目の静岡行き(FDA144便)で福岡→静岡と飛行。今度は静岡空港を見学して、15時頃静岡空港を出発。島田から鈍行乗り継ぎで東京まで戻る行程だ。最後東京到着は21時位という行程になった。

アクセスの予約(航空)
航空券は、約1.5か月前に予約した。
往路は、羽田→熊本の利用。
検索したら、ANA独自運賃である「ANA Discover JAPAN Fare」が一番安かったのでそれで確保。往路の熊本便は意外と混んでいたうえ、安い運賃だからか、座席指定はほとんどできない状況だった。
復路は、FDAの独自運賃である「バースデー割」が最安値。牡羊座の自分はちょうど対象になっていたので、それで予約した。

宿泊の予約
今回は、実家の用事ではないのだが、実家に泊まれるため、宿泊施設の手配は不要だった。

現地移動の予約(鉄道)
飛行機以外の移動は鉄道だ。
往復路とも、JR九州区間は、新幹線・特急利用のおトクなきっぷがあり、それで確保した。事前購入限定の割引きっぷ利用のため、1か月前の発売開始と共に予約。いずれも事前に列車の指定が必要だった。
往路は、熊本→大分というおトクなきっぷはなく、博多で分割しての購入とした(熊本→小倉、小倉→大分と小倉分割もできるが、値段がグッと上がるので断念)。このうち、熊本→博多間は「つばめ限定!九州ネット早特7」を活用。熊本空港到着が10時頃で、熊本空港見学に二時間、熊本空港→熊本駅間は一時間位と考えていたので、13時台に熊本駅を出る新幹線が最適なはず。発売日に予約を狙ったものの、満席で撃沈し、結局15時台のつばめになった。熊本空港→熊本間はバスでも電車でも、予約は不要なので、現地確保だった。
続く区間の博多→大分間は特急ソニックの割引運賃。7日前迄の割引運賃の設定はなく「ネット早特3」のみだった。こちらは空席だらけ。つばめからの乗り継ぎを考慮して、博多での乗り継ぎに少し余裕を見て17時台に博多を出る特急とした。

復路は、福岡空港の見学時間を出来るだけ長くとりたかったので、大分からの電車は、朝イチのソニック2号を「ネット早特3」で予約した。
静岡に着いたあとの、静岡空港→東京は、空港のアクセスバス+鈍行利用で予約は不要のため、現地購入だった。

色々悩んだものの、早めの予約で確保ができ、ゆっくり出発日を迎えられた。
■ここまでの教訓!
ANAは旅割よりもANA Discover JAPAN Fare←高い値段の時もあるのでしっかり比較しよう。
FDAはバースデー割を活用しよう←FDAは運賃高め。その中でもオススメです。
就航直後は運賃狙い目←安い運賃がよくあります。
九州はネット予約チャーンス←大都市間なら安い運賃がゴロゴロです。

■今回の予定旅程
04/20 SAT
自宅05:00(京急線等)→06:00[東京国際空港]08:20(ANA641便)→10:05[熊本空港]12:00(空港ライナー)→12:15肥後大津駅12:36(豊肥本線)→13:08熊本駅15:10(九州新幹線 つばめ328号)→15:57博多駅17:19(日豊本線 ソニック43号)→19:35大分駅19:45(自家用車)→20:00実家
04/21 SUN
(旅行なし)
04/22 MON
実家05:00(自家用車)→05:15大分駅05:18(日豊本線 ソニック2号)→07:49博多駅07:54(福岡市地下鉄)→07:59[福岡空港]11:10(FDA144便)→12:35[静岡空港]15:25(富士山静岡空港アクセスバス島田線)15:50島田駅16:04(JR東海 東海道本線)→18:00熱海駅18:11(JR東日本 東海道本線)→19:39横浜駅19:45(JR東日本 京浜東北線など)→20:45自宅


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2019年02月08日

富士を眺めに大島へ(旅行後)

※2019年2月23日からアップした2019年2月上旬の旅行記です。
(2月23日富士山の日特別企画)今回は富士山が関わる旅行記です。

旅行前1日目2日目/旅行後

■2019.02 大島の旅行後

今回の空港訪問では、割れ目火口から富士山と空港を絡めた写真の撮影に挑戦しました。大島空港からは、日本一の山、富士山がきれいに見えました。そこで、今回の旅行後は、富士山が見える空港を取り上げます。

■富士山が見えるエリアにある空港
まずは、空港から富士山が見える空港を挙げてみます。
日本地図センターが提供している「地図インフォ」のなかの「富士山ココ」で調べられます。

静 岡◎:北東 方向 約 80キロ
調 布◎:南西 方向 約 80キロ ☆
大 島◎:北西 方向 約 85キロ
羽 田◎:西南西方向 約 95キロ ☆
神津島×:北北西方向 約135キロ
成 田◎:西南西方向 約155キロ ☆
茨 城△:南西 方向 約175キロ ☆(ギリギリ)
☆はダイヤモンド富士可視範囲

◎はターミナル(展望デッキ)から視認可能
△(茨城)はターミナルから見えるはず(詳細未確認)
×(神津島)はターミナルからは視認不可(地形でそもそも不可)

空港領域から富士山が見える空港は、関東・東海にある7空港でした。
神津島を除く6空港は、「地形的には」空港領域のほぼ全域から富士山が見えるはずです。
神津島は、富士山方向に地形の高まりがあります。空港領域のうちターミナルなど一般者が入れる場所からだと、その高まりに隠れて富士山は見えませんが、滑走路の西端側は富士山が見えると思われます。
茨城は、ターミナルからだと富士山方向に林がありますし、ターミナル地区の反対側からは百里基地の塀の区間が多いので、空港を通して見える場所があるのかよく分かりませんでした。

新島、三宅島、八丈島、松本辺りは見えそうな距離にありますが、空港からは手前の山などに隠れており、地形的に見えません。
新島は大島と神津島の間。距離的にはよく見えそうですが、富士山方向に宮塚山があるため見えません。空港領域の西端部は、富士山方向が山の切れ目ギリギリ見えない位置に当たります。

今回訪問した大島は、唯一、ターミナルから海越しの富士山を眺められる空港でした。

201902m.jpg
今回、都道207号線(三原山登山道路)の大丸山付近から撮影した、大島空港と相模湾、富士山。
大島空港からは宝永山が真正面になるので左右が対称の美しい形に見えます。
この時期に雪が造る模様は「日本一」な感じ(漢字)に見えますね。(「本」の部分が宝永山)



■静岡空港は最寄り空港ではない?
富士山が見える最も有名な空港は静岡空港(富士山静岡空港)でしょう。
愛称に「富士山」が付き、3レターも富士山に由来する「FSZ」を採用するなど、富士山推しの空港です。ターミナルの造り自体を富士山方向に向け、館内には富士山の展示もあるなど、富士山第一に考えており、展望デッキからは、正面に麓の方まで美しく稜線が伸びた富士山を拝むことができます。
7空港の中では、唯一東方向に富士山が見える空港となっています。
静岡空港は、富士山のある静岡県の玄関空港であり、名実ともに富士山な空港なのです。

しかし、富士山に最も近い空港かどうかは、実は微妙です。
静岡空港から富士山までは約80キロなのですが、同じく約80キロの距離に、東京都の調布飛行場があるのです。

距離が同じですから、静岡空港と調布飛行場で見える富士山は同じような大きさで見えるはずですが、調布は富士山が見える空港としては、あまり目立ちません。
その理由は富士山の見え方。
調布のターミナルからは残念なことに周囲の建物に富士山の一部が隠れてしまいます。しかも、調布から富士山を見ると、手前の丹沢山系に下の方が隠れて富士山の上の方しか見えません。一般的に日本人がイメージする千円札のような末広がりな富士山に見えないので、注目されていないようなのです。

関東は平野が広がっており、富士山の可視範囲はかなり広いです。富士山と筑波山を結んだ線上辺りの関東平野(埼玉県〜茨城県)から見る富士山は、すそ野の方まできれいに見えますから、関東人でも、末広がりの富士山を見慣れている人は多いです。神奈川や多摩地区に住んでいる人なら、上の方だけ見える富士山でも親しみを感じるでしょうが、調布から見える富士山は、多くの関東人にとっても、ちょっと期待外れな感じの富士山眺望になってしまっているのです。

ちなみに、今回訪れた大島は、日本の空港の中では、富士山までの距離が3番目に近い空港でした。ただ、静岡、調布との距離の差は5キロ程度なので、見た目の大きさはほぼ同じ。今回は、断然美しい富士山を拝めました。
海越しで、かつ、すそ野の方まできれいに見える大島空港からの富士山は、「空港から見える富士山眺望日本一」と言っても過言ではないでしょう。

201902p.jpg
富士山静岡空港では、日本で最も富士山までの距離が近い空港の”ひとつ”ですが、実は私は、これまでの訪問で富士山が見えたことがありません、、、。写真は石雲院展望デッキから滑走路を見たところ。富士山が見えると書いてあるのですが、、、。



■首都空港からも最高峰が見える
東京国際空港(羽田空港)も富士山が良く見えるとして有名です。
富士山静岡空港や大島空港もありますが、日本人の多くが想像する「富士山が見える空港」と言えば、羽田空港でしょうか。この空港は富士山からギリギリ100キロ圏内に存在しています。

小さな国であれば普通ですが、広い国で、首都空港からその国の最高峰が見えるのは非常に珍しいことです。富士山の美しさは、世界的にも知られており、訪日外国人が、最初に降り立つ羽田で富士山を眺められるのは、興奮物でしょう。

関東は、空気が澄む冬期に快晴のことが多いので、目視できる日数が多いのも特徴のひとつです。調布と同様に羽田からも手前に丹沢の山々が存在しますが、調布よりは少し下、雪をかぶる範囲ぐらいまでは見ることができます。しかも、左側のすそ野は丹沢の山の傾きとちょうどかぶっており、なんとなく、すそ野の先の方まで見えているように錯覚してしまうのも羽田からの富士山眺望の特徴です。
関東圏の空港からの富士山は西側に見えるので、トワイライトタイムの夕焼け富士はかなり美しいです。羽田は、ダイヤモンド富士も見える位置にあるので、飛行機と日没のダイヤモンド富士を絡めた撮影も可能です。

羽田には国際線旅客ターミナルに富士見台がありましたが、現在は増築で消滅(富士見台自体は残存していますが、増築で建物ができてしまい眺望が遮られました)。さらにターミナルの西側にホテルの建設が始まり、国際線旅客ターミナルからは見えづらくなってしまいました。
良く見えるのは、国内線第1旅客ターミナルの展望デッキからで、国際線旅客ターミナル越しの富士山を見られます。

もう一つの首都空港、成田国際空港も、第1旅客ターミナルの展望デッキから眺められます。ただし、林越しに上の方が見えるだけのもったいない光景です。
空港南側にある航空科学博物館からは、少し下の方まで見えるので、飛行機と絡めるなら、こちらでとなるかもしれません。

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写真は羽田空港国内線第1旅客ターミナルの展望デッキから撮影した様子。
写真からは見切れていますが、この展望デッキからは、標高が日本第2位の北岳、第3位タイ(正確には第4位)の間ノ岳を含む南アルプス白峰三山も見えます。日本で空に最も近い1、2、3の山々が、日本の空へと向かう場所から見えるという、日本一の空スポットなんですよ。



■飛行場からも見える富士山、ぜひ飛行機で
関東平野であれば、多くのエリアから富士山を眺められます。
空港ではありませんが、関東に存在する民間飛行場(竜ヶ崎、ホンダエアポート)やヘリポート(東京ヘリポート、栃木ヘリポート)なども富士山が見えるエリアにあります。
先月訪問した竜ヶ崎飛行場は、周辺がだだっ広い畑作地帯になっていて「地平線が見える」ともPRされていますが、飛行場入口正面からは、そんな地平線の向こうにあるような富士山を見ることができました。

そして、関東や静岡を発着する飛行機に乗れば、よっぽど天候が悪くない限り、空の上から富士山を楽しめます。雨雲が出ていても、雲の上に突き出る富士山を見られる可能性は高いです。
せっかく空港や飛行場に行ったなら、ぜひ飛行機に乗って、富士山を眺めて見てはいかがでしょうか。美しい富士山を見れば、細かい説明は省略しても地球の鼓動を体感でき、まさに「前略 雲の上より」な富士山を眺めることができますよ。

※富士山が世界文化遺産になった6年前に、富士山と空港の特集を組みました。そちらもご参考に。
 2013.06.25配信 祝!世界遺産登録 飛行機で富士山を見に行こう
 2013.06.24配信 祝!世界遺産登録 空港から富士山を眺めよう!
 2013.06.23配信 祝!世界遺産登録 空から富士山を眺めよう!

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1月に訪問した竜ヶ崎飛行場の入口を振り返ったところ。富士山を正面に見ることができます。薄くて見づらいですが、左から1本目と2本目の電柱の間、少し低くて小さい斜めになっている電柱のすぐ左側に薄っすら写っているのが富士山です。



富士山は日本を代表する自然であり、古来から信仰の対象になってきました。そんな日本を代表する富士山をゆっくり眺めるのも、空港の一つの楽しみ方かもしれません。
結構多くの空港で富士山が拝めることを確認できたところで、今回の旅を〆たいと思います。


ラベル:大島空港
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2019年02月07日

富士を眺めに大島へ(2日目)

※2019年2月23日からアップした2019年2月上旬の旅行記です。
(2月23日富士山の日特別企画)今回は富士山が関わる旅行記です。


■2019.02.07 →(大島 割れ目火口)→大島→(竹芝)→(自宅)

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さあ伊豆大島へ

■岡田港の早朝バスは3台並び
伊豆大島までの夜行便は、竹芝から7時間かかる。復路の所要時間は4時間半なので、速度を落とすとともに大島沖に停泊するなどして2時間半の余裕を見ているようだ。
23時半〜5時半は客室内は消灯されているので、睡眠には快適だった。

船は6時ジャストに岡田港に到着。まだ薄暗い中、岸壁へと降りた。
あまり利用客がいないように見えていたが、大島では50人ほどが降りていた。

ここからは路線バスで三原山温泉ホテルへ向かう。
どこが乗り場かもわかっていなかったが、岸壁を付け根まで進み、ターミナルを過ぎた左側、2番乗り場に3台のバスが止まっていた。

大島バスの公式サイトによると、早朝に着く大型客船の便に接続して「元町港 経由 御神火温泉行」「波浮港 経由 大島町陸上競技場行」「大島公園 経由 温泉ホテル行」の3種類のバスが運行されていると言う。しかし、乗り場も路線図も時刻表も公開されていないので、どこを通るのかは不明で、不安だらけだった。
そもそも温泉ホテルが、三原山温泉ホテルのことを指しているのかも分からない状況だったが、3つのバスの一つの正面表示機には「公園経由三原山温泉」との表示があったので、三原山温泉ホテルで間違いないようだ。

選択肢はほかにないので、とりあえず「公園経由三原山温泉」と出ているバスに乗り込んだ。

※三種類のバスのうち、今回乗らなかったのは、元町方面と波浮方面の二方面だった。
・御神火温泉行:元町方面のバス。大島公園ラインの経路で元町港へ向かい、港から御神火温泉まで運行される。元町港→御神火温泉間が早朝バスのみが通る経路だ。側面の表示機には「大島空港→支庁前→元町港→御神火温泉」と表示されていたので、空港にも寄るようだった。バスは2ドア都市型バリフリ車のものが使用されており、今日の乗客は10人ほどだった。
・大島町陸上競技場行:島南部の波浮方面へ向かうバス路線。島の西側沿岸を通って南部に向かう。元町地区の農協前まではノンストップらしく、そこから先は波浮港ラインと同一経路を取るそうだ。バスは観光バスタイプを使用。今日の乗客は5人ほどだった。


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到着したのは岡田港。岸壁からはまず真っすぐ進む。

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(左)岸壁の付け根まで進むとバスのりばの1番が正面、2番が左奥にある。
(右)早朝は全て2番乗場発。この日は左から御神火温泉行、大島町陸上競技場行、温泉ホテル行。

■温泉に着いたら霧だらけ
三原山温泉ホテル行のバスは、船を降りた人の流れがなくなった6時8分に出発した。
運行ルートは、岡田港から東進し、岡田港〜大島公園間を大島公園ラインと同一経路を経由、その後大島公園〜三原山温泉間はレインボーラインと同一経路を通った。
岡田港から三原山温泉を結ぶ昼間の路線バスは、三原山ラインと呼ばれ、西側から山へと上っていく。早朝バスは、昼間とは全く異なる経路でのアクセスだった。三原山ラインを通ると大島公園を通らないし、実際に乗るまで、どういう経路で行くのかずっと疑問だったのだが、単純に時計まわりに回る特別設定ルートでの運行だった。
バスは中型の1ドア2-2列タイプで、小さな観光バスに乗っている感じだった。

港からバスに乗った乗客は全部で7人だった。
一人が地元民で、途中泉津で降りていた。港から正面の運賃表を見ていたら、岡田港を出た際に泉津、泉津を出た後は、道路上の停留所名が次々出てくるのを運転手がカチャカチャ素早く切り替えてすぐに三原山温泉表示にしていた。運賃表で出てくるということは、ルート上のバス停での途中下車はできるということのようだ。しかし、泉津の利用者は、運転手とは知り合いだったようで事前に降りる場所を伝えていたので、途中のバス停で降りる場合には、事前に運転手に伝えておいた方が確実なようだった

残りの6人は温泉までそのまま乗車。温泉までは、三原山ラインの場合と同じ650円で、6時34分に到着できた。
バスから降りた人は自分以外全員ホテルへと入っていった。早朝から日帰り入浴もできるため、バス利用者以外でも来る人がおり、ちょうどバス到着時に3人組が駐車場に停めた車から降りてきていた。
三原山温泉は三原山の裏砂漠ルートの登山口に当たるが、こんな時期のこの時刻に三原山登山を開始する物好きはあまりいないのだろう。登山客であってもまずは温泉でゆっくりといった感じなのかもしれない。

自分はさっさと山腹噴火口(割れ目火口)へ行き、遠くがはっきり見えやすい朝の光の中で富士山を絡めた撮影をしたかった。この時間はここから先のバスはないので、山腹噴火口(割れ目火口)まで歩きだ。
都道207号線(三原山登山道路)を通って新火口展望台を経由するルートでアクセスした。

※三原山温泉から割れ目火口の撮影地までは、新火口展望台経由の経路と、湯場を経由して旧三原山ドライブウェイを通っていく経路が考えられ、グーグルマップ検索でも両ルートが出てくる。撮影地は割れ目火口の中でも下の方だったのだが、上の方だと勘違いしていた。このため、前者の経路が近いと思い込んでいた。さらに、竹芝桟橋で入手した、町が発行しているサイクリングガイドのパンフで、湯場〜割れ目火口間が通行止との記載があった。湯場の道路が通行止なら新火口展望台側に戻らざるを得ないので、あまり悩まずに新火口展望台経由を選択してしまった。
しかし、後でよく調べてみたら、湯場経由の道路は徒歩なら通行可能。湯場経由なら標高差60メートルほぼ下りで2.8キロ歩くだけで済んでいた。しかも、そもそもバスを一つ手前の湯場三叉路で降りたらほぼ平坦で1.8キロ歩くだけで済んでいたようだ。三原山温泉から新火口展望台経由の経路だと最初の2キロは標高差70メートルの上り坂、後半1.3キロは標高差80メートルの下り坂と上下動も多いきつめのルートだった。


昨日は雨で、今日は昨晩から晴れ予報(ただし午後から雲多めの予報)だったので、朝のうちは空気が洗われて富士山が綺麗に見えることを期待していた。
ところが、三原山温泉を出たら、周辺が霧だらけになってしまった。昨日の水分がまだ乾いておらず、気温が高くなってきたことで霧が出ているようだった。
最初の2キロは、最大10%程度の上り坂が続くなかで、霧のせいで真っ白空間。周辺の風景が見えない中での上り坂は、精神的にきつかった。

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三原山温泉から新火口展望台へと向かう途中は霧だらけ。先が見えない上り坂10%はきつい。

■割れ目火口で待ちぼうけ
新火口展望台には、温泉を出てから30分強で到着。今回唯一三原山の内輪山が見えるスポットだったが、相変わらず霧だらけで、ほとんど見ることはできなかった。

展望台から500メートルほど先の交差点(鎧端)を右折した先に割れ目火口がある。
鎧端からの道路は一気に急な下り坂になっており、1キロ程下ったところで車道はプツリと途切れている。道が途切れるのは、その先が火山噴出物に覆われるからだ。ちょうど車道が途切れた先から割れ目火口の遊歩道が始まっており、割れ目火口の撮影地は、遊歩道をしばらく歩いた先にあった。
撮影地には7時半ごろには到着できた。

※今回歩いた道路のうち、新火口展望台のある三原山温泉〜鎧端間は1986年の噴火から4か月後に開通した新道区間に当たる。ちょうど新火口展望台付近から先は外輪山の尾根を通るルートになっている。
1986年の噴火までは、湯場から割れ目火口の部分を通過し、鎧端を経由して御神火茶屋まで三原山ドライブウェイが通っていた。三原山ドライブウェイは割れ目火口で完全に分断されたために廃止され、現在は町道になっている。鎧端で右折した道路はこの三原山ドライブウェイの一部だ。鎧端付近の交差点は外輪山の尾根部分。ここから外輪山を下るために急な下り坂になっている。


撮影地からは、元町地区から空港にかけての領域を眺められるのだが、霧のせいで薄っすらとしか見えず。富士山はおろか、相模湾より向こう側はほとんど見えない状態だった。
ただ、風が強く霧は少し晴れつつあり、遠方の空は低い雲がかかっているだけで青い空もところどころ見えている。霧が出るときは、霧の上は晴れの時だから、晴れるまで待ちたい。新火口展望台の始発バスは9時43分発だから、最遅で9時までは撮影にチャレンジすることとし、風が通り抜ける寒い中、霧と低い雲が抜けてくれるのを待つことにした。

それにしても寒い。天気予報では、16度まで気温が上がる予報となっていたので、上着のフードを外してきてしまっていた。
風が冷たいうえに強めできつい。昨日竹芝のコンビニで確保したパンで朝飯を食べながら、ちょっとした岩の陰に隠れて霧が晴れるのを待った。

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割れ目火口に到着したのは7時半ごろ。到着した頃は、まだ霧は晴れないままだった。
富士山もまだ見えず、空港も薄くしか見えない状況だ。10年前より草が伸びていた。

■残骸だらけの旧三原山ドライブウェイ
強い風の吹く中45分ほど待った段階で霧が晴れ、富士山も相模湾も伊豆半島もはっきり見えるようになった。
昨日の雨で空気が洗われたのか、見える山々はくっきり。期待していた写真を撮影できた(→成果は大島空港の空港概要ページへ)。

※割れ目火口から富士山方向を望むことができるのは、火口が北西-南東方向に並んでいるからだ。富士山から伊豆大島にかけては、フィリピン海プレートが北西方向に進んでいるため、火口となる割れ目も北西-南東方向に並ぶことになる。そして、その延長上に大島空港があるため、割れ目火口の開けた方向に空港と富士山を同時に見ることができるのだ。
伊豆大島の側火口は、三原山を中心に北西-南東方向に火口が並んでおり、空港がその延長上にあるので、空港周辺にも火口跡(スコリア丘)が多数見られる。
伊豆大島では三原山を御神火として崇めており、昔から観光名所として多くの人が訪れる場所だ。近年は、島をジオパークとして売り出しているが、三原山北西側の割れ目火口から見える富士山と大島空港の風景は、プレートの動きという地球規模の地殻変動を体感できる、まさにジオパークならではの風景でもある。


空港と富士山を一緒に撮影できたので、とりあえず大島の第一目的は完了した。
少し時間を食ったものの時刻はまだ8時半。バスまでまだ1時間以上あるし、ここから空港までは予定通り歩いていくことにした。
新中央航空(NCA)調布-大島便の1便目は10時過ぎ頃に発着と思い込んでいたのだが、ここでNCAのダイヤを調べたら、木曜日は9:10着9:35発らしい。飛行機出発まであと1時間しかない。空港までは約9キロだから走れば間に合うかもしれないが微妙なところ。間に合うかわからないが、せっかく大島まで来たので、飛行機を写すために、無理しない範囲で少し走ってみることにした。

今回撮影をした割れ目火口は、1986年C火口列と呼ばれる側火山の火口群だ。最近の噴火である1986年の大噴火の際に、565年ぶりに起こった側噴火で生じた火口群で、列状に11か所もの火口が並んでいる。ちょうどその火口列の部分を旧三原山ドライブウェイが完全に縦断していた。噴火により、このドライブウェイは完全に分断されたが、その前後はまだ道路が残っていた。

撮影地からは、少し下がると、すぐに遊歩道が途切れ、舗装道路が姿を現した。
この舗装道路、ここから湯場までの間の道路も旧三原山ドライブウェイの跡だ。
サイクリングガイドのパンフでは通行止になっているが、道路に柵などはなく、このまま進んで行けそうだったので、そのまま進んでいくことにした。

※割れ目火口の下側に当たる、遊歩道が途切れた辺りには、1987年の天皇陛下臨幸之跡を示す碑が立っているほか、避難壕、お手洗が整備されている。しかし、避難壕、お手洗とも入口の前が草ぼうぼうで放置されており、実質的に使用できない。1986年の大噴火の後に暫く使われていたようなのだが、三原山温泉から歩いた都道207号線(三原山登山道路)が全線開通した後に役目を終えたようだ。伊豆大島のパンフレットの中には、トイレ有との表示があるパンフもあるが、実質的に用を足せないので要注意だ。

それにしてもこの道路、全く使っている様子がない。落ち葉が堆積し、路面はコケで滑りやすい状態。滑るので坂道は走るのには適しておらず、少しチンタラ歩いたり走ったりを繰り返した。
道端には東京大学地震研究所が数多くの地震計を設置していたので、それなりに人の出入りがあるようだが、当然ながらすれ違う人はいなかった。

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旧三原山ドライブウェイの途中に富士見展望台があった。冬なのに草ぼうぼうでぎりぎり富士山が見える程度(写真中央のうっすら白いのが富士山)。草がなければ空港も見えるそうだが、ほぼ見えなかった。

■ドライブウェイは車両は完全に通行止
湯場までの道は多少の上下はあったものの、ほぼ平坦だった。割れ目火口より山頂側が急坂だったのとは全く対照的だ。
割れ目火口付近は、元々ドライブウェイが一気に標高をあげていく場所なので、傾斜が一気に変わる割れ目火口付近は、地形的にも側火口になりやすい場所だったのかもしれない。

富士見展望台付近では何か所かで、道路に土嚢が列状に積まれていて、車で通り抜けができないようになっていた。
通行止は通行止らしい。

ほとんどの土嚢地帯は路面の一部が見えていたが、1か所道路の端から端まで大きな土嚢が置かれた場所があって、ここだけは歩きの人も土嚢の上を跨がないと通行できなかった。

湯場三叉路の少し手前には撤去済みの料金所跡地があり、交差点直前には、湯場福祉センターだった建物の廃墟が不気味に残っていた。この建物があるあたりが旧三原山ドライブウェイの起点で、下流側が三原山登山道路であることを指す標識も残っていた。
湯場福祉センターがあった場所は、湯場の名称のごとく水蒸気の噴出があって、昔からサウナ状の湯治場があったそうだ。1971年から、宿泊施設も兼ねた町営の湯場福祉センターになり、コンクリ建物が建てられたが、大きくなった施設を補うほどの噴出量がなく、1984年に廃止されている。つまり50年ほど前の建物の廃墟だったようだ。
今回現場で見たときは、1986年の大噴火で廃墟と化したのかと思っていたのだが、それよりも前に廃止になっているということだ。

それにしても、この旧三原山ドライブウェイは、1986年大噴火の重要な遺構とも言えるのではないだろうか。
せっかく人間と自然の関わりを体感できるのに、ほとんど注目されていないのは残念なことだろう。

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旧三原山ドライブウェイの開始点で今来た道を振り返った様子。土嚢が並び完全行き止まりだ。
青標識は、そこより手前側が三原山登山道路であることを指している。
青標識が指す登山道路の区間は未だ正式なようだ。ここからすぐの湯場三叉路では、車が通れないよう柵があるのに、車が入れない山頂側から見える形で、STOP入り止まれの赤三角新標識があった。

■空港までは半分マラソン
湯場三叉路で都道207号線(三原山登山道路)に戻ってきた。ここから空港まではずっと下り坂だ。
ここから空港までは7キロ弱。時刻は8時50分で、走れば何とか9時35分の離陸にギリギリ間に合うかもしれない感じだったので、半分マラソン半分早歩きで一気に空港へと向かった。

休み休みではあるものの、とりあえず走って走って、空港入口には9時35分ピッタリに到着。ちょうどエプロンでNCAの飛行機が出発準備でプロペラを回していたところだった。
ここからもとにかく走って展望デッキへ。
何とかギリギリ滑走路で離陸直前の飛行機を捉えることに成功。前回来た時には見えなかった富士山もまだよく見えていて、なんとか良い感じの写真を残せた。

それにしても走りすぎで疲れ果ててしまった。
調布便の離陸を見た後は、空港内の見学は後回しにして、まずは2階の喫茶で一服。昼飯も兼ねて食事をし、それからゆっくり空港内を見学した。

この後、大島空港では、11時30分着11時50分発で東邦航空(TAL)のヘリコプター定期便(東京愛らんどシャトル)の運航がある。現在の時刻は10時でちょうど便の切れ目だ。
TALの手続きは11時からの開始なので、チェックインロビーでは人が入らない写真が撮れると思っていたのに、なぜかTAL窓口で何やら係員が業務中。さらに、早くも11時50分発の利島行を待つ利用者がいて、うまい写真は写せなかった。熱海・伊東からの高速船かNCA調布便からの乗り継ぎ客なのだろうか、喫茶しか時間がつぶせないターミナルなので、ロビーのベンチでかなり暇そうにしていた。

ターミナルの見学は一時間ほどで完了。ターミナル側からのエプロン撮影は、さきほどのNCA便で済んだので、ヘリ便はターミナル地区の反対側からターミナルを絡めた撮影をすることにした。
空港ターミナルは10時半過ぎに出発。牛と富士山とヘリが絡めた写真が写せないか、ぶらっとハウスを経由したものの、そのような構図での撮影は無理そうだったので、そのまま滑走路の反対側へ。
30分弱道端で待って、やっと到着したヘリコプターの着陸に合わせて撮影を済ませた。

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ターミナル地区の反対側から眺めた空港。こちら側は滑走路とほぼ同じ長さで側道が取り付いているが、このあたりのみ側道が少し高くなっていて、唯一空港を眺められる。三原山をバックに空港ターミナルを写る構図の写真が撮れる。

■港湾ターミナルは未就航日も空いている
ヘリ便の撮影を済ませたのが12時前。船の出発までは、まだ2時間半ある。
ヘリ便は利島に行った後、12時15分には大島空港に戻ってくるが、大島空港の撮影は完了しているので、もう大島空港にいる必要はない。そこで、競合する航空便と船舶便を比較すべく、空港ターミナルと港湾ターミナルでどちらが快適かを確認するため、元町港の船舶旅客ターミナルを見学しにいくことにした。

元町港13時30分発の路線バス大島公園ラインに乗れば、岡田港には14時前には着ける。元町港の見学時に30分かかるとすれば、13時位までに元町に着ければ良い。空港から元町までは5キロほどで、ちょうど良いバス便もないので、そのまま海岸沿いを歩いて向かった。

元町港には12時45分頃に到着した。
元町港の船舶旅客ターミナルは天井の非常に高い建物で、かなり広々としていた。ほぼロビー空間で、利用者が集中した時には、充分な収容量がありそうだ(今日はほぼ誰もいないのでガランという音が聞こえてきそうだった)。
今日は元町港を発着する船舶便は1便もないが、船舶旅客ターミナルはしっかりオープン。東海汽船の窓口も開いていて、案内は行われていた。一方で、売店や飲食店は未就航の日は閉店となるらしく、全店シャッターが下りていた状況だった。閑散とはしていたものの、何人か利用者の出たり入ったりがあり、大島公園ラインのバス待ち客も見られるなど、拠点施設としてしっかり機能しているようだった。

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「岡田港」という大きな文字が目立つが、今日の船便の出航地を示しているだけで、ここは元町港。島の中心地にある港だが、今日は出航していないので閑散としていた。

■新ターミナルに移行した岡田港
元町港からは13時30分発の路線バス大島公園ラインで岡田港へと向かった。
バスには元町港からは5人が乗車したが、その全員が岡田港で下車。途中の停留所で乗降はなく、完全に港間を結ぶためのバスルートになっていた。

岡田港では、旧ターミナルが閉鎖されて中に入れなくなっており、代わりにきれいなターミナルが整備されていた。
家に帰ってから調べてみたら、新ターミナルは、なんと訪問した2月7日に使用開始になったばかりだった。当日ターミナル内でなんだか写真撮ってるオタクが多いなあと思っていたら、そうではなくて、ほんとに珍しくて撮影していた人が多かったようだ。
東京都知事も参加した記念式典は、既に5日にされていたそうで、当日はお祝いムードが全然なかったけど、何も知らずに初日に使用していたとは、、、。
空港ターミナルではないけれど、珍しい旅客ターミナル記念日に立ち会えたようだ。

この新ターミナルは、津波避難施設を兼ねたもの。最上階の展望デッキは、災害時には避難スペースとなり、食料などの備蓄倉庫も整備されていた。

復路の大型客船は、神津島から新島、利島に寄ってから大島に到着する。到着客が結構降り、大島から乗る人はあまりいなかったため、船内は往路以上にガラガラだった。
最終的に竹芝で降りたのは40人ほどしかいなかった

大型客船の大島→東京間は4時間半と往路よりかなり短い所要時間だ。しかし、これも距離からすると時間がかかりすぎ。その原因は、東京湾内では長さ50メートル以上の大型船は航路航行義務があり、航路では12ノット以下で運航することが義務付けられているため、普通に運航した場合より時間がかかっているためだ。
東京湾の入口に当たる久里浜沖までは2時間程度しかかからないから、ここで下してもらえれば、都内へより早くアクセスできるが、大型客船はノロノロと竹芝までノンストップで向かうことになる。その代わり、高速船ジェットフォイルは久里浜経由や館山経由(館山は期間限定らしい)が運航されていて、選択肢が多く用意されている。
ちなみに、伊豆大島を大型客船より後から出発する高速船は、竹芝までの所要時間が約2時間だ。大型客船は途中で追い抜かれ、高速船の方が1時間半早く竹芝に着ける。今の時期は神津島、新島、利島からは大型客船しかないから、神津島方面から大型客船に乗り岡田港で降りた乗客の中には高速船に乗り継いだ人も多くいたのかもしれなかった。

竹芝には予定通り19時に到着。帰宅ラッシュで混雑した下り線の電車で家へと戻った。

それにしても、レンタカーを借りて回ればいいのに、格安に済ますことだけ考えて、ずっと歩いてばかりだったので、歩き疲れるだけ歩き疲れた空港訪問となってしまった。

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岡田港を船上から眺めた様子。背後は急な崖になっているのが分かるが、そのおかげで風がさえぎられた天然の良港になっているようだ。正面に見える三角屋根が旧ターミナルで、左に見える高い建物が新ターミナル。


■おまけ:岡田港新ターミナル
ということで、せっかく供用開始日に岡田港の新ターミナルを利用したので、ちょっとだけ内部を公開!
個人的にはもう見ることができない旧ターミナルの内部を見たかったけど、、、。一日間に合わずでした、、、。

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新ターミナル全景。オシャレなガラス張りだ。津波避難施設なのに割れやすいガラス張りで大丈夫?

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(左)1階待合所。チェックインロビーで吹抜は高い。
(右)1階出札窓口。一番手前は観光協会窓口。

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(左)2階大島交流施設。何も使える広い空間。2階は吹抜を挟んだ反対側が狭い通路状の空間になっていて、椅子が並ぶ待合スペースになっている。
(右)4階屋上。実質的な展望デッキだが、施設名は津波避難スペース。

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(左)飲食店は3階に1店舗がある。飲食スペースは自由な感じ。
(右)飲食店脇には畳スペースもあった。

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売店は2階に1店舗が出店。みやげ物は、大体のものが手に入る。

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(左)旧ターミナル外観。(右)旧ターミナル内部をのぞいた様子。


■今日の教訓!
[伊豆大島]港は岡田か元町←当日朝に利用港が決まります
[伊豆大島]早朝バスは3経路←島の南東側以外はほぼ行けます
[伊豆大島]早朝登山は三原山温泉から←早朝バスは山頂口には行かないです
[大島空港]海の向こうの富士山見よう←デッキや搭乗待合室から眺められます
[伊豆大島]バスダイヤに要注意←船舶便の発着に合わせてダイヤが変わります
[伊豆大島]岡田港は新ターミナル←2月7日にオープン!

■実際の旅程
02/07 THU
(東海汽船大型客船さるびあ丸)→06:00大島岡田港
大島岡田港06:08(大島バス)→06:34三原山温泉
三原山温泉06:35(徒歩 3km)→07:30山腹火口
山腹火口 08:30(徒歩 9km)→09:35[大島空港]
[大島空港]10:30(徒歩 7km)→12:45大島元町港
大島元町港13:30(大島バス)→13:47大島岡田港
大島岡田港14:30(東海汽船大型客船さるびあ丸)→19:00竹芝桟橋
竹芝桟橋 19:30(徒歩 1km)→19:45浜松町駅
浜松町駅 19:45(JR京浜東北線等)→21:00自  宅


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